【2024年版】MDMサービス おすすめ14選を徹底比較

2024年01月04日(木) 通信・システム

テレワークの実施なども踏まえ、ビジネスでモバイルを使用することは必要不可欠な時代といえるでしょう。しかし、セキュリティ面も含め、ビジネスでモバイルを活用するにはさまざまな課題があります。そこで知っておきたいのはMDMです。この記事では、MDMの概要やメリット、選定のポイントなどを説明し、さらに導入事例を紹介していきます。

MDMとは

MDMとはMobile Device Managementを略した言葉で、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末の管理を一元化することです。MDMは、ユーザーを階層ごとや個別に管理したりアプリケーションの一括管理を行ったりできます。他にも、必要なコンテンツを一括で配布することもでき、ビジネス用としてモバイルを使う際に便利な機能がそろっています。また、万が一紛失や盗難に遭ったときには遠隔操作でのセキュリティ対策も万全で、情報漏洩を防止することが可能です。

MDMサービスが注目される理由

ビジネスにおいて、従業員の業務をモバイルで管理することは課題の一つとなっています。必要なアプリのインストールやデータのダウンロードなど、従業員一人ひとりに作業を任せておけばばらつきが出ることは否めません。また、持ち運びが容易なモバイルで懸念されるのは紛失や盗難です。万が一従業員がモバイルを紛失することになれば、企業の重要なデータが流出する恐れが出てくるでしょう。管理の一元化や遠隔でのロックやデータ消去が可能であることから、MDMサービスが注目されるようになったのです。

MDM・EMM・MAMの違い

MDMと混同しやすい言葉にEMM、MAMがあります。この3つにはどのような違いがあるのか知るために、EMMとMAMの役割について説明していきます。

EMM

EMMとはEnterprise Mobility Managementの略です。EMMは主にモバイルのセキュリティ面について重要な役割を担ってくれます。モバイルをビジネスで活用する際、もっともコストがかからない方法は従業員が個人で所有する機種をそのまま利用することです。コストを抑えられるのはもちろん、プライベート用とビジネス用で分けて持つ必要もありません。これを「BOYD」といいます。しかし、従業員のモバイルをそのままビジネスでも活用するとなると、問題はセキュリティ面です。EMMは1台のモバイルをプライベートとビジネスに領域を分けてくれます。MDMもMAMも、EMMの構成要素の一つです。

MAM

MAMはMobile Application Managementを略した言葉で、モバイルに入れるアプリを管理することです。もっとわかりやすく説明をすると、ビジネス用のアプリだけを入れておける保管庫と考えればいいでしょう。従業員の個人的なモバイルを使用する場合でも、MAMという保管庫の中に仕事に関するアプリをまとめておくことができます。例えば、万が一モバイルを紛失したときでも保管庫を遠隔で削除すれば、顧客情報など重要なデータを盗まれずに済みます。

MDMサービス導入のメリット

次に、MDMサービスを導入することで得られるメリットについて紹介していきます。

業務に必要なデータを一斉管理できる

ビジネスをスピーディーで正確に進めていくには、常に最新の情報を共有できる環境が必要です。クラウドサービスにデータを置き、自由にアクセスするという方法でも情報の共有はできますが、作業には個人差があります。誰もが常に新しいデータをダウンロードできているとは限りません。しかし、MDMサービスを導入すれば強制的に業務に必要なデータを配布することが可能です。

モバイルを複数台用意する手間がかからない

1台のモバイルをプライベート用とビジネス用とで領域を分けることができます。その結果、複数台のモバイルを用意するという面倒がありません。従業員は携帯するモバイルが増えることはなく、企業側は業務向けのモバイルを従業員の数だけ用意しなくても済みます。ビジネス用として配布するモバイルにMDMサービスを導入することもできますが、従業員数が多いなどの事情でコストを抑えたいときに便利です。

遠隔操作でセキュリティ面でも安心

これまでも説明してきたように、MDMサービスで複数のモバイルを遠隔で管理することができます。MDMの機能の中でもっともメリットが高いのはセキュリティ面といえるでしょう。セキュリティの一つはパスワード設定です。MDMサービスを利用すれば、パスワード設定を強制するだけでなくデータを遠隔で削除することもできます。万が一モバイルが盗難されたときでも、素早いデータ削除で情報まで盗まれる心配が要りません。

MDMサービスの選定ポイント

ここでは選定する際のポイントについて解説していきます。

必要なセキュリティレベルを備えているか

MDMサービスで重視したいのはやはりセキュリティ面でしょう。モバイルにおいて遠隔でのロック機能があることは必要不可欠です。テレワークを導入していない企業であっても、モバイルは従業員とともに移動するという性質上、いつどこで紛失するかわかりません。さまざまな事態を念頭に置き、遠隔で可能なセキュリティについて確認しておくことは必要です。そのためには、業務でどこまでのセキィリティが必要かをあらかじめ決めておくこともポイントといえます。

管理がシンプルにできるかどうか

モバイルの管理を行うのは総務部などが一般的ですが、あまり複雑になってしまうと専門知識を持つ人材が必要になってきます。または、モバイルを管理するためだけのシステムが必要になるかもしれません。そうなれば新たにコストがかかります。MDMサービスを導入する際は、できるだけシンプルに管理できるかどうかをポイントにしましょう。

必要に応じてアップデートされているか

モバイルの機種変更やOSのアップデートにともない、正常に動作することは重要なポイントです。導入した時点では互換性があったとしても、必要に応じてアップデートがされていかないと、機種変更などの際、新たに別のサービスを導入しなければならなくなります。サービスをどれくらい拡張できるか、アップデートはこまめにされているかどうかは大切なポイントです。

MDMサービス おすすめ13選

ここでは、おすすめのMDMサービスを13点紹介します。MDMの基本的な機能は押さえながら、サービスによって細かい特徴には違いがあります。それぞれの概要と特徴について簡単に紹介していきますので、自社にはどのような機能が必要なのかを踏まえ、導入を検討してみましょう。

CLOMO MDM

CLOMO MDM

CLOMO MDMは、株式会社アイキューブドシステムズが提供しているシステムです。UIの採用で見やすさと作業性を重視したことで管理しやすいうえに、利用するためのトレーニングや専門知識を学ぶ必要がありません。管理で困ったことがあってもサポート体制がしっかり整っているため安心です。セキュリティ強化で盗難や紛失時のデータを守ります。

CLOMO MDMの特徴

  • アプリ設定やパスワード設定の強制など必要なことを一括管理
  • 利用しているアプリや電話番号などモバイルの情報を遠隔で把握可能
  • アプリのインストールや削除、データの削除なども遠隔で管理

CLOMO MDM
URL: https://www.i3-systems.com/

 

Optimal Biz

Optimal Biz

Optimal Bizは、体調管理と生産性管理、業務管理の3つをまとめて行うことができます。離れて作業する従業員の進捗状況や実際に業務に当たっている時間帯などを把握しやすいため、テレワーク時のようなコミュニケーションを課題とする場面に適したシステムです。企業が抱えがちな「見えない問題」を可視化することを可能とします。

Optimal Bizの特徴

  • 従業員の業務開始を感知して健康状態をチャットポットで収集
  • 見やすいグラフで従業員一人ひとりの稼働状況を一覧表示
  • AIが業務を全体的に分析して作業の効率性や生産性などを見直す

Optimal Biz
URL: https://www.optimalbiz.jp/

 

Jamf Pro

Jamf Pro

Jamf Proは、iPadやiPhoneといったApple製のモバイルに特化したシステムです。システムの導入からモバイルの一括管理、アプリ配信にセキュリティなど管理に必要な機能がすべて入っています。必要最低限の機能が一つにまとまっているうえに、資産管理ツールなどこれまで社内で利用してきたシステムもそのまま一緒に活用でき、ムダがありません。

Jamf Proの特徴

  • 導入が簡単でITの専門知識や複雑な設定作業なども一切不要
  • 簡単なトラブルシューティングを実施してデバイスを最新に管理
  • iOSやMacOSの暗号を強化し、負担を軽減しながらデータを保護

Jamf Pro
URL: https://www.jamf.com/ja/products/jamf-pro/

 

i-FILTER ブラウザー&クラウド

i-FILTER ブラウザー&クラウド

i-FILTER ブラウザー&クラウドは、iOSとAndroid、Windowsに対応したシステムで、ノートパソコンなどを含めた幅広いモバイルでの利用が可能です。データ削除のタイミングを自由に設定できるため、万が一モバイルが紛失したときにもスピーディーに対応できます。MultiAgentとSecureBrowserの併用により、できるだけコストを抑えながらセキュリティを強化することが可能です。

i-FILTER ブラウザー&クラウドの特徴

  • SNSへのアップロードブロックなど柔軟性の高いセキュリティ
  • 複数のOSをブラウザからまとめて管理ができ、設定も簡単
  • 異なる複数のデバイスをグループ化またはまとめての管理が可能

i-FILTER ブラウザー&クラウド
URL: https://www.daj.jp/bs/ifb/

 

mobiconnect

mobiconnect

mobiconnectは、iOSやAndroid、WindowsにmacOSと複数のOSに対応した管理システムです。教育からビジネスまで幅広い分野で利用できます。ビジネスでは事業形態や業種を選ばずに使うことができるうえに、企業の規模や業務の複雑さに応じて選べる3つのプランが用意されています。トレーニングサポートも万全に用意されており、パソコンに不慣れな人でも運用に心配は要りません。

mobiconnectの特徴

  • 直感的な管理画面で操作でき、パソコンに不慣れな人も安心
  • 操作の負担が少なく、1人でも全モバイルの管理や設定が可能
  • 位置情報の確認やロック設定、無効化などを遠隔操作で管理

mobiconnect
URL: https://www.mobi-connect.net/

 

MobiControl

MobiControl

MobiControlは、カナダのSOTI社によって開発されたシステムで、2020年時点で日本をはじめとした174カ国で多くの企業に利用されています。モバイルの利用環境や内部の状況変化に応じて必要な設定を自動更新してくれるため、常に最適な状況を保ってくれるでしょう。スムーズな設定変更を実現することで、セキュリティ面でのリスクを抑えることが可能です。

MobiControlの特徴

  • 個人用データと業務用データを隔離し、BOYD使用に最適
  • 柔軟性の高いアクセス権の振り分けでセキュリティに配慮
  • 約90社の端末メーカーとの開発により安定的な提供が可能

MobiControl
URL: https://pol-japan.co.jp/products/mobicontrol/

 

Mobileiron

Mobileiron

Mobileironは、在宅勤務をはじめとしたテレワークに特化したシステムです。BOYDで重要な課題としてあげられることが多いセキュリティ面に力を入れており、従業員が普段から使い慣れているモバイルの活用をスムーズにしてくれます。条件つきアクセスを付与することで、信頼度の高いユーザーやアプリだけがアクセスでき安全の確保も整っています。

Mobileironの特徴

  • データを保護しながら生産性を高め、仕事の効率アップを図る
  • インターネット接続に関係なくOS上の脅威をチェックして修復
  • さまざまなクラウドサービス利用時でのセキュリティも確保

Mobileiron
URL: https://www.mobileiron.com/ja

 

AirWatch

AirWatch

AirWatchは、SoftBankが提供しているシステムで、紛失や盗難時のモバイルの遠隔ロックや利用形態、利用総数など幅広い管理が可能です。セキュリティ面では遵守項目の一覧表示ができ、さらにそれが適切に守られているか状況の確認ができます。アプリやネットワーク情報なども一覧での閲覧が可能で、モバイルの利用状況をシンプルに把握できるシステムです。

AirWatchの特徴

  • 管理画面から状況を確認しながら必要なアプリの配信が可能
  • 推奨しないアプリの排除や機能制限などを管理しながらサポート
  • Eメールの設定やコンテンツの配布を行い、利用状況を把握

AirWatch
URL: https://www.softbank.jp/biz/nw/nwp/security/airwatch/

 

FENCE-Mobile RemoteManager

FENCE-Mobile RemoteManager

FENCE-Mobile RemoteManagerはAndroidにWindows、そしてiOSと3つのOSで利用可能な、富士通ビー・エス・シーが提供する管理システムです。マルチOSでの対応でBOYDでの導入にも万全といっていいでしょう。さまざまなモバイルを自社のポリシーに沿って一括での管理ができ、万が一の紛失や盗難の際にも遠隔操作によって大切な情報漏洩を未然に防いでくれます。

FENCE-Mobile RemoteManagerの特徴

  • Office365利用時のセキュリティに特化し、簡単にデータを保護
  • 外部からの不正アクセス制御でマイナンバーの漏洩を防止
  • USB使用でのモバイル間データ送信時のセキュリティも万全

FENCE-Mobile RemoteManager
URL: https://www.fujitsu.com/jp/group/bsc/services/fence/fencemobilerm/

 

LanScope An

LanScope An

LanScope AnはAndroid、MacOS、iOS、そしてWindowsといったマルチOSに対応した管理システムです。異なるOSのモバイルでも一元化でき、少人数での管理を可能としています。位置情報やモバイル情報の取得ができるうえにセキュリティルールの一括適用が可能なため、コミュニケーションが難しい環境での利用に向いています。

LanScope Anの特徴

  • 直感的に操作できるシンプルな管理画面でストレスフリー
  • 資産情報データや過去ログの取得で適正使用されているかチェック
  • 自動化によって工数を削減し、人為ミスやコストを軽減

LanScope An
URL: https://www.lanscope.jp/an/

 

MDMサービス たよれーる デバイスマネジメントサービス

MDMサービス たよれーる デバイスマネジメントサービス

MDMサービス たよれーる デバイスマネジメントサービスは、大塚商会が提供しているマルチOSに対応した管理システムです。AndroidやiOS、Windowsなどに対応可能で、さまざまなモバイルを一括管理できます。オプションの「リモートロック・ワイプ操作代行サービス」では24時間365日企業に代わってサポートすることが可能です。

MDMサービス たよれーる デバイスマネジメントサービスの特徴

  • 遠隔でのモバイル情報収集でコンプライアンスにも対応
  • 業務には必要のないアプリの使用制限でBOYD対策を強化
  • 事前に用意したポリシー設定を複数台のモバイルにプッシュ配信

MDMサービス たよれーる デバイスマネジメントサービス
URL: https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/mobile/devicemanagement/

 

Trend Micro Mobile Security

Trend Micro Mobile Security

Trend Micro Mobile Securityは、コスト削減を重視しながらスピーディーに導入可能な管理システムです。AndroidまたはiOSを搭載したモバイルでの対応が可能で、不正プログラムなどインターネット上の脅威から保護してくれます。通話やSNS使用時のフィルター利用など、業務中の情報漏洩防止にも対応しています。

Trend Micro Mobile Securityの特徴

  • クラウドベースの活用で導入の簡素化と管理の効率化を実現
  • 追跡と管理、監視を行うことで利用状況の制御と可視化が可能
  • 危険なアプリの使用阻止や不正アクセスの抑止などで安全を確保

Trend Micro Mobile Security
URL: https://www.trendmicro.com/ja_jp/business/products/user-protection/sps/mobile.html

 

KDDI Smart Mobile Safety Manager

KDDI Smart Mobile Safety Manager

KDDI Smart Mobile Safety Managerは、KDDIが提供する管理システムで、スマートフォンやタブレットだけでなく4G LTEのauケータイまで対応しています。デバイスの機能を制御する他、アプリの使用管理や万が一の盗難などに備えたロックまたはワイプの遠隔操作が可能です。

KDDI Smart Mobile Safety Managerの特徴

  • 法人契約の場合、利用中に起こった不具合をKDDIが全モバイルを一括調査
  • Apple Business ManagerとApple School Manager の利用も可能
  • 時間帯やネットワークによる設定の切り替えが可能でBOYD使用に配慮

KDDI Smart Mobile Safety Manager
URL: https://biz.kddi.com/service/security-managed/kddi-smsm/

 

MDMサービスの導入事例

では、ここでは実際にMDMサービスを導入している企業を紹介します。

三菱重工の導入事例

三菱重工では、計1万台のモバイルにMDMサービスを導入しています。三菱重工は、現場で使用する図面を紙ではなく画像としてスマートフォンやタブレットでの利用が増えたことに加え、メールなども含めた情報漏洩が懸念されるようになりました。導入に当たっては、まず社内のガイドラインを策定し、そのうえでセキュリティに特化したMDMサービスの導入を決め、活用されています。また、事業の再編などの際も時間をかけることなくスムーズな移行に役立てています。

アニコム保険損害会社の導入事例

ペット保険サービスを提供しているアニコム保険損害会社では、顧客との契約時に使用する端末をiPadに切り替えたことがMDMサービス導入のきっかけになっています。パソコンに比べて入力はスムーズになったものの、心配されたのはセキュリティ面でした。パソコンと違い携帯が容易であり、紛失の心配もあります。実際に保険の契約を行うのは取引先であるペットショップで、遠隔での設定や管理も必要です。MDMサービスの導入により、万が一紛失した際の情報漏洩を回避することも可能で、 2020年時点で約1000台のiPadを2名の担当者で管理しています。

まとめ

MDMは、複数のモバイルの管理を一元化できる便利なサービスです。簡単な操作でまとめて設定と管理が行え、不慣れな人でも扱いやすいシステムが多いといえます。必要なアプリやファイルのインストール、配信とセキュリティ面はもちろん、業種や事業形態に合わせて選ぶことができます。業務の特徴や取引先の傾向、予算などを考慮し、自社に合ったMDMサービスを導入しましょう。

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