紙媒体の電子化とは?メリット・デメリット・注意点・具体的な方法・進め方について詳しく解説!

2024年02月02日(金) 文書管理

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

テレワークが一般化する中で、企業は業務効率化とコスト削減、さらにはセキュリティ確保の観点から、紙の書類を電子化する動きに力を入れています。特に、遠隔での作業環境が求められる今、紙ベースの書類管理では限界があります。例えば、あるメーカーの経理部では、テレワークを実施するにあたり、紙の書類を電子化して業務をスムーズに行っています。

そこで今回は、紙媒体の電子化が具体的に何を意味するのか、また「デジタル化」とどう違うのかについて説明します。さらに、この取り組みのメリットとデメリット、成功するための要点やポイントについても詳しく解説します。

紙媒体の電子化が難しいと感じている企業様、またはこれから取り組もうと考えている企業様にとって、本記事は貴重な情報源となるでしょう。ぜひ、今後のビジネス戦略やオペレーション改善の参考にしてください。

 
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紙媒体の電子化とは?

紙媒体の電子化とは、物理的な文書や資料をデジタルフォーマットに変換する過程を指します。このようにすることで、コンピュータやスマートデバイスで簡単に扱えるようになります。PDF(Portable Document Format)はそのような変換でよく用いられるファイル形式で、多種多様なデバイスやソフトウェアでそのままのレイアウトで開くことができます。

紙をPDFに変換する手段は主に二つです。一つは、文書が最初からWordやExcelで作成されている場合、これを直接「名前を付けて保存」オプションでPDFとして保存します。もう一つは、手書きのメモや図面など、デジタルデータではなく紙の資料をスキャナーや複合機で読み取ってPDFに変換する方法です。

PDF形式にする利点は多く、特定のアプリケーションがなくても、元のレイアウトを保ったまま閲覧できるためです。さらに、署名や捺印がされた重要な書類、手書きの報告書や設計図なども、その品質を維持して長期保存が可能です。


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紙媒体の電子化とデジタル化の違い

電子化とデジタル化は似ていますが、それぞれ異なる概念です。

電子化は特に紙媒体に焦点を当てた形態のデジタル変換であり、紙で存在していた資料や情報をデジタルデータに変換して保存する手法を指します。例えば、契約書や請求書、報告書などの文書をスキャナで読み取ってPDFファイルに保存することが電子化の一例です。このようにして、物理的なストレージスペースの節約や、データの簡単な検索、共有が可能になります。

一方で、デジタル化はより広範な概念であり、これまでアナログ手段で行っていた多くの作業や業務をデジタルテクノロジーを用いて効率化することを指します。デジタル化には電子化も含まれますが、それだけでなく、業務プロセスの自動化、データ分析といったビッグデータの活用、オンラインでのコミュニケーションといった多くの側面があります。

簡単に言えば、電子化はデジタル化の一部であり、情報の保存方法を変える一歩として重要なステップですが、デジタル化はそれよりも広い意味での業務や活動の効率化を目指すものと言えます。

関連記事:デジタル化とは?メリット・デメリットと実施プロセスを詳しく解説

紙媒体の電子化が必要な背景

紙媒体の電子化が必要な背景として、まず、紙は時間が経つと劣化する性質があります。色あせたり、水にぬれたり、破損のリスクも常にあります。それに対し、デジタルデータは適切に管理されていれば、長期間その品質を保つことができます。

次に、紙媒体の保管には物理的なスペースが必要だからです。それが多量になればなるほど、保管スペースやその管理にかかるコストも増大します。一方で、デジタルデータはクラウドストレージやハードディスクに格納することで、格段に少ないスペースで大量のデータを保存できます。さらに、紙媒体では情報の検索が手作業となり、時間と労力がかかります。特に、大量の文書がある場合、必要な情報を探すのは至難の業です。それがデジタルデータであれば、キーワード検索などで瞬時に必要な情報にアクセス可能です。

最後に、紙を紛失してしまった場合、その事実に気づくのも遅れがちです。しかし、デジタルデータは適切なバックアップと管理がされていれば、そのようなリスクも低減します。以上のような理由から、今後は紙媒体の情報をできる限り電子化していく方が望ましいと言えるでしょう。

紙媒体の電子化のメリット

ここでは、紙媒体の電子化のメリットについて解説します。

  • コスト削減
  • 書類の検索性の向上
  • 業務効率化
  • 保管スペース削減
  • 重要情報の紛失防止
  • 環境保護並びにブランドイメージ向上

それでは、1つずつ解説します。

関連記事:【2024年版】文書の電子化を徹底解説!おすすめサービス7選と法律概要・メリット・注意点・方法も紹介

コスト削減

1つ目のメリットは、コスト削減です。

例えば、紙のマニュアルを作成する際には、複合機のリース費用、インクやトナー、用紙といった印刷に関わる費用が必要です。特にマニュアルのページ数が多い場合、これらの費用は膨らみがちです。外部の印刷業者に依頼する場合はさらに高額な費用がかかります。また、紙のマニュアルは物理的な保管スペースが必要であり、それに伴うファイリングコストも考慮しなければなりません。更に、情報が古くなったり、不要になったマニュアルの処分にもシュレッダー費用が発生します。

これに対して、紙のマニュアルを電子化することで、これらのコストは大幅に削減できます。電子データはクラウドや内部サーバーで安価に、または無料で保存でき、必要な人々に瞬時に共有することが可能です。

書類の検索性の向上

2つ目のメリットは、書類の検索性の向上です。

例えば、紙で管理された過去のプロジェクト資料を参照する必要が出た場面を考えてみましょう。紙のプロジェクト資料が入った多数のファイルや箱が外部倉庫に保管されている場合、特定の情報を探し出すのに数日かかることも珍しくありません。また、どのファイルに何が入っているかを覚えている必要があり、その都度物理的な作業が必要です。

これが電子データであれば話は別です。PDFファイル名やフォルダ名にわかりやすい名前をつけておくことで、目的の資料を素早く探し出すことが可能です。また、具体的なファイル名や日付が分からない場合でも、キーワード検索機能を使えば瞬時に該当する資料を見つけられます。

総じて、紙媒体を電子化することで、情報検索の効率と速度が飛躍的に向上し、それが作業のスムーズさや時間の節約に直結します。

業務効率化

3つ目のメリットは、業務効率化です。

紙媒体の電子化がもたらす効果の一つは、情報の共有が格段に速くなることです。これが結果として業務効率の向上につながります。具体例として、稟議書や報告書などの内部文書を考えてみましょう。これらを紙で回付する場合、まず文書を作成し印刷する時間がかかります。さらに、物理的に上司や関係部署へ届ける手間が必要です。特に相手が出張中やテレワークを行っている場合、決裁が滞るリスクがあり、その結果業務のスピードが遅くなる可能性が高いです。

これに対し、文書を電子化して共有する場合、場所に依存することなく瞬時に情報を送ることができます。たとえ関係者がテレワークであっても、メールやクラウドストレージ、専用の業務アプリを用いて容易に文書を回付できます。これにより、待ち時間が大幅に削減され、業務の進行がスムーズになります。電子化によって、業務効率化を図ることが可能と言えるでしょう。

保管スペース削減

4つ目のメリットは、保管スペースの削減です。

企業活動が継続されるほど、各種書類は増え続けます。従来はこれらの書類を物理的に保管するためにオフィス内のスペースを使用することが多く、場合によっては会議室や休憩スペースまでその影響が及びます。また、オフィスに収めきれない量の書類を外部の倉庫で保管する必要が出てくることもあり、そのようなケースではさらなる保管費用が発生するうえ、必要な書類にアクセスするためには取り寄せる時間と費用もかかります。

これに対し、電子化された書類はデータストレージに保存されるため、物理的なスペースをほとんど取りません。これによって、オフィス内のスペースを有効活用できるようになるだけでなく、外部倉庫の賃料も削減することが可能です。

重要情報の紛失防止

5つ目のメリットは、重要情報の紛失防止です。

例えば、紙で管理されている顧客の契約書や個人情報、社外秘のプロジェクト情報などは、担当者が外出中などに紛失するリスクが常に存在します。また、長期にわたって保管された書類が何らかの理由で行方不明になる、あるいは一部が見つからないといった問題も起こり得ます。これらのリスクを考慮すると、紙媒体での情報管理には明らかな弱点があります。また、紙は時間と共に劣化する性質があり、その点も考慮するとデータの長期保存には不適です。

電子化によって、これらの情報はパスワード保護や暗号化などのセキュリティ手段を施し、安全なデジタルストレージに保存することが可能になります。さらに、デジタルデータは容易にバックアップを取ることができ、紛失や劣化のリスクを大幅に減らすことができます。

環境保護並びにブランドイメージ向上

6つ目のメリットは、環境保護並びにブランドイメージ向上です。

紙の使用を減らすことは、自動的に森林資源の保護や廃棄物の削減につながります。これは、SDGs(持続可能な開発目標)にも直接関連しており、特に「持続可能な消費と生産形態」や「気候変動に対する対策」などの目標に貢献する形となります。そして、企業がこれらの環境目標に積極的に取り組む姿勢を示せば、その企業イメージは高まります。顧客は、環境や社会に配慮した企業活動を評価する傾向が強く、そのような企業に対する信頼や評価は高まるでしょう。その結果、企業が提供する製品やサービスへの関心も高まり、ビジネス上の成功にも寄与する可能性があります。

紙媒体の電子化のデメリット

ここでは、紙媒体の電子化のデメリットについて解説します。

  • 電子化の完了までに時間を要する
  • ファイル整理が煩雑になる場合がある
  • 新たにセキュリティ対策が必要になる
  • 人や使用用途によっては適さない
  • システム障害時は閲覧できない

それでは、1つずつ解説します。

電子化の完了までに時間を要する

1つ目のデメリットは、電子化の完了までに時間を要することです。

特に、初期段階でスキャナーや複合機を用いて物理的な書類をデジタルデータに変換する作業は、時間と労力を要する場合が多いです。一枚一枚の書類を丁寧にスキャンする必要があり、場合によっては書類の量が多いと、この作業だけで数日間かかることも考えられます。特に古い書類や状態が悪いもの、手書きの文字が多い場合などは、読み取りエラーが発生しやすく、その修正作業も追加されます。このような手間がかかる作業は、短期的には業務の効率を低下させる可能性があります。

ファイル整理が煩雑になる場合がある

2つ目のデメリットは、ファイル整理が煩雑になる場合があることです。

具体的には、事前にファイル名の命名規則やフォルダ構造、タグ付けのルールを決定しておかないと、電子化した後で大量のPDFファイルが端末上に保存され、それぞれ何の内容か一目でわかるように整理することが大変になります。例えば、日付だけでなく、プロジェクト名や担当者、文書の種類(報告書、契約書など)に応じた命名規則を設定しておかないと、後で必要な文書を探す際に時間がかかることになります。

新たにセキュリティ対策が必要になる

3つ目のデメリットは、新たにセキュリティ対策が必要になることです。

まず、紙の書類に対する物理的なセキュリティ対策が不要になる代わりに、データを保存する場所に対するウィルス対策が求められます。このため、アンチウイルスソフトウェアの導入や最新のセキュリティパッチの適用が必要です。

次に、データのバックアップも重要です。紙媒体の場合、人為的な原因による紛失や自然災害による紛失のリスクもありますが、デジタルデータではハードウェアの故障やデータの誤削除も考慮しなくてはなりません。そのため、定期的なバックアップが必須となります。

また、紙ではなくデジタルデータになることで、データの持ち出しや共有が容易になりますが、それが逆手に取られて情報漏洩のリスクを高める場合もあります。USBメモリやメールを介したデータの流出防止のため、データ持ち出しや共有に関する明確なルールやガイドラインを策定する必要があります。

人や使用用途によっては適さない

4つ目のデメリットは、人や使用用途によっては適さないことです。

例えば、文書や情報を全体的に一目で把握したい、または一覧性を重視する人にとっては、電子化が必ずしも適していない場合があります。コンピュータやタブレットのスクリーンは、紙に比べて表示できる範囲が限られるため、多数のページや項目がある場合にはスクロールやページ遷移が必要です。これによって、全体の概要を一度に把握することが難しくなる場合があります。また、特定の業務や作業によっては、紙の方が書き込みや修正がしやすいと感じる人もいます。

システム障害時は閲覧できない

5つ目のデメリットは、システム障害時は閲覧できないことです。

このような状況が起きた場合、業務が停滞するだけでなく、緊急時に必要な情報が取得できないと、企業活動に大きな影響を与える可能性が高まります。例えば、顧客情報や契約書、プロジェクトの進捗報告など、日常業務に不可欠なデータが一時的にでも手の届かない状態になれば、それが直接的な損失や信用の低下につながる恐れがあります。

紙媒体であれば、物理的なアクセスが可能である限り、これらのリスクは低くなります。しかし、クラウドサーバーはインターネット接続とサーバー状態に依存するため、その安定性が問われます。

紙媒体を電子化する際の注意点

ここでは、紙媒体を電子化する際の注意点について解説します。

  • 機密性
  • 検索性
  • 完全性
  • 見読性

それでは、1つずつ解説します。

機密性

1つ目の注意点は、機密性です。

従来の紙媒体では、物理的な場所に保管され、特定の人の手に渡るまでの管理が比較的容易でした。しかし、デジタルデータになると、サイバー攻撃の対象になる可能性が高まります。例えば、フィッシング攻撃によって認証情報が盗まれた場合、機密文書に不正アクセスされる恐れがあります。

このようなリスクを防ぐためには、いくつかの対策が考えられます。まず、データの暗号化によって、万一不正アクセスされたとしても情報が読み取られないようにすることが重要です。また、二要素認証や高度な認証メカニズムを導入することで、アクセス制御を強化することも有効です。さらに、従業員に対するセキュリティ教育も不可欠です。安全なパスワードの設定や、怪しいメールに対する警戒感を持つよう育てることで、内部からのリスクも低減できます。

このように、紙媒体を電子化する過程での機密性の確保は、多角的なアプローチと継続的な教育が必要です。

検索性

2つ目の注意点は、検索性です。

電子化された大量の文書やデータが不適切に管理されていると、必要な情報を素早く見つけ出すことが困難になります。これは、結果として業務効率の低下や、必要な情報がタイムリーに得られないという問題を引き起こす可能性があります。解決策としては、ファイル名やフォルダ名、タグなどを整理することが基本です。また、データベースや文書管理システムを導入することで、キーワード検索や属性によるフィルタリングが容易になります。

さらに、従業員に対して、どのような命名規則や分類ルールを用いるべきかを明示し、それを徹底させる教育も重要です。これによって、誰もが目的の文書やデータに容易にアクセスできるようになり、業務のスムーズな進行が可能となります。このように、紙媒体を電子化する際には、単にデータをデジタルフォーマットに変換するだけでなく、その後の管理体制もしっかりと考慮する必要があります。

完全性

3つ目の注意点は、完全性です。

紙媒体を電子化する際には、法的に保存義務がある書類や重要な企業データに対しては、改ざんや不正アクセスを防ぐセキュリティ対策が不可欠です。紙の書類であれば、金庫などに物理的に保管することで、一定程度のセキュリティが確保できます。しかし、電子化された書類はウイルス感染のリスクやサイバー攻撃、さらには誤操作によるデータの消失や流出といった新たな脅威にさらされます。

これに対処するためには、まずファイルの暗号化やアクセス制御を強化することが基本です。具体的には、特定の人しかアクセスできないようにする、二要素認証を導入する、データの改ざん履歴をしっかりと追跡できるシステムを設置するなどの手段が考えられます。

また、従業員への定期的なセキュリティ教育も重要です。誤って添付ファイルを開いてしまう、不正なウェブサイトにアクセスしてしまうといったヒューマンエラーを防ぐためにも、セキュリティ意識を高める必要があります。

見読性

4つ目の注意点は、見読性です。

電子化した書類が最終的にどれだけ見やすく、効率的に活用できるかが重要なポイントです。紙の書類では、フォントサイズやレイアウトが印刷時に固定されているため、それほど問題になりません。しかし、電子書類の場合は、ディスプレイのサイズや解像度、閲覧するアプリケーションによって見え方が変わる可能性があります。そのため、テキストが読みにくい、図や表が不鮮明であるといった問題が発生することも考えられます。

このような問題に対処するためには、電子化する際のスキャン設定やPDF作成設定に注意を払う必要があります。例えば、解像度を適切に設定したり、テキストと画像のバランスを良くすることで、どのデバイスからでもクリアに内容が確認できるようにします。


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紙媒体の電子化を進める具体的な方法

ここでは、紙媒体の電子化を進める具体的な方法について解説します。

  • 複合機・スキャナーでスキャンする
  • スキャンサービスを活用する
  • アウトソーシングする
  • 写真撮影で保管

それでは、1つずつ解説します。

複合機・スキャナーでスキャンする

紙媒体の電子化を進める具体的な方法の1つ目は、複合機・スキャナーでスキャンすることです。

複合機やスキャナーには通常、PDFやJPEGなどいくつかのファイル形式で保存するオプションがあります。中でもPDFは、多くのデバイスやアプリケーションで開くことができる汎用性の高いファイル形式です。これにより、紙の文書をそのままのレイアウトでデジタル化し、容易に共有や保存、検索が可能になります。

具体的な手順としては、紙の文書を複合機やスキャナーのスキャン台に置き、適切な設定(解像度、カラー・モノクロ、ファイル形式など)を選んでスキャンを開始します。スキャンが完了したら、生成されたPDFファイルをパソコンやネットワーク上に保存します。

スキャンサービスを活用する

紙媒体の電子化を進める具体的な方法の2つ目は、スキャンサービスを活用することです。

オフィスに専用のスキャン機器がない場合でも、店頭で利用できるセルフスキャンサービスがあります。このサービスは、コンビニエンスストアや専門のコピーショップなどで提供されており、場所によっては24時間利用できることもあります。

このようなセルフスキャンサービスは、一時的なニーズに応える手軽な方法として非常に便利です。ただし、機密性が高い文書や大量の文書をスキャンする場合は、セキュリティやコストの面からオフィス内で専用のスキャン機器を用意する方が適している場合もあります。

アウトソーシングする

紙媒体の電子化を進める具体的な方法の3つ目は、アウトソーシングすることです。

特に分厚い本や特殊なサイズの書類、ホチキス止めなど、自社の設備では対応しにくいケースでこのようなサービスが役立ちます。プロによって丁寧かつ高速に電子化が行われるため、自社で人手を割く必要がありません。さらに、スキャン作業だけでなく、書類やデータの後処理といった管理業務も請け負ってくれる外部企業も存在します。これにより、業務効率化が一気に進展する可能性が高まります。

ただし、外部企業に依頼する場合のデメリットとしては、費用がかかること、そしてセキュリティリスクがあることです。機密書類や重要なデータを外部に委託する際は、サービス提供企業がしっかりとしたセキュリティ対策を講じているか、細かく確認する必要があります。また、自社でスキャン機器を導入する費用と外部委託の費用を比較検討することも重要です。

写真撮影で保管

紙媒体の電子化を進める具体的な方法の4つ目は、写真撮影で保管することです。

紙媒体の電子化にはいくつかの方法がありますが、特に手軽で便利なのがスマートフォンやデジタルカメラを使って書類を撮影し、画像として保存する手法です。特に少量の書類や、スキャナーで処理しきれないような大きなサイズの書類に対しては、この方法が非常に効率的です。

しかし、この方法にはいくつかの注意点があります。例えば、画像データはPDFなどに比べてファイルサイズが大きくなりがちです。これが問題となる場合は、カメラやスマートフォンの設定で解像度を下げる、あるいは撮影範囲を絞るなどの工夫が必要です。また、多数の書類を一度に撮影しようとすると、画像が見づらくなる可能性もあるため、その点も考慮が必要です。このように、スマートフォンやデジタルカメラを使った方法は手軽で便利ですが、品質やデータサイズ、可読性などの面で工夫と注意が必要です。それでも、速やかに文書をデジタル化したい際には非常に有用な手段と言えるでしょう。

紙媒体の電子化をする具体的な流れ

ここでは、紙媒体の電子化をする具体的な流れについて解説します。

  • 優先順位を設定する
  • 保管形式を設定する
  • 電子化をする際のマニュアル作成
  • マニュアル作成ツールの活用
  • 電子化をすすめる

それでは、1つずつ解説します。

優先順位を設定する

紙媒体を電子化する1つ目のステップは、どの書類から手をつけるかの優先順位を明確にすることです。

紙をスキャンし、PDFファイルにする作業は予想以上に時間がかかる場合があります。そのため、手当たり次第に作業を進めると、重要な書類が後回しになるリスクがあります。また、逆に不要な書類を先に電子化してしまうと、その後のファイル管理が煩雑になるだけでなく、時間とリソースの無駄につながります。そのようなムダを避けるためにも、最初に電子化する書類の優先順位を決めておくことが賢明です。

具体的には、まず電子化する対象となる書類群を整理し、その中で何が最も重要かをリストアップします。次に、それに基づいて具体的なスケジュールを作成し、いつまでにどの書類を電子化完了させるかの目標を設定します。このような計画的なアプローチにより、効率よく質の高い電子化が可能になります。

保管形式を設定する

紙媒体を電子化する2つ目のステップは、保管形式と保管場所を事前に決定しておくことです。

業務で使用するファイル形式は多様で、PDFや画像ファイルはもちろん、WordやExcelの文書、さらにはCSVファイルなどが存在するでしょう。これらのファイル形式ごとに、どのような命名規則を用いるかも整理しておく必要があります。次に、電子化したファイルをどこに保存するかを考えます。このとき、フォルダ構造を明確にしておくことで、後から簡単にファイルを検索・参照できるようにすると良いでしょう。例えば、「契約書」、「報告書」、「会議資料」など、カテゴリーごとにフォルダを作成して分類します。

これらの基本的な準備をしておくことで、後々の管理がスムーズに行えます。また、紙媒体をスキャンして電子化する作業自体も、事前に整理されたルールと場所があれば効率よく進められます。このような計画的なアプローチが、無駄なく高品質な電子化を実現する鍵となります。

電子化をする際のマニュアル作成

紙媒体を電子化する3つ目のステップは、電子化する際のマニュアル作成です。

紙媒体の電子化を進める上で、業務の効率性と一貫性を確保するためには、専用のマニュアルを作成することが非常に有用です。過去に電子化した書類から得られる経験や知見を活かし、今後どのように書類を処理していくかのガイドラインを明確にすることで、全体の作業フローがスムーズになります。

例えば、保存期間が年単位で設定されている書類については、年ごとにフォルダを分け、期限が来たら簡単に削除できるようにするといった工夫が考えられます。また、一度スキャンした書類でも、確認作業や緊急時の対応を考慮して、紙とデジタルデータを一定期間並行して保管するといった運用方法も有用です。このようにしてマニュアルには、電子化の手順、命名規則、保管場所、そしてその他の業務ルールを詳細に記載します。これにより、新たなメンバーが参加した場合や業務が拡大した際にも、容易にスケールアップできるようになります。

マニュアル作成ツールの活用

紙媒体を電子化する4つ目のステップには、マニュアル作成ツールを活用するアプローチがあります。このツールを使うことで、業務手順や関連資料を一箇所に集約し、その結果を業務マニュアルとしてまとめることが可能です。さらに、過去の事例やデータもこのツール内で一元管理できるため、情報の追跡や参照が容易になります。

このような一元管理のメリットは多岐にわたります。新入社員や他部署のメンバーが業務に参加した際、既存のマニュアルや事例を参照し、迅速に業務に慣れることができます。また、この情報をe-ラーニング教材として活用することも可能で、より効率的な社員研修につながります。

特に重要なのは、「作成」「管理」「共有」の各プロセスがツール内で一箇所で完結する点です。これにより、情報の散逸を防ぎつつ、業務効率化を実現することができます。このように、マニュアル作成ツールの導入は、紙媒体の電子化を成功させる上で非常に有用な手段となります。

電子化をすすめる

紙媒体を電子化する5つ目のステップは、電子化をすすめることです。運用ルールやマニュアルの策定が完了したら、次は紙媒体の実際の電子化作業に取り掛かります。この段階で考慮すべきは、電子化の手段です。大きく分けて、自社内でスキャン作業を行う方法と、外部の専門企業にスキャン作業をアウトソーシングする方法が考えられます。

自社でスキャンを行う場合は、専用のスキャナーや複合機を使って、紙文書を一つずつPDFや画像ファイルに変換していきます。この方法の利点は、即時に作業が始められることと、コストが低く抑えられる場合が多いことです。

一方で、アウトソーシングを選択する場合、多量の書類や特殊な形状・サイズの書類もプロに任せることができます。コストはかかりますが、専門性が高く、短期間で大量の電子化が可能です。どちらの方法も一長一短があり、企業のニーズや状況に応じて最適な手段を選ぶことが重要です。事前にしっかりと計画を立て、効率的な電子化作業を進めましょう。

マニュアル作成ツールがおすすめ

本記事では、紙媒体の電子化について、メリット・デメリット・注意点・具体的な方法・流れを中心に解説してきました。電子化のメリットとして、紙を使うよりもコストが低く、保管場所も省けること、情報の探索やチーム内での共有が容易であり、なおかつ重要なデータの喪失を防ぐことができる点があります。一方で、デメリットとしては、デジタル化作業に時間が必要な場合があるほか、データの整理や管理が複雑になる可能性等が挙げられます。

だからこそ、マニュアルを作成し命名規則・保管場所などの整理をしておくことが必要です。そして、そのマニュアルの作成にはマニュアル作成ツールを活用し、「作成」「管理」「共有」がスムーズにできるようにしておくとよいでしょう。「NotePM」でも、マニュアル作成を強力にサポートする機能が豊富に用意されています。効率よく紙媒体の電子化を進めるためにも自社にあったツールの導入をすることをおすすめします。

 
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