こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
現在、多くの企業が、日々の業務効率化やコスト削減のためにSaaSを導入しており、その影響力は日増しに大きくなっています。SaaSの開発現場においては、トレンドを理解してユーザーのニーズを把握しておくことが大切です。
そこで本記事では、SaaS業界の最新トレンドや市場規模、ビジネスにおいて特にニーズの高い機能について解説します。
目次
SaaS業界レポートで特に注目のトレンド
SaaS業界レポートで特に注目すべきトレンドには、以下の5つがあります。
- サブスクリプションモデル
- コミュニケーションSaaS
- バーティカルSaaS
- AIの活用
- ホワイトラベルSaaS
それぞれについて、詳しく解説します。
サブスクリプションモデル
サブスクリプションモデルは、顧客がサービスや製品を定期的に利用するための定額料金を支払うビジネスモデルです。サブスクリプションモデルでは、製品の品質維持と継続的なサービス向上が重要で、顧客のロイヤルティを高めることができます。また、定期契約を結ぶことで収益が予測しやすくなるため、企業の安定した成長にもつながります。SaaS業界では、定期的な収入を確保し、顧客との長期的な関係を構築するために重視されています。
関連記事:【SaaS】サブスクリプションを管理して適切な運用を実現しよう
コミュニケーションSaaS
コミュニケーションSaaSは、企業内外のコミュニケーションを効率化するサービスです。リモートワークや分散型チームの普及により、急速に成長している分野です。ビデオ会議・メッセージツール・コラボレーションプラットフォームなどがあり、効率的なコミュニケーションを支援するための機能が搭載されています。利便性の高さとアクセスの容易さが特徴で、多様な業務環境に柔軟に対応できるSaaSと言えます。
バーティカルSaaS
バーティカルSaaSとは、特定の業界や市場セグメントに特化したサービスのことを指します。特定分野にあわせてカスタマイズされており、その分野の固有の課題に対応します。例えば、医療・不動産・教育などの業界向けに特化したソリューションなどがあります。バーティカルSaaSは、業界特有のニーズに合わせた機能を提供することで、顧客満足度を高め、より深い市場浸透が期待できるSaaSです。
AIの活用
AIの活用は、SaaS業界において急速に成長しているトレンドです。人工知能を利用することで、データ分析や顧客サービスの自動化が行えます。特に、機械学習を利用した予測分析や自然言語処理を用いたチャットボットなどが注目されています。AI技術は、効率性を高め、顧客体験を向上させる重要な要素と言えるでしょう。
ホワイトラベルSaaS
ホワイトラベルSaaSは、企業が自社ブランドで再販できるSaaSサービスのことです。開発コストや時間を大幅に節約できるため、企画してから市場に参入するまでを迅速に行えます。独自のブランディングとカスタマイズを施したソリューションを提供したいときに活用します。特に、中小企業やスタートアップにとっては、リソースの限られた状況でも高品質のサービスが提供できる効果的な手法として着目されています。
SaaS業界の市場規模をレポート
ここでは、SaaS業界の市場規模を、以下の2つに分けて解説します。
- 海外市場
- 国内市場
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
海外市場
REPORTOCEANが2022年に発表したレポートによると、SaaSの世界市場規模は、2021年時点で1,441億7,000万米ドルに達していました。2022年以降も年間平均成長率18.83%で成長を続け、2030年には7031億9000万米ドルに到達すると予測されています。市場成長の要因には、スマートフォンの普及やアプリを使うサービスの登場があるとみられています。また、パブリッククラウドやハイブリッドクラウドの導入も、SaaS市場の拡大に影響を与えています。
出典:Software as a Service (SaaS) Market Size, Share & Trends…
国内市場
(株)富士キメラ総研のまとめた『ソフトウェアビジネス新市場 2023年版』によると、日本国内のクラウドサービス市場でも、SaaSは成長を続けており、2027年には120億円を超えると予測されています。特に注目されているのは、ローコード開発ツール・電子契約ツール・デジタルアダプション支援ツールの3つです。これには、CXやデジタルマーケティング、業務システムの拡大が影響しているとみられています。また、電子帳簿保存法の改正に伴い、ペーパーレス化とDXの推進が進んでいることも要因の1つです。
出典:ソフトウェアビジネス新市場 2023年版|(株)富士キメラ総研
SaaS業界の成長予測がレポートされる理由
SaaS業界の成長予測がレポートされる理由には、以下3つの特徴があります。
- 多様な働き方に対応できる
- バックアップとしても活用できる
- 自社で保守体制を整えずに済む
それぞれについて、詳しく解説します。
多様な働き方に対応できる
SaaSは、いつでもどこからでもアクセスできる柔軟性があるため、多様な働き方に対応できるという特徴があります。インターネットを通じてシステムにアクセスするSaaSであれば、場所やデバイス、時間に縛られることなくリアルタイムで情報を共有し、協力して作業が行えます。働き方改革が進む現代社会において、SaaSの特性は非常に大きな価値があります。遠隔地にいるメンバーとも随時連携できるSaaSは、リモートワークを成功させるためには不可欠です。
バックアップとしても活用できる
SaaSは、予期せぬ事態に対する確実なバックアップとしても活用できます。SaaSに保存されたデータや情報は、サービス提供者のサーバーに保管されています。多くのSaaSベンダーは、システムを管理する主要サーバーのみならず、複数の場所にデータのバックアップを保管しています。そのため、自然災害やサイバー攻撃などの緊急事態でデータが損失しても、他の保管場所からデータの復旧が可能です。
一方で、企業が自社でデータのバックアップを行うことは、技術的・経済的な面から困難である上にコストもかかります。多くの企業にとって、バックアップ体制を整備することは難しいでしょう。しかし、クライアントのデータを扱うSaaS企業であれば、強力なバックアップ体制を実現することが可能です。バックアップとしても活用できるSaaSの特性は、他のサービスと差別化する要素となり、SaaSの市場価値を高めています。
自社で保守体制を整えずに済む
SaaSを活用することで、企業は自社に保守体制を構築する必要がありません。インターネットを介するSaaSは、企業が自社でソフトウェアを購入し、資産として保有することなく利用できます。また、ソフトウェアのセキュリティや動作維持のための保守体制も整えずに済みます。そのため、保守や資産保有にかかるリソースを節約できます。SaaSを採用することで、企業は資金や人的リソースをより効率的に配分し、ビジネスの拡大や新たな投資が行えるでしょう。
SaaS業界でニーズの高い機能をレポート
SaaS業界でニーズの高い機能には、以下の3つがあります。
- サイバーセキュリティ
- 他のシステムとの連携
- モバイルファースト
それぞれについて、詳しく解説します。
サイバーセキュリティ
SaaS業界でニーズの高い機能の1つ目は、サイバーセキュリティです。企業がクラウドを採用し、SaaSの利用が普及するにつれて、強固なセキュリティソリューションへの需要が高まりを見せています。クラウドにおける課題の1つには、データのプライバシー保護とセキュリティの確保があります。ハッキングやフィッシング、マルウェアなどのサイバー攻撃のリスクに対処するため、クラウド事業者はデータを不正アクセスや漏洩から保護するための厳格なセキュリティ対策を講じる必要があるでしょう。また、データやインフラへのアクセス管理にも、消費者は着目しています。
クラウドベースのデータは遠隔地に保存され、インターネットを介してアクセスできるため、アクセス制限や多要素認証などのアクセス制御機能の搭載が期待されています。加えて、インフラの信頼性についても確保する必要があります。バックアップや災害復旧計画の実施、定期的なセキュリティ監査と侵入テストの実施、インシデント発生時の迅速な対応能力などがあるSaaSは、今後も需要が高まるでしょう。
他のシステムとの連携
SaaS業界でニーズの高い機能の2つ目は、他のシステムとの連携です。SaaSの接続と統合とは、SaaSプロバイダーが自社のソフトウェアを他のシステムやプラットフォームに連携させ、一体化する機能のことを指します。連携させることで、企業は既存の技術を最大限に活用し、複数のシステムから得られるデータを利用して業務プロセスを自動化し、効率化が図れます。
SaaSの統合は、主にAPI(Application Programming Interfaces)を通じて行われます。APIを使用することで、SaaSプロバイダーは自社のソフトウェア機能を他のシステムに提供でき、システム間でデータの連携や共有が可能になります。また、システムを統合することで、異なるチームや部門間のコラボレーションやコミュニケーションの促進が期待できます。例えば、プロジェクト管理ツールと顧客関係管理システムを統合することで、チーム間の情報共有が容易になり、顧客サービスやサポートの質を高められるでしょう。
ただし、統合プロセスの構築は複雑で、時間がかかることも少なくありません。システム間でデータを適切に処理し、安全に保つためには、専門的な知識と経験が求められることを理解しておきましょう。
モバイルファースト
SaaS業界でニーズの高い機能の3つ目は、モバイルファーストです。モバイル端末を使用するユーザーが増加している現在、モバイルファーストはSaaS開発のトレンドとして重要な位置を占めています。多くの人々がインターネットアクセスの主要手段としてモバイルデバイスを利用しているため、モバイルファーストの開発に注力することで、より広範囲のユーザーに製品を届ける機会となるでしょう。特に、外出先でもソフトへアクセスする必要がある営業や配送、フィールドサービス業務を行う企業にとって、モバイルファーストのアプローチは不可欠です。
しかし、モバイルファースト開発には特有の課題も存在します。デスクトップ向けとは異なる技術が求められるため、企業は新たなツールや技術への投資、またはホワイトラベルのSaaSソリューションの購入が必要になるかもしれません。加えて、モバイル端末の画面サイズが小さく処理能力やストレージが限られているため、SaaSアプリケーションに含められる機能や特徴の選択肢が制限されることもあります。
まとめ
本記事では、SaaS業界のトレンド、海外と日本のSaaS市場の動向、企業が求める機能について解説しました。急速に進化するSaaS分野では、最新のトレンドを把握し、適応することが事業の成功に直結します。現代のビジネス環境では、SaaSの利用はもはや選択肢の1つではなく、必要不可欠な戦略と言えます。SaaSの潜在能力を最大限に引き出し、ビジネスの成長に役立てましょう。
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