EDRでエンドポイントセキュリティを強化!必要とされる理由や効果も解説

2024年01月04日(木) セキュリティ

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

今や日常生活やビジネスシーンにおいて、ITツールは欠かせません。ただ、ITツールの普及や技術の進歩に伴い、セキュリティリスクがより大きな課題になってきました。また、従来のセキュリティ対策ソフトでは、ウイルスなどの脅威が侵入することを防ぐことに、主眼が置かれてきました(境界型防御)。ただ、攻撃手法も日進月歩で、今やそれだけでは不十分になりつつあります。

そこで注目されているのが、EDRでエンドポイントの挙動を監視することで、セキュリティを強化する方法です。エンドポイントに着目しているため、脅威の侵入を防ぎきれなくても、その被害を最小限に食い止められます。

そこで今回は、EDRの意味や類語との違い、EDRツールの比較ポイントを解説します。

EDRとは

EDR(Endpoint Detection and Response)はエンドポイントセキュリティに関わる代表的な仕組みで、PCやタブレットなどのデバイスを対象としています。デバイスの状況を監視し、不審な動作を検出・対策するために重要です。ここでは、EDRの基礎知識として、以下の4つを紹介します。

  • EDRの仕組み
  • EPPとの違い
  • NGAVとの違い
  • XDRとの違い

それでは、1つずつ解説します。

関連記事:【2024年版】セキュリティソフトおすすめ8選を徹底比較!

EDRの仕組み

基礎知識の1つ目は、EDRの仕組みです。EDRは、以下の流れでエンドポイントにて脅威を検知します。

  • エンドポイントでの動作を、常にログとして記録
  • ログデータは、常にリアルタイムでEDRサーバに送信
  • EDRのサーバ上では、不審な動きがあれば検知して管理者に通知
  • マルウェアの駆除やエンドポイント端末の隔離など、必要な対策を実行(自動も手動も)

EPPとの違い

基礎知識の2つ目は、EPPとの違いです。

EPP(Endpoint Protection Platform)は、一般的なウイルス対策ソフト(アンチウイルスソフト)です。既存マルウェアの特徴を覚えておき、記録されているマルウェアが確認できれば、脅威の検知や対策が可能になります。一方EDRは、エンドポイントにおいて未知の脅威を含め、あらゆる脅威や不審な挙動を監視・検知できるものです。

関連記事:【2024年版】アンチウイルスソフトおすすめ10選を徹底比較!(無料・有料)

NGAVとの違い

基礎知識の3つ目は、NGAVとの違いです。

NGAV(次世代アンチウイルス)は、PC内すべてのアプリケーションを監視し、マルウェアに類似の挙動があれば、警告や停止を行うウイルス対策ソフトです。よって、未知の脅威に対しても効果を期待できます。EDRと比較すると、目的が異なります。EDRの目的は、システム上で脅威を検知することが目的です。一方NGAVは、脅威の侵入を防止することが目的になります。

XDRとの違い

基礎知識の4つ目は、XDRとの違いです。

XDR(Extended Detection and Response)は複数レイヤを対象にテレメトリを収集し、相関分析によって脅威検知および対応を支援します。一方EDRはXDRの構成支援とも言え、エンドポイントで脅威が侵入した場合に対処することが目的です。また、EDRはエンドポイント上で脅威を解析する際に効果的です。一方XDRは、特に組織のネットワークが大規模な場合や、一度被害が生じるとそれが広範に渡る場合に効果があります。

EDRの導入が必要とされる理由

ここでは、EDRの導入が必要とされる理由として、以下の2つを紹介します。

  • 侵入を防止するためのセキュリティ対策では不十分になってきた
  • テレワークが普及してきた

それでは、1つずつ解説します。

侵入を防止するためのセキュリティ対策では不十分になってきた

必要とされる理由の1つ目は、侵入を防止するためのセキュリティ対策では不十分になってきたことです。

テクノロジーやAIの進化によりあらゆる分野の利便性が向上してきたものの、同時にマルウェア攻撃は高度化・多様化してきました。その結果、ウイルス対策ソフトだけでは対応しきれないケースも、今やめずらしくありません。よって、EDRを最後の砦とし、脅威の侵入は完全には防ぎきれないことを前提に、脅威からの被害を最小限に防ぐことが一層重要になっています。

テレワークが普及してきた

必要とされる理由の2つ目は、テレワークが普及してきたことです。

新型コロナウイルス感染症拡大防止などに伴い、テレワークが普及してきました。これにより、社内にて業務を行うべく社外ネットワークの重要性が高まっています。ただ、社外ネットワークでは、社内外の概念があいまいになり、従来の「境界型防御」だけでは十分ではありません。そこで、EDRなどでエンドポイントセキュリティを強化し、ゼロトラスト型防御が重要になっているのです。

関連記事:リモートワークで実施すべきセキュリティ対策とは?具体的なトラブル事例も紹介
出典:令和4年通信利用動向調査の結果|総務省


マニュアル作成・ナレッジ管理が浸透するサービス ⇒「NotePM
NotePMのPDF資料をダウンロード ⇒ こちらから

EDRの効果と注意点を整理

ここでは、EDRの効果と注意点を解説します。

  • 効果
  • 注意点

それでは、1つずつ解説します。

効果

1つ目は、EDRの効果です。

効果 概要
脅威の早期検知・対応 EDRは、エンドポイントにて異常な挙動や攻撃を、リアルタイムに検知可能です。よって、攻撃の早期発見を実現し、迅速な対応や被害の最小化を実現できます
高度な脅威に対策 EDRは、従来のセキュリティ製品よりも高度な脅威にも対応できるため、ソフトウェアの脆弱性も速やかに特定可能です。
リアルタイムの監視・情報収集 EDRを活用すると、エンドポイントの活動をリアルタイムで監視できます。また、セキュリティインシデントの発生をいち早く可視化できるため、速やかに対策可能です。
リモート環境への適応 リモート環境では、セキュリティ対策が大きな課題です。EDRを活用することで、エンドポイントの監視や不正なアクティビティの検知をできます。

関連記事:【2024年版】サーバー監視ツールのおすすめ10選!選び方・メリット・デメリットを解説!

注意点

2つ目は、EDRの注意点です。以下に4つ、一覧表にまとめました。

注意点 概要
自社だけでの運用は負担が大きい EDRの運用には、専門知識やリソースが必要で、人員や時間、予算が必要です。場合によっては、明日とソーシングの活用を検討しましょう。
エンドポイントセキュリティに終わりはない エンドポイントへの攻撃や脅威は日進月歩で、新たな攻撃手法やマルウェアが次々に登場しているものです。よって、EDRを一度導入しただけで終わりではなく、定期的なアップデートやセキュリティに関する情報収集などが欠かせません。
レガシーシステムへの対応 古い技術で構築されているシステム(レガシーシステム)があると、既存システムとEDRの導入・統合が困難なケースがあります。
フォールスポジティブとフォールスネガティブ EDRは高度な分析が可能であるものの、正しい操作や挙動を脅威と誤認すること(フォールスポジティブ)や、潜在的脅威を見逃すこと(フォールスネガティブ)もあります。

EDRツールの比較ポイント

ここでは、EDRツールの比較ポイントとして、以下の5つを紹介します。

  • 異常の検知能力
  • 調査作業へのサポート機能
  • 監視対象への展開の容易さ
  • 分析精度の高さ
  • 第三者機関からの評価

それでは、1つずつ解説します。

異常の検知能力

比較ポイントの1つ目は、異常の検知能力です。

未知のマルウェアやファイルレス攻撃など、最新の脅威を適切に検知できるかどうかを、事前に確認しなければなりません。また、複数のエンドポイント間においてアクティビティを関連付けられれば、高精度な脅威検出が可能になります。こちらも、評価すべきポイントと言えるでしょう。

調査作業へのサポート機能

比較ポイントの2つ目は、調査作業へのサポート機能です。

脅威の検知時には、その原因や感染経路、影響範囲の調査が欠かせません。優秀なEDRであれば、この作業の自動化・効率化機能を備えているものです。そのため、例えば遠隔地に存在する感染端末にてプロセスの強制シャットダウンや、疑わしいファイルの隔離、さらにはログの保存を遠隔で実施できます。これにより、脅威への調査作業を大幅に効率化できます。

監視対象への展開の容易さ

比較ポイントの3つ目は、監視対象への展開の容易さです。

EDRを使うには、監視対象となるエンドポイントにエージェントソフトウェアを導入しなければなりません。よって、エンドユーザーの業務に与える影響を抑えつつ、簡単に展開できるかどうかも、EDRの選定ポイントとなります。また、事前設定した状態で展開が可能かどうかも、確認すべきポイントです。

分析精度の高さ

比較ポイントの4つ目は、分析精度の高さです。

EDRはエンドポイントのログデータをサーバに集約し、分析処理をすることで、脅威を検出します。このサーバの機能により、検知精度や安定性が変わってくるため、分析精度の高さはサーバの機能から判断しましょう。また、異なるエンドポイント間においてそれぞれのアクティビティを関連付けて分析できる機能や、外部の脅威インテリジェンスも考慮して分析できる、高度なEDRがベターです。

関連記事:社内サーバーを徹底解説!課題とクラウド化の必要性を詳しく紹介

第三者機関からの評価

比較ポイントの5つ目は、第三者機関からの評価です。

近年、各ベンダーがエンドポイントセキュリティやEDR製品を提供しています。しかし、カタログスペックだけでは比較・選定は容易ではありません。そこでおすすめの方法が、調査会社や評価機関が行う、中立的な評価結果を参考にすることです。売上・シェア・機能評価など幅広い視点から評価してくれるので、自社に適した製品を選ぶためには参考になるでしょう。


マニュアル作成・ナレッジ管理が浸透するサービス ⇒「NotePM
NotePMのPDF資料をダウンロード ⇒ こちらから

まとめ

今回は、EDRの意味や類語との違い、EDRツールの比較ポイントを解説しました。EDRは、エンドポイントに存在するデバイスの状態を監視するもので、異常な挙動が発生すれば、速やかにそれを検知できます。そのため、境界型防御だけで防ぎきれない脅威から攻撃されても、いち早く攻撃を察知して、速やかに対応することが可能です。

また、EDRツールはさまざまなベンダーが提供しています。比較する際には、異常の検知能力や分析能力の高さなどに注目してみましょう。第三者機関からの評価も、参考にしておきたい項目です。

おすすめの情報共有ツール「NotePM」

NotePM

NotePM(ノートピーエム) は、Webで簡単にマニュアル作成できて、強力な検索機能でほしい情報をすぐに見つけられるサービスです。さまざまな業界業種に導入されている人気サービスで、大手IT製品レビューサイトでは、とくに『使いやすいさ・導入しやすさ』を高く評価されています。

NotePMの特徴

  • マニュアル作成、バージョン管理、社外メンバー共有
  • 強力な検索機能。PDFやExcelの中身も全文検索
  • 社内FAQ・質問箱・社内ポータルとしても活用できる
  • 銀行、大学も導入している高度なセキュリティ。安全に情報共有できる

URL: https://notepm.jp/

NotePMについて詳しく見る >