【2024年版】クラウド労務管理システム おすすめ11選を徹底比較

2024年01月04日(木) 人事・労務

ひとくちに労務管理といっても、その業務は多岐にわたります。これまでは紙による管理が基本でしたが、手続きの煩雑さがネックとされていました。労務管理システムは、紙による管理のデメリットを改善し、業務効率化が図れることで注目されています。そこで、労務管理システムとは何かを紹介したうえで、導入のメリットやツール選びのポイントを解説します。

労務管理システムとは

企業の人事業務では、労務管理を正確かつスピーディーに行うことが求められます。しかし、労務管理に当たって必要な業務はさまざまなものがあり、勤怠管理や給与計算、社会保険や福利厚生の管理、労使関係や安全衛生管理など枚挙にいとまがありません。これらの全てを帳票などの紙で管理しようとすると、手間もコストもかかるものです。そこで、これらの労務管理業務をシステム上で入力・提出できるようにしたのが労務管理システムです。

労務管理システムが注目される理由

労務管理システムは、導入することで作業効率の向上が目に見えて実感できるという声が増えているため、注目度の高いシステムといえるでしょう。たとえば、社会保険や雇用保険の資格取得関連書類についてみてみると、紙で行う場合、対象の従業員全てに用紙を配布し、ペンで記入してもらい、それを回収し、更に記入漏れや誤りなどをチェックしたうえで関係機関の窓口まで持っていかなければなりません。一方、労務管理システムであれば、システム上で記入から提出まで一気に完了できるため、時間やコストを大幅に削減できるのです。こういった点から、労務管理システム導入を検討し、実際に導入する企業が増えています。

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労務管理システム導入のメリット

書類管理に比べて時間と手間を省ける

労務管理を全て紙ベースで行おうとすると、全従業員に対して用紙を配り、回収し、抜けや漏れがないかチェックし、場合によっては提出用の用紙に転記するといった段階を踏む必要があります。もし、記入ミスなどがあれば該当する従業員に差し戻し、再提出をお願いしなければなりません。このように、紙ベースでの労務管理は時間と手間、人的リソースがかかるものです。この点、労務管理システムであれば、従業員はシステム上で直接入力すればよいため、「配布」「回収」の手間が省けます。

また、労務管理担当者はシステム上で好きなときに記入状況の進捗を確認できます。間違いに気付いた段階で指摘できるので、記入ミスも減り、再チェックの手間がなくなるでしょう。必要書類の保管もシステム上で行えばよいので、大量の書類ファイルを残す必要がなく、保管場所にも困りません。

役所への書類提出が手軽にできる

労務管理システム導入により、役所への必要書類の提出を電子申請で行えるようになれば、書類の発送や直接持参などの手間が省けます。その都度役所に行く必要がないため、時間の節約になるのです。万が一、提出書類にミスがあったとしても、システム上で修正すればよいため、再度書類を郵送したり直接役所に持参したりといった手間も省けます。また、事情により緊急性のある書類を早期に提出しなければならない場合でも、電子申請を利用することで迅速に対応可能です。

企業側と従業員の双方の負担が減る

労務管理システムを導入することで時間と手間が省けるという点は、人事管理担当者だけでなく、従業員にとっても大きなメリットです。スマートフォンやパソコンで直接入力できるようになれば、空いている時間を利用して入力でき、負担が減ります。

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労務管理システム導入のデメリット

システムによって機能にばらつきがある

労務管理システムはさまざまな企業が開発しており、多くの種類がありますが、対応可能なサービスは一律ではありません。勤怠管理や給与計算に特化したシステムもあれば、社会保険関連管理に特化しているシステムもあります。せっかく労務管理システムを導入したにもかかわらず、企業で最も手間のかかる分野の業務にはあまり役立たないという可能性もあるのです。よって、労務管理システムを導入する際には、労務管理のどの分野をメインに業務効率を向上させたいかを明確にしたうえで、適したシステムを選ぶ必要があります。

スマートフォンやパソコンに不慣れな従業員には負担になる可能性も

労務管理システムは、スマートフォンやパソコンの画面上で操作が行える点が便利ですが、IT機器に慣れない従業員には操作しにくい場合があります。スマートフォンやパソコンが苦手な従業員に対し、一方的に「いつまでに記入すること」と指示しても、負担になりかえって回収効率が悪くなるかもしれません。そのような場合を想定し、システム利用方法や注意点などを分かりやすく解説するなどの手間が必要でしょう。

電子申請不可の場合もある

労務管理システムは電子申請が可能ですが、手続きの種類によっては、電子申請を受け付けていない機関もあります。たとえば、健康保険組合や労働保険事務組合の場合は、電子申請が可能なのは一部のみで、基本的には電子申請ができません。よって、労務管理システムを導入しても、これまでどおり紙による申請が必要なこともある点は注意が必要です。”

関連記事:労務管理システム導入のメリット・デメリットとは?活用ポイントも紹介

 

労務管理システムの選定ポイント

どのような業務に対応可能か

労務管理システムは、開発企業によって搭載している機能がさまざまです。したがって、導入する際は、どの労務管理作業を効率化させたいのかを洗い出し、その部分をカバーしているシステムを選ぶ必要があります。たとえば、従来は紙で管理していた従業員のマイナンバーを、より個人情報保護を強化する観点から全てシステム上で行いたいとします。この場合、導入を検討しているシステムがマイナンバー管理に対応しているかどうかを必ず確認するようにしましょう。

他システムと連携しているか

勤怠管理や給与計算など、自社ですでに導入しているシステムやソフトがあれば、それらとの連携をふまえた上で労務管理システムを選びましょう。元からあるシステムと連携できないと、使い方も機能も全く別のシステムを2つ扱わなければならず、かえって二度手間になる可能性もあります。

従業員も使用できるシステムかどうか

人事担当者しか入力ができないシステムだと、従業員記入用の紙を配布・回収しなければならず、手間がかかります。特に、人事担当者の担当業務が多岐にわたる場合や、従業員数の多い企業である場合は、従業員が直接入力できる労務管理システムを選ぶほうが効率的です。

関連記事:労務管理システムの比較ポイントとは? 人気の製品も紹介

 

労務管理システム おすすめ11選

上記ポイントを踏まえて、おすすめ労務管理システム・サービスをご紹介します。

SmartHR

SmartHR

SmartHR は、入社手続きや各種変更手続きなどを電子申請で行うことができるシステムです。そのため、ペーパーレス化を実現できるとともに、記入漏れも防ぐこともできます。社員一人ひとりの情報もすべて集約し、給与明細や年末調整などもWeb上のシステムで完結できます。オプションが充実しているほか、外部サービスとの連携を利用することで、企業のニーズに合わせた使い方が可能です。

SmartHRの特徴

  • 従業員が直接情報を入力できるため、労務管理担当者の手間が省ける
  • 社会保険・雇用保険など、様々な手続きが電子申請に対応
  • 給与計算ソフトや勤怠管理をはじめ外部サービスとの連携も可能で、多彩な手続きに対応可能

料金プラン(月額)
• お問い合わせ

SmartHR
URL: https://smarthr.jp/

 

人事労務 freee (フリー)

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人事労務 freee (フリー)

人事労務 freee (フリー) は、従業員情報を登録するだけで、勤怠管理の情報収集から、給与計算、Web明細の発行まで自動で行うことができ、大幅に労務管理を効率化できるシステムです。面倒な年末調整の書類作成も従業員自身がシステム上で簡単にできます。会計システムや他社の勤怠ソフトとも連携し、設立初年度の企業から成長中の企業、従業員50人以上の上場企業まで、それぞれの課題に応じた労務管理の体制が整えられます。

人事労務 freee (フリー)の特徴

  • 定型化できる労務管理のほとんどに対応し、システム上で対応が可能
  • 各種サービスと連携することで、さらに効率よく業務を一括管理できる
  • 企業の規模や成長段階に応じた導入で、ニーズに合わせた業務の効率化ができる

料金プラン(月額)
• 1,980円〜(ミニマム)
• 3,980円〜(ベーシック)
• 8,080円〜(プロフェッショナル)

人事労務 freee (フリー)
URL: 人事労務freee

 

ジョブカン労務管理

ジョブカン労務管理

ジョブカン労務管理 は、従業員の情報をクラウドで一元管理できるシステムです。各従業員にマイページを発行することで入力を任せ、担当者の負担を軽減することができるとともに、手続きに必要な帳票は自動で作成されます。電子申請機能を備えているため、ワンクリックで書類の提出まで完結します。リーズナブルな料金でコストパフォーマンスも高く、電話やメール、チャットを用いたサポート体制も充実しているシステムです。

ジョブカン労務管理の特徴

  • 個人情報から人事や給与に関することなど従業員情報を一元管理できる
  • 入社時から退職時まで、あらゆる手続きや帳票作成・提出などを自動化
  • コア機能に豊富な付加機能をプラスしてシステムをカスタマイズできる

料金プラン(月額)
• 無料 ※機能制限あり
• 400円/1名

ジョブカン労務管理
URL: https://lms.jobcan.ne.jp/

 

jinjer労務

jinjer労務

jinjer労務 は、労務管理をオンライン化し、担当者の作業工数を削減して煩雑な手続きを効率化できるシステムです。また、従業員の情報を可視化できるのはもちろん、スケジュールや進捗状況も可視化されます。一元化した情報をビックデータとして蓄積し、従業員の離職率を下げるためのフォローや組織の改善にも活用することが可能です。労務管理のほか、勤怠管理や経費精算など、必要なシステムを組み合わせて利用することができます。

jinjer労務の特徴

  • 従業員の情報を一元化して業務の作業効率を上げるとともに、データを可視化
  • TODOの可視化で、各種手続きや業務を漏れなく遂行することができる
  • 書類の自動作成やWeb申請など必要な機能がオールインワン

料金プラン(月額)
• 300円〜/1名

jinjer労務
URL: https://hcm-jinjer.com/roumu/

 

オフィスステーション

オフィスステーション

オフィスステーション は、労務管理および人事管理に必要な機能をオールインワンで備えているシステムです。従業員にはマイページが割り当てられ、デジタル化・ペーパーレス化されたデータはさまざまな部署の担当者が活用できます。労務や人事にかかわる100以上の帳票作成に対応し、そのまま従業員に対して配信したり、行政への電子申請手続きに利用したりすることが可能です。

オフィスステーションの特徴

  • 全システムの利用はもちろん、ニーズに合わせてアラカルト利用も可能
  • シンプルな画面で従業員・担当者ともに操作が簡単
  • 法改正にも自動で対応するため確認作業に時間をとられない

料金プラン(月額)
• お問い合わせ

オフィスステーション
URL: https://www.officestation.jp/

 
 

総務人事奉行クラウド

総務人事奉行クラウド

総務人事奉行クラウド は、データをクラウド上で一元管理できるため、従業員と担当者双方の手間を省くことができ、業務の効率化にもつながるシステムです。他社のソフトはもちろん、Excelで作成したデータも簡単に移行できるメリットもあり、従業員が新しい作業を覚える負担を抑えながら、システムの効率化も実現しています。社会保険労務士とリアルタイムで情報共有できるシステムが備わっていることから、疑問があればクラウド上で相談することも可能です。

総務人事奉行クラウドの特徴

  • 従来の業務スタイルをそのまま生かしながら電子化に対応できる
  • 付属の「専門家ライセンス」で社会保険労務士のチェックも受けられる
  • 他のHR Techサービスとの連携により、さらに人材活用に生かせる可能性も

料金プラン(月額)
• お問い合わせ

総務人事奉行クラウド
URL: https://www.obc.co.jp/bugyo-cloud/jinji

 

楽楽労務

楽楽労務

楽楽労務 は、入社時の基本情報や変更が発生したときも入社予定者や従業員自身が入力や変更を行います。担当者はメールの送付だけで済み、手間のかかる準備や転記作業も必要としません。従来のような各種書類作成にかける時間も必要なく、データ化された情報をもとに自動で作成されます。業務の進捗状況を複数の人で確認することができるため、作業の漏れを防ぐ体制も整えることができます。

楽楽労務の特徴

  • 人事データの作成に手間をかけず、書類の作成も自動で行える
  • 進捗状況を目に見える形で確認でき、労務業務の初心者にもわかりやすい
  • 規模に応じた料金体系で低コストながら、サポート体制も充実

料金プラン(月額)
• 30,000円〜

楽楽労務
URL: https://www.rakurakuroumu.jp/

 

sai*reco(サイレコ)

sai*reco(サイレコ)

sai*reco(サイレコ) は、特に人事管理に関して優れた特徴を持つシステムです。各種申請や給与明細などの電子化で業務の効率化を図っているのはもちろん、組織のシミュレーション結果や退職者のデータ、適性検査の結果まで蓄積しています。情報はシステム上で生きた人事情報として一元管理しているため、異動や出向が多い企業でも、蓄積されたデータをもとに必要とするタイミングで効率よく利用することが可能です。

sai*reco(サイレコ)の特徴

  • 面倒な定型業務が自動化され、ムダを省いて業務に専念できる
  • 従業員管理はもちろん、組織全体や組織構成、評価機能まで多彩な情報を一元管理
  • タレントマネジメントに活用できるデータを保存し、効率よく利用できる

料金プラン(月額)
• お問い合わせ

sai*reco(サイレコ)
URL: https://www.aand.co.jp/lp/saireco/

 

ARROW

ARROW

ARROW は、ICカード(FeliCa機能の搭載が必要)でタイムカードの打刻が可能なほか、スマートフォンやタブレットをはじめとした各種端末にも打刻できるアプリケーションが備わっています。システム上でシフト管理がスムーズにでき、飲食店やホテル業界をはじめとしたサービス業で使いやすいシステムです。給与計算や支払明細書等の出力まで自動化され、休暇申請など社内の各種書類や行政への提出書類の自動作成にも対応しています。

ARROWの特徴

  • シフトの登録や変更のやりとりがスムーズにでき、詳細ページで状況が一目瞭然
  • ICカードを利用したタイムカードの打刻にも対応するアプリケーションを装備
  • スマートフォンをはじめ、ほぼすべてのデバイスでシステムを利用でき、打刻や各種書類のダウンロードも可能

料金プラン(月額)
• 1,980円〜

ARROW
URL: https://www.arrow-payment.com/

 

DirectHR

DirectHR

DirectHR は、もともと社会保険労務士の業務支援システムとして活用されてきた「社労夢シリーズ」が企業向けにアレンジされたものです。そのため、社労夢との連携があるのはもちろん、2019年からは人事労務 freee(フリー)との連携も開始しました。入社予定者の氏名とメールアドレスを登録し、招待メールを送付すれば、あとは従業員自ら必要な情報をシステムに入力します。従業員は各種申請もパソコンやスマートフォンでmybox(マイボックス)から行うことができ、社会保険や雇用保険などの電子申請までペーパーレスで対応できるシステムです。

DirectHRの特徴

  • わかりやすいナビゲートで初心者でも電子申請が簡単
  • マイナンバーの収集も安心のセキュリティで対応しながら状況を一目で把握
  • 労災通知書や離職票など従業員に渡す公文書もWeb上で配布可能

料金プラン(月額)
• お問い合わせ

DirectHR
URL: https://directhr.jp/

 

Gozal

Gozal

Gozal は、雇用から勤怠管理、給与計算、退職時の手続きまで、システム上で労務管理のすべての業務を行うことができるシステムです。各企業の状況に応じた設定や管理ができ、明細書等をWeb上で配布することができます。労務管理に強い専門スタッフがヘルプデスクやメール、チャットで24時間サポートしてくれるため、利用に不安がある担当者や労務管理に詳しくない人でも困りません。

Gozalの特徴

  • 労務管理に関連する機能をすべて備えたシステム
  • 勤怠集計の項目が多彩なうえ、給与計算式の設定も自由にできる柔軟性
  • 24時間体制の充実したサポートで安心

料金プラン(月額)
• 700円/1名

Gozal
URL: https://gozal.cc/

 

労務管理システムの導入事例

ポラス株式会社

ポラス株式会社は、関東エリアで住宅の販売や仲介、リフォームなど住まいに関する事業を展開している企業です。同社の年末調整業務では、4100名を超える従業員への用紙の配布・回収および記入漏れチェックをせねばならず、かなり負担でした。そこで、労務管理システムを導入し、500名分の年末調整処理を実施したところ、作業時間と必要人員の大幅な削減に成功したのです。従業員はスマートフォンやパソコンで回答すればよいため、用紙の配布や回収のために人員を割く必要がなくなりました。また、紙代や印刷代の削減にもなり、生産性の向上にもつながっています。

株式会社フォーラムジャパン

株式会社フォーラムジャパンは、旅行業に特化した人材派遣業を行う企業です。従来は、社会保険手続きのやりとりを全て紙で行っていましたが、委託していた社会保険労務士事務所との契約が終了したことをきっかけに、労務管理システムを導入しました。これにより、ボタン一つで役所への手続きが完了するようになり、移動にかかる時間や費用の削減につながっています。また、労務管理システムであれば、操作に困っても紙のマニュアルを一から調べる必要がなく、画面を一つ戻ればよいだけなので、気軽に操作できるとの声も上がっています。

労務管理システムを活用して業務効率をアップさせよう

労務管理システムは、人事管理業務を紙で行う場合に比べて、時間やコストを大幅に削減できるのが導入のメリットです。自社に合った機能を備えた労務管理システムを導入すれば、人事担当者や従業員の負担を軽くすることができ、空いた時間を他の業務に充てるといったことが可能になります。労務管理システムを上手に活用して、業務効率を上げ、生産性の向上へとつなげましょう。

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