サイロ化とは何だろう、サイロ化の問題や解決策を詳しく知りたい、と考える企業担当者もいらっしゃるかもしれません。近年では、各組織間のデータを集めて分析・活用するための活動も活発ですが、それぞれが縦割り構造のために情報を連携できない、というサイロ化の問題に直面してしまうケースもあります。企業担当者は、組織の生産性を高めるためにもサイロ化を解消しなければなりません。
本記事では、サイロ化とは何か、種類、組織の課題、解消がもたらすメリット、解決するための方法について詳しく解説していきます。
目次
サイロ化とは
まずは、サイロ化とは何かについて説明します。
サイロ化とは組織やシステムが縦割り構造になり、うまく連携ができない状態を指します。たとえば、複数の部門間で業務情報を連携して生産性向上に役立てようとしたとき、部門同士にコミュニケーション上の壁があり、スムーズに連携できない場合があります。サイロ化とは同一の組織内において、特定の部門・部署などが孤立してしまっている状態だといえます。
近年では、複数の基幹システムで扱っているデータを統合して、分析・活用することで企業の生産性向上や経営層の意思決定に役立てたいという動きが活発化してきました。しかし、独立した組織やシステム同士を連携させようとすると、サイロ化による問題が表面化し、想定していた以上に連携がとれず事業活動そのものを停止せざるを得ない状況になる可能性もあります。
サイロ化は、組織やシステムの情報を連携できない状態のことを指します。そのため、組織の貴重で膨大なデータを活用できないといった大きなデメリットがあります。
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サイロ化の種類
サイロ化の種類について、以下2点を挙げて説明します。
- 企業組織の構造
- データ連携
それぞれ、解説していきます。
企業組織の構造
サイロ化の種類1つ目は、企業組織の構造です。
企業の組織構造が縦割りとなっており、部門同士の連携が取れてないためにサイロ化が生じているという状況です。たとえば、金融系の顧客を担当する営業部門、製造系の顧客を担当する営業部門があるとします。それぞれ、同じサービスを各顧客に提案するために提案書を作成するとき、連携がとれておらず、似たような提案書を各部門で独自作成することになるでしょう。
部門間で共有可能な標準提案書を社内の共有スペースに公開してあれば、それを活用して業務が効率よく進みます。しかし、そもそも情報共有するためのスペースが設けられていなかったり、日常的に部門同士が情報交換する構造的な仕組みが存在しなかったりなど、企業組織の構造を原因としてサイロ化が生じてしまいます。
データ連携
サイロ化の種類2つ目は、データ連携です。
組織が所有するシステムやソフトウェア間の連携ができないために、それぞれのシステムが独立してしまっている状態がサイロ化を誘発させます。たとえば、営業管理系のシステムと、販売管理系のシステムに格納しているデータを統合し営業活動に役立てたいと考えたときに、各システムで使用されているデータ形式が違えば、システム統合は容易ではありません。
このようなデータ連携の不備がサイロ化の原因の一つとなります。それぞれのシステムで保管している貴重なデータの活用範囲が狭くなり、企業組織の改善などに役立てない状態は大きな機会損失だといえるでしょう。
サイロ化が抱える組織の課題
サイロ化が抱える組織の課題について、以下4点を挙げて解説します。
- データの分析・活用が困難
- 意思決定スピードの遅延
- システムが標準化されていない
- 大量データの統合が困難
それぞれ、解説していきます。
データの分析・活用が困難
組織の課題1つ目は、データの分析・活用が困難なことです。
サイロ化が生じているシステムでは、他のシステムとデータを統合したり、活用したりすることが基本的にできません。データの形式が違うことや、そもそもシステム連携を想定していないデータであることが大きな理由ですが、それに気がついていない担当者は、統合させようとして多くの方法を試しては様々な問題に直面することでしょう。
このように、データ統合・活用の実現にむけて取り組みを開始してはじめて、自社にサイロ化による問題が生じていると気づくケースがよくあります。組織がサイロ化したままでは、複数の基幹システムを横断した複合的なデータを現場で活用することができません。
意思決定スピードの遅延
組織の課題2つ目は、意思決定スピードの遅延です。
たとえば、経営層の意思決定は、基本的にデータに基づいて行われます。サイロ化しているシステムや組織からは複合的なデータをすぐには入手できません。場合によっては担当者が各部門をまわって、必要なデータをかき集め、膨大な時間をかけてそれぞれの形式を合わせるなど、手動で統合していかなければなりません。
サイロ化していると、必要な情報を必要なときにすぐに渡すことができず、意思決定のスピードを遅延してしまうという課題を抱えています。
システムが標準化されていない
組織の課題3つ目は、システムが標準化されていないことです。
大規模な企業では、部門や部署単位でシステムを構築しているところも多いかと思います。そうなると、それぞれの組織が独自ルールを設定して管理することにも繋がりかねません。本来は一箇所で管理されるべき情報も、複数のシステムに分散され、二重三重に重複して管理される可能性も考えられます。組織間でお互いのシステムに関する情報を共有しなければ、システムの標準化も図れません。
大量データの統合が困難
組織の課題4つ目は、大量データの統合が困難なことです。
組織のシステムには、あらゆるデータの形式のファイルが格納されています。特に、プログラミング言語・音声テキストといった容量が重たくかつデータソースが異なっているものに関しては統合することが極めて困難です。統合ではなく、専門のシステムに一括して格納する必要があります。
サイロ化の解消がもたらすメリット
サイロ化の解消がもたらすメリットについて、以下4点を挙げて説明します。
- 企業データの価値向上
- 迅速な意思決定
- コア業務へのリソース投入
- 新たなビジネス創出
それぞれ、解説していきます。
企業データの価値向上
メリット1つ目は、企業データの価値向上です。
情報のサイロ化を解消できれば、統合されたビッグデータの情報を分析・活用することができます。企業では業務に必要な複数の基幹システムを抱えている場合も多く、それぞれが膨大なデータを格納しています。それらを統合すればシステムが分析を自動化で行い、提供しているサービスや商品などの需要予測をすることで、新たな需要への迅速な対応が可能になるでしょう。
組織内業務の効率化を図れることや、無駄の特定・生産性向上にも役立ちます。サイロ化を解消すれば、企業が持つデータそのものの価値を高めることができるでしょう。
迅速な意思決定
メリット2つ目は、迅速な意思決定です。
サイロ化を解消すれば、各基幹システムに格納されているビッグデータを、人間が手を加えることなく、自動で統合し分析レポートにまとめることが可能です。作成されたろぽーとはそのまま経営会議の議題とし、経営層からの迅速な意思決定を促すこともできるでしょう。
コア業務へのリソース投入
メリット3つ目は、コア業務へのリソース投入です。
サイロ化が生じている組織では、孤立している情報を無理やり連携させるために、Excelでデータ加工するなど、単純作業を繰り返しているケースがあります。サイロ化を解消して単純作業部分を自動化し、標準化を図ることができれば、それぞれの組織が連携のための作業時間に追われることなく、コア業務に自分達のリソースを集中できるようになります。
新たなビジネス創出
メリット4つ目は、新たなビジネス創出です。
サイロ化の問題を抱えている組織やシステムの情報を簡単に統合したり、共有することができれば、新たなビジネスアイデアを得られる可能性があります。たとえば、マーケティング部門で共有している情報を商品開発部門の担当者が見て、新しいサービス開発のヒントとなり、新しいサービスを生み出すことも十分に考えられるのです。
各組織で抱えている情報は貴重な財産であり、それぞれを連携することで新しいビジネス創出につながるでしょう。
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サイロ化を解決する方法
サイロ化を解決する方法について、以下3点を挙げて説明します。
- トップレベルの部門間連携
- コミュニケーションミーティング
- 社内Wikiの導入
それぞれ、解説していきます。
トップレベルの部門間連携
1つ目の方法は、トップレベルの部門関連系です。
組織の縦割り構造が原因で情報やシステムがサイロ化としているケースでは、まずは各組織のトップレベルの権限を持つマネージャーやリーダー同士が、それぞれ連携するために、互いの部門の目標を共有して相互理解を深め、サイロ化を解決するための体制を整えることが大切です。
トップレベルの連携では、業務上の共通項を洗い出し、統合することに合意する必要があります。お互いがどのような業務をし、どのようなデータを扱い、日々どのような資料を作って何を標準化しているかなど、具体的な情報を共有しお互いの目標に向かって情報をどのように連携させるか確認していきます。
コミュニケーションミーティング
2つ目の方法は、コミュニケーションミーティングです。
各組織のメンバー同士が交流できる場を提供していきます。定期的なコミュニケーションミーティングを実施し、お互いどのような業務をどのような手順で実施しているかを共有していきます。組織を連携させるために、部門を横断して一緒に業務を実施するという方法もありますが、コミュニケーションミーティングの方が集まるだけで済むため、気軽に開催でき、本音を話し合えるというメリットがあるでしょう。
コミュニケーションミーティングはお互いの組織関係を深め、最新の情報を常にシェアするためにも、定期的に継続して行うことが大事です。
社内Wikiの導入
3つ目の方法は、社内Wikiの導入です。
社内Wikiを導入すれば、組織の縦割り構造にさえぎられることなく、組織横断的な情報共有が簡単に実現できるようになります。標準化が必要なマニュアルなどの資料も、社内Wikiを使用して簡単に作成でき、様々な部門・立場の人間が多角的に編集・更新作業も気軽にできるため、さまざまな視点を取り入れられ、品質も向上します。
社内Wikiがあれば、組織の体制やシステムは変えなくても、お互いの持つ知識を簡単に情報共有・連携できるようになり、サイロ化が引き起こす問題も効率よく解決できる可能性があります。
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まとめ
本記事では、サイロ化について解説しました。サイロ化には組織構造のサイロ化や、データ連携におけるサイロ化などの種類があります。特に縦割りの組織構造を原因とするサイロ化は非常に多く、組織間連携ができていないためにその他のサイロ化問題を引き起こしている可能性が非常に高いといえます。
様々な立場の人間が密に情報を共有できていれば簡単に解決できる問題も、サイロ化によって複雑化してしまいます。社内Wikiを導入し、全従業員がしっかりと活用すれば、必要な情報を簡単に投稿することができ、各個人が持つノウハウ・知識の共有が容易に行えます。
検索精度も高く、必要な情報を探したいときも社内Wikiにアップロードしたファイルの本文の中まで全文検索することが可能です。自社のサイロ化に悩んでいる担当者の方は、まずは無料のお試しから社内Wikiを気軽に試してみてはいかがでしょうか。
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