ナレッジマネジメントの4つの手法|進め方やメリット、注意点も解説

2025年09月11日(木) ナレッジ共有

 

企業が持つ知識や情報を整理・共有し、業務効率や意思決定の質を高める「ナレッジマネジメント」は、現代のビジネスに欠かせない考え方です。単なる情報の保管にとどまらず、組織全体で知識を活用する仕組みを整えることで、社員の業務効率の向上や顧客満足度の改善など、多くのメリットが得られます。

そこで本記事では、ナレッジマネジメントの基本概念や代表的な手法について詳しく解説します。導入のステップや注意点、さらにおすすめツールと導入事例まで紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ナレッジマネジメントとは?わかりやすく解説

ナレッジマネジメントとは、社員一人ひとりが持つ知識や経験を組織全体で共有し、業務に活かす仕組みを整える経営手法です。属人化しやすい情報を可視化し、誰もが使える形で蓄積することで、業務効率の向上や人材育成の促進、新しいアイデアの創出につなげます。

また、変化の激しいビジネス環境に対応するうえでも、知識を組織の資産として管理・活用することが重要とされています。

ナレッジマネジメントの詳細については、以下の記事で解説しているので、ぜひあわせてご確認ください。
>関連記事:ナレッジマネジメントとは?実施するメリットや手順、おすすめツールなどを解説

ナレッジマネジメントのSECIモデルとは?

SECIモデルとは、一橋大学名誉教授・野中郁次郎氏が提唱した知識創造のプロセスで、ナレッジマネジメントを実践するうえで広く活用されています。

以下の4段階を繰り返し、個人の経験や感覚といった暗黙知を組織全体で活用できる形式知へ変換していく仕組みです。

  • Socialization(共同化)
  • Externalization(表出化)
  • Combination(連結化)
  • Internalization(内面化)

さらに、この循環を促すためには「創発場」「対話場」「システム場」「実践場」といった環境づくりも不可欠です。こうして知識を共有・発展させることで、組織は継続的な成長やイノベーションを実現できます。

以下の記事では、SECIモデルについて、より詳しく解説しています。適した場面や課題について紹介しているので、あわせてご覧ください。
>関連記事:SECIモデルとは何か?直面する課題と解決法も詳しく紹介

ナレッジマネジメントの手法

ナレッジマネジメントには、以下の4つの手法があります。自社にはどの手法が合うか、確認してみましょう。

  • ベストプラクティス共有型
  • 専門知識共有型
  • 経営資本・戦略策定型
  • 顧客知識共有型

ベストプラクティス共有型

ベストプラクティス共有型は、優秀な社員が実践している効果的な方法やスキルを社内に展開し、全体のパフォーマンス向上を目指す仕組みです。たとえば、営業で高い成果を上げている社員の交渉テクニックや、コールセンターで顧客満足度を高めている対応フローを共有するなど、成功例を具体的に学びます。

個々の経験を一部の人だけが持つのではなく、組織全体で活用できるようにすることで、全社員のスキルを底上げできる点が特徴です。とくに営業やカスタマーサポートの現場で、力を発揮する手法と言えます。

専門知識共有型

専門知識共有型は、技術や専門分野に特化した知識を組織内で体系的に共有し、課題解決のスピードを高める手法です。FAQの整備や社内データベースの構築、専門知識を持つ人材をネットワーク化して相談しやすい環境を整えることを主眼としています。

これにより、複雑な問題にも迅速に対応でき、社員一人ひとりが専門性を活かした業務遂行を可能にします。顧客からの問い合わせ対応の効率化や、新人教育期間の短縮にもつながるため、日常業務の質を底上げする役割も果たすでしょう。

経営資本・戦略策定型

経営資本・戦略策定型は、組織内外にあるナレッジを集めて分析し、経営方針や事業戦略に活かすアプローチです。社内の成功・失敗事例だけでなく、競合他社の動向や市場情報も組み合わせて活用するのがポイントです。

データ分析や知識の体系化を通じて、自社の強みと課題を可視化し、将来的な方向性を見出します。経営層にとっては戦略的な意思決定の根拠となり、現場にとっては改善ポイントを明確にする手助けとなります。

組織全体の知的資本を経営資源とし、再活用する考え方です。

顧客知識共有型

顧客知識共有型は、顧客に関するあらゆる情報を組織内で共有し、サービス品質の向上に活かす仕組みです。顧客の基本情報だけでなく、購買履歴や問い合わせ内容、過去のクレーム対応まで含めてデータベース化します。

これにより、担当者が変わっても一貫した対応が可能になり、顧客満足度の向上につながります。また、過去の対応事例を活かせば、同じトラブルが発生した際に、迅速かつ的確に処理できる点もメリットです。

顧客対応の属人化を防ぎ、組織全体で信頼関係を築くことを目的としています。

ナレッジマネジメントのメリット

ナレッジマネジメントを導入することで、組織は多くのメリットを得られます。主な効果は以下の通りです。

メリット 詳細
業務効率化 必要な情報をすぐに検索でき、作業時間を大幅に短縮できる。
属人化の解消 知識を共有することで特定の人への依存を防ぎ、引き継ぎも円滑になる。
人材育成の促進 過去の事例やノウハウを教育に活用し、新人や若手のスキルアップを支援する。
組織の連携強化 部門や拠点を越えて情報を共有し、一体感を高め、顧客満足度を向上させる。
イノベーション創出 事例の分析や知識の組み合わせにより、新しい製品・サービスの開発が促進される。

ナレッジマネジメントのメリットは、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひあわせてご覧ください。
>関連記事:ナレッジマネジメントのメリット5選!デメリットや導入事例も紹介

ナレッジマネジメントの進め方|導入手順4ステップ

ナレッジマネジメントは、以下の4ステップで導入を進めていきます。

  1. 目的を明確にする
  2. 情報を集約する仕組みを整える
  3. 蓄積するナレッジを可視化する
  4. 活用と検証のサイクルを回す

1.目的を明確にする

最初のステップは「なぜナレッジマネジメントを導入するのか」という目的を明確にすることです。目的が定まっていないと、どのような情報を蓄積すべきか判断できず、形だけの取り組みになりやすいです。

たとえば「業務効率を上げたい」「新人教育を効率化したい」など、自社の課題と成果イメージを具体化することで、社員も納得感を持って協力できるようになります。目的の共有は成功の第一歩です。

2.情報を集約する仕組みを整える

次に、ナレッジを一元的に集約できる仕組みを決めます。既存の社内ツールを活用する方法もありますが、検索性や利便性に優れた専用システムの導入が効果的です。

たとえば、ナレッジ共有ツールを利用すれば、社員は欲しい情報を短時間で探せるだけでなく、利用状況の分析によって「どのような知識が求められているか」も把握できます。使いやすい仕組みを整えることが、継続利用の鍵となるでしょう。

3.蓄積するナレッジを可視化する

目的に応じて、どのような情報を集めるのかを具体的に決め、誰もが理解できる形にまとめましょう。

営業なら成功事例や商談のコツ、サポート部門ならトラブル対応の知見などが対象です。重要なのは専門用語を多用せず、誰でも理解できる表現にすることです。

せっかくナレッジを集めても、わかりにくければ活用されません。情報を整理し、読み手の視点に立った可視化を行うようにしましょう。

4.活用と検証のサイクルを回す

ナレッジは蓄積して終わりではなく、社員が日常的に使えるよう環境を整える必要があります。共有をリードする人を任命したり、情報を発信した社員を評価したりする制度を導入すると、活用が進みやすくなります。

また、定期的に「活用されているか」「古い情報が混ざっていないか」を確認し、改善を続けましょう。このサイクルを回すことで、ナレッジマネジメントは定着し、組織の成長に結びつきます。

ナレッジマネジメントを導入する際の2つの注意点

ナレッジマネジメントを導入する際は、以下の2点に注意しましょう。

  • 現場の操作性を重視する
  • 社員が進んで知識を提供できる仕組みを整える

現場の操作性を重視する

ナレッジマネジメントシステムは、導入しても社員に使われなければ意味がありません。とくに現場で日常的に利用する人にとって「直感的に操作できるか」「欲しい情報をすぐに探せるか」がポイントです。

操作が複雑だと、せっかくの仕組みも形骸化してしまいます。導入前には無料トライアルやデモを活用し、実際に社員に操作性を確認してもらいましょう。利用頻度が高い部署の意見を取り入れることが、導入成功のポイントです。

社員が進んで知識を提供できる仕組みを整える

ナレッジの多くは優秀な社員が持っていますが、忙しい中で自分の知識を共有する必要性がなければ、情報が集まらない可能性があります。そのため、人事評価に反映したり、共有を表彰・称賛する仕組みを作ったりすることが重要です。

加えて、スマホやタブレットから手軽に投稿できる環境を整えると、移動中や隙間時間に情報を追加しやすくなります。「知識を提供するメリットがある」と感じてもらえる体制づくりが欠かせません。

ナレッジマネジメントを簡単に行う方法

ナレッジマネジメントを簡単に行うには、専用ツールの導入がおすすめです。

ナレッジマネジメントツールの中でも特におすすめなのが『NotePM』です。

URL:https://notepm.jp/

その理由は、企業の知識資産を最大限に活かす仕組みが整っている点にあります。NotePMの主な特徴は、以下のとおりです。

特徴 詳細
検索性の高さ Word・Excel・PDFなどファイル内容まで全文検索可能。
操作性の良さ マークダウンやテンプレートで誰でも簡単にドキュメントを作成可能。
安心のセキュリティ アクセス権限設定、SSL暗号化、データバックアップ機能を完備。
社内活性化 コメント・いいね・チャット連携でコミュニケーションを促進。
多様な働き方に対応 PC・スマホ・タブレット対応、多言語利用も可能。
導入しやすさ トレーニング不要のシンプルなUI。

NotePMは知識共有を効率化し、活発なコミュニケーションを生み出す最適なナレッジマネジメントツールと言えます。

NotePMについてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
>関連記事:NotePMの評判まとめ|メリット・デメリットや料金など網羅的に解説

ナレッジマネジメントツールを導入した3つの成功事例

最後に、ナレッジマネジメントツールを導入した3つの成功事例を紹介します。

  • 株式会社小田急フィナンシャルセンター
  • 株式会社八天堂
  • 日本PCサービス株式会社

株式会社小田急フィナンシャルセンター

株式会社小田急フィナンシャルセンター

株式会社小田急フィナンシャルセンターは、小田急グループ各社の経理・給与計算業務を代行している企業です。従来はExcelやWordで作成したマニュアルをファイルサーバーで管理しており、検索や共有に時間がかかっていました。

NotePMを導入したところ、全文検索やテンプレート、更新履歴管理により情報検索時間を約8割削減しました。ナレッジの集約と共有が大幅に改善された成功事例です。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
>関連記事:【導入事例】NotePMで実現するDX時代のマニュアル管理。数秒で欲しい情報にアクセス – 株式会社小田急フィナンシャルセンター

株式会社八天堂

株式会社八天堂

株式会社八天堂は、広島県三原市に拠点を置き、パン製造・販売や体験型施設「八天堂ビレッジ」を運営しており、全国20店舗に加え海外にも展開しています。社員の雇用形態が多様化する中、情報格差が課題となり、NotePMを導入しました。

マニュアルやナレッジを集約し、検索も容易になったことで、非正規社員も必要な情報にアクセス可能になりました。結果として、情報格差が解消され、社員同士がお互いを称える風土づくりにもつながっています。

株式会社八天堂の導入事例は、以下の記事もあわせてチェックしてみてください。
>関連記事:【導入事例】雇用形態の多様化で生じた情報格差を解消。情報共有ツール「NotePM」の活用でスタッフのモチベーションを向上 – 株式会社八天堂

日本PCサービス株式会社

日本PCサービス株式会社

日本PCサービス株式会社は、個人・法人向けにパソコンやスマートフォンなどのデジタル機器の総合サポートを提供する企業です。既存の社内情報共有システムは、検索機能や更新履歴に課題があり、マニュアルの即時改訂も困難でした。

NotePMを導入したところ、直感的な操作でマニュアル作成・更新が容易になり、情報やルールの統一が実現しました。さらに社員が自発的にマニュアルを更新する意識が高まり、業務ルールの浸透や管理意識の向上にもつながった成功事例です。

日本PCサービス株式会社の事例をさらに詳しく見たい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
>関連記事:【導入事例】業務マニュアル・電話応対ルールを共有し、全スタッフが迷わない導線を設計 – 日本PCサービス株式会社

ナレッジマネジメントの手法を理解してから社内共有を進めよう

ナレッジマネジメントの効果を最大化するには、まず自社に合った手法を理解し、全社的に共有できる環境を整えることが重要です。情報は蓄積するだけではなく、検索・活用・改善のサイクルを回すことで真の価値を発揮します。

とくに属人化の解消や人材育成、部門間連携の強化には、シンプルで使いやすい仕組みが欠かせません。ナレッジマネジメントツール『NotePM』なら、検索性・操作性・セキュリティに優れ、誰でも簡単に知識を発信・共有できます。

効率的に情報を活用し、組織の成長を加速させたい企業であれば、ぜひNotePMの導入を検討してみてください。