社内ポータルの構築において、デザインは従業員の利便性や作業効率を左右する重要な要素です。
優れたデザインは、必要な情報へのアクセスを容易にし、社内コミュニケーションを活性化させる力を持っています。しかし、デザインの重要性を理解せずに構築を進めてしまい、結果的に誰にも利用されないポータルになってしまうケースは少なくありません。
このようなトラブルを避けるためには、事前に効果的なデザインの例や設計のポイントを理解し、自社の目的や文化に合ったデザインで構築することが重要です。
本記事では、社内ポータルのデザイン例から設計のポイントまで詳しく解説します。
目次
社内ポータルで活用されるデザイン例|最新トレンドを紹介
ここでは、最新のトレンドとして注目されている代表的なデザイン例を5つ紹介します。
- カード型
- アイコン型
- ヒーローヘッダー型
- 図・表
- 写真・イラスト
カード型
カード型デザインは、個別の情報をそれぞれ独立したカード形式の枠に収めて画面上に配置するレイアウト手法です。
各カードがコンテンツの入り口として機能するため、情報が視覚的に区切られ、ユーザーは目的の情報を瞬時に見つけ、次の行動であるクリックへスムーズに移行できます。
また、カード型のメリットとして、レスポンシブデザインへの対応が容易なため、パソコンでもスマートフォンでも利用しやすいページを作成できます。
情報量が多く、多岐にわたるコンテンツを整理して見せたい場合に有効なデザインと言えるでしょう。
アイコン型
アイコン型デザインは、ポータル内の各メニューや機能を、それぞれが持つ意味を象徴するアイコンで表現する手法です。
アイコンは文字情報を補う役割を果たすため、従業員は直感的に理解することができます。
また、カード型デザインと比較して、よりシンプルで統一感のあるデザインを構築しやすく、洗練された印象を与えます。
しかし、デザインが機能と一致していない場合、従業員の混乱を招くため、アイコンの選定が重要です。
ヒーローヘッダー型
ヒーローヘッダー型は、社内ポータルのファーストビューに大きな画像や印象的なビジュアルを配置するデザイン手法です。
トップページなどに配置する大きな画像の領域は「ヒーローエリア」と呼ばれ、最も重要な情報を力強く伝えるのに効果的です。例えば、経営方針や職場の雰囲気がわかる写真、イベント情報などを目立たせたい場合に向いています。
ユーザーの視線が最初に集まる場所にインパクトのある画像を配置できるため、社内ポータルに限らず多くのサイトで採用されています。
図・表
図・表を社内ポータルに取り入れると、複雑な情報を視覚的にわかりやすく伝えられます。文字だけで説明すると長くなってしまう内容も、図表を使えば一目で理解できる形への整理が可能です。
特に、売上データやプロジェクトの進捗といった数字や傾向を示す情報を、グラフやチャートで表現すると、ユーザーは瞬時に状況を把握できます。
従業員にとって大事な数字をポータルサイトの該当ページに配置しておくと、日々データを確認しながら意識して業務を遂行できる状態になるでしょう。
写真・イラスト
テキストだけでは無機質になりがちな社内ポータルに写真やイラストを効果的に配置すると、サイト全体に温かみと親しみやすさをもたらします。写真やイラストは、文字だけでは伝わりにくい企業の雰囲気や文化を視覚的に表現する効果があるためです。
例えば、社員の顔写真やオフィスの風景を掲載すると、社内の連帯感を醸成し、コミュニケーションの活性化につながります。
また、業務マニュアルのページでは、テキストだけでなく写真やイラストなどを用いると、従業員の理解を助け、心理的な抵抗感を和らげる効果も期待できます。
社内ポータルのデザインに関する重要なポイント
ここでは、社内ポータルのデザインに関する重要なポイントについて解説します。
- デザインの基本原則を意識する
- 情報を理解しやすいように整理する
- 業務ツールとの連携も意識する
- 直感的に操作しやすい画面にする
デザインの基本原則を意識する
社内ポータルを機能的なデザインにするためには、基本的な原則を意識しましょう。
特に、以下の4つの原則は、社内ポータルをデザインする上で重要であり、意識的に適用すると使いやすさが向上します。
| 原則 | 意味 |
| 近接 | 関連性の高い情報や要素を物理的に近づけて配置することで、グループとしてユーザーに直感的に認識させる手法 |
| 整列 | 各要素の端や中心を、目に見えない共通の線に沿って意図的に揃えることで、レイアウト全体に秩序を与え、視線の流れを整える手法 |
| 強弱 | 文字のサイズや太さ、色の違い、余白の大きさなどを効果的に使い分けることで、情報間に視覚的な優先順位をつけ、最も重要な情報を際立たせる手法 |
| 反復 | 色、フォント、アイコンのスタイル、ボタンのデザインといった視覚的な要素を、サイト全体を通して繰り返し用いることで、一貫性を持たせる手法 |
情報を理解しやすいように整理する
社内ポータルを設計する際は、情報を理解しやすいように整理しましょう。
情報が整理されていない社内ポータルは利便性が低く、従業員が使わなくなる原因となるためです。
情報をカテゴリやタグで分類すると必要な情報への到達時間を短縮できます。
例えば、「新入社員向け」「管理職向け」などのタグを付けると、必要な情報がすぐに手に入ります。
情報が適切にまとまっていると、従業員は欲しい情報を素早く見つけられ、業務の効率化や生産性の向上も期待できるでしょう。
業務ツールとの連携も意識する
既存の業務ツールと連携できる設計にすると、社内ポータルの利便性が向上します。
現代の業務では、チャットや勤怠管理、カレンダーなど複数のツールを横断した作業が一般的です。社内ポータルの設計を行う際に、既存の業務ツールとの連携を意識すると、従業員は複数のツールを使い分けたり行き来したりする必要がなくなるため、業務効率が改善されます。
例えば、チャットツールやカレンダーツール、労務管理ツールなどと連携させ、社内ポータル内のリンクからすぐアクセスできる状態にしておくと利便性が高まります。
直感的に操作しやすい画面にする
社内ポータルでは、アイコンやボタン、操作部品をわかりやすい位置に配置し、直感的に操作しやすい状態にしておくことが大切です。
一貫した配置ルールをもとに設計し、直感的な操作ができると、利用者が操作方法を覚える学習コストの負担を最小限に抑えられるためです。
例えば、メニューは常に画面上部または左側に固定したり、検索ボックスは右上に配置したりするルールを設けることで、利用者は迷わず操作できます。
もし、直感的に操作しやすい画面の設計が思い浮かばない場合は、一般的なWebサイトを参考にするのがおすすめです。
社内ポータルのデザインを設計する際の注意点
ここでは、社内ポータルのデザインを設計する際の注意点について解説します。
- ユーザー視点を意識する
- 運用しやすく設計する
ユーザー視点を意識する
社内ポータルのデザインは、実際に使用する従業員の視点に立って設計しましょう。
もし、情報システム部門の担当者や経営層の視点だけで設計を進めてしまうと、現場の業務では使用しにくいサイトになってしまう可能性があるためです。
社員の普段の業務フローや利用行動を把握し、設計に反映させることで、従業員が使用しやすいポータルサイトを実現できます。
ユーザー視点を意識した設計にするためには、現場の従業員にヒアリングを行い、どのような情報が必要か、どのような使い方をしたいかを確認しましょう。
さらに、実装後も従業員から定期的にフィードバックを収集し、改善を重ねていくことで利用しやすいポータルサイトになります。
運用しやすく設計する
社内ポータルのデザインを追求しすぎてカスタマイズを複雑にしてしまうと、将来的なアップデートやメンテナンスの際にトラブルが発生しやすくなります。
複雑すぎる構造は、更新作業の負担を増やし、担当者の異動時に引き継ぎが困難になる原因にもなるでしょう。
社内ポータルを設計する際は、見た目だけでなく、日々の情報更新や機能追加が容易にできるかという運用性も考慮して設計するのがおすすめです。
標準的な機能やテンプレートをベースに構築することで、長期的に安定して運用できる社内ポータルを実現できます。
社内ポータルの構築にはツールの導入がおすすめ
社内ポータルを一から自社で開発するには、多大な時間とコスト、高度な専門知識が求められます。そこでおすすめしたいのが、社内ポータル構築に特化した専用ツールの活用です。
専用のツールを活用すると、セキュリティ対策や最新機能へのアップデートなどをベンダーに任せつつ、高機能な社内ポータルを効率的に導入することが可能です。
特に、ナレッジマネジメントツールである「NotePM」は、社内ポータルの構築や運用に適した機能が豊富に揃っています。
ここでは、社内ポータルの構築におすすめなツールとしてNotePMの特徴を解説します。
- テンプレートが豊富に揃っている
- 検索性が高い
テンプレートが豊富に揃っている
NotePMには、さまざまなビジネスシーンで活用できる文書のテンプレートが標準で豊富に揃っています。
テンプレートにより一から資料を作成する必要がなくなり、作成者の手間を削減できるだけでなく、誰が作成しても一定の品質で文書を作成することが可能です。
さらに、テンプレートを活用することで、社内ポータル全体で文書のフォーマットが統一され、一貫性が生まれます。
閲覧者にとっては、どこに何が書かれているかを素早く把握できるようになり、内容を理解しやすく効率化につながるでしょう。
検索性が高い
NotePMは、高い検索性能を持っており、業務効率化や生産性の向上を実現できます。
一般的な検索機能とは異なり、ドキュメントのタイトルだけでなく、添付されたWord・Excel・PowerPoint・PDFの中身までも、検索対象です。
NotePMの高度な検索性により、従業員はキーワードだけを覚えている状態からでも、必要な文書を瞬時に見つけ出すことが可能です。
情報を探す時間が短縮されれば、本来の業務に集中できる時間が増えるため、生産性の向上につながります。
NotePMを実際に導入した企業の事例
ここでは、実際にNotePMを導入した企業の事例を3つ紹介します。
- 株式会社パソナ日本総務部
- 株式会社ADX Consulting
- 株式会社ホタルクス
株式会社パソナ日本総務部

BPOやコミュニケーション事業を展開している株式会社パソナ日本総務部。同社では、以前、検索機能を持たない自社開発の社内ポータルサイトを運用しており、従業員は資料を探す際に業務が頻繁に中断してしまうという課題を抱えていました。
従業員から検索機能を求める声が増えたため、課題解決のために代替ツールとしてNotePMを導入。
導入後はポータル全体のサイトマップを作成し、各情報ページへスムーズに移動できる動線を確保しました。また、NotePMの全文検索機能により、利用者から情報を見つけやすくなったとの声が寄せられています。
利用者だけでなく情報発信側も効率化を実現でき、現在では労力が10分の1に削減できているとのことでした。
関連記事:【導入事例】社員1700人。社内wikiを活用して、業務効率や従業員満足度が大幅向上! – 株式会社パソナ日本総務部(旧:パソナ・パナソニック ビジネスサービス株式会社)
株式会社ADX Consulting

ERPやCRMを中心に事業を展開している株式会社ADX Consulting。同社では、社内の手続きやルールに関する同様の質問が各部署から寄せられ、対応に半日かかってしまう状況にありました。
また、社内の貴重なナレッジやノウハウが、担当者個人の中に留まり、組織の資産として共有・活用されていないという状況も課題でした。
ナレッジの共有や業務効率の課題を解決するためにNotePMを導入。導入後は、社内報の発信や就業規則といった全社共通の情報を集約するポータルとして活用することで、問い合わせ対応を1日30分にまで削減しました。
さらに、新人教育用の資料も格納しているため、教育担当者の工数削減を実現しています。
関連記事:【導入事例】ナレッジ共有で社内問い合わせ対応工数が半日→30分に。コンサル会社の成長を支えるNotePMの活用方法 – 株式会社ADX Consulting
株式会社ホタルクス

照明器具やランプなどを中心に事業を展開している株式会社ホタルクス。同社では、製品知識や顧客対応のノウハウが特定のベテラン社員に依存し、知識が属人化しているといった課題を抱えていました。
その結果、担当者が不在の際には業務が滞ったり、社内外からの問い合わせ対応に時間がかかり、部署が掲げる目標応答率を下回ったりする状況が頻発していました。
同社は、ナレッジの共有・蓄積のためNotePMを導入。導入後は、業務マニュアルや社内FAQなどを設計し個人が持つ知識を文書化して社内に共有しました。
現在では、お客様をお待たせする電話の保留時間や1件あたりの問い合わせ対応時間が半減し、応答率は約10%の向上を実現しています。
関連記事:【導入事例】お問い合わせ電話の保留時間が3分→1分に短縮。ペーパーレス化にも繋がった70年の歴史を持つメーカーのNotePM活用術 – 株式会社ホタルクス
デザイン例を参考に社内ポータルを作成しよう
社内ポータルのデザインは、利便性や業務効率を高めるために欠かせない重要な要素です。
カード型やアイコン型など、自社の業務内容や従業員のニーズに合った方法を選んでデザインを設計することが大切です。また、デザインのポイントを意識して従業員が利用しやすいポータルサイトを構築しましょう。
高機能な社内ポータルの導入を効率的に行いたい場合は、ナレッジマネジメントツール「NotePM」の導入がおすすめです。NotePMは豊富なテンプレートと強力な検索機能を備えており、社内ポータルの構築に最適なツールです。
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