文書管理はなぜ必要か?その目的とビジネスにおけるメリットを解説

2021年08月01日(日) 文書管理

適切な文書管理を行うことは、企業に多くのメリットをもたらします。しかし、従来の紙の文書だけではなく、近年増加している電子文書に対しても、十分な文書管理が行われていないケースが多いようです。そこで、文書管理の定義や目的と重要性、電子文書の管理を効率的に行える文書管理システムについて解説します。

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文書管理とはなにか?その目的は?

文書管理の定義

文書管理とは、文書を「発生」→「活用・処理・伝達」→「保管」→「保存」→「廃棄」の流れ(ライフサイクル)にそって適切に管理することです。管理される文書は、紙の文書や電子文書など媒体を問いません。また、業務遂行のために従業員個人が管理する文書と企業全体での組織的・体系的に管理を行うべき共有文書の両方に対して、(特に後者の文書に対して)行うべき管理活動のことです。

個人文書と共有文書

個人文書とは、従業員個人が手元に置いている文書のことです。このなかには、従業員個人の備忘録やナレッジ、および企業全体で共有すべき文書が含まれています。従業員個人に文書管理を委ねているとあらゆる情報が属人化され、企業全体で有効に活用することが困難なだけでなく、企業として説明責任(アカウンタビリティ)を果たせないなど、社会的な信用の下落を招く原因となります。

共有文書とは、企業全体で法律への対応や業務遂行上の記録の保管・保存、および企業にとって有用な情報・ナレッジを従業員全員が利用できるようにするための文書のことです。

文書管理が徹底できていないと、共有すべき文書が個人文書のままで放置される問題や、共有文書として保管・保存されても有効な活用が難しいなどの問題が生じます。業務を効率的・効果的に行うためにも、また企業が社会的責任を果たすためにも文書管理は企業全体で取り組むべき重要な課題です。

文書管理の目的

文書管理の目的は、大きく分けると「企業が法律や社会的な責任を負うために必要な文書を保管・保存すること」「企業活動に必要な情報・ナレッジを有効に活用するために文書にして保管・保存すること」の二つです。そして、静的に必要な文書が保管・保存されているだけでなく、動的に「必要な文書を」「必要な人が」「いつでも必要なときに」「どこにいても」「すぐに取り出して利用できる」ようにすることが文書管理の目的です。多くの企業では、二つの目的のうち、前者については最低限行われていても、後者については十分にできている企業はそれほど多くありません。

文書管理が重要な理由

文書管理は、前述の二つの目的を実現するために必要で、文書管理の目的が達成できると以下の効果が得られるために非常に重要です。

  • 業務効率化・生産性の向上
    必要な文書を素早く見つけて取り出し、利用できるようになることで業務の効率化を実現できます。また、業務遂行に有用なナレッジを従業員全員が活用できるようになることで、質の高い業務が可能となり、生産性の向上につながります。

  • 顧客満足度の向上
    顧客のニーズや取引履歴などの顧客情報を共有することで、迅速で無駄のない顧客対応が可能になり、顧客満足度の向上が見込めます。

  • コスト削減
    業務効率化・生産性の向上に加えて、保管する手間やスペースとコストの削減が可能です。

  • リスクマネジメント(セキュリティ)・説明責任(アカウンタビリティ)対応
    文書管理を適切に行うことで、情報の漏えい、改ざん、紛失、消失の防止と説明責任を果たすために必要な文書を保管・保存でき、リスクマネジメント・説明責任を果たせます。

電子文書とは?電子文書のメリット・デメリット

近年、増加している電子文書は、紙文書に比較すると、共有文書としたほうがよい文書も個人文書として保管・保存されていることが多く、その結果、情報・ナレッジが属人化されて多くの企業であまり活用されていません。この状況を改善するために必要な電子文書の基本的な知識と電子文書のメリット・デメリットについて紹介します。

電子文書と電子化文書とは

電子文書には、厳密にはパソコンやその他の電子機器で最初から電子化されている狭義の電子文書と、紙の文書をスキャニングし電子化した電子化文書の2種類があります。

電子文書を紙文書と比較したときのメリット・デメリット

電子文書は、紙文書に対して以下のメリット・デメリットがあります。

1.電子文書のメリット

場所の節約
電子文書は紙の文書とは異なり、データなので量が増えても場所を取りません。

検索性の向上
電子文書はデータなので、キーワードや作成年月日、作成者などによる検索ができ、後述の文書管理システムを利用することでさらに高度な検索も可能です。

バックアップが容易、共有による活用が便利
電子文書は、容易に複製ができるのでバックアップも簡単です。文書管理システムを利用すれば定期的に自動でのバックアップも行えます。これによって事故やトラブルが発生しても素早く元の文書の復元が可能です。また複製が簡単なことから、量の多い文書でも複数人が同時に閲覧できるため、共有による活用が簡単です。

情報漏えい、紛失、消失の防止
電子文書はセキュリティを強化する必要がありますが、しっかりした対策をとれば情報漏えいや文書の紛失、消失の防止が紙文書よりも強固にできます。

2.電子文書のデメリット

コスト増
保管・保存スペースのコスト削減効果よりもハードウェア、ソフトウェアの導入費用が上回る可能性があります。

電子文書だけでなく一部は紙文書も必要
電子文書だけの保管・保存はできず、一部紙文書が残るため、二重の管理が必要です。

電子文書の検索性向上には適切な文書管理システムの導入が必要
電子文書の検索性は紙文書よりも高いですが、十分な検索性を確保するには、文書管理システムの導入が必要です。しっかりとした文書管理ルールの作成と文書管理システムを導入しないと、紙文書と異なって電子文書は目に見えないことから、逆に検索が困難になる可能性があります。

電子文書の管理に必要な要件

電子文書を管理するには、以下の四つの条件を満たすことが必要です。

  • 見読性
    見読性とは、可視性のことで必要なときに、すぐに見られるようにしておくことです。

  • 完全性
    文書の作成者・作成時期が確定したものとして作成され、紙文書などと電子化した文書が同一であることが確認でき、保存義務期間中に文書が改ざん(追記・修正など)・消去されないこと、または改ざんされたことが確認できること、および、保存義務期間中に文書が消失、破損しないようにしておくことです。

  • 機密性
    文書の盗難、漏えい、改ざん、閲覧などを防止できるようにしておくことです。

  • 検索性
    必要に応じて電子文書を取り出せるようにしておくことです。

文書管理に企業として積極的に取り組むことのメリット

紙文書も電子文書もただ単に保管・保存するだけでなく、文書管理をきちんと行い、活用できるようにすることで多くのメリットが生まれます。従業員個人で行う文書管理は、あくまでも文書を整理して使いやすくしているだけであって、他の従業員の情報やナレッジを活用するまでには至りません。

業務の効率化や生産性の向上は個人レベルでも可能ですが、その効果は限定的で大きくありません。文書管理は、企業全体で取り組むことで大きなメリットが生まれます。

文書管理で企業・組織が得られるメリット

企業が積極的に文書管理に取り組むことで、以下のメリットが生まれ、企業の存続と収益向上に貢献します。

  • 業務の透明性と説明責任の確保
    必要な文書が記録され保管・保存されることで社会的責任である説明責任を果たせます。

  • 効果的な方針策定と有益な情報に基づいた意思決定
    経営環境の早い変化を情報として共有することで、正確に現状を把握でき、企業活動における効果的な方針策定や意思決定が迅速にできます。

  • 業務リスクの管理と災害時における業務の継続性の確保
    文書管理によって文書の紛失や誤廃棄、漏えいなどのリスクを減らせます。また、文書を整理してバックアップすることで、事故や災害が起きても文書を復元できて業務を継続することが可能です。

  • 業務の効率化とナレッジの共有で生産性の向上
    属人化した情報・ナレッジを全従業員が共有することで、業務の効率化や業務の質をアップでき、生産性や、顧客満足度の向上につながります。

利益を生み出す文書管理には文書管理システムが必要

電子文書を十分に活用できるようにするには文書管理システムの導入がおすすめです。

文書管理システムとは

文書管理システムとは、電子文書を保管・保存、活用、廃棄までを一括管理できるシステムのことです。

文書管理システムでできること

ファイルサーバーを使っても簡易な文書管理はできますが、文書管理ステムと異なり以下の問題点があります。

  • フォルダーの名前の付け方が従業員ごとに異なり検索が困難。単純なキーワード検索では大量に該当文書がヒットして必要な電子文書を探すのが困難
  • 文書が変更されている場合、どれが最新の電子文書かわからない(バージョン管理が困難)
  • 機密度の高い情報などへのアクセス制限や利用者別のアクセス履歴が不明などでセキュリティ対策が不十分
  • 国内拠点と海外拠点での電子文書の共有が困難
  • 社外からのアクセスが困難
  • 操作ミスによるデータの削除の防止や、削除された文書の復元が困難

など

しかし、文書管理システムは、以下の機能によって、上記の問題点を解消します。

  • 強力な検索機能
    フォルダーによる分類、タグによる検索、文書内のキーワードでの横断検索、複数キーワードやAND検索などの高度な検索など、さまざまな方法による検索ができます。

  • バージョン管理機能
    同じタイトルの文書が複数ある場合、作成年月日によりバージョン管理を行います。つねに最新版の文書を表示しますが、過去の文書を参照することも可能です。

  • セキュリティ機能
    アクセス権限、パスワードや生体認証、アクセスログの取得など、情報の破壊や漏えいに備えた高度なセキュリティを実現します。

  • 保管期限や更新日の管理機能
    文書のライフサイクルに合わせて、必要な期間の間は文書を保護し、不要になった文書は適切に廃棄します。

  • クラウド型文書管理サービスでアクセス性の向上
    多くの文書管理システムはクラウドサービスで提供されており、簡単にいつでも、どこからでも検索して文書を共有できます。

 

まとめ:文書管理は企業全体で行う重要な業務

全社共通の文書管理ルールを作成して、さらに文書管理システムを導入して運用することで、文書管理の目的である「必要な文書の保管・保存」と「情報・ナレッジの有効活用」の二つを実現でき、「必要な文書を」「必要な人が」「いつでも必要なときに」「どこにいても」「すぐに取り出して利用できる」ようになります。

文書管理は企業全体で行う重要な業務と認識して推進することが求められているのです。

文書管理についてより詳しく知りたい方は
いまさら聞けない!文書管理の基本事項と押さえておくべきポイント
こちらの記事もご覧ください。

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