年末調整とは、給与・賞与より控除されてきた所得税と、本来納める一年分の所得税を比較し、過不足分を年末の最後の給与(賞与)で調整するものです。従業員の給与だけでなく、正確な納税にも関わってくるので、手間をかけても期限内にミスなく確実に実施しなければなりません。しかし、最近では、年末調整支援システムを活用し、年末調整作業の手間を減らして効率的に、かつミスなく年末調整を行う会社も増えました。
そこで今回は、年末調整支援システムの意味や選定ポイントの解説などに加えて、おすすめの年末調整支援システムを16選紹介します。
目次
年末調整支援システムとは?
年末調整支援システムとは、年末調整に係る作業をサポートしてくれるシステムです。これまで、年末調整は紙の申請書を用いて行われてきましたが、申告書の配布や内容チェックなど、手間がかかる作業が少なくありませんでした。しかし、年末調整支援システムは、書類の提出状況確認や既存給与計算システムとの連携などで、年末調整に係る作業の負担を軽減してくれます。
なお、国税庁も年末調整の電子化を促進しており、年末調整の電子化システム「年調ソフト」を提供しています。ただ、ここではあくまでも、民間企業の年末調整支援システムに特化して解説することに留意してください。
年末調整支援システムのタイプは大きく分けて3つ
ここでは、年末調整支援システムのタイプを3つ解説します。
- 年末調整に特化したシステム
- 年末調整機能を有する給与計算システム
- 年末調整機能を有する労務管理システム
それでは、1つずつ解説します。
年末調整に特化したシステム
タイプの1つ目は、年末調整に特化したシステムです。
すでに給与計算システムや、労務管理システムを導入している場合は、年末調整に特化したシステムだけを新たに導入することがおすすめです。それらの既存システムと連携させれば、低コストで年末調整のみを追加できるでしょう。
年末調整機能を有する給与計算システム
タイプの2つ目は、年末調整機能を有する給与計算システムです。
給与計算は、各従業員の勤怠状況や所得税などの情報を元に行いますが、それらの情報はそのまま年末調整の計算にも使えます。そのため、年末調整機能を有する給与計算システムを活用すれば、給与計算システムに勤怠状況などの情報を入力するだけで年末調整ができます。このことは、効率的な上に入力ミスの防止にもつながるでしょう。
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年末調整機能を有する労務管理システム
タイプの3つ目は、年末調整機能を有する労務管理システムです。
結婚や引っ越しなど、従業員のライフイベントの中には年末調整の計算に影響を与えるものも少なくありません。年末調整機能を有する労務管理システムであれば、それらのライフイベントに関する労務手続きを行えば、自動で年末調整の計算に反映できます。そのため、労務管理システムの導入も併せて考えている場合は、年末調整機能を有する労務管理システムも検討してみましょう。
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年末調整支援システムおすすめ16選
ここでは、おすすめの年末調整支援システムを16選紹介します。
FX-Ware®年末調整
FX-Ware®年末調整は、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社が提供する年末調整支援システムです。シンプルな画面構成であるため、ITリテラシーが高くなくても、簡単に使えるでしょう。また、扶養情報や団体生損保払込保険料などは、あらかじめ印刷・配布しておけば入力チェックの手間を削減できます。別途給与計算アウトソーシングサービスを活用すれば、より給与計算業務の手間を削減できるでしょう。
FX-Ware®年末調整の特徴
- 姉妹システムと併用すればより便利に
- Windowsサーバーを利用し、既存社内システムを有効活用
- CSVデータで既存システムとの連携も可能
URL: https://www.mizuho-rt.co.jp/solution/corporation/backoffice/humanaffairs/nenmatsuchousei/index.html
奉行年末調整申告書クラウド
奉行年末調整申告書クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタントが提供する年末調整支援クラウドです。年末調整の申告書配布・回収から、給与システムへの入力まで、年末調整に関わるあらゆる業務を自動化してくれるため、業務時間を大幅に削減してくれます。9,300社以上の導入実績が、その品質を裏付けています。ホームページ上で動画でデモンストレーションを行なっているので、それも参考にしましょう。
奉行年末調整申告書クラウドの特徴
- ホームページで紹介資料をダウンロード
- 姉妹製品と併用すればより便利
- 7日間無料お試しあり
URL: https://www.obc.co.jp/bugyo-edge/adjustment
年末調整申告支援サービス
年末調整申告支援サービスは、株式会社NTCが提供する年末調整支援サービスです。システムを会社に導入すれば、前年度データが必要な部分は自動で流用してくれるため、年末調整の取りまとめ担当者の負担を大きく軽減できます。また、計算チェック機能を活用すれば、計算ミスのリスクを軽減できるでしょう。さらに、CSVデータを出力できるため、他の給与計算システムなどとのデータ連携も可能です。
年末調整申告支援サービス の特徴
- 法改定にも速やかに対応
- スマートフォンアプリからの情報入力も可能
- 企業規模を問わず数多くの導入実績
URL: https://www.kk-ntc.co.jp/service/nencho/
年調ヘルパー
年調ヘルパーは、株式会社クリックスが提供する年末調整ツールです。画面に従って必要な情報を記入していくだけで、確定申告処理ができ上がります。必要に応じて、PDFデータを出力しましょう。また、集まった申告書をCSVデータで保存できる上に、源泉徴収票の電子配布も可能であるため、年末調整の取りまとめ担当者の負担軽減やペーパレス化実現にも効果を発揮します。
年調ヘルパーの特徴
- システム導入は2ステップで簡単
- パソコンだけでなくモバイルデバイスにも対応
- デモンストレーションも可能
URL: https://www.clicks.ne.jp/top/nencho/
Mominoki
Mominokiは、ラクラス株式会社が提供するクラウド年末調整ツールです。従業員に代わり保険・住宅控除に係る証明書類データを読み取り、人事部に代わり証明書類の収集・確認を行うため、年末調整に係る従業員と人事担当者の負担を大幅に軽減してくれます。紙の申告にも対応しているため、各従業員の状況にあった方法で確定申告を行えるでしょう。また、従業員1人1人にアカウントを付与することで、情報入力結果の確認を行ってもらえることもメリットです。
Mominokiの特徴
- 120社16万人の利用実績!
- 従業員1,000人の、大規模な組織向けのサービスに特に自信
- AI、OCR、人の目を併用し、確実にデータを読み取り
URL: https://mominoki.lacras.co.jp/
ハーモス年末調整
ハーモス年末調整は、株式会社ビズリーチが提供するペーパレス年末調整ツールです。登録後すぐに利用可能で、ペーパレスで年末調整に関わる業務を実施したい場合におすすめです。オンライン上で申告書の作成・回収・保管ができる上に、回収状況の確認やCSVデータのダウンロードも簡単に行えます。操作方法がわからなくても、FAQやヘルプが容易されているため、問題を解決できる可能性は高いでしょう。
ハーモス年末調整の特徴
- アプリをインストールせずとも、パソコンやスマートフォンなどで活用可能
- 無料オンライン説明会あり
- 無料トライアルあり
オフィスステーション
オフィスステーションは、株式会社エフアンドエムが提供する人事労務クラウドソフトです。アラカルト型人事労務クラウドソフトと銘打ち、年末調整を含め、労務・人事管理に必要な機能をオールインワンで有しています。みやすくシンプルな管理画面であるため、操作は簡単です。また、従業員にはマイページが付与され、デジタル化・ペーパーレス化されたデータは、さまざまな部署の担当者が活用できることもメリットです。
オフィスステーションの特徴
- 関連する法改定があった場合には自動対応
- 労務・人事に係る100種類以上の帳票作成に対応
- 無料トライアルで使い勝手を試そう
URL: https://www.officestation.jp/
MoneyForwardクラウド
MoneyForwardクラウドは、 株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型会計ソフトです。年末調整はもちろん、給与計算や請求書発行などあらゆる機能を有しているため、バックオフィス業務で大いに役立つでしょう。士業事務所とのパートナーシップも多数締結しており、士業事務所の方にもおすすめです。導入事例もホームページ上で紹介されているので、参考にしてみてください。
MoneyForwardクラウドの特徴
- メディア掲載事例多数
- お役立ち動画やホワイトペーパーが充実
- 1ヶ月間無料トライアル
URL: https://biz.moneyforward.com/
弥生給与23
弥生給与23は、弥生株式会社が提供する給与計算システムです。給与計算だけでなく、年末調整や社会保険などの計算や、マイナンバー管理なども、1つのシステム上で実現できます。「ITreview Grid Award 2023 Winter」では、給与計算カテゴリにて「High Performer」賞を受賞するなど、その機能は確かなものです。ホームページでは多数の導入事例も紹介されているので、参考にしてみてください。
弥生給与23の特徴
- 税理士や専門家からも高評価
- 安心保守サポートが1年間無料または特別価格!
- 30日間無料トライアルあり
URL: https://www.yayoi-kk.co.jp/products/payroll/
フリーウェイ給与計算
フリーウェイ給与計算は、株式会社フリーウェイジャパンが提供するクラウド型給与計算システムです。給与計算から給与明細作成、年末調整など、給与に関わるあらゆる業務を自動化してくれます。また、有料版でも月額税抜1,980円で登録人数無制限であるため、予算が少ない企業でも安心して導入できます。メニューもシンプルな表示であるため、ITリテラシーが低い従業員でも使いやすいでしょう。
フリーウェイ給与計算の特徴
- 無料版でも様々な機能を活用可能
- ホームページで導入事例を多数紹介
- 従業員5人まで無料
URL: https://freeway-kyuuyo.net/
ジンジャー給与
ジンジャー給与は、jinjer株式会社が提供する給与計算システムです。従業員の人事情報や勤怠情報を自動で反映させて、自動でミスなく給与計算を行ってくれます。もちろん、年末調整への対応も万全です。アップデートがあっても、全ての機能が利用人数やオプションに応じて一律料金で使えることもメリットです。セミナーやホワイトペーパー、さらにはお役立ちブログも参考にしてください。
ジンジャー給与の特徴
- 社会保険料や雇用保険料を自動計算
- 働き方改革関連法や電子帳簿保存法への対応にも役立つ
- 14日間無料トライアルあり!
URL: https://hcm-jinjer.com/payroll/
S-PAYCIAL
S-PAYCIALは、鈴与シンワート株式会社が提供する電子給与明細システムです。シンプルな画面設計に加えて窓口サポートも充実しているため、最短1ヶ月で簡単に導入できます。給与明細発行作業や経費を大幅に削減してくれるシステムで、もちろん年末調整業務にも対応しています。ホームページ上で様々な導入事例を紹介しているので、参考にしてみてください。
S-PAYCIALの特徴
- 利用者は累計40万人突破
- パソコンやスマートフォン、タブレットにも対応
- 英語対応や掲示板など、無料オプションも活用!
URL: https://s-paycial.shinwart.co.jp/solution/jinjikyuyo/webps/
SmartHR
SmartHRは、株式会社SmartHRが提供するクラウド型人事労務システムです。入社手続きなど各種電子申請に加え、給与明細発行や社会保険、年末調整などもWebシステム上で完結できます。社員1人1人の情報をすべて集約し、オンライン上であらゆる手続きを完結できるため、ペーパレス化や記入漏れ防止に役立ちます。また、従業員が直接情報を入力でき、労務管理担当者の手間が省けることもメリットの1つです。
SmartHRの特徴
- 40以上の他サービスと連携可能
- 年末調整の手間を平均87%削減(株式会社SmartHR調査)
- 15日間無料トライアルあり
URL: https://smarthr.jp/
freee人事労務
freee人事労務は、freee株式会社が提供するクラウド型人事労務システムです。人事労務に関わるあらゆる情報をデータで管理でき、年末調整に係る作業も可能です。また、クラウドであるため、手軽に始められます。セキュリティ対策としては、暗号化やIPアドレス制限などがありますので、安心して導入できるでしょう。導入事例もホームページ上で多数紹介されていますので、参考にしてみてください。
freee人事労務の特徴
- 姉妹サービスと連携すればより便利に
- 姉妹サービスを含めて150,000社の導入実績
- 30日間無料トライアル
URL: https://www.freee.co.jp/hr/
ジョブカン労務HR
ジョブカン労務HRは、株式会社 DONUTSが提供する労務管理ツールです。従業員情報をクラウド上で一元管理でき、年末調整を含めた給与計算業務についても対応できます。ワンクリックで人事・労務に関わる書類を作成できる上に、各従業員のマイページから労務関係データを入力してもらうこともできるため、労務業務の負担軽減に貢献します。また、電話やチャット、メールなどを活用して、充実したサポート体制を有することもメリットです。
ジョブカン労務HRの特徴
- シリーズ累計導入実績15万社以上
- 労務担当者300人の意見を反映させた、豊富な機能や使いやすいインターフェイス
- 30日間の無料トライアルあり
URL: https://lms.jobcan.ne.jp/
HRBrain 労務管理
HRBrain 労務管理は、株式会社HRBrainが提供している労務管理ツールです。人事労務業務をペーパーレス化してくれるツールで、年末調整機能も有しています。保険料控除など複雑な計算が必要な年末調整でも、条件を選択すれば後は自動で計算してくれるので、年末調整の手間は大幅に削減されるでしょう。また、ヘルプデスクやWebセミナーなど、使い方のサポート体制も充実しているので、操作がわからなくても安心です。
HRBrain 労務管理の特徴
- 累計導入社数 2,000社以上
- ITReview調査でサポート品質No.1!
- 無料トライアルでまずはお試し
URL: https://www.hrbrain.jp/procedures
年末調整支援システムの選定ポイント
ここでは、年末調整支援システムの選定ポイントを3つ解説します。
- データを入力しやすい
- 提出状況を把握しやすい
- 外部システムと連携させやすい
それでは、1つずつ解説します。
データを入力しやすい
選定ポイントの1つ目は、データを入力しやすいことです。
ITリテラシーが高くない従業員でも操作しやすいシステムであれば、無理なくデータを入力できて、従業員の負担を軽減できます。例えば、わかりやすいインターフェイスで、入力方法・内容が直感的に理解しやすいシステムであれば、入力不備を減らせるはずです。また、入力サポート機能があれば、従業員にはよりわかりやすくなるでしょう。
提出状況を把握しやすい
選定ポイントの2つ目は、提出状況を把握しやすいことです。
年末調整のとりまとめ担当者は、各従業員が確実に必要な書類を提出しているか、注意しなければなりません。そのため、例えば必要な書類を提出していない従業員に対し、自動で通知メールを送付するシステムであれば、担当者の負担は軽減されます。また、オンライン上で従業員に情報を記入してもらう形式であれば、担当者が一目で従業員の記入状況を確認できます。
外部システムと連携させやすい
選定ポイントの3つ目は、外部システムと連携させやすいことです。
正しく年末調整を行うには、従業員の労務・給与情報が欠かせません。そのため、既存の勤怠管理システムや給与計算システムと連携して、データのやり取りを自動で行えれば、年末調整の作業がより楽になります。外部システムとの連携の可否に加えて、連携にかかる手間や調整方法も、事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回は、年末調整支援システムの意味や選定ポイントの解説などに加えて、おすすめの年末調整支援システムを16選紹介しました。
年末調整は、従業員の給与や正確な納税にかかわるため、ミスなく確実に行わなければなりません。しかし、そのことが従業員や担当者にとっては負担になっている側面もあります。そのため、年末調整支援システムを効果的に活用し、年末調整をミスなく効率的に行うことをおすすめします。
年末調整支援システムは多数存在しますが、まずは今回紹介した16選から選びましょう。また、データ入力のしやすさや外部システムとの連携などから、導入するシステムを選ぶことをおすすめします。無料プランやトライアルがあれば、まずはそれらで使い心地を試すことも有効です。
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