社内SNSには多くのメリットがある一方でデメリットもあります。社内SNSを導入して成功するには、導入前にデメリットを理解し、対策を実施しなくてはなりません。また、社内SNSのメリットを社内組織に周知徹底することで、従業員全員が社内SNSの活発な利用を促進できます。今回は、社内SNSを導入する前に知っておくべきメリットとデメリットを具体的に紹介します。
社内SNSを導入するメリット
社内SNSのメリットは、そのまま導入の目的と直結します。社内SNSの五つのメリットを紹介し、企業が抱える主な問題点を二つ取り上げて、具体的に社内SNSのメリットでどう解決できるのかについて紹介します。
社内SNSの五つのメリット
1.コミュニケーションの活性化
社内SNSは、部署や勤務地をこえたオープンのコミュニケーションの場を実現できます。これにより、多様な考えに触れたり、多くの意見を集約できたりしするので、創造的な新しいアイデアが生まれやすくなります。
2.情報やナレッジの共有・蓄積がスムーズ
社内SNSによってコミュニケーションが活性化することで、属人化されていた情報やナレッジが広く共有できます。この結果、いつでも、誰でも情報やナレッジを利用できることから業務効率化・生産性の向上が期待できます。
3.情報やナレッジの共有が迅速に可能
経営環境の変化のスピードが速い現代においては、素早い意思決定と行動が必要です。社内SNSは、タイムラグのないコミュニケーションを容易にするため、問題の共有から意思決定、そして解決までの時間を短縮できます。
4.業務の進捗や問題点の把握が容易
社内SNSにおける、タスク管理機能、スケジュール管理機能やコミュニケーション履歴検索を利用することで、迅速に業務の進捗の確認や問題点の把握が可能となります。
5.情報の確認済みの把握が可能
連絡した事項が確認されたかどうかを把握できるため、伝達漏れなどのコミュニケーション不足を防止できます。
従業員間の情報格差が大きい問題点を解決
経営層、中間管理層、一般従業員層という縦ラインでの情報格差はもちろん、部署やチーム間の横ラインでも情報格差があるケースは少なくありません。そのことによって業務が滞ってしまうばかりか、勘違いでミスを犯す可能性もあります。
そもそも、社内で情報格差ができてしまう要因のひとつに、情報伝達がメールや電話など個人同士のやり取りが中心であることが挙げられます。個人同士のやり取りが多いと、情報伝達が伝言ゲームとなり、本来伝えたかったことが正確に伝わらなくなります。また誰が知っていて、誰が知らないかが判然としない問題も生じます。
さらに、情報格差を埋めるため、情報共有する会議を行っているケースもありますが、それがかえって業務時間を削ってしまい、残業時間増加いった問題にもつながっていきます。
社内SNSは、個人同士のやり取りも可能ですが、全従業員やグループ、部署単位で一斉にメッセージを投稿できることが大きなメリットです。一般的なメールでも、メーリングリストを作成すれば一斉にメッセージを届けられますが、誰が見て、誰が見ていないかを確認することは簡単ではありません。その点、社内SNSは、ひと目で閲覧者が確認できる機能があるものが多く、見たことを伝えるメールを送るといった無駄な手間が省けます。さらに、情報共有だけのための会議を行う必要がなくなり、残業時間削減にも効果を発揮します。
また、情報格差の問題は、情報を知っている、知らないだけでなく情報を知るに至る時間差も大きな問題です。しかし、社内SNSの多くはマルチデバイスでパソコン以外にも、スマートフォン、タブレット端末で閲覧できるため、外出先からでもリアルタイムで情報共有が可能です。これらのメリットにより、社内での情報格差は生まれにくくなります。
人手不足による従業員への負担増大を解決
日本は少子高齢化による生産年齢人口減少の影響もあり、多くの業種で人手不足が恒常的な問題となっています。人手が不足すれば、残っている従業員への負担が増大。これが体調不良や休職などを招く要因にもなり、さらに人手不足が深刻化します。これを解決する手段のひとつが、モバイルワークや在宅勤務といったテレワークの導入です。これまで育児や介護、療養などで退職せざるをえなかった人材を継続雇用できるうえ、また採用の範囲を全国に広げることも可能です。
しかし、実際にはテレワークを導入している企業は少なく、その理由として「コミュニケーションに問題がある」「業務の進行が難しい」が挙がっています。この理由の解決に大きな効果を発揮するのが社内SNSです。社内SNSであれば、通常の事務所内と同等なコミュニケーションが可能で、コミュニケーション不足や、業務の進行、あるいは業務の進行のチェックを可能にします。
社内SNSを導入するデメリット
さまざまなメリットを持つ社内SNSですが、活用方法を誤ると企業にとってデメリットとなることもありえます。主なデメリットとして以下の三つがあります。
1. ルールの策定や教育・定着などの時間的コストがかかる
自社内に新たなツールやルールを導入する際には、必ずと言っていいほど、お金と時間のコストがかかります。特に社内SNSのようなコミュニケーションツールの場合は、既存ツールに慣れてしまっている従業員が新たなツールを積極的に利用し始めるには時間がかかります。また、慣れてもらうためだけではなく、定着以降も適切に運用してもらうためのルール策定も必要なため多くの時間的コストがかかることが予想されます。
2. 情報格差やコミュニケーション疲れが出る可能性がある
上述の「慣れ」にも関連しますが、新たに導入されたツールをすぐに使いこなせる人と、なかなか使いこなせない人が出てくることがあります。このように利用頻度に差がある状態が長く続くと、社内に情報格差が生まれかねません。また、個人利用のSNS同様、自分に直接は関係のない情報接点が増えたり、ライトなコミュニケーションが増えたりることでコミュニケーション自体に疲れてしまうというデメリットも想定されます。
3. 情報が流れてしまいやすく、ストック型の情報共有には向かない
社内SNSの特長として、コミュニケーションがスピーディーになるということがありますが、一方で情報量が多くなりすぎるため、必要な情報が流れていきやすいという傾向もあります。したがって、長期間保管する必要がある書類や普遍的なノウハウがまとまったドキュメントなどは、短期的には社内SNSで共有することは可能ですが、中長期的には別の文書管理システムや社内wikiなどに保管しておく必要があります。
社内SNS導入のデメリットを克服するポイント
社内SNSの主なデメリットを紹介しましたが、メリットがデメリットを大きく上回り、デメリットは運用で抑えられることから、社内SNSの導入は企業に大きな成果と効果をもたらします。デメリットは以下の方法で抑制が可能です。
あらかじめ目的や運用フローを明確にしておく
- なぜ社内SNSを導入することになったのか?
- どのようなシステム移行スケジュールなのか?
- マニュアルや問い合せ先はどこなのか?
- 推奨される行為やNG行為は何なのか?
など、導入前にあらかじめ目的やルールを策定し、全社に共有しておくことでユーザー(従業員)の心理的ハードルを減らしておくことができます。特に従業員同士のコミュニケーションは職場の活性化やモチベーションにも大きく影響する部分なので、事前にリスクや運用ガイドラインを明確にしておくことが重要です。
フロー型情報の共有と、ストック型情報の共有で使い方を分ける
せっかく新しいツールを導入しても、うまく活用されなければ意味がありません。社内SNSの導入の背景には、コミュニケーションの円滑化やナレッジの共有といったことが多いかと思いますが、ツールによって得手不得手があることを認め、あらかじめ運用ルールに盛り込んでおきます。特にそのような種類の情報を共有するのに向いているのかを明確にしておくことは重要なので、フロー型・ストック型双方の情報共有ができるように仕組みやインフラを整えておきましょう。
社内SNSの成功はデメリットを克服しメリットを最大限に生かす活用が必要
社内SNSはうまく活用すれば大きなメリットがあります。しかし、実際には既存ツールとの使い分けや活用方法に関して事前にすべてを予測しておくのは難しいのではないでしょうか?
『社内SNSとはなにか?導入目的やメリット、成功事例をあわせて解説』
こちらの記事では、運用方法や導入成功の事例など、社内SNS導入前に読んでいただきたい内容をまとめています。
また、さまざまな社内SNSの選び方のポイントや機能一覧は
•【2024年版】社内SNSツールおすすめ12選(有料・無料)
こちらの記事にまとめてありますので、ぜひご一読ください。
企業として新たなツールを導入するとき、メリットに目を奪われ、ツールを導入すれば成功すると思い込み、導入自体が目的になってしまうことがあります。社内SNSは導入することが目的ではなく、成果が出るように運用することを目的としなければなりません。
社内SNSの導入前にメリットとデメリットをよく理解し、自社の最も大きな問題点は何か、そして社内SNSのメリットをどう生かせば、その問題点が解決できるかを明確にすることが何よりも重要です。
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