プロジェクト管理に必要な項目と成功のポイントとは?

2024年01月28日(日) プロジェクト管理

プロジェクトを成功させるには、その大小にかかわらずプロジェクトにおいて必要不可欠な項目を管理する必要があります。それらの項目を押さえたプロジェクト管理で進行させていくと、効率的にプロジェクトを成功に導けるでしょう。しかし、必要な項目を管理するには何種類ものドキュメントが必要となるため、その作成と管理はマネージャーの重要な仕事のひとつです。

また、プロジェクトの管理手法はいろいろありますが、成功させるポイントは手法に関わりなく共通です。ここでは、プロジェクト管理を任された初心者に向けて、プロジェクト管理に必要な管理項目と、プロジェクト管理を成功させるために押さえておかねばならないポイントをご紹介します。

プロジェクト管理に必要な項目とマネージャーの業務とは

プロジェクトマネジメント業務に必要な項目と、その項目に関するプロジェクトマネージャーの業務をプロジェクトの進行に従って紹介します。プロジェクト管理が必要なのは、大きく分けると以下の4ステップです。

1.プロジェクトの立ち上げ

最初にここで、マネージャーはプロジェクトの目的を明確にします。目的を決めることでプロジェクトのゴール(達成条件)を決定でき、ゴールをはっきりさせることで適切なマイルストーンを設定できます。

2.計画の立案

ここでマネージャーは計画書に必要な以下の管理項目ごとに、プロジェクト管理の計画書を作成しなければなりません。

必要な管理項目とその目的は以下のとおりです。

・統合管理(プロジェクト管理全体を統合して、プロジェクトの推進を目指す)
・スコープ管理(プロジェクトで何を行うかの目的と、何を作るかの成果物を実現する)
・コスト管理(プロジェクトにかかるコスト全体を明確にして管理する)
・調達管理(材料の調達先・業務委託先の遅延やトラブルを解決する)
・品質管理(品質を管理する)
・リスク管理(プロジェクトの遅延を想定してそのリスクに備える)
・要員管理(プロジェクト参加者への業務の振り分けや適材適所を実現する)
・コミュニケーション管理(コミュニケーションの不足による課題が生じないようにする)
・スケジュール管理(計画と実績を管理する)
・ステークホルダー管理(顧客、外部取引先などプロジェクトの関係者・企業を管理する)

3.実行結果と進捗管理

マネージャーは各タスクの進捗状況を項目に従って管理します。プロジェクトは多くの関係者によって遂行されるため、進捗に合わせてドキュメントを更新し、関係者全員が共有できるようにします。

4.終結

マネージャーは成果物を納品し、次のプロジェクトに参考になること、注意すべきことなどを報告書に記述してプロジェクトを終結させます。

プロジェクト管理の4つのポイント

プロジェクト管理を成功させるには4つのポイントがあります。このポイントを押さえないと、プロジェクト管理がうまくいかず失敗するリスクが高まります。

1.ドキュメントの共有とバージョン管理

多くの関係者が協力して行うプロジェクトは、さまざまなドキュメントを全員が共有できなければうまく進行させられません。また、プロジェクトにはさまざまな理由で変更が生じます。変更があればドキュメントにすぐ反映させないと、間違った内容でプロジェクトが進行しトラブルが起きます。ドキュメントの修正は単なる上書きではなく、いつ、どこで、どのような内容が変更されたかを明確にしたものでないと分かりにくく、また、変更前の内容が必要になることも考えられます。そのためドキュメントのバージョン管理が必要です。

2.工程の細分化とタスク管理、および情報共有

プロジェクトには、いくつもの作業があり、マネージャーはそのすべての工程を管理する必要があります。工程を管理するには作業を細分化し、各作業に対して課せられた仕事をタスクとして設定します。各タスクを管理することで、誰が、どのようなタスクをいつまでに行うのか、というような工程の進捗が管理でき、作業全体の状況を的確に把握できるのです。また、当初の計画段階ではなかったタスクが発生することもあります。特にタスク間につながりがある場合には、そのようなタスクの内容が関係者間で共有、管理されていなければ、プロジェクトの進行がうまくいかなくなります。マネージャーは全員がタスクごとの情報を共有できるようにし、共有ができているかについても注意を払わなければなりません。プロジェクト管理については、『プロジェクト管理はどのような流れで進める?使われる代表的な手法』の記事も参照してください。

3.予算管理の徹底

プロジェクトは単に目的を達成するだけでなく、与えられた予算の範囲内での達成が重要です。予算と実際にかかった費用を常に管理しなければなりません。

4.プロジェクト関係者の管理

プロジェクトは、多くの関係者が参加して目的の達成を目指します。各関係者が1人でも責任を果たさないとプロジェクト全体に影響します。それぞれの能力や性格を把握しタスクを均等に割り振り、無駄が出ないように、また、、遅れているタスクや工程、作業があれば臨機応変な対応を行わねばなりません。

プロジェクト管理に必要なドキュメントとは

プロジェクト管理には多数のドキュメントが必要です。代表的なドキュメントを以下に紹介します。

プロジェクト管理計画書

プロジェクトの目的を達成するまでの計画が記載され、プロジェクト全体の概要が分かるドキュメントです。一般的にはプロジェクトの管理項目の内容が記載されます。

スケジュール表

プロジェクトは期間が設定されるので、スケジュール管理は極めて重要です。スケジュール作成はカレンダーやガントチャートなどで行い、可視化して計画と計画に対する進捗の管理を行います。

仕様書

プロジェクトの目的となる成果物の機能、性能、構造などを規定したドキュメントです。プロジェクトの作業は、この仕様書に基づいて行われます。

報告書

プロジェクトの関係者は、タスクの進捗状況として、完了した作業内容と日時、現在進行中の作業と完了見込み日時、今後予定している作業と完了見込み日時、予算の状況、作業場の課題、プロジェクトの改善提案などをマネージャーにタイムリーに報告する必要があります。定期的に日報、週報で、あるいは不定期で報告することもあります。

アサイン表

誰が、いつまで、どんなタスクをするかといったことを示したドキュメントです。作業の分担と責任を明確にできます。

プロジェクト採算表

プロジェクトでは予算管理が重要であることを先述しましたが、計画時点での予算に対し、作業工程やタスクごとに月、半期、年単位や、一定の成果単位などで進捗を管理します。

WBS、ガントチャート

WBS(Work Breakdown Structure)やガントチャート(Gantt chart)は、プロジェクト管理に利用するツールの一種です。。WBSは作業分解構成図ともいい、プロジェクトの作業を段階的に小さなタスクに分解し、ツリー構造にしたドキュメントです。WBSを作成することでタスクのすべてを洗い出せて抜けや漏れがなくなり、所要時間を正確に見積もれます。また、すべてのタスクが可視化され、プロジェクト管理がしやすくなります。

ガントチャートは、タスクの進捗状況を時系列で管理するドキュメントです。すべてのタスクの進捗状況が可視化され、スケジュール管理が容易になります。

関連記事:プロジェクトを成功させるマネジメント、そのために必要なツールのポイントを紹介

まとめ:プロジェクト管理で重要なのはドキュメントと情報の共有

プロジェクトマネージャーには、たくさんの業務があります。そのなかでも、最も重要なのがタスク管理とドキュメント管理です。タスク管理は進捗管理でもあり、スケジュールを守ることにつながります。ドキュメント管理は、情報を整理して共有し、より正確で作業しやすい環境を作り出すものです。そして、それらを関係者で過不足なく共有できていないと、プロジェクト管理をスムーズに行うことはできません。そのため、タスク管理とドキュメント管理の2つがとりわけ重要になるのです。

この2つを容易かつ正確に行うには、プロジェクト管理ツールを使うことをおすすめします。また、プロジェクト管理ツールだけでは情報共有が不十分になるケースもあります。メンバー間でうまく連携ができていないようならば、情報共有ツール(社内wikiやビジネスチャット)の併用も検討しましょう。詳しくは、『おすすめビジネスチャットを厳選!ビジネスチャットを活用して情報共有しよう!』『社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)』『プロジェクト管理システム・タスク管理ツール おすすめ10選!脱エクセルでスムーズな情報共有』の記事を参照してください。

 
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