企業の成長や業務効率化を図るうえで欠かせないのがナレッジ共有です。属人的になりがちな知識やノウハウを蓄積し活用できれば、社員一人ひとりの作業効率が向上し、組織全体の生産性アップにつながります。
ナレッジ共有ツールの中でも、Microsoft製品であるSharePointは多くの企業で導入されています。
本記事では、SharePointを使ったナレッジ共有の方法やメリット、注意点を解説。自社に合ったナレッジ共有の仕組みづくりの参考にしてください。
目次
SharePointでナレッジ共有する2つの方法
SharePointでナレッジ共有する方法は、以下の2つです。
- サイトを作成し共有する
- ドキュメントを共有する
それぞれ具体的な方法を解説するので参考にしてみてください。
サイトを作成して共有する
SharePointでは、部署やプロジェクトごとに専用のサイトを作成し、ナレッジや資料を集約して共有できます。
サイトは2種類あり、それぞれの役割は以下のとおりです。
- チームサイト:チーム内での共同作業や議事録・進捗管理
- コミュニケーションサイト:全社への告知やナレッジ公開
作成手順はシンプルで、以下の手順で簡単に行えます。
- SharePointスタートページ上で「+サイトの作成」を選択する
- 「チーム サイト」と「コミュニケーション サイト」のどちらを作成するか選択する
- 新しいサイトの作成に使用するテンプレートを選択する
- 「テンプレートを使用」を選択し、サイトの作成をはじめる
- サイトの名前を入力すると、他のフィールドが表示される
- 必要に応じてサイトの説明を入力・編集する
部署単位やテーマごとの情報を整理すれば、ナレッジが乱雑にならず、検索性も向上するでしょう。
SharePointのサイトの詳しい作成方法は、以下の記事で解説しています。
SharePointのサイトの作り方5ステップ!注意点やポイントについても解説
ドキュメントを共有する
SharePointのもう一つの基本的なナレッジ共有方法は、個々のドキュメントを共有することです。
文書やマニュアル、提案書などをドキュメントライブラリにアップロードすると、自動的にクラウド上で管理され、必要な相手とリンクを通じて共有可能になります。
共有時には「フルコントロール(所有者)」や「編集(メンバー)」「読み取り(閲覧)」など7つの権限を指定できるため、情報漏えいを防ぎながらナレッジを共有できます。
また、「Microsoft 365」との連携により、WordやExcelをブラウザ上で直接開いて共同編集できるのも魅力です。ファイル単位でシンプルに知識を共有したい場合には、実用的な方法といえるでしょう。
SharePointでナレッジ共有するメリット
SharePointでナレッジ共有するメリットは、以下の3つです。
- Microsoft製品とスムーズに連携できる
- ナレッジの共同編集が可能になる
- 変更履歴が残るため過去データに遡れる
Microsoft製品とスムーズに連携できる
SharePointはMicrosoft 365の中核サービスとして設計されているため、以下のMicrosoftの主要ツールとスムーズに連携可能です。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Outlook
- Teams
たとえば、Teams上で議論した内容をそのままSharePointに保存し、関連する資料を紐づけて管理することが可能です。
また、OneDriveと組み合わせれば、ローカルに保存していたファイルをクラウドに自動同期し、SharePointを通じて全社員が利用できる形に展開できます。
普段からMicrosoft製品を利用している企業にとっては、SharePointの導入が自然に業務フローへ溶け込み、ナレッジ共有の定着を促進してくれるでしょう。
ナレッジの共同編集が可能になる
SharePointを利用することで、従業員同士が同じドキュメントを同時に編集できる共同編集機能が活用できます。具体的には、会議資料やマニュアル、提案書などを複数人がリアルタイムで加筆修正できます。
従来のように、メールでファイルをやり取りしながら最新版はどれかを確認する手間がなくなり、常に最新の内容にアクセス可能になるのも魅力です。
また、権限を設定すれば外部パートナーともスムーズに共同作業ができ、プロジェクト全体のスピード向上も期待できます。
さらに、コメント機能や通知機能も充実しているため、編集意図や修正ポイントをチーム内で共有しやすく、ナレッジの活用度が高まるでしょう。
変更履歴が残るため過去データに遡れる
SharePointには、バージョン管理機能が搭載されており、ドキュメントの変更履歴が自動的に保存されます。
そのため、誰がいつどの部分を修正したのかを明確に確認でき、誤って削除したり意図せず上書きしてしまったりした場合でも、過去の状態に復元可能です。ミスやトラブルへの迅速な対応は、作業の透明性にもつながります。
とくに、マニュアルや規程類などの改訂履歴を残す必要があるドキュメント管理において効果を発揮します。
また、過去データを参照することで、改善の経緯や意思決定の背景も把握でき、ナレッジの蓄積がさらに価値あるものになるでしょう。
SharePointでナレッジ共有するデメリット
一方で、SharePointでナレッジ共有するデメリットは、以下のとおりです。
- 設定が難しいため、一定の知識が必要
- 情報を検索しにくい
- デザイン設計や分析などの機能が乏しい
それぞれのデメリットの解消法も説明しているので参考にしてみてください。
設定が難しいため、一定の知識が必要
SharePointは高機能で柔軟性がある反面、設定や運用ルールを理解するには一定の知識が必要です。
はじめて導入する企業では、以下のような課題が発生する可能性があります。
- 思った通りにサイトが構築できない
- 権限設定が複雑で混乱する
導入前に部署のリーダーやメインで利用する社員を対象とした勉強会を開催し、具体的な操作方法や運用方法を共有することが重要です。実際の画面を使ってサイト作成や権限設定を練習しておけば、導入後のトラブルを回避できるでしょう。
とくにナレッジ共有を目的とする場合、情報の登録・更新がスムーズにできるかどうかが定着の鍵になります。
情報を検索しにくい
SharePointは情報を集約できる点は魅力ですが、無計画にフォルダやサイトを作ると、かえって検索性が下がる恐れがあります。
たとえば、同じテーマの資料が複数の場所に存在すると、どれが最新版かわからず混乱が生じます。そのため、導入初期の段階で、どのように情報を分類するか、フォルダやライブラリの階層をどう設計するかなどをルール化することが重要です。
さらに、ファイル名の付け方を統一する、タグやメタデータを活用するといった工夫も有効です。
整理と検索性を意識することで、ナレッジが正しく活用され、スタッフが迷わず必要な情報にたどり着ける環境をつくれるでしょう。
デザイン設計や分析などの機能が乏しい
SharePointはナレッジ共有の基盤として便利ですが、標準機能だけではデザインの自由度や分析機能に限界があります。
たとえば、利用者が直感的に操作できるUIを作りたい場合や、アクセス状況を詳細に分析してどの情報が活用されているかを可視化したい場合でも、SharePoint単体では不十分と感じるケースもあるでしょう。
ナレッジ共有の効率化を目指す際は、SharePointだけでなく外部のナレッジ管理ツールも併用することで、見やすさや分析力などを補完できます。
自社の目的が情報の保管だけなのか、活用や改善まで含むのかを見極め、必要に応じて他ツールとの連携を検討しましょう。
ナレッジ共有を効率化する方法
ナレッジ共有を効率化するには、社員が誰でも迷わず使える仕組みづくりが欠かせません。ツールを導入しても操作が複雑だったり、情報が探しにくかったりすると、結局は定着しないままです。
そこでおすすめなのが、ナレッジ共有を効率化できるナレッジマネジメントツール『NotePM』です。
NotePMは直感的に使える操作性が特長で、社内マニュアルや業務手順、FAQなどをわかりやすく整理しながらナレッジを蓄積できます。
フォルダ階層やタグ付けによる分類機能に加え、強力な全文検索機能を備えており、必要な情報をすぐに見つけられるのも魅力です。
『NotePM』導入によるナレッジ共有の成功事例3選
ここでは、ナレッジ管理ツール『NotePM』を導入したことで、ナレッジ共有に成功した3つの事例を紹介します。
- 古いマニュアル文化を改革し情報検索の時間削減に成功|キーコーヒー株式会社
- 動画共有でインシデントに対する安全意識の向上に成功|幸運ホールディングス株式会社
- 日報を通じて社内コミュニケーションの活性化に成功|株式会社47CLUB
それぞれの導入の経緯やどのように課題を解決したかを、具体的に解説しているのでご覧ください。
古いマニュアル文化を改革し情報検索の時間削減に成功|キーコーヒー株式会社

キーコーヒー株式会社は、コーヒーの製造・販売や海外農園事業を展開する老舗企業です。
同社のSCM本部(ロジスティクス部・生産管理部・調達チーム)では、マニュアルの乱立や検索性の低さ、フォーマットの不統一といった課題があり、ナレッジ共有がうまく機能していませんでした。
従来のExcelやファイルサーバー管理では、必要な情報を探すのに時間がかかり、最新情報の特定も困難でした。そこで導入したのが『NotePM』です。
添付ファイルの中身まで検索できる強力な機能により、既存のExcelマニュアルもそのまま活用しスムーズに移行しました。
情報を探す時間が半分以下に短縮され、業務効率は大幅に向上。検索性と使いやすさを活かして、ナレッジ共有を軸にした業務改革を実現しています。
【導入事例】情報を探す時間が半分以下に。創業100年の老舗企業のマニュアル文化を大改革 – キーコーヒー株式会社
動画共有でインシデントに対する安全意識の向上に成功|幸運ホールディングス株式会社

幸運ホールディングス株式会社は、全国に800名以上のドライバーを抱える運送業グループです。
従来は交通情報やインシデント事例を即時に共有する手段がなく、ドライバーの安全教育に課題を抱えていました。そこで導入されたのが『NotePM』です。
動画やマニュアルを活用した情報発信により、ドライバーへのナレッジ共有をスムーズに実現しました。重大インシデントの事例を映像で伝えることで、自分ごととして受け止められるようになり、安全意識も着実に向上しました。
また、NotePMの「参照専用ゲスト機能」により、全ドライバーへ効率的にアカウントを配布可能になったのも導入効果のひとつです。
教育動画や顧客別マニュアルの一元管理、さらには社内イベントや来客情報の共有まで幅広く活用が進んでいます。
【導入事例】全国のドライバー800名への情報共有を実現。動画によるノウハウ共有でインシデントに対する安全意識が向上 – 幸運ホールディングス株式会社
日報を通じて社内コミュニケーションの活性化に成功|株式会社47CLUB

株式会社47CLUBは、全国の約1,600ショップと地方新聞社と連携し、地方の価値ある商品を全国に届けるEC事業を展開しています。
以前は全社用メールやファイルサーバーで情報共有していましたが、メール送信の心理的ハードルや検索性の低さから、社内ナレッジが蓄積されにくい状況でした。そこで導入したのが『NotePM』です。
導入後は、日報や社内FAQ、議事録や組織図などをNotePM上で管理することで、社内ナレッジを気軽に蓄積できる環境が整備されました。
日報には「今日の気づき」や「その他」の項目があり、社員が自由に情報を投稿・コメントできるため、社内コミュニケーションが活発化したのも導入効果の一つです。
個別ノウハウや業務のコツが自然に共有されるようになり、リモートワークでもチーム間の情報格差を解消しています。
【導入事例】社内のナレッジを蓄積する場を構築。日報を通じて社内コミュニケーションが活発に!- 株式会社47CLUB
効率的なナレッジ共有で業務課題を改善しよう
ナレッジ共有は、単に情報を保存するだけでなく、必要な人がすぐに活用できる状態を作ることが重要です。
SharePointはMicrosoft製品との親和性が高く、大規模な情報管理に適していますが、設定の複雑さや検索性の乏しさなどが課題といえます。
より効率的なナレッジ共有なら、直感的に使えて検索性に優れる『NotePM』の活用がおすすめです。
実際に導入企業では、マニュアル検索時間の削減や安全意識の向上、コミュニケーション活性化など具体的な成果も生まれています。自社の規模や課題に応じて適切なツールを活用し、効果的なナレッジ共有を実現することで、組織全体の力を高めましょう。



