会社名 | 事業 | NotePMの利用人数 |
---|---|---|
幸運ホールディングス株式会社 | 運送業 | 433名 |
幸運ホールディングス株式会社は、全国に800名以上のドライバーを抱える運送業グループで、ドライバー職の情報共有基盤の構築を急務としていました。とくに、交通情報やインシデント事例の即時共有ができる体制がなく、ドライバーに対する安全教育の課題も顕在化していました。そこで同社ではNotePMを導入。導入背景や導入後の効果について聞きました。
http://www.koun.co.jp/
目次
ダイジェスト
導入部門 |
|
---|---|
導入目的 |
|
課題 |
|
効果 |
|
使い方 |
|
※今回はオンラインWeb会議で、営業統括本部の松本様、営業企画 室長の片山様、事務統括部の楠元様、アヤカ自動車の山口様にインタビューさせていただきました。
「長崎から全国に幸運を届ける」幸運ホールディングス
―事業概要を教えてください。
松本:当社は、主に運送業を行っている企業グループです。一般貨物自動車運送事業、第二種貨物利用運送事業、自動車運送取扱事業、畜産業、特定航空貨物利用運送事業などの事業を展開しています。
創業は1953年に設立した幸運トラック株式会社で、現在、グループ会社は7社あります。
ドライバー職に向けた情報共有基盤をつくりたい
—NotePM導入のきっかけを教えてください。
松本:長距離輸送がメインの事業である当社では、ドライバー職が大半を占めます。
当時は、ドライバーに即時に情報を共有できる仕組みがありませんでした。また、全員が一堂に会する機会を設けて情報を共有することも難しい状況にありました。
片山:ドライバーには、位置情報がわかるGPS機能付きの携帯端末を配布していました。その携帯端末にはメール機能がついていたので、会社からの通達はメールで一斉に配信していましたが、全員に端末を配布しているわけではなかったので、情報を共有できる範囲が限られていました。
また、社長からのメッセージはSlackで発信していましたが、あくまで内勤向けの発信に留まっていました。こうした情報も含めて、いかにドライバーに伝えるかを模索していました。
松本:インシデントに関する情報共有も課題でした。
過去に重大なインシデントが起きていたにも関わらず、その事案を知らないドライバーがいて、その点についてお客さまから指摘をもらったことがあったんです。再発防止に向け、スムーズに情報を共有できる体制をつくらないといけないと感じていました。
片山:これまでは、インシデントの詳細は、ドライバーが帰社してから紙で見せていました。そのため、実際の事故映像を共有できるツールを探していました。
—導入の決め手を教えてください。
松本:料金面です。当社グループには社員が約800名います。NotePMは参照専用ゲストであれば、有料プラン人数の3倍まで無料で招待できるので、予算内でドライバー全員にアカウントを配布することができました。
また、動画を掲載できる点も魅力でした。
片山:もともとの出発点は、ドライバーに対してどうやって情報の発信・周知ができるかという点でしたので、ページごとに誰がアクセスしたかの記録が残ることも決め手の1つでした。
楠元:重大インシデントの共有に加え、マニュアル画像や動画の共有も考えていたので、保存容量も重要なポイントでした。
—導入にあたって工夫したことがあれば教えてください。
松本:トライアル時には、ドライバーに配信する動画を自作し、ドライバーからの見え方や、ドライバーへの共有の仕方を研究しました。
片山:NotePMを使用するとどんなふうに情報が見えるのか、どのようにすればNotePMを社内で使いこなせるのか。実際に松本が事例のページを作り、熱量高く研究するなかで、導入・定着に向けた足がかりを作ってくれました。
稟議申請の画面
松本:トライアル時は、決裁権がある副社長も巻き込んでいました。実際にNotePMで作成したページを見せることで、社長も含めスムーズに決裁してもらうことができました。
片山:またNotePMの導入初期は、ドライバーから、いかにメールアドレスを収集するかという点が課題でした。
松本:ドライバーに対しては、会社用メールアドレスを全員に付与しているわけではありませんでした。GPS端末を持っている人は社用のメールアドレスで登録できますが、GPS端末を持っていない人は個人のメールアドレスで登録することになります。そのため、個人のメールアドレスを収集できるような工夫が必要でした。
片山:NotePM導入の告知と合わせて、専用のGoogleフォームを用意しました。各自でアクセスして自身のメールアドレスを申請してもらい、運営側からNotePMに招待していく、というフローを作りました。また、Googleフォームは、スマートフォンから読み込めるようにQRコードにして、チラシで共有しました。
NotePM導入案内のページ
アンケートのQRコード
アンケートフォーム
—データ移行はどのようにおこないましたか。
松本:既存の資料はNotePMのファイル機能を使って移行しました。ドラッグ&ドロップで一気に移行できたので、数日ですぐに完了しました。
基本的には、気づいたタイミングで必要な資料を移行するようにしていて、足りない資料があればNotePMで新しく作成しています。ただ、ドライバーに対する資料やマニュアルなど重要度の高いものは、優先的に移行しました。
インシデントに対する安全意識が上がった
—導入後の効果を教えてください。
片山:インシデント情報を伝達するまでの時間を、大幅に短縮できました。
また、NotePMを導入後に教育動画の配信を始めたことで、安全に対する意識レベルがより上がり、大きな問題・事案が減っているようにも感じています。動画で見ることで、人ごとではなく、自分ごととして捉えてもらえていると思います。
松本:実際に「意識が向上した」という声もあがっていますし、動画を見ている人は事故も起こしていないように思います。
山田:事故の映像を実際に見るのと、ペーパーで資料を見るのとでは全然違いますからね。
片山:マニュアルは、これまでWordやExcelで作成して特定の場所に保管をしていましたが、現在はNotePM上で作成、管理、更新ができるようになり、とても楽になりました。
—意外な効果もあれば教えてください。
松本:最初は、ドライバー用にNotePMを導入しましたが、内勤の方にも活用されています。
片山:ドライバー側にも、NotePMからの情報発信に興味を持ってもらえています。ドライバーから「どうやって投稿するのか?」という質問がくるようになったのは、大きな変化だと思います。
NotePMの使い方
—どのように情報を整理していますか。(ノート、フォルダの単位など)
松本:ノートは、「乗務員用」「会議」「マニュアル」「総務部」に分類しています。「乗務員用」というノートが、ドライバーに共有しているノートです。
ノートの構成
松本:トップページには新着情報を掲載して、ポータルサイトのような使い方をしています。
トップページ
—ドライバー職向けノート「乗務員用」について詳しく教えてください。
松本:構成としては、「乗務員用構成資料」「社員へのお知らせ」「顧客用マニュアル」の3つに分かれています。
ドライバー職向けノート
松本:「乗務員用構成資料」では、当社グループ内で発生したインシデントや、教育ツールを共有しています。これらは、動画を作成してNotePMに掲載しています。
また、動画と併せて、要因と対策もセットで記載するようにしています。
インシデントは動画で共有
教育動画の一例
松本:トレーラー教育では、トレーラーに特化したマニュアルを掲載しています。教育動画は、なにか事故が起きたときに、ドライブレコーダーの映像を活用しながら、その都度作成しています。
教育動画一覧
松本:「社員へのお知らせ」では、夜間の通行止めなどの各公共交通機関からのお知らせや、安全管理部からの案内、新入社員情報といったお知らせを共有しています。
社員へのお知らせ一覧
新入社員紹介のページ
松本:「顧客別マニュアル」では、顧客別にフォルダを作成し、インシデントや連絡・注意事項を共有しています。
顧客マニュアルのフォルダ
—貴社独自の使い方があれば教えてください。
松本:顧客の来社予定をNotePMで管理しています。
来社情報をテンプレートから記載できるようにしていて、記事を投稿したらメール通知されます。社員は来客の間、該当する部屋を空けるというルールにしています。
会議室を利用するときは、それぞれがNotePMを見て空き状況を確認しています。
「お客様来社予定」のテンプレート
「お客様来社予定」の投稿例
松本:会議資料もNotePMで作成・管理しています。とても使いやすく、すべての会議で使用しています。
これまで資料はPowerPointで作成し、Slackで共有していましたが、NotePM上で作成・保存・共有できるのでとても便利です。議事録はAIで録音し、要約したものをNotePMに掲載しています。
会議資料一覧
営業所所長会議アジェンダ
松本:営業所長会議は、今年初めて実施したイベントです。段取りや司会原稿などの準備事項を、NotePMに蓄積していきました。こうすることでノウハウが溜まり、次回実施する際にも準備がしやすくなります。
社内イベントのノウハウ共有
社内イベントのノウハウ共有
—NotePMを社内へ浸透させるために、工夫したことがあれば教えてください。
松本:NotePMを利用するきっかけづくりとして、「社員へのお知らせ」というノートに、顧客からの斡旋販売などのお得な情報を掲載しています。
片山:別のドライバーからこうした情報を聞いたドライバーが興味を持ち、「自分も使ってみようかな」と思ってくれているようです。会社が主導しすぎると、会社から「やれ・使え」と言われているようで警戒する人も多いと思います。そういった意味では、NotePMは会社と社員の間のクッションとしても機能していると思います。
顧客からの斡旋販売のお知らせ
顧客からの斡旋販売のお知らせ
クリスマスケーキ特別価格のお知らせ
—最後に、一言お願いします。
片山:情報共有という観点で導入を進めてきており、ここまでは成功していると思っています。まだ社内コミュニケーションの活性化までは至っていないので、活用の幅を今後も広げていきたいと思っています。
—お忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました。