こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
飲食店は開業までのハードルが低い一方で、他の業態と比べても廃業率が高くなっています。競争が激しい業界でお客様に選ばれる飲食店経営を行うには、お客様の期待に応える店づくりが重要です。そこで参考になるのが、飲食店経営の基本である「QSC」です。
この記事では、QSCの概要と飲食店がQSC向上に取り組む重要性を解説したうえで、具体的な取り組み方を紹介します。コロナ禍をきっかけにQSC向上を成功させた店舗の事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
飲食店経営の基本・QSCとは
QSCは、マクドナルドの経営を成功させた立役者であるレイ・クロックが生み出した、飲食店経営を成功させるための基本となるフレームワークです。QSC という名称は、Quality(料理の品質)、Service(従業員の接客)、Cleanliness(店内の清潔さ)から取られています。各要素に含まれている意味は、以下の通りです。
Quality(料理の品質)
料理の品質とは、顧客が求める料理の美味しさを示しています。料理の美味しさは、原材料の品質や産地、ボリューム、盛りつけ、温度などの要素から構成されています。また、提供スピードも重要です。さらに、提供する料理に見合った価格設定かも、お客様が期待する料理の品質を左右します。リピーターを増やすために、基本のメニューを守りつつ季節感やトレンドを取り入れているかも重要です。
Service(従業員の接客)
お客様が入店してから退店するまでのすべての接点で、従業員が期待値を満たすことが重要です。従業員の接客態度や声かけのタイミング、言葉遣いなどの要素から構成されます。従業員の接客は業務マニュアルやトレーニングの内容が大きく影響するため、お客様と直接接する従業員本人だけでなく、人事部門など本部の業務とも密接に結びついています。
Cleanliness(店内の清潔さ)
料理を安心して味わうためには、清潔さも必要です。具体的には、客席や出入り口、トイレ、調理場などの清掃が徹底されているか、ゴミが落ちていないか、害虫がいないかなどを指しています。くわえて、従業員の身だしなみや手洗いの徹底なども、清潔さに含まれます。現在はコロナ禍を経たことで求められる衛生水準が高まっているため、清潔さはとくに重要視されています。
QSCを向上する重要性
飲食サービスは競争率が非常に激しい業界であることが、QSCを高めることが重要な理由です。中小企業庁の「2021年版 小規模企業白書」によると、開業率も廃業率も宿泊業・飲食サービス業が最も高くなっています。
また、衣食住の1つとしてエッセンシャルな業界だからこそ、社会変化から受ける影響も大きくなっています。緊急事態宣言中には自治体によって営業時間が制限されたり、宅配需要が根づいたりなどの要因により、多くの飲食店が経営に打撃を受けました。
競争が激しい業界で優位性を獲得するには、QSCで示されている顧客の期待を満たした上で、プラスアルファの付加価値を提供することが重要です。
参考:2021年版「小規模企業白書」 第3節 開廃業の状況|中小企業庁
QSCにプラスしたい付加価値
お客様の期待を超える付加価値について考える上で、参考になる指標を紹介します。
QSC+H(おもてなし)
QSCにプラスして、おもてなし(Hospitality)を重視した経営方針を指しています。接客サービスとの違いは、マニュアル化できるかどうかです。お客様の要望を先読みしたり、何度も来店しているお客様のことを覚えて好みを把握したりするなど、マニュアル化できないサービスがおもてなしに含まれます。
QSC+Hを取り入れているのは、優れたホスピタリティを実践するホテルや高級レストランに限りません。地元の常連客に愛される庶民的な店、親子連れや愛犬連れの細やかなサービスを提供する店など、さまざまな場所で実践されています。
QSC+A(店内の雰囲気)
QSCを押さえたうえで、店内全体の雰囲気(Atmosphere)を重視した経営方針です。店内の雰囲気は、内装デザインや従業員の制服、BGM、従業員やお客様の年代や性別などさまざまな要素が組み合わさって構成されています。
味覚と同じく人によって好みが異なるため、ターゲットを定めて、店内をターゲットが好むコンセプトに統一することが重要です。QSC+Aを重視した飲食店の例として、フォトジェニックさを追求したカフェや、高級感を重視したレストランなどが挙げられます。
QSC+V(価値)
QSC+Vの価値(Value)とは、QSCやQSC+H、QSC+Aなどを通して顧客に提供したい体験を意味する言葉です。QSC+Vはマクドナルド社の経営理念でもあり、QSCの指標すべてが最高の形で結びつくことでお客様が得られる満足が、本物の価値だと提唱しています。
マクドナルド社では価値の例として、「おいしいものをおいしく食べられる素敵な空間」「家族の笑顔がこぼれるくつろぎの場」「いつ行っても楽しい場所」「車に乗ったままで買えるドライブスルー」などが挙げられています。
QSC向上に向けた取り組み
QSCやQSC+H、QSC+A、QSC+Vを高めるために効果的な取り組みの例を紹介します。
顧客アンケートの実施
アンケートを行い、お客様が求めるQSCの基準を把握します。アンケート項目は、店を知ったきっかけや、選んだ理由、QSCの各項目の満足度などを設けてください。
アンケートの方法は、店内にアンケート用紙を設置したり、webアンケートを利用したりするなど、客層にあったものを選びましょう。回答率を高めるためには、アンケート回答者にクーポンなどの返礼を用意するなどの取り組みが効果的です。
業務の仕組み化
従業員全員が同じクオリティでサービスを提供できるよう、業務を仕組み化することも重要です。仕組み化とは、従業員のスキルに差があっても同じ業務ができるよう整備する取り組みを意味します。
仕組み化した業務はマニュアルとしてまとめて、全従業員が確認できるよう共有してください。マニュアルは、チェックシートを活用するなど分かりやすい表記を心がけると効果的です。マニュアルやチェックリストは、一度作って終わりではなく、作成後にも随時フィードバックや改善を繰り返すことが、店舗としての成長に繋がります。
従業員満足度(ES)の向上
QSCを実践するのは経営陣ではなく現場で働く従業員です。従業員に協力してもらうためにも、日頃から従業員満足度(Employee Satisfaction)を高めておく必要があります。福利厚生の充実や、評価制度の整備、店内の動線の整備などを通して、働きやすい店舗を目指しましょう。
関連記事:インターナルコミュニケーションとは|組織の生産性と従業員満足度を高める方法を紹介
QSC向上に向けた取り組みの事例
大阪で170年以上つづくおでん店「たこ梅」が、QSC向上を成功させた取り組みを紹介します。同店ではコロナ禍で通常通りの経営ができなくなったことで、通販や百貨店での物販事業をスタートしました。
新事業を行うにあたって、透明性を担保していくことが重要だと考えました。これまで従業員同士の情報共有にはFacebookのMessengerを使っていましたが、新事業をきっかけに社内の情報やノウハウを蓄積するために情報共有ツール「NotePM」を導入しました。
NotePMの導入後は、料理レシピや原材料の情報、衛生管理データにくわえて、人事評価、会議議事録、百貨店との商談メモなど、さまざまなドキュメントを一元管理しました。アルバイトやパートも含めてマニュアルから経営方針までさまざまな内容を共有できるようになったことで、従業員が共通認識を持てるようになり、QSC向上に繋がったといいます。
数多の情報共有ツールの中からNotePMを選んだ決め手は、情報の閲覧・編集権限はページごとに柔軟に設定でき、ゲストユーザーとしてパートやアルバイトも招待できることでした。また、NotePMはスマホやタブレットからも直感的に操作できるため使う人を選ばないことも、QSCの向上に大きく貢献しました。
関連記事:【導入事例】日本一古いオデン屋「たこ梅」 。創業170年、情報の透明性を担保して、新たな事業展開へ – 有限会社 たこ梅
まとめ
飲食店ではQSCを満たすことは前提として、お客様の期待を上回る価値を提供することで、多くの人に選ばれる店舗づくりを行えます。お客様のニーズを捉えて、従業員全員が共通認識を持つためにも、社員だけでなくアルバイトやパートも巻き込んだ情報共有が重要です。情報共有の場として、「NotePM」のように誰でも操作しやすく、最新情報を随時更新しやすいツールを導入することで、QSCの向上を目指せるでしょう。
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