いま注目の労務管理システムとは?代表的な機能と導入効果を解説

2024年12月03日(火) 人事・労務
労務管理システム

生産性の向上や適切な人材管理などを考えて、労務管理システムに関心を持つ企業は少なくはないでしょう。しかし、実際にどのように便利なのかわからないことも多いかもしれません。そこで、この記事では労務管理システムの主な機能や導入することで期待できる効果、さらに選ぶ際のポイントなどについて解説していきます。

労務管理システムとは?

労務管理システムとは、社会保険や雇用保険などの加入申請をはじめ、さまざまな労務管理に関する業務を自動で行えるシステムのことです。福利厚生の手続きや労働時間の管理など、労使関係に関することは人事担当者が手作業によって紙にまとめるのが一般的となっていました。しかし、これらの作業をシステム化して管理することで大幅に時間の短縮を図ることができます。従業員一人ひとりを紙で管理すると膨大な書類の量になり、そのぶんだけ保管場所も必要ですが、労務管理システムならデータでの保存になるため場所を取ることもありません。

労務管理システムが注目されている理由

人事の業務は幅が広く、採用希望者の対応から福利厚生に関する申請や管理を含む従業員が働きやすい環境作り、さらに経営陣とのやりとりなど多岐にわたります。これらをすべて人事担当者が手作業で行い、紙媒体で処理を行うには相応の労力と時間を伴います。また、従業員数が多い場合に問題となりやすいのが作業の遅れや申請漏れなどの発生です。しかし、人事の業務のなかで自動化しやすい部分をシステムで管理できれば、こうした問題の解決にもつながります。

労務管理システムの基本機能

ところで、労務管理システムでは具体的にどのようなことができるのかわからない人も多いかもしれません。そこで、労務管理システムの主な機能について紹介していきます。労務管理システムはクラウド型が多く、ここに挙げる意外にもさまざまな機能がありますから、比較してみるのもいいでしょう。

入社と退社に関する手続き

入社と退社に伴う申請はスピーディーに対応しなければなりません。労務管理システムは、従業員の入社と退社時に必要な社会保険や雇用保険の資格取得、または資格喪失に関する書類の作成や提出を行うことができます。

雇用契約書の作成

従業員を採用した際に必要になる書類のひとつが雇用契約書です。雇用契約書は民法第623条にもとづいて作成、締結されるもので、雇用主と雇用者間でのトラブルを避けるためにもおろそかにできない書類と言えます。

従業員情報の記録と管理

従業員として雇用したときは、住所や連絡先、家族構成や扶養家族の人数などのほか、マイナンバーの把握など、さまざまな個人情報を記録しなければなりません。住所や家族に変動があれば速やかに修正する必要が出てきますが、労務管理システムではこれらの管理も行えます。

勤怠管理

出社時間と退社時間はもちろん、休日出勤や時間外労働、有給休暇の取得など、従業員の勤怠状況を管理できる機能です。

年末調整に関する管理

源泉徴収票や所得税徴収高計算書、扶養控除等申告書と保険料控除申告書といった、年末調整に必要な書類を作成し、さらに提出までを可能にします。

労務管理システムを選ぶ時の比較するポイント

前述したように、労務管理システムの多くはクラウド型です。同じクラウド型でも細かい機能や操作性には違いがあるため、どのような点を比較して選んだらいいのかポイントを3つ説明していきます。

就業規則に沿った勤怠管理が可能か

雇用形態や勤務形態、就業時間や休暇の設定などは企業ごとに異なります。柔軟性を持って使うには、自社の就業規則に沿った勤怠管理が可能な労務管理システムかどうかで判断してみましょう。また、勤怠管理と関連した給与計算システムとの連携がしやすいこともポイントのひとつです。

導入後のサポート体制はどうか

操作性で労務管理システムを選んでも、わからないことや不具合などが出てくることはあります。いざ困ったときにスピーディーなサポートが受けられるかどうかも大切な選定ポイントと言えます。メールやチャットでの相談になるのか、対応可能な時間帯はいつか、などについても確認し、自社に合ったものを選ぶことが必要です。

従業員が入力できる項目はあるか

労務管理システムを利用するのは主に人事ですが、個人情報などは従業員が自ら入力できるほうが効率的です。必要に応じて従業員が個別に入力できる機能があるかどうかを選定ポイントに置いてみると、さらに業務の無駄を省くことができるでしょう。

労務管理システムの導入効果

最後に、労務管理システムを導入することで期待できる効果について、3つ解説していきます。

書類作成がスピードアップできる

一番に挙げられるのは、書類の作成が短時間で可能になることです。これまでは従業員に一旦配布して記入してもらった書類を手書きで転記する作業を行ってきた企業は、その手間を省くことができます。また、紙の場合は書き損じによる修正に時間がとられがちですが、電子化すればそのような面倒もありません。

役所などへの申請に手間がかからない

社会保険や雇用保険などの加入には、作成した書類を役所などに持参する必要があります。人事にとって、異動を伴う業務は時間を取られやすいうえに、修正があれば再び出向かなければなりません。その点、労務管理システムなら役所にわざわざ出向くことなく申請ができるうえに、修正が必要なときも余計な時間を取られずに済みます。

書類の整理と管理がしやすい

紙の書類に比べて、労務管理システムなら整理と管理が容易です。紙の書類とは違い、保管場所を取らないのも理由のひとつですが、必要な書類を探す際は検索をかけることで探しやすいというメリットもあります。一覧表示をすれば、従業員ごとの書類の提出状況を把握することも可能です。

おすすめのクラウド労務管理システム

以下の記事では、おすすめの労務管理システムの概要や特徴について解説しています。

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労務管理システムは人事の目線で自社に合ったものを選ぶのがポイント

労務管理システムは、サポート体制の充実度や就業規則に沿った勤怠管理ができるかどうかで選ぶことがポイントと言えます。そして、もうひとつ大切なのは人事担当者が使いやすいということです。必要な機能が揃っているかを確認しつつ、人事目線で使いやすいシステムを選びましょう。

 

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