【2024年版】NPS®ツールのおすすめ10選!スコアの計算方法・調査方法・活用メリット・導入までの注意点まで徹底解説!

2024年10月31日(木) カスタマーサクセス

NPSを新たに取り入れるなら、どのようなメリットとデメリットがあるのか、導入するにあたっての注意事項やNPS計測ツールはどれを選べばいいのかなど気になるところです。NPSを確認することにはさまざまなメリットがあります。指標の導入前に積極的に理解を深めておきましょう。今回は、NPSの概要を整理しつつ、メリットとデメリットを解説していきます。適切なNPS計測ツールを知り、自社に合うツールを選んでいきましょう。

NPS(ネット・プロモーター・スコア)とは?

NPS(ネット・プロモーター・スコア)は、顧客ロイヤリティを測る指標のひとつです。NPSは、顧客がブランドや製品を他者に推薦する可能性を測定します。NPSの質問は、「あなたはこのブランドを友達や家族に薦めますか?」という形式で、回答者には0から10の点数で評価してもらいます。

NPSは、回答者を3つのグループに分類します。それぞれ、推薦しない(0-6)、普通(7-8)、推薦する(9-10)に分けます。NPSは、推薦する人の割合から推薦しない人の割合を引いた数値を算出し、それを「NPS」として表します。

NPSと顧客満足度・eNPS℠の違い

ここでは、NPSと顧客満足度・eNPS℠の違いについて解説します。

  • 顧客満足度との違い
  • eNPS℠との違い

それでは、1つずつ解説します。

顧客満足度との違い

NPSと顧客満足度は似ているようで別物です。NPSは、他者に対して商品やサービスをどれほど薦めたいのかがわかります。一方で、顧客満足度は「満足している」という基準が曖昧で、使用している商品やサービスを薦めたいのかまでは表現していません。企業・ブランドに対してのロイヤリティの高さを知るうえではNPSのほうがが適していると言え、企業の業績に直結してくる指標であるという意味で顧客満足度とは異なります。

eNPS℠との違い

NPSとeNPS℠も響きは似ていますが、こちらも意味が異なります。eNPS℠(Employee Net Promoter Score)は、NPSから派生した言葉ではあり、職場に対する愛着度合いをはかる指標として活用されています。離職率や生産性を改善する指標として採用している企業も増えてきております。

NPSスコアの計算方法

NPSスコアの計算方法について解説します。NPSスコアは、「あなたはこのブランドを友達や家族に薦めますか?」という質問を、回答者には0から10で評価してもらいます。その点数で回答者を「推奨者:9〜10点」「中立者:8〜7点」「批判者:6〜0点」で分類します。回答者全体の推奨者の割合と回答者全体の批判者の割合を引いたものがNPSスコアになり、以下の計算式を用います。

NPSスコア=推奨者の割合-批判者の割合

NPSの意味と数値の見方

NPSは推奨者が多いほどスコアが高くなります。逆に批判者が多ければNPSスコアは低くなり、商品やサービスを他者に紹介したい人が少なく、業績が悪くなる可能性が高いことがわかります。NPSスコアは実際の購買行動と連動している指標であるため、業績と相関性があると言われているのはそのためです。

NPSを活用するメリット

ここでは、NPSを活用するメリットについて解説します。

  • 売上を向上させるための指標になる
  • 顧客に対するアプローチ・商品・サービスの改善につながる
  • 自社のポジションを客観的に把握できる

それでは、1つずつ解説します。

売上を向上させるための指標になる

NPSを活用するメリットの1つ目は、売上を向上させるための指標になるということです。推奨者・中立者・批判者の割合を知る際に、さらに詳細な属性で分類して意見収集することで、有益な情報を得ることができます。たとえば、同じ店舗でも地域によって売上に差がある場合は、それぞれの店舗の調査を行うことで新しい発見があるかもしれません。その調査結果と共に、地域差を加味した施策を打つことで売上の向上につながる可能性があります。

顧客に対するアプローチ・商品・サービスの改善につながる

NPSを活用するメリットの2つ目は、顧客に対するアプローチ・商品・サービスの改善につながるということです。NPSスコアを算出し、それぞれの属性からさらに深堀りして意見を聞くことで、各顧客へのアプローチ方法や商品・サービスの直接的な改善点を知ることができます。

自社のポジションを客観的に把握できる

NPSを活用するメリットの3つ目は、自社のポジションを客観的に把握できるということです。他者に薦めたいのかという共通の質問をして導き出されるNPSは、自社が業界でどのポジションにいるのかを客観的に把握することができます。各業界にはNPSスコアの平均値があるため、その平均より上なのか下なのかで自社のポジションはより明確になるでしょう。なお、業界ごとにNPSスコアの平均値が異なるため、自社の業界のスコアで比較しなければいけません。

NPSを活用するデメリット

ここでは、NPSを利用するデメリットについて解説します。

  • 科学的な根拠がない
  • 日本はNPS®の値が欧米より低くなる

それでは、1つずつ解説します。

科学的な根拠がない

デメリットの1つ目は、科学的な根拠がないということです。NPSは、同業種との比較に向いているため、自社のポジションを客観的に見ることができます。ただし、商品やサービスを使用している顧客に対してNPS調査をかけたとき、顧客は各人の感覚・基準で回答するため、個人差が大きく出てしまう可能性があり科学的な根拠に欠けているという側面もあります。

日本はNPSの値が欧米より低くなる

デメリットの2つ目は、日本はNPSの値が欧米より低くなるということです。日本人は中間を好む傾向があるため、欧米に比べて数値が低くなりやすい傾向があります。中間点である5点はNPS上で「批判者」に区分されるため、スコアがマイナスにふれてしまう可能性があります。その結果、実態以上にNPSスコアが悪く見えてしまい消費者に避けられる可能性があります。

NPSの調査方法

ここでは、NPSの調査方法について解説します。

  • トランザクション調査
  • リレーショナル調査

それでは、1つずつ解説します。

トランザクション調査

NPSの調査方法の1つ目は、トランザクション調査です。トランザクション調査は、顧客がその商品やサービスを利用した直後にヒアリングする調査のことです。顧客がサービスを体験した直後に調査するため提供するサービスの課題などを正確に把握することが可能です。主に、カスタマーセンターや店舗・Webサイトなどでサービスを利用した直後に調査をする場合が多くあります。

リレーショナル調査

NPSの調査方法の2つ目は、リレーショナル調査です。リレーショナル調査は、ブランド・商品・サービスと接触した経験のある顧客に対し直近1年の体験を聞く調査方式です。どの体験が顧客の評価につながったのかサービス全体を振り返ることができ、年に1、2回程度継続して調査する場合が多くあります。

NPSで聞くべき調査項目

ここでは、NPSで聞くべき調査項目について解説します。

  • 商品・サービスを知ったメディアの確認
  • 商品・サービスを購入に至った理由
  • 商品・サービスの気に入った詳細についての確認

それでは、1つずつ解説します。

商品・サービスを知ったメディアの確認

NPSで聞くべき調査項目の1つ目は、商品・サービスを知ったメディアの確認です。この確認をすることで効果的な広告戦略を練ることができます。顧客には必ず商品を購入するきっかけになっているメディアがあるため、その点を客観的に把握することでムダな広告費の予算を削減したり、投稿すべき広告の内容も決める参考にしたりできます。

商品・サービスを購入に至った理由

NPSで聞くべき調査項目の2つ目は、商品・サービスを購入に至った理由についてです。この確認をすることで、自社の強みを把握することが可能です。購入に至るまでの理由は、価格だったのか、デザインだったのか、店舗の内装だったのかなど多岐に及ぶ購入理由を把握することで、他社と差別化するための施策を検討する参考材料にできます。

商品・サービスの気に入った詳細について確認

NPSで聞くべき調査項目の3つ目は、商品・サービスの気に入った詳細について確認です。商品自体の機能や店頭販売員の接客など気に入ったポイントを確認することで、今後の改善すべき課題の把握にもつながります。また、何が評価につながったのかを深堀りすることで、NPSのスコアに影響した項目を具体化することが可能です。

NPSを導入する場合の注意点

ここでは、NPSを導入する場合の注意点について解説します。

  • 競合企業のスコアを確認する
  • 定期的な測定をする
  • フリーコメントも参考にする

それでは、1つずつ解説します。

競合企業のスコアを確認する

NPSを導入する場合の注意点の1つ目は、競合企業のスコアを確認することです。スコアのみで判断するのではなく、自社の業界平均のNPSスコアと比較して低いのか、高いのかを確認することが大切です。日本は欧米と比較して低いスコアが出る傾向にあります。そのため、低スコアだからと言って慌てるのではなく、業界の平均と比較し、過去実績よりも改善されているのかを確認するようにしましょう。

定期的な測定をする

NPSを導入する場合の注意点の2つ目は、定期的な測定をすることです。定期計測することで、自社のマーケティングの方向性が間違っていなかったのかなどを確認できます。時系列でスコアを追うことで広告効果の妥当性などを判断する基準になるでしょう。

フリーコメントも参考にする

NPSを導入する場合の注意点の3つ目は、調査で確認がとれるフリーコメントも参考にすることです。NPSはスコアの分析のみで終わるのではなく、なぜお薦めしたいのか、お薦めしたくないのかを確認することが今後の商品・サービスの改善につながります。そのため、フリーコメントもしっかりと確認し参考にするようにしましょう。

NPSの活用事例

ここでは、NPSの活用事例について解説します。

  • 損害保険会社の場合
  • 宿泊サービス会社の事例

それでは、1つずつ解説します。

損害保険会社の場合

損害保険会社では、顧客へのサービス提供や問い合わせ対応など、顧客とのインタラクションにおいてNPSを活用することができます。例えば、保険の解約やクレームの処理など、顧客にとってストレスの大きな経験があった場合にNPSアンケートを実施することで、改善すべき点を把握することができます。また、顧客サービスや問い合わせ対応など顧客とのインタラクションの質を測定し、改善に取り組むことができます。

宿泊サービス会社の事例

宿泊サービス会社では、NPSを活用することで、顧客サービスや宿泊施設・部屋の品質・料金など、様々な要素について顧客満足度を測定することができます。例えば、顧客が宿泊した後にNPSアンケートを実施することで、改善すべき点を把握することができます。料金についても顧客の意見を聞き、料金設定にポジティブな変更をかけることができます。宿泊サービス会社では、NPSを活用することで、顧客ニーズに対応し、顧客満足度の向上に取り組むことができます。

NPS調査分析ツール おすすめ10選

ここからは、おすすめのNPS調査ツールを解説していきます。

Ambassador Relations Tool

フリープランも用意されているMA・CRM管理・NPS計測ができるクラウドシステムです。NPSを計測するために、定期的に計測するアンケートメールを送信することが可能です。また、自社ブランドに愛着があるアンバサダーを把握し、積極的にそのアンバサダーに対してアプローチすることができます。

Ambassador Relations Toolの特徴

  • フリープランが用意されているマーケティングツール
  • MA・CRM管理・NPS計測ができるクラウドシステム
  • アンバサダーマーケティングの実現が可能

URL: https://amb-r-t.jp/

 

SurveyMonkey

SurveyMonkeyは、簡単にフィードバックを確認できるツールです。このプラットフォームは、カスタマーサービス・製品やサービスの評価・顧客満足度など、様々な領域でのアンケートを作成・実施・分析することができます。また、アンケートの結果を可視化し、データをダッシュボードやレポート形式で提供することで、改善活動やイノベーションをサポートします。

SurveyMonkeyの特徴

  • NPSアンケート作成のサポート機能あり
  • ベーシックプランは無料で使用可能
  • アンケート収集に特化しているのでテンプレートが豊富

URL: https://jp.surveymonkey.com/mp/take-a-tour/

 

qualtrics XM

qualtrics XMは、クアルトリクス合同会社が提供するソフトウェアプラットフォームです。これは、顧客体験管理のための包括的なソリューションで、顧客からのフィードバックを収集・分析し、施策改善をすることができます。qualtrics XMを利用して、顧客満足度の工場、ロイヤリティの増加を実現させ、顧客体験に関するインサイトを提供することで収益成長を促進することを目的に設計されています。NPSは、様々なオンラインサーベイにより定期的にスコアの確認がとれ、顧客のロイヤリティレベルによるセグメントも可能です。

qualtrics XMの特徴

  • NPSの定期的なスコア確認が可能
  • 顧客の離脱を予測し、離反防止策の実行が可能
  • 様々なタッチポイントからのフィードバックを一元管理

URL: https://www.qualtrics.com/jp/

 

Delighted

Delightedは、顧客満足度や顧客ロイヤルティを測定するためのネットプロモータースコア(NPS)アンケートを作成・実行するためのツールです。アンケートの結果は、顧客の口コミや満足度を分析し、顧客ロイヤルティを改善するための改善策を提案します。

Delightedの特徴

  • 無料トライアルあり
  • NPS測定のためのアンケート作成・送付機能あり
  • リアルタイムダッシュボードによる分析提案機能あり

URL: https://delighted.com/

 

SURVICATE

SURVICATEは、顧客フィードバックを収集するためのツールです。ウェブサイトやアプリに簡単に導入でき、顧客からのフィードバックをリアルタイムで収集し、分析することができます。これにより、顧客満足度や顧客ニーズを把握し、サービスや製品の改善に役立てることができます。また、NPSなどの調査も行うことができ、顧客ロイヤルティの測定や改善にも役立ちます。

SURVICATEの特徴

  • NPSのアンケート作成・送付の効率化
  • Webサイトの訪問者に対してアンケートによるサイト改善
  • モバイルアプリ調査によるアプリ改善

URL: https://survicate.com/

 

mopinion

mopinionは、Webサイトやモバイルアプリから顧客のフィードバックを簡単に収集し、分析することができるソフトウェアです。これにより、顧客満足度やニーズを把握し、サービスや製品の改善に役立てることができます。また、NPSなどの調査も行うことができ、顧客ロイヤルティの測定や改善にも役立ちます。

mopinionの特徴

  • 14日間の無料トライアル
  • モバイルアプリ・Webサイトのフィードバック調査が可能
  • NPS調査が可能

URL: https://mopinion.com/

 

Your Voice

Your Voiceは、トータル・エンゲージメント・グループ (TEG) が提供する、顧客満足度や顧客ニーズを把握するためのソフトウェアです。顧客のフィードバックを収集し、分析することができるツールであり、NPSなどの調査もできます。顧客ロイヤルティの測定や改善にも役立ちます。ウェブサイトやアプリに簡単に導入できるので、顧客の声を収集し、サービスや製品の改善に役立てることができます。

Your Voiceの特徴

  • 申し込みから最短1営業日で利用開始が可能
  • シンプルでわかりやすい操作性
  • トライアルでNPS分析機能の使用可能

URL: https://your-voice.jp/

 

NPX Pro

NPX Proは、NPS評価を専門的に支援するためのツールです。NPX Proは、NPSアンケートを自動的に実行・解析し、結果を可視化することで顧客満足度を測定し、改善するための情報を提供することができます。

NPX Proの特徴

  • NPSのアンケート作成・送付・回収・分析までを一元管理
  • NPSの調査結果から課題を抽出
  • 顧客のネガティブな反応に対するアラート機能あり

URL: https://www.nttcoms.com/service/nps/

 

Emotion Tech CX

EmotionTech CXのクラウドシステムは、顧客満足度に関する調査や分析を可能にするツールです。その中でも、NPS調査に特化しており、いつでも簡単かつ正確に調査分析を実施することができるので、顧客満足度の改善に役立ちます。

EmotionTech CXの特徴

  • 450社を超える企業に対してサービス提供
  • NPSの調査を業界・業種にあわせて作成可能
  • 分析したデータをリアルタイムに組織内で共有可能

URL: https://www.emotion-tech.co.jp/service

 

M-ONE

M-ONEは、NPSを活用した顧客満足度の評価を行うためのツールであり、その特徴は、顧客からの回答に対するコメントの分析を重視していることです。顧客がNPSアンケートに対して回答した後に、それぞれのレスポンスに対する詳細なコメントを収集したうえでそれらを解析し、どのような改善が必要かを明確にすることができます。これにより、顧客の満足度向上に繋げるためのアクションプランを立てることができ、顧客ロイヤルティを高めることができます。

M-ONEの特徴

  • NPSアンケート分析・テキストマイニングの両機能を備えたシステム
  • 日本の風土に合わせたNPI分析・コンテントのネガポジ判断機能
  • 業界に合わせたアンケート設計のサポートあり

URL: https://markitone.co.jp/solution/m-one/

 

まとめ

NPSは、企業の業績に相関関係のある指標で、今後ますます重要になってくると予想されます。単なる顧客満足度の測定ではなく、他者に推薦したいと思える商品・サービスを提供できているのかを把握する上でもNPSの業界平均値を知り、自社のポジションを確認することは重要です。NPSを導入する場合は、どのセグメントが評価に影響を与えているのかを把握し、課題であれば改善していくことが必要です。顧客のフリーコメントにも重要なヒントが隠されいますので、その点も見逃さないようにしましょう。

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