チーム医療のよくある課題|成功のカギは、他職種への理解とICTの活用

2024年12月03日(火) DX

医療業界で質の高いケアを実践するために重要視されているのが「チーム医療」です。チーム医療とは、医師・看護師・薬剤師・医療事務などが連携して、患者さんのケアを分担する取り組みのことを言います。多職種が適切に連携するためには、情報共有やコミュニケーションが欠かせないものの、日々複雑化する医療業界で連携のために時間を割くのは簡単ではありません。

この記事では、チーム医療の実現を目指すうえでよくある課題を紹介します。職種ごとの役割や、連携のポイントをおさえて、より質の高い医療サービスの提供を目指しましょう。

そもそもチーム医療とは

チーム医療とは、医師・看護師・リハビリ職・薬剤師・栄養士・医療事務など各専門分野のスペシャリストが患者さんのケアを分担して行う体制のことです。2010年に厚生労働省によって推進されはじめました。

従来の医療では、医師によるトップダウンな体制が主流でした。医師がいなければ治療やケアが行えないことが課題となり、より質の高い医療を提供する方法としてチーム医療の考え方が広まりました。

現在は、総合病院や介護施設では専門科を越え、チーム体制で患者さんのケアに取り組んでいます。また、内科や歯科・耳鼻科などかかりつけ医としての役割を担うクリニックでも、院内の医師や看護師・医療事務などが連携して患者さんのケアに取り組むことをチーム医療と呼んでいます。

チーム医療に大切な4つの要素

チーム医療を実践するために大切な考え方として、「専門性志向」「患者志向」「職種構成志向」「協働志向」という4つの要素が挙げられています。

・ 専門性志向:職種ごとに高度な専門性を持つこと

・ 患者志向:患者さんを中心にチーム体制を組むこと

・ 職種構成志向:複数の職種が医療に関わること

・ 協働志向:どの職種も対等な立場だと認識し、尊重しあいながら協力すること

チーム医療でよくある課題

チーム医療の考え方は広まっても、実践するとなると難しさを感じるケースも多いようです。チーム医療が上手くいかない理由として、以下が挙げられます。

チーム医療の目的が共有されていない

チーム医療の目的は、患者さんに質の高い医療を提供することです。しかし、質の高い医療とは何かを客観的なデータで示すことは簡単ではありません。

医療の質を図る指標・QI(Quality Indicator)は厚生労働省や全国規模の医療法人などで作成されていますが、項目数が膨大で、患者さんに直接アンケートを依頼しないかぎり分からない要素も含まれています。そのため、患者数が多く規模も小さいクリニックなどで実践するのは現実的ではないでしょう。

各職種が担う役割への理解が不足している

医療従事者は自分の専門分野に関する深い知識はあっても、他の医療専門職の仕事について知る機会は限られています。専門外の内容についての知識が不十分だと、チーム医療において適切な分担がしづらく、連携が上手くいかない可能性も高いでしょう。

情報の連携方法が整備されていない

電子カルテの普及により、ICTを活用した地域での医療情報連携が進みつつあります。一方で、病歴など医療に関わる重要な情報は個人情報保護法によって規制されていて、外部と共有するためには患者さん本人の同意が必要です。そうした背景から、医療施設や職種の垣根を越えた情報共有が十分に進みづらいのが現状です。

チーム医療での主な職種の役割

チーム医療の実践を円滑に行うためにも、まずは他の職種の役割をおさらいしましょう。ここではチーム医療の基本的な構成要素である、医師・看護師・薬剤師・医療事務の役割を紹介します。

医師の役割

医師は患者さんを診断して、治療方針を決定します。チーム医療においては、チーム全体へ適切な指示を出し、各職種がチーム医療を円滑に行うための環境を整備することも医師の役割です。

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看護師の役割

看護師は、診察・治療のサポートや、患者さんの療養生活の支援などの幅広い役割を担っています。チーム医療においては、有床病棟での患者さんやその家族にとっても身近な存在として、医師や各専門職への橋渡しすることが看護師の役割です。

薬剤師の役割

患者さんへの薬の情報提供や、薬が正しく効果を発揮できるよう服薬指導を担っています。チーム医療においては複数の医療機関の処方箋を確認し、重複処方や不適切な飲み合わせが発生しないよう管理するのが薬剤師の役割です。

医療事務の役割

医療事務は、医療機関の顔としての受付業務と、健康保険やスタッフへの報酬とも密接に関わる会計業務を行っています。無床のクリニックではとくに、患者さんと医療スタッフをつなぐ橋渡し的な役割を担うのが、チーム医療における医療事務です。

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チーム医療における多職種連携のポイント

実際にチーム医療を進めるにあたって、具体的にどんな取り組みを行ったらいいのでしょうか。ここでは、多職種連携のための具体的なアイデアを紹介します。

専門的なナレッジをオープンにする

各職種のノウハウや薬についてのナレッジなどを、職種を超えて共有することが重要です。他職種のナレッジを学ぶことで、互いの専門性への理解を深められ、患者さんのサポートに役立ちます。そのうえ、ナレッジが体系化されることで、新人教育を効率化できる効果も期待できるでしょう。

ICTを活用した情報共有

日々進歩し複雑化する医療業界においては、情報のフレッシュさが重要です。共有するナレッジは常に最新の情報へと更新することで、より高度な医療を実践できるでしょう。チーム医療での情報共有には、随時更新でき、検索性が高いクラウドツールを活用するのがおすすめです。

ICTを活用した多職種連携の成功事例

「医療法人フェネスト 歯科タケダクリニック」での、クリニック内での多職種連携の事例を紹介します。

東京・埼玉で12の歯科クリニックを展開する同法人では、新人向けの紙のマニュアルを何冊も作って、各クリニックに設置していました。マニュアルは長年の新人教育の経験を活かして、新人が疑問を感じたり、つまずきやすかったりするポイントをまとめたものです。とても役立つ内容が書かれている一方で、必要な情報がすぐに見つからないことが課題でした。

その課題を解決するために、同クリニックでは社内wikiツール「NotePM」を導入しました。これまでの紙のマニュアルと同様に、歯科医師・衛生士・受付助手・医療事務からの質問を長年書きためた歯科医業マニュアル・ノウハウ集を作成し、法人内で共有しています。

検索機能が強力で、スマホやタブレットでも確認できるので、業務中に分からないことがあってもすぐに解決可能です。「糖尿病持ちで血圧がこのくらいの場合に治療してよいのか」など、他の診療科の専門分野が関連する診療内容もNotePMで確認して自信を持って判断できます。とくに若手スタッフが積極的に活用していて、就活中に医院見学に来た学生からも好評です。

関連記事:【導入事例】歯科医師・衛生士・受付助手・医療事務を繋ぐナレッジベースとして活用!専門ノウハウをすぐ探せるようになった – 歯科タケダクリニック

 

まとめ

チーム医療を実践するには、チームとして関わる職種の役割への理解を深めたうえで、適切に情報を共有することが重要です。一方で、医療業界では患者の個人情報の取り扱いが難しいことから、ICTを活用した多職種連携が進みづらかった背景があります。電子カルテのように個人情報を含む内容の共有は難しくても、医院の内外で専門的なナレッジを共有することで、より質の高いケアを目指せるでしょう。医療業界でのナレッジ共有には、手軽にマニュアルやFAQが作成でき、セキュリティを保ったままページの外部共有も行える社内wikiツール「NotePM」がおすすめです。

おすすめの情報共有ツール「NotePM」

NotePM

NotePM(ノートピーエム) は、Webで簡単にマニュアル作成できて、強力な検索機能でほしい情報をすぐに見つけられるサービスです。さまざまな業界業種に導入されている人気サービスで、大手IT製品レビューサイトでは、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』を高く評価されています。

NotePMの特徴

  • マニュアル作成、バージョン管理、社外メンバー共有
  • 強力な検索機能。PDFやExcelの中身も全文検索
  • 社内FAQ・質問箱・社内ポータルとしても活用できる
  • 銀行、大学も導入している高度なセキュリティ。安全に情報共有できる

URL: https://notepm.jp/

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