企業を変える組織づくり!基本原則・流れ・ポイントを解説

2025年02月21日(金) エンゲージメント

組織づくりとは

組織づくりは、企業の方向性を明確にし、社員が力を発揮できる環境を整えるための重要な取り組みです。しかし、「どこから手をつければいいのかわからない」「せっかく導入した仕組みが浸透しない」といった課題に直面することも少なくありません。

本記事では、組織づくりを成功させるための基本原則や具体的なステップ、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。

 

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組織づくりとは

ここでは、組織づくりの概要を以下の3点に分けて解説します。

  • 組織づくりの目的
  • 組織づくりの成果
  • 強い組織とは

目的を明確に把握して、自社の組織づくりに役立てましょう。

組織づくりの目的

組織づくりの目的は、企業が目指す目標に向けて、人を効果的に動かすための仕組みを整えることです。企業にとって「人」という資源は欠かせないもので、社員一人一人の能力を引き出す必要があります。

個々のスキルや適性を企業に適合させる個別的なアプローチが人材育成であるのに対して、組織づくりは、全体的な視点でチーム全体を一つの方向へ導くための一貫したアプローチです。組織づくりをすることで、企業は社員の力を結集し、目標を達成できるようになるでしょう。

組織づくりの成果

組織づくりの成果は、「長期的に存続し続ける強い組織を実現すること」です。例えば、組織づくりをしていない企業では、社員の離職や市場の変化が起きるたびに、業績が不安定になりやすい傾向があります。

一方、強固な組織づくりを行った企業は、時代の変化への対応力があり、再び強い組織を築き直す力があるため、持続的な成長が見込めます。このように、組織づくりは企業の長期的な存続と、繁栄の基盤を支える重要な要素です。

強い組織とは

強い組織には、明確な目標や方向性を持ち、実現するためのリーダーシップが優れているという特徴があります。また、強い組織には、メンバー間のスムーズなコミュニケーションや適材適所で人材を活かす仕組みや、変化に柔軟に対応できる力も欠かせません。

さらに、新しいアイデアを取り入れながら取引先や顧客との関係を強固にし、リスクにも計画的に備える組織が「強い組織」と言えます。

企業が利益を生むためには事業の成功が必要であり、その基盤を提供するのが組織です。そして、事業の成長には、関係者を一つにまとめて導く力を持つリーダーの存在が不可欠です。社内にリーダーとなりうる人材が豊富であれば、事業成功の可能性は高まるでしょう。

組織づくりの流れ

組織作りは、以下の5つの流れで進めます。

  1. 組織の文化を醸成する
  2. 組織を構造化する
  3. 人事評価制度を整える
  4. 全社に浸透させる
  5. 定期的にブラッシュアップする

強い組織を作るために、順番に見ていきましょう。

組織の文化を醸成する

組織づくりにおいて、文化の醸成は、組織全体の一体感と持続的な成長を支える重要なステップです。明確な企業理念やビジョンを定義し、全社に共有していきます。例えば、「挑戦と変革」や「お客様第一主義」などの価値観を掲げて、日々の業務の中で意識して行動していくことで、組織全体の行動基準が明確になります。

このとき、経営陣が率先して模範となる行動を示すことが重要です。オープンなコミュニケーションを促進し、失敗を恐れず挑戦する姿勢を示すことで、社員が安心して価値観を実践できる環境が構築できます。組織文化は、社員のモチベーションや生産性を高め、強い組織を支える基盤となるでしょう。

>関連記事:組織風土とは?社風や企業風土との違い、改善するための手法を解説!

組織を構造化する

組織を構造化することは、業務の効率性や情報の流れを最適化し、目標達成を支えるために欠かせません。自社の事業内容や規模、戦略に基づいて適切な組織構造を選びましょう。組織の構造は、主に以下の3つに分類されます。

  • 事業部型
  • 職能型
  • チーム型

それぞれの型について、詳しく解説します。

事業部型

事業部制組織とは、事業ごとに部門を分ける組織形態で、「A事業部」「B事業部」のように独立した単位で構成された組織です。業務が各事業部内で完結するため、迅速な意思決定や対応が可能になります。

一方で、事業部間で機能が重複することもあり、無駄な予算が起こる可能性もあるため、予算管理や編成を効率化することが大切です。

職能型

職能型組織とは、職種ごとに部門を分ける組織形態で、「営業」「経理」「人事」「システム開発」など、専門性に応じた部署で構成されます。同じ職種の社員が集まるため、専門的な知識を活かした連携が取りやすいのが特徴です。

一方で、複数の部門を兼務する社員がいる場合、業務量の偏りや負担増加が課題となるため、業務配分に配慮する必要があるでしょう。

チーム型

チーム型組織とは、特定の目的やプロジェクトに応じて編成される組織形態です。「Aプロジェクトチーム」や「B開発チーム」のように、明確な目的をもってチームを構成します。

目的が明確になっていることで、迅速かつ柔軟に業務を進めていくことが可能です。ただし、目的達成後にチームが解散するため、長期的な運用には向いていない点に注意が必要です。

人事評価制度を整える

人事評価制度を整えることは、社員のモチベーション向上と組織目標の達成を促進するために重要です。評価基準を設計し、組織全体の目標と個人の目標が連動するようにしましょう。

例えば、顧客満足度を重視する場合には、顧客からのフィードバックを評価項目に加えるなど、目的に応じて基準を設定していきます。また、評価は結果の提示ではなく、具体的なフィードバックや成長支援につながるものであるべきです。

定期的に1on1ミーティングを実施して、社員一人一人の課題や成長目標を定義していきます。社員がやりがいを覚える環境を整えることで、組織全体の成果向上が期待できるしょう。

全社に浸透させる

組織づくりの成果を全社に浸透させることは、文化や制度の実効性を高めるために不可欠です。まず経営陣が先頭に立って新しい文化や制度を実践し、社員に模範を示すことが効果的です。

定期的に社内報などを活用して情報発信を行い、新しい取り組みの意義や具体的な実践方法を繰り返し伝えるのも方法の1つです。

定期的にブラッシュアップする

組織づくりは一度完成させて終わりではなく、継続的にブラッシュアップする必要があります。ブラッシュアップするときには、取り組みの成功点や課題を明確にすることが重要です。

事前に評価ポイントや指標を設定しておくと、効果的な改善が可能になります。PDCAサイクルを回していくことで、強い組織を維持し、成長を促すことができます。時代や市場環境の変化に対応するためにも、常に組織を進化させていきましょう。

組織づくりの基本5原則

組織づくりには、以下の5つの基本原則があります。

  • 分業(専門化)の原則
  • 命令の一元性の原則
  • 指揮の一元性の原則
  • 権限の集中に関する原則
  • 階層組織の原則

原則を理解して、強い組織を目指しましょう。

分業(専門化)の原則

分業(専門化)の原則とは、経営目標を達成するために職務を細分化し、それぞれの担当者が特定の活動に専念できるように配分する考え方のことです。一人の担当者がすべてをこなすのではなく、それぞれの分野ごとに担当者を配置して業務を分けることで、組織全体のパフォーマンスを最大化する仕組みです。

分業することで各担当者が専門的な知識やスキルを習得しやすくなるため、業務の質と効率性の向上が期待できます。分業の原則を取り入れれば、社員一人一人の強みを活かしつつ、組織全体の経営効率を高められるでしょう。

命令の一元性の原則

命令の一元性の原則とは、担当者が1人の上司からのみ命令を受けるべきである、という原則です。指示系統を明確にし、部下が迷わず動ける環境を整えるために取り入れます。

もし命令の一元性が守られず、1人の部下に複数の上司から異なる指示が出されると、部下はどの命令に従うべきか混乱し、業務が停滞する恐れがあります。また、指示の一貫性を保つことは、上司間の権力争いを防ぐためにも有効です。

>関連記事:組織マネジメントを定義から運用のポイント・求められるスキルまで一挙解説

指揮の一元性の原則

指揮の一元性の原則とは、同一の目標を達成するための活動において、指揮者(責任者)を1人に限定し、その計画も1つに統一する必要がある、という原則です。命令の一元性の原則とは異なり、個々の命令ではなく、目標達成に向けた全体的な指揮と計画に焦点を当てています。

もし責任者が複数存在し、異なる指揮や計画が進行すると、組織内に混乱が生じ、目標が達成できません。指揮の一元性を守ることで計画が明確化され、責任が集中し、円滑な進行が可能になります。特に大規模なプロジェクトでは、この原則が組織の一体感と成功に大きく寄与するでしょう。

権限の集中に関する原則

権限の集中に関する原則とは、組織のトップに権限を集中させつつも、必要に応じて一部を部下に委譲することで、組織の効率的な運営を実現する考え方です。トップに権限を集中させるのが基本的な形ですが、組織が拡大するにつれてトップの負担が過大になるため、機能不全に陥ることも少なくありません。

そこで、権限の委譲が必要になります。委譲するときには、「どの権限を委譲し、どの権限を維持するか」を明確に定めることが重要です。トップの負担を軽減しつつ、組織全体の効率性と柔軟性を向上させましょう。

階層組織の原則

階層組織の原則とは、組織をトップから下へタテに階層化し、命令の統一と情報伝達の効率化を図る仕組みを指します。階層ごとに権限を付与することで、明確な指揮命令系統を構築できます。

しかし、階層内での情報伝達だけでなく、部署間の連携を重視することも大切です。命令系統の安定性を維持しながら、効率的なコミュニケーションを促すことで、組織全体のパフォーマンスが向上するでしょう。

組織づくりで注意すべきポイント

組織づくりをするときには、以下の4つのポイントを押さえましょう。

  • コミュニケーションを円滑にする
  • 企業理念に沿った形で進める
  • 人材育成を体系化する
  • 管理職を育成する仕組みを構築する

具体的な施策も含めて、詳しく解説していきます。

コミュニケーションを円滑にする

組織づくりにおいて、コミュニケーションの円滑化は重要です。情報の共有不足や意思疎通の不備は、業務効率の低下や誤解につながりかねません。業務の遅延を防ぐためには、明確なコミュニケーションルールを設けることが大切です。

例えば、定期的にミーティングを設定し、各メンバーが現状や課題を共有する場を作ると、チーム全体で情報を把握しやすくなります。また、複数拠点がある企業では、オンラインツールを活用して、物理的な距離を超えて連携することも大切です。

さらに、上司と部下、同僚間での双方向の対話を促進し、意見を自由に発信できる環境を整えることも重要です。信頼関係の構築のためにも、コミュニケーションを円滑化し、組織全体のパフォーマンス向上を目指しましょう。

>関連記事:ビジネスコミュニケーションの3つの基本とスキル向上のコツ

企業理念に沿った形で進める

組織づくりを成功させるには、企業理念に沿った形で進めることが欠かせません。「強い組織を作りたい」という目標だけにとらわれ、ミッションやビジョンを無視して組織を構築すると、一貫性が失われ、社員の共感や協力を得られません。

企業理念は、組織の方向性や行動指針を示す羅針盤の役割を果たします。もし明確なミッションやビジョンがない場合は、理念の設定から始めましょう。組織づくりを進める中で、常にその理念に立ち返りながら、仕組みや文化を整備していきます。企業理念を基盤に据えた組織づくりは、社員の共感を呼び、一体感のある強い組織を形成するために重要です。

人材育成を体系化する

人材育成を体系化することは、組織づくりの成功に欠かせない要素です。体系化とは、育成プロセスや目標を明確にし、段階的にスキルや知識を身につけられる仕組みを整えることを指します。

具体的には、各職種や役職ごとに必要な能力を明確化し、それに応じた研修プログラムやOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を計画的に実施することが挙げられます。

また、キャリアパスを提示することで、従業員が自身の成長イメージを描きやすくなり、モチベーションの向上にもつながります。さらに、定期的な評価やフィードバックを通じて成長を確認し、必要に応じて育成計画を見直すことも重要です。人材育成を体系化し、組織全体のスキル向上と従業員満足度の向上を同時に実現しましょう。

管理職を育成する仕組みを構築する

管理職を育成する仕組みを構築することは、組織の安定と成長を支える重要なポイントです。管理職はチームの方向性を示し、業務を効率的に進める上で中心的な役割を担います。

管理職に対して、スキルやマインドを身につける仕組みを整えましょう。例えば、マネジメントスキルやリーダーシップを学べる研修プログラムを整え、部下の育成やチーム運営の具体的な方法を習得させます。

また、ロールプレイやケーススタディを活用し、実践的な判断力を鍛えることも効果的です。さらに、上司からのフィードバックやメンター制度を導入することで、成長を支援する環境を整えます。管理職を育成する仕組みを構築することで、管理職の質が向上し、組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。

まとめ

組織づくりを成功させるには、企業理念を基盤とした取り組みが欠かせません。明確なビジョンや価値観を共有しながら、社員一人一人が目指す方向性を共有できる環境を整えることで、一体感が高まります。また、体系的な人材育成や管理職の育成を進めるためにも、コミュニケーションを取りやすい環境を整えることが大切です。

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