ビジネスコミュニケーションのひとつである電話応対は、新人にとって緊張や不安が伴いやすく、スムーズに応対できないケースも多く見られます。マニュアルを活用することで、新人が自信をもって電話対応できるようになり、円滑なコミュニケーションが可能になります。
しかし、実際にマニュアルを作るとなると、どのような内容を含めたらよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、新人向け電話応対マニュアルの作成ポイントやテンプレート例を紹介します。電話応対マニュアルに必要な項目がわからない方は、ぜひテンプレートを参考にしてみてください。
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目次
【無料】電話応対マニュアルテンプレート10選【シーン別】
無料で利用できる電話応対マニュアルのテンプレートを紹介します。
- 電話を受ける際の基本フレーズ
- 担当者が不在時のフレーズ
- 保留する際のフレーズ
- ほかの担当者に取り次ぐ場合のフレーズ
- 電話番号・連絡先を確認する際のフレーズ
- 相手が聞き取れない場合のフレーズ
- 伝言を受け取る際のフレーズ
- 電話を折り返す際のフレーズ
- クレーム対応の基本フレーズ
- 電話を切る際のフレーズ
Wordでの利用もできるので、シーンにあわせて活用してみましょう。
電話を受ける際の基本フレーズ
「はい、〇〇会社でございます。」
「お世話になっております。〇〇会社の〇〇でございます。」
「お電話ありがとうございます。〇〇部の〇〇でございます。」【例文】
「お電話ありがとうございます。ABC株式会社の佐藤でございます。」
電話を受ける際は、相手に安心感と丁寧さを伝えることを意識します。電話が鳴ったら速やかに取り、最初に「お電話ありがとうございます」と一言入れると相手への配慮が伝わり好印象です。
会社名と自分の名前は明瞭に名乗り、聞き取りやすいよう適度な速度で話します。相手の名前や用件をしっかり確認して、スムーズな対応を心がけましょう。
担当者が不在時のフレーズ
「申し訳ございませんが、〇〇はただ今席を外しております。」
「戻り次第、こちらからご連絡いたします。恐れ入りますが、お名前とご連絡先をお願いできますか?」
「よろしければ、私がご用件をお伺いいたします。」【例文】
「申し訳ございません。営業部の田中はただ今席を外しております。戻りましたらお伝えいたしますので、差し支えなければご用件を伺ってもよろしいでしょうか?」
担当者が不在時の対応では、不在理由と代替対応を丁寧に伝えることがポイントです。「席を外しております」や「別件で離れております」など、具体的な理由を説明します。
また「折り返しのご連絡をいたしましょうか?」のように代替案を提案し、相手に不安を感じさせないよう心がけましょう。
保留する際のフレーズ
「少々お待ちいただけますでしょうか?」
「ただいま、確認いたしますのでお待ちください。」
「お待たせして申し訳ございませんが、もう少々お時間をいただけますか?」【例文】
「少々お待ちいただけますでしょうか。確認いたしますので、今しばらくお待ちください。」
電話を保留にする際は、相手への確認と保留中のフォローが大切です。「確認いたしますので少々お待ちいただけますでしょうか」と了承を得てから保留にしましょう。保留が長くなる場合は、適宜フォローを入れると相手に配慮が伝わります。
戻った際は「お待たせいたしました」と、丁寧に挨拶をしてから応対を再開しましょう。
ほかの担当者に取り次ぐ場合のフレーズ
「担当の〇〇におつなぎいたします。少々お待ちください。」
「〇〇におつなぎする前に、どのようなご用件かお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「担当者に確認いたしますので、少々お待ちください。」【例文】
「担当の佐藤におつなぎいたします。少々お待ちください。なお、ご用件を簡単にお伺いしてもよろしいでしょうか?」
電話の取り次ぎでは、取り次ぎ先の明確化と確認を徹底しましょう。担当者を変更する場合は「ご用件について〇〇にて対応させていただきます」といった変更理由と、担当者の名前を明確に伝えます。必ず、相手が了承してから取り次ぐようにしましょう。
電話番号・連絡先を確認する際のフレーズ
「恐れ入りますが、念のためお電話番号をもう一度お願いできますか?」
「お名前をフルネームで教えていただけますか?」
「こちらの番号で間違いないでしょうか?」【例文】
「恐れ入りますが、念のためお電話番号をもう一度お願いできますか?〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇で間違いないでしょうか?」
電話番号や連絡先を確認する際は、丁寧な確認と聞き取りやすい言葉遣いが重要です。相手が伝えた番号を復唱すると正確さが増し、安心感につながります。
聞き取りにくい場合には「お手数ですが、もう一度お願いいたします」と丁寧に伝えることも大切です。誤りを防ぎつつ、相手に配慮した姿勢を意識しましょう。
相手が聞き取れない場合のフレーズ
「恐れ入りますが、もう一度お願いできますか?」
「少しお電話が遠いようです。恐れ入りますが、もう一度お話いただけますか?」
「お手数をおかけしますが、もう一度ゆっくりお願いできますでしょうか?」【例文】
「恐れ入りますが、お電話が少し遠いようです。もう一度繰り返していただけますか?」
相手が聞き取れないときに重要なのは、丁寧さと配慮です。「申し訳ございません、もう一度お願いできますか?」と丁寧に再確認を求めます。
また、相手が聞き取りやすいように言葉をゆっくり明瞭に話すことも大切です。必要に応じて具体的な例を挙げたり、異なる表現を使ったりして、快適なコミュニケーションを心がけましょう。
伝言を受け取る際のフレーズ
「ご伝言をお預かりいたします。どのような内容でしょうか?」
「〇〇様からお電話があったことをお伝えいたします。」
「ご連絡先をお伺いしてもよろしいでしょうか?」【例文】
「ご伝言をお預かりいたします。山田宛にお電話があったことをお伝えいたしますが、その他に何かご伝言がございましたらお知らせください。」
伝言を受け取る際は、内容の明確化と丁寧なフォローアップがポイントです。伝言の内容は具体的に伺い、伝言を受け取ったら「必ず担当者に伝えます」と約束します。必要に応じて、あとで連絡する旨も伝えておきましょう。
電話を折り返す際のフレーズ
「ただ今担当者が不在のため、後ほどこちらからお電話いたします。」
「何時ごろお電話すればご都合がよろしいでしょうか?」
「こちらから折り返しご連絡させていただきます。」【例文】
「ただ今担当者が不在のため、後ほどこちらからお電話を差し上げます。何時ごろがご都合よろしいでしょうか?」
電話を折り返す際は、迅速な理由説明が大切です。担当者の不在やほかの電話対応をしているなど折り返しになる理由を丁寧に説明し、相手に理解を求めます。
折り返しの連絡では、相手に都合のよい時間帯を確認するほか、こちらから必ず連絡する旨を伝えておきましょう。
クレーム対応の基本フレーズ
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
「お客様のご意見を真摯に受け止め、早急に対応いたします。」
「担当の者に確認し、折り返しご連絡させていただきます。」【例文】
「この度はご不便をおかけして大変申し訳ございません。すぐに確認し、できる限り早急に対応いたします。担当者から折り返しご連絡させていただきますので、少々お時間をいただけますでしょうか。」
クレーム対応の基本フレーズで欠かせないのは、謝罪と共感です。具体的な謝罪を伝えて相手の感情に寄り添い、誠意を示します。「すぐに確認し、早急に対応いたします」と問題解決への意欲を示し、信頼につなげていきましょう。
最後に時間をいただくことに対して感謝の気持ちも伝えれば、丁寧な印象を与えられます。
電話を切る際のフレーズ
「それでは、失礼いたします。お電話ありがとうございました。」
「本日はお忙しい中、ありがとうございました。それでは失礼いたします。」
「今後ともどうぞよろしくお願いいたします。失礼いたします。」【例文】
「それでは、お電話ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。失礼いたします。」
電話を切る際のフレーズでは、相手への感謝と今後の関係の構築が大切です。相手に対する礼儀を示し「お忙しい中ありがとうございました」と時間や労力に対する感謝の気持ちを伝えます。
最後に「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」と述べると、好意的な印象を残せるでしょう。
マニュアルに含めたい新人が電話応対する際のポイント
新人向けの電話応対マニュアルには、具体的にどのような内容を取り入れればよいのでしょうか。ここでは、電話応対マニュアルに含めたいポイントを、受電・架電別で解説します。
受電対応のマニュアルのポイント
受電対応のマニュアルに含めるべきポイントは以下の4つです。
- 3コール以内に応対する
- 会社名・名前・用件をメモに控える
- 保留にしてほかの担当者に取り次ぐ
- 相手が通話を切ったあとに受話器を置く
それぞれ詳しく解説していきます。
3コール以内に応対する
会社にかかってきた電話は、3コール以内で受けるのが基本です。電話応対が苦手な人も多いため、新人には相手を待たせないように応対することを指導しておきましょう。
電話を取る際は、会社の顔であることを意識し、明るい声でハキハキと話すのも大切です。最初の対応は印象に残りやすいため、丁寧な対応を心がけて相手に好感を与えられるよう努めてもらいます。
会社名・名前・用件をメモに控える
電話を受けて相手が名乗ったら、必ず会社名と名前、用件をメモするよう促します。とくに、新人のうちは名前や会社名が覚えられないことも多いため、メモの徹底が重要です。ほかの人に取り次ぐときや、伝言する際にも情報をしっかり伝えられるようになります。
電話応対に慣れていないうちは、オウム返しを活用するのも効果的です。とくに、名前や会社名はオウム返しで確認することで覚えやすくなり、相手にも丁寧な印象を与えられます。相手との認識のすり合わせもできるので、情報伝達ミスも防げるでしょう。
保留にしてほかの担当者に取り次ぐ
用件を確認できたら、保留にして担当者に取り次ぎましょう。そのまま受話器を押さえて渡してしまうと社内の会話が漏れてしまい、相手に失礼な印象を与えてしまいます。たとえ取り次ぐ人が近くにいても、必ず保留にするよう徹底を促しましょう。
保留時間は30秒が目安です。それ以上に長くなりそうであれば再度電話を取り、相手にその旨を伝えて折り返しの提案をします。担当者にはメールやメモなどを活用して、電話の用件や折り返す約束をしている旨をしっかり伝達しましょう。
相手が通話を切ったあとに受話器を置く
基本的に、電話はかけた側から切るのがマナーです。挨拶後に相手が電話を切るのを待ち、静かに受話器を置きます。相手も電話が切れるのを待っている場合は、挨拶をしたあと3秒ほど待ち、こちらから切るようにしましょう。
急に電話を切ってしまうと、相手に失礼な印象を与えてしまいます。とくにビジネスフォンは受話器を戻す際に音が鳴りやすいため、フックスイッチを指で押して電話を切るようにしましょう。
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架電の際のマニュアルのポイント
架電対応のマニュアルに含めるべきポイントは以下の3つです。
- 事前に伝える用件を整理しておく
- 電話をかける時間に気をつける
- 用件を簡潔にわかりやすく伝える
それぞれ解説します。
事前に伝える用件を整理しておく
電話をかけるときは、事前に伝える用件を整理してメモにまとめておきましょう。いきなり電話をかけると何を話したらよいのかわからなくなり、用件も伝わりにくくなってしまいます。電話に慣れるまでは、名乗り方から用件までしっかりメモしておくと安心です。
用件を伝えるときは、端的にわかりやすく伝えるようにしましょう。用件を順序立てて整理しておき、確認事項に漏れがないかを事前に確認しておきます。相手の返答をイメージしながら、一度口に出してシミュレーションしておくのも効果的です。
電話をかける時間に気をつける
電話をかけるときは、時間帯を意識することも大切です。一般的に、以下の時間帯は避けるべきとされています。
- 始業時間後と終業時間前の30分間
- 12:00~13:00の昼休み
ただし、相手の会社や状況によって忙しい時間帯は異なるので、わからない場合は上司や先輩に一度相談をするようにしましょう。
どうしても電話をかけにくい時間帯に連絡を取りたいときは、メールやチャットなどほかの連絡ツールを検討するのも重要です。急用ですぐに連絡を取りたい場合は、その旨を謝罪してから用件を伝えましょう。
用件を簡潔にわかりやすく伝える
電話をかけたら、まず用件を簡潔にわかりやすく伝えましょう。目的を明確にしないと相手に言いたいことが伝わらず、時間ばかりかかってしまいます。担当者に取り次いでもらうときも、端的に用件を伝えればスムーズな対応が可能です。
用件を伝えたら相手の話にしっかり耳を傾け、時折返事をして聞いていることをアピールします。電話は相手の顔が見えないコミュニケーション手段なので、しっかり反応するよう心がけましょう。
新人向け電話応対マニュアルの作り方
新人向けの電話応対マニュアルを作るときは、以下の項目を含めることがポイントです。
- トークスクリプトを活用する
- イレギュラー対応について記載する
- よくある質問(FAQ)をまとめる
それぞれの内容を把握し、幅広く活用できるマニュアルにしていきましょう。
>関連記事:電話対応マニュアルの作り方とは?盛り込むべき内容や作成のポイントを解説!
トークスクリプトを活用する
トークスクリプトとは、電話の受電と架電の流れを図式化したものです。どのような流れでトークを展開するべきかがひと目でわかるので、相手からの質問や反応にあわせてスムーズに応対できます。
もっとも一般的な形式は「フローチャート」です。具体的な質問に対する応対が枝分かれになっているので、専門的な内容も取り次ぐことなく回答できるでしょう。
新人教育から電話応対品質の均一化まで幅広く活用できるので、ぜひマニュアルにトークスクリプトの導入を検討してみてください。
>関連記事:フローチャート テンプレート(書き方とサンプル例)
イレギュラー対応について記載する
電話応対のマニュアルには、クレームやトラブルの発生などイレギュラー対応について記載するのも重要です。イレギュラーなケースは新人にとって判断が難しく、不安要素となるため、マニュアルに具体的な対応例を示しておきましょう。
流れや基本フレーズを記載し、応急的な策を理解しておくことで、冷静かつ柔軟な対応が期待できます。イレギュラーに対する準備が新人の自信を育て、電話応対の品質向上にもつながります。
>関連記事:クレーム対応マニュアル無料テンプレート|作成ポイントをわかりやすく解説
よくある質問(FAQ)をまとめる
FAQとは、よく聞かれる質問やそれに対する回答をまとめたものです。新人がはじめての電話応対で戸惑うポイントや、一般的な質問を事前に把握しておくと、落ち着いて対処できるようになります。
たとえば、相手が名乗らない場合や伝言をお願いされたときなど、頻出ケースの対応がわかると応答スピードと正確さが向上するでしょう。また、FAQにより判断の迷いを減らせれば、業務の効率化も図れます。
>関連記事:FAQとQ&Aは情報量と用途が違う!効率的に作成するコツも紹介
マニュアルを作成して新人の電話応対の品質を向上させよう
新人向けの電話応対マニュアルには、基本的な手順からイレギュラー対応までしっかり記載することが重要です。よくある質問やクレーム対応など、具体的なケースごとに示しておくと、信頼される応対スキルを身につけられるでしょう。
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