飲食店の業務は多岐にわたるため、マニュアルの作成によって業務効率の向上やサービス品質の均一化を実現できます。業務の方向性を明確にすることで、スタッフの不安を軽減し、安心して働ける環境づくりにもつながるでしょう。
しかし、作成する際には、業務ごとにマニュアルへ記載するべき事項や、導入する際の注意点についての知識が必要です。
本記事では、飲食店に必要な9種類のマニュアルや無料テンプレート、作り方や導入する際の注意点まで紹介します。飲食店のマニュアルを使って業務の効率化を目指したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
飲食店にマニュアルが必要とされる3つの理由
飲食店にマニュアルが必要とされる理由は、主に以下の3つです。
- ホスピタリティやメニューの再現性を均一化できるため
- 教育コストを削減できるため
- スタッフが安心して働ける環境を構築できるため
必要性にもとづいたマニュアルが作成できるように、順番に詳しく見ていきましょう。
ホスピタリティやメニューの再現性を均一化できるため
マニュアルによってルールを明確にすると、お店の方向性や接客のあり方など、共通認識をもって一定水準を満たすサービスを提供できます。
たとえば、料理のレシピや手順が定義されていれば、味や見栄えを統一して安定した品質を提供できます。また、メニューの再現性を高めることによって原価の変動が抑えられ、お店のコスト削減にもつながるでしょう。
スタッフ個人の判断にまかせて、サービスの内容や業務の質に差が出ないように、マニュアルは重要な役割を果たしています。
>関連記事:飲食店経営の基本となるQSCとは|取り組み方や事例も紹介!
教育コストを削減できるため
マニュアルを作成することによって、新人スタッフ教育の時間短縮と一貫性のある指導を両立できるため、教育コストの削減が可能です。
新人スタッフがマニュアルをもとに自己学習を進めることで、教育担当者が口頭ですべてを説明する必要がなくなります。また、教育担当者によって教える内容が変わる心配もありません。
すべてのスタッフが、マニュアルにもとづいて同じ基準の教育を受けることで、知識やスキルのばらつきを最小限に抑え、短期間で戦力化できる体制を整えられます。
実際に、NotePMを利用してマニュアルを作成した企業では「人によって言うことが異なる」といったコミュニケーションコストを半減し、生産性を向上させています。
>関連記事:【導入事例】メンバーへの教育コストが半減!成長事業「トキハナ」の顧客対応レベルを均一化したマニュアルの活用方法とは
>関連記事:新人教育のためのマニュアル作成のメリットやコツ・おすすめのITツールも紹介
スタッフが安心して働ける環境を構築できるため
適切なマニュアルの作成は、スタッフに安心感を与え、満足度の高い職場環境の創出に貢献します。
手順や業務の範囲が不透明な職場環境では、スタッフは自分の行動が適切かどうか判断できません。ミスへの恐れがあることで、精神的なストレスを抱えたまま働くことになります。
そのため、マニュアルを作成し、スタッフ各自のタイミングで学習・復習できるような配慮が必要です。スタッフの満足度と定着率が向上することによって、店全体のサービス品質と作業効率を高められます。
飲食店に必要な9種類のマニュアル【無料テンプレートあり】
飲食店に必要な9種類のマニュアルは、以下の通りです。
- オペレーションのマニュアル
- 接客のマニュアル
- キッチン業務のマニュアル
- レジのマニュアル
- テーブルリセットのマニュアル
- 衛生管理のマニュアル
- 掃除のマニュアル
- 電話対応のマニュアル
- トラブル対応のマニュアル
各マニュアルでは、無料テンプレートを紹介しています。マニュアル作成時に、ぜひ活用してみてください。
オペレーションのマニュアル
オペレーションマニュアルのテンプレート
目的:店舗の円滑な運営を維持するための基本的な業務フローを定める。
手順:
- 開店準備:
- 店内の清掃(トイレ、床、カウンターなど)
- 備品の確認・補充(カトラリー、メニュー、ドリンク)
- POSレジの起動、レジ金の準備
- ピークタイムの業務:
- 注文管理(キッチンへの伝達、時間管理)
- お客様への案内・サービス
- 在庫確認
- 閉店作業:
- レジの精算、締め作業
- ゴミ出し、清掃
- 店舗の施錠
オペレーションマニュアルの例文
目的: 当店の運営を円滑に進めるための基本業務の手順をまとめます。
手順:
- 開店準備:
- 朝9時に店内の掃除を開始し、テーブル、椅子、カウンターを丁寧に拭きます。
- カトラリーと調味料の補充が済んだら、POSレジを起動し、レジ金を確認します。
- ピークタイムの業務:
- ランチタイム(12時〜14時)は注文を受けたら、キッチンに即座に伝えます。
- お客様が退店した後は速やかにテーブルをリセットします。
- 閉店作業:
- 21時にはレジの締め作業を行い、売上を確認します。
- ゴミを出し、店内の清掃後、施錠します。
オペレーションマニュアルは、業務全体の内容や流れを説明したマニュアルです。本記事で紹介する各マニュアルの基盤となり、店舗の方向性やお店独自のルールなど、共通認識の徹底に役立ちます。
オペレーションマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 店舗理念
- 店舗の開店・閉店時の対応
- スタッフの出退勤
- コンプライアンス
- 勤務時間や休憩時間
理解しやすくするために、図表や写真などの視覚的な要素を追加すると、誰でもわかりやすい丁寧なマニュアルになります。
詳しい作り方やコツは「飲食店のマニュアルの作り方4ステップ」で解説しています。
接客のマニュアル
接客マニュアルのテンプレート
目的:お客様に満足いただける接客を提供するための基準を設定する。
手順:
- お客様の案内:
- 明るい笑顔と丁寧な言葉で「いらっしゃいませ」と挨拶
- 席へのご案内(禁煙・喫煙、窓際席などの確認)
- 注文受付:
- 注文内容を繰り返し確認、メニューの説明
- アレルギーやリクエストの確認
- 食事提供:
- 提供時間を意識し、温かい料理は温かく提供
- 料理説明を丁寧に行い、サイドサービスを確認
- お会計と見送り:
- 感謝の言葉を伝える(「ありがとうございました」)
接客マニュアルの例文
目的: お客様に心地よいサービスを提供し、満足度を高めるための基準を示します。
手順:
- お客様の案内:
- お客様が来店されたら「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」と笑顔でご挨拶し、禁煙・喫煙を確認の上、席へ案内します。
- 注文受付:
- メニューに迷われている場合は「おすすめは本日のシーフードパスタです」とご提案します。
- 食事提供:
- メインディッシュを提供する際、「こちらがシーフードパスタです。ごゆっくりお楽しみください」と声をかけます。
- お会計と見送り:
- 会計時には「本日もご来店ありがとうございました。またお待ちしております」とお声がけします。
接客のマニュアルは、接客を行うすべてのスタッフが同じ水準のサービスを提供できるように、身だしなみや言葉遣いに関する事項をまとめたマニュアルです。
接客のマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 身だしなみ
- 言葉遣い
- 心構え
- オーダーの取り方
- テーブルサービス
基本的な接客に加え、具体的な接客内容をマニュアルにまとめます。お客様が来店してお店を出るまでに必要な工程を洗い出し、マニュアルに落とし込みましょう。
また、接客と一言にいっても、注文受付やドリンク提供など、場面によって必要な内容は異なります。そのため、場面ごとに業務を細かく分けて記載すると、従業員がわかりやすいマニュアルになります。
>関連記事:接客マニュアルの例文と作り方を紹介|無料で使えるテンプレートつき
キッチン業務のマニュアル
キッチン業務マニュアルのテンプレート
目的:安全かつ効率的に料理を提供するための基準を定める。
手順:
- 開店前準備:
- 食材の下ごしらえ、調味料の準備
- 器具の点検、火元の確認
- 調理作業:
- レシピに基づいて正確な分量・調理手順を守る
- 盛り付けは衛生面に注意し、美しく仕上げる
- 閉店作業:
- 調理器具の洗浄・消毒、キッチン全体の清掃
- 翌日の食材の確認・仕込み
キッチン業務マニュアルの例文
目的: 安全かつスムーズな料理提供を実現するための調理手順を定めます。
手順:
- 開店前準備:
- 朝8時に食材の確認を行い、必要な野菜を洗い、下ごしらえを始めます。
- 調理作業:
- 注文が入ったら、パスタを10分茹で、ソースと具材を加えて盛り付けます。
- 盛り付け後は、仕上げにパセリをふりかけ、美しい見た目を心がけます。
- 閉店作業:
- 調理器具を全て洗い、消毒します。特に包丁やまな板は熱湯消毒を徹底します。
キッチン業務のマニュアルは、すべての調理スタッフが同じ基準で料理を提供するために必要です。また、食材の使用量や調理時間の標準化によって、原価管理を容易にする効果があります。
キッチン業務のマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 調理器具の洗浄や消毒
- 作業着や帽子、マスクなどの着用
- 火器や刃物の取り扱い
- 発注や仕入の手順
- メニューごとの詳細なレシピ
基本的な調理方法に加え、店舗特有のレシピや作業手順をマニュアルへ記載します。食材の入荷から料理の完成まで、キッチン内のすべての作業工程を洗い出し、体系的にマニュアルに反映させましょう。
また、作業段階ごとに詳細な手順を記載し、写真や図表を効果的に活用すると、新人スタッフでも理解しやすいマニュアルを作成できます。
レジのマニュアル
レジマニュアルのテンプレート
目的:正確な会計業務を行い、顧客満足度を高める。
手順:
- 準備:
- レジ金の確認、設定(おつりの用意)
- レジの動作チェック
- 会計業務:
- お客様の注文内容を確認し、正確に入力
- 現金・カード支払いの処理、レシートの発行
- 締め作業:
- 日計表の出力、金額の確認
- 現金の保管・送金
レジマニュアルの例文
目的: 正確かつスムーズな会計を行うためのレジ操作手順をまとめます。
手順:
- 準備:
- 朝9時にレジ金を確認し、1万円、5千円、千円、500円硬貨を均等にセットします。
- 会計業務:
- お客様が「パスタとドリンクバー」を注文された場合、合計金額を入力し、「3,200円になります」と伝えます。
- カードで支払われる場合、決済端末を使用してクレジット処理を行います。
- 締め作業:
- 夜21時にレジ金の集計を行い、日計表を出力。金額が正しいことを確認し、現金を金庫に保管します。
レジのマニュアルは、スタッフによるレジ打ちにかかる時間の差を縮小し、領収書の発行や打ち間違いの対応をスムーズに行うために必要なマニュアルです。
レジのマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- レジ操作
- クーポンや割引の処理
- 会計の変更・取り消し方法
- 返金処理の手順
- 売上レポートの出力方法
基本的なレジ操作に加え、店舗特有の会計システムや顧客対応方針をマニュアルに記載します。お客様の来店からお会計、退店までの流れを洗い出し、各段階で必要な対応をマニュアルに反映させましょう。
また、想定されるシチュエーションごとに対応手順を記載し、実際の画面表示や伝票サンプルなどを活用すると、新人スタッフでも理解しやすいマニュアルを作成できます。
テーブルリセットのマニュアル
テーブルリセットマニュアルのテンプレート
目的:次のお客様が快適に利用できるようにテーブルを迅速かつ清潔に整える。
手順:
- 使用済み食器の片付け:
- 使用済みの食器やカトラリーを片付ける
- ソースや飲み物のこぼれた部分をきれいに拭く
- テーブルの清掃:
- 消毒スプレーでテーブルを拭く
- テーブル周りの椅子の位置を整える
- セッティング:
- 新しいカトラリー、ナプキン、メニューをセットする
テーブルリセットマニュアルの例文
目的: 次のお客様が快適に利用できるよう、迅速で清潔なテーブルリセットを行います。
手順:
- 使用済み食器の片付け:
- お客様が席を立たれたら、即座に食器を片付け、こぼれたソースや飲み物をきれいに拭きます。
- テーブルの清掃:
- 消毒スプレーを使ってテーブルを拭き、椅子も整えます。
- セッティング:
- 新しいナプキン、カトラリー、メニューをセットし、次のお客様を迎える準備を整えます。
テーブルリセットのマニュアルの作成は、忙しい時間帯でも店舗の清潔感を保つとともに、回転率向上によって売上アップにもつながる効果があります。
テーブルリセットのマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- テーブルリセットを行う目的
- バッシングのタイミング
- テーブルの清掃方法
- 残飯の処理方法
- 使用済み食器やグラスの下げ方
テーブルリセットは、ランチタイムやディナータイム、特別なイベント時など、状況に応じて求められるサービス内容や水準が異なります。そのため、シチュエーションごとに対応方法を記載し、実際の接客を想定した例示を盛り込むと、新人スタッフでも理解しやすいマニュアルになります。
さらに、接客用語や推奨フレーズのリストの添付によって、統一された丁寧な言葉遣いでサービスを提供できるように工夫することが大切です。
衛生管理のマニュアル
衛生管理マニュアルのテンプレート
目的:食の安全を守り、衛生基準を遵守するための指針を示す。
手順:
- 手洗いの徹底:
- 食材を扱う前、トイレの後、食器を触る前に必ず手を洗う
- 食材の保管:
- 温度管理を徹底し、期限切れの食材を使わない
- 食材ごとに適切な保管場所(冷蔵、冷凍)を選ぶ
- 器具の消毒:
- 包丁、まな板、フライパンなどは使用後すぐに洗浄・消毒
衛生管理マニュアルの例文
目的: 食の安全を守るために必要な衛生管理の基準を示します。
手順:
- 手洗いの徹底:
- 調理前とトイレ使用後は必ず石鹸で20秒間手を洗い、使い捨てタオルで拭きます。
- 食材の保管:
- 冷蔵庫内は0〜4度を保ち、肉類は下段、野菜は上段に保管します。
- 器具の消毒:
- 包丁やまな板は使うごとに洗浄し、最後に次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
飲食店の経営において、衛生管理は重要な責務です。食中毒予防や食品衛生法などの関連法規に準拠できるように、衛生管理マニュアルを作成し、適切に運用しましょう。
衛生管理のマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 手洗いの手順と頻度
- 害虫や有害生物の防除
- 水道水の定期的な検査手順
- 食中毒発生時の対応手順と連絡体制
- 体調に不安があるときの欠勤対応
基本的な衛生概念に加え、具体的な衛生管理の手順をマニュアルに記載します。食材の受け入れから調理、提供、廃棄に至るまでの過程を網羅し、各段階での衛生管理ポイントをマニュアルへ落とし込みましょう。
チェックリストや写真を活用すると、スタッフが日々の業務で確実に実践できるマニュアルになります。
また、定期的に内容を更新し、常に最新の衛生基準に適合したマニュアルを維持することが重要です。
掃除のマニュアル
掃除マニュアルのテンプレート
目的:店内の清潔を保ち、衛生的な環境を維持する。
手順:
- 日常清掃:
- フロアの掃除機がけ、床のモップがけ
- トイレや洗面所の清掃、消毒
- 週次清掃:
- 厨房内の油汚れや換気扇の清掃
- 厨房窓ガラスの清掃
- 月次清掃:
- 重点的な油汚れ、天井や壁の清掃
掃除マニュアルの例文
目的: 店内を清潔に保つための掃除手順を設定します。
手順:
- 日常清掃:
- フロアは営業終了後に毎日掃除機をかけ、その後モップで拭きます。
- トイレは1日3回、朝・昼・夜に清掃し、トイレットペーパーを補充します。
- 週次清掃:
- 週末にはキッチンの換気扇を取り外し、油汚れを掃除します。
- 月次清掃:
- 毎月1日に天井や照明、エアコンフィルターの清掃を行います。
掃除のマニュアルは、店舗の衛生管理を行う清掃の手順や内容について詳しく記載したマニュアルです。あわせてチェック表を用いると、いつ誰が清掃を行ったのかが明確になり、効率よく清掃漏れを防止できます。
掃除のマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 掃除の頻度と時間帯
- 使用する清掃用具
- 清掃時の注意事項
- 清掃に使用するチェックリスト
- 清掃の品質チェック
床の清掃や窓拭き、トイレ清掃など、場所や作業内容によって必要な技術や注意点が異なります。そのため、清掃する場所や作業ごとに手順を記載し、写真やイラストを活用すると、新人スタッフでも理解しやすいマニュアルになります。
また、定期的な見直しと更新を行い、最新の衛生基準に対応したマニュアルを維持することが重要です。
電話対応のマニュアル
電話対応マニュアルのテンプレート
目的:お客様や取引先からの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応する。
手順:
- 電話応対:
- 3コール以内に応答、丁寧に「お電話ありがとうございます、〇〇です」と挨拶
- 用件を聞き、必要に応じてメモを取る
- 取次ぎ:
- 対応が必要なスタッフへ迅速に連絡
- 保留中の対応時間を意識
- 終話:
- 用件が済んだら「ありがとうございました」と挨拶し、電話を切る
電話対応マニュアルの例文
目的: お客様や取引先の電話応対をスムーズに行い、好印象を与えるための手順を定めます。
手順:
- 電話応対:
- 電話が鳴ったら3コール以内に「お電話ありがとうございます。〇〇レストランの山田です。」と明るい声で対応します。
- 取次ぎ:
- 予約の確認の場合は「少々お待ちください。予約担当におつなぎいたします」とお伝えし、担当者に取り次ぎます。
- 終話:
- 最後に「本日はお電話いただきありがとうございました。またのご利用をお待ちしております」とお礼を述べ、電話を切ります。
電話対応のマニュアルは、予約受付や問い合わせ対応の手順を明確にしたマニュアルです。対応方法を標準化することによって、電話対応にかかる時間の短縮につながります。
電話対応のマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 適切な声の大きさとトーン
- 電話を取る際の姿勢
- 店舗名と自分の名前の伝え方
- 顧客情報の確認と記録方法
- 予約の受付手順
一般的な問い合わせや予約受付、苦情対応などの状況によって、必要なスキルや対応方法が異なります。そのため、想定されるケースごとに対応手順を記載し、従業員が自信を持って対応できるマニュアルを目指しましょう。
また、よくある質問と回答例を記載したり、難しい状況での対処法をフローチャートで示したりすると、より実用的なマニュアルを作成できます。
>関連記事:電話対応マニュアルの作り方とは?盛り込むべき内容や作成のポイントを解説!
トラブル対応のマニュアル
トラブル対応マニュアルのテンプレート
目的:トラブル発生時に迅速かつ適切な対応を行い、店舗運営をスムーズに進める。
手順:
- 顧客トラブル:
- まずは冷静に話を聞き、謝罪する
- 店長や責任者に報告し、指示を仰ぐ
- 必要に応じてクレームの記録を取る
- 設備トラブル:
- 設備が故障した場合は直ちに業者に連絡し、応急対応を行う
- 作業に影響が出る場合は、臨時の代替手順を考える
- 緊急事態:
- 火災や事故などの緊急事態では、従業員とお客様の安全を最優先し、迅速に避難誘導を行う
- 消防や警察など、必要な機関に連絡する
トラブル対応マニュアルの例文
目的: トラブル発生時に適切な対応を行い、お客様の満足度を維持するための基準を示します。
手順:
- 顧客トラブル:
- お客様が料理に不満を抱いている場合は、まず「ご不便をおかけして申し訳ございません」と謝罪し、料理を交換します。
- 店長に報告し、再発防止策を記録します。
- 設備トラブル:
- レジが動かない場合、即座に手動で会計を取り、技術者に連絡します。
- 緊急事態:
- 火災が発生した場合、従業員とお客様を迅速に避難させ、消防に連絡します。
トラブル対応のマニュアルは、クレームが発生したときの対応方法を明確にしたマニュアルです。初期段階での適切な対応により、大きな損失を避けられる可能性が高まります。
トラブル対応のマニュアルに記載するべき内容は、以下の通りです。
- 基本的な対応姿勢
- 上司や管理者へ状況を報告する方法
- よくあるトラブルとその対応方法
- 金銭的トラブルへの対応
- 事後対応
基本的な対応方針に加え、想定されるトラブル事例と解決方法をマニュアルへ記載します。トラブルの性質によって必要な対応は異なるため、トラブルの種類ごとに項目を分けて対応手順を記載し、緊急時にもスタッフが必要な情報を確認しやすいマニュアルを作成しましょう。
また、実際に起きたトラブルと解決例を盛り込むことで、より実用的なマニュアルを作成できます。
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飲食店のマニュアルの作り方4ステップ
飲食店のマニュアルの作り方は、主に以下の4ステップです。
- マニュアルの目的を明確にする
- 業務内容や既存のルールを書き出す
- 業務ごとに基準を明確にする
- 定期的に見直しと改善を行う
限られたリソースの中で効率よくマニュアルを作成できるように、順番に解説します。
1.マニュアルの目的を明確にする
実用性の高いマニュアルを作成するために「マニュアルによって何を実現するのか」を明確にする必要があります。
目的を明確にするメリットは、以下の通りです。
- 必要な情報と不要な情報を適切に選別できる
- 日々の業務を店舗の長期的な目標達成に結びつけられる
- 無駄のない焦点の絞られたマニュアルを作成できる
マニュアルの作成自体が目的になると、課題の解決や業務の改善に失敗する恐れがあります。
店舗全体の方向性を統一し、長期的な成功につながる基盤を築くために、マニュアルを作成する目的を明確にしましょう。
2.業務内容や既存のルールを書き出す
どれほど小さな業務でも、内容やルールを細かく書き出すことによって、正確なマニュアルを作成できます。暗黙の了解となっているルールまで記載しましょう。
具体的な事例を挙げると、以下の通りです。
- タイムカードを押す前に引き継ぐ項目
- 実際に出勤するべき時刻
- 特別なサービスの提供範囲
- 食材の品質判断基準
新人スタッフが入ってきても理解して実行できるように、細かな点までマニュアル化しておくことが大切です。
3.業務ごとに基準を明確にする
業務の基準が不透明なままだと、スタッフ個人の判断に委ねることになり、業務や接客の質に差が生じてしまいます。そのため、どの状態まで業務や接客を行えば良いのかを明確に定めることが重要です。
具体的な事例を挙げると、以下の通りです。
- チェック表を作成して清掃の水準を均一にする
- 開店・閉店作業にかける時間を決める
- バッシングに行く頻度を定める
業務ごとに一定の基準を設けることで、業務効率化とサービス品質の均一化を実現できます。
4.定期的に見直しと改善を行う
作成したマニュアルは、設備の入れ替えや、顧客・スタッフの意見によって変更点が出てくる場合があります。たとえば、今まで起こらなかったトラブルが発生した場合には、新たに対応方法や経緯をマニュアルに記載して再発を防止するべきです。
古くなったマニュアルは状況にそぐわないため、かえって業務効率を悪くする恐れがあります。半期や四半期など、内容を見直す期間を決めて運用しましょう。
NotePMは、パソコンに詳しくない人でも簡単に操作できる「高機能エディタ」と「テンプレート機能」を備えています。誰でも簡単にマニュアルの更新・修正を行い、操作履歴を管理することも可能です。
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飲食店でマニュアルを導入する際の注意点
飲食店でマニュアルを導入する際の注意点は、主に以下の3つです。
- マニュアルの内容に縛られすぎない
- 誰でも再現しやすいように作成する
- マニュアル作成ツールを導入する
注意点を押さえて、マニュアルの運用が店舗に根付くように工夫しましょう。
マニュアルの内容に縛られすぎない
マニュアルを適切に運用するためには、マニュアルの内容に縛られず、状況に応じた対応が求められます。
具体的な事例を挙げると、以下の通りです。
- 大人数グループの来店時に通常のテーブル配置を変更して対応する
- 予想外の混雑時に休憩中のスタッフに自主的に戻ってもらう
- 急いでいる顧客に対して手順を短縮して素早く対応する
スタッフが状況に応じた判断ができるように、教育担当者が経験談を教えるといったように、教育に工夫を加えることが重要です。
誰でも再現しやすいように作成する
マニュアルは店舗で働くすべてのスタッフが利用するため、全員が実践できる内容で作成する必要があります。特定の人しか当てはまらない内容を含めてしまうと、正しく運用できない恐れがあるためです。
たとえば、具体的な手順が省略されていたり、曖昧な表現で記載されていたりすると、未経験のスタッフには伝わりません。具体的な手順や数値を明確にし、参照すべき資料も示すことで、誰でも同じようにタスクを実行できるマニュアルを作成しましょう。
また、従業員がマニュアルを目にする機会が増えるように、すぐに確認できる休憩室に設置するのがおすすめです。
マニュアル作成ツールを導入する
マニュアルは、既存の業務の洗い出しやルールの策定など複数の工程が必要なので、作成に膨大な時間がかかります。飲食店を運営しながら限られたリソースで作成すると、抜け漏れがあったり、本業に支障が出たりする恐れがあるでしょう。
そのため、テンプレートへの簡易的な入力でマニュアルを作成できるツールの検討をおすすめします。
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飲食店にマニュアルを導入して業務効率化を実現しよう
飲食店にマニュアルを導入することは、業務効率の向上やサービス品質の均一化に有効です。しかし、マニュアルの運用に成功するためには、業務ごとに記載するべき事項を理解し、正しい手順をもとに作成する必要があります。
限られたリソースの中で効率よくマニュアルを作成できるように、テンプレートやツールの利用を検討しましょう。
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