残業時間を減らす方法6選!削減のメリットや失敗例も紹介

2024年01月04日(木) 業務効率化

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。

現代の働き方改革の中で、残業時間の削減は会社の経営課題の1つです。しかし、従業員の残業時間を減らせないと悩む経営者も少なくありません。残業時間を減らすには、効果的な手法を取り入れていく必要があります。

そこで本記事では、残業時間を効果的に削減するための6つの方法を紹介します。また、残業時間の削減の具体的なメリットや失敗例についても触れていきますので、ぜひご覧ください。

残業時間を減らす目的

残業時間を減らす目的は、従業員の過労を防止し、ワークライフバランスを向上させるためです。労働者が柔軟な勤務体系を選べるようにする「働き方改革」の一部として、2019年の4月に労働基準法が見直され、残業時間の制限が設けられました。

また、厚生労働省による「過重労働による健康障害を防ぐために」では、残業や休日出勤時間が月100時間を超えたり、2〜6ヶ月間で平均80時間を超えたりすると、健康に悪影響が出る恐れがあるとされています。従業員の健康を保つためには、残業時間を減らす取り組みは不可欠です。

出典:過重労働による健康障害を防ぐために|厚生労働省

残業時間を減らすことができない理由

残業時間を減らすことができない理由には、以下の3つが考えられます。

  • スキルが属人化している
  • 残業が評価される風習がある
  • 業務内容やタスクが担当者にあっていない

それぞれ、詳しくみていきましょう。

スキルが属人化している

残業時間を減らすことができない理由の1つ目は、スキルが属人化していることです。業務が特定の個人に依存してしまうと、一人の従業員に業務量が偏り、残業時間が増えてしまいます。属人化しているスキルがある状態では、退勤したくても業務がある限り帰宅できないという状況が発生してしまうため、注意が必要です。

関連記事:属人化を徹底解析!メリットと解消して標準化する方法を解説

残業が評価される風習がある

残業時間を減らすことができない理由の2つ目は、残業が評価される風習があることです。残業をしている場面は、一見、勤勉な印象を与えるかもしれません。しかし実際は、「残業が良い」と捉えて、効率を下げていることもあります。また、部下が残業することを上司が「意欲的だ」と評価することも少なくありません。

長時間労働を良しとする風潮があると、従業員の残業時間は自然と長くなってしまいます。効率よく業務を終わらせられるはずなのに、評価を得るためにあえて作業を遅らせ、退社時間を遅くするということも起こりかねません。まずは、長時間労働を評価する企業文化を見直す必要があるでしょう。

業務内容やタスクが担当者にあっていない

残業時間を減らすことができない理由の3つ目は、業務内容やタスクが担当者にあっていないことです。1人あたりのタスクが多すぎると、残業時間の削減は難しくなってしまいます。従業員が処理できる範囲を超えた仕事の内容や量を、上司が割り当てている状況も同様です。

タスクの多い部署は、根本的な理由として労働力不足が挙げられます。適切な人材が集まらない、または採用できないことから、現有のメンバーに負担が増大している可能性があります。また、各従業員のスキルや能力に適したポジションや配置を間違えると、タスクの処理に時間がかかり、結果的に残業が増加してしまうでしょう。


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残業時間を減らすことで企業が得られるメリット

残業時間を減らすことで企業が得られるメリットには、以下の4つがあります。

  • 従業員満足度の向上が期待できる
  • 従業員の健康維持につながる
  • 企業の社会的信用度がアップする
  • 人件費を削減できる

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

従業員満足度の向上が期待できる

残業時間を減らす取り組みを実施することで、従業員の自己評価や満足度が向上する見込みがあります。効果的に仕事を進められることが、自信を持つことにつながるためです。長時間労働はストレスや過労を引き起こすだけでなく、生産性の低下を招く恐れがあります。残業を減らしてプライベートな時間が長くなれば、趣味を楽しんだり、家族と過ごしたりすることもでき、次の日の業務に向けてエネルギーを充電できます。仕事に対するモチベーションを持続させる効果も期待できるでしょう。

従業員の健康維持につながる

残業時間を減らすと、従業員の健康維持につながるというメリットもあります。過度な労働時間が身体や精神の健康に悪影響を及ぼすことは、月に100時間以上の残業が求められる従業員に対して、医師の診察が必須とされている事実からもわかります。長時間労働により、脳や心臓の病気が発生したり、うつ病を含む心の疾患に罹患するリスクがあるため、残業時間を減らすことは重要です。

企業の社会的信用度がアップする

企業の社会的信用度がアップすることも、残業時間を減らすメリットの1つです。過度な勤務時間が原因での過労死が深刻な課題とされている日本において、残業時間が長い企業は「ブラック企業」と見なされてしまうことも少なくありません。さらに、労働基準監督署から是正勧告を受けると、企業の信用度が落ちる恐れがあります。残業時間を削減し、「良い企業」だという評価を得ると、社会的信頼度がアップし、人材の採用もしやすくなるでしょう。

人件費を削減できる

残業時間を減らすと、人件費を削減できるのもメリットです。例えば、従業員の残業代を月に500万円節約できた場合、削減した500万円の残業代だけでなく、それに伴う年金や健康保険の負担も軽減されます。また、企業全体で「基本的に、従業員には残業はさせない」という意思を明確に伝えることで、従業員に「業務は定時内に完了させる」という意識が強まり、従業員の生産性の向上が期待できます。

残業時間を減らすことができないよくある失敗例

残業時間を減らすことができないよくある失敗例には、以下の3つがあります。

  • 原因を分析せず抑制だけを行う
  • 従業員の賛同を得られない
  • 明確な方法が打ち出されていない

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

原因を分析せず抑制だけを行う

残業が起こる根本的な原因を分析しないまま、単に残業時間の制限を進めると、残業時間の削減は減らせない恐れがあります。例えば、仕事量が多くて残業せざるを得ないのに、PCの自動シャットダウンなど強制的に業務を終了させる方法はおすすめできません。従業員が、自宅で個人のPCを使用して業務を続けるなどのサービス残業が増加する恐れがあるためです。すると、情報の漏洩やコンプライアンス違反など、さまざまなリスクを招いてしまいます。従業員がなぜ残業をしているのかを把握し、根本的な原因を解消する方法を取ることが大切です。

従業員の賛同を得られない

残業時間を減らす取り組みをいきなり始めてしまうと、従業員の賛同が得られない可能性があります。残業が評価される企業内文化がある場合は特に注意が必要です。この場合は、まず従業員の意見を丁寧に聞くことが重要です。コミュニケーションを通じて、残業削減の理由や目的、メリットを共有し、理解を深めていく必要があります。また、効率的な業務の進め方や時間管理のスキルアップを支援することで、従業員の不安を和らげ、新しい働き方に適応しやすくなるでしょう。徐々に企業文化を形成し直していくことが大切です。

明確な方法が打ち出されていない

「残業を減らそう」という目標だけを設定し、具体的な方法を打ち出さないと、従業員はどのような行動を起こせば良いのか理解できません。従業員と共に業務効率化を図る方法を模索し、管理側から積極的にツールの提供やアイデアの提示を行わなければ、残業時間の減少は望めないでしょう。

残業時間を減らす方法6選

残業時間を減らす方法には、以下の6つがあります。

  • ノー残業デーを設定する
  • 残業時間を見える化する
  • 残業をチケット制にする
  • 社内Wikiで業務を標準化する
  • 従業員の評価制度を見直す
  • 削減方法を募集する

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

ノー残業デーを設定する

残業時間を減らす方法の1つ目は、ノー残業デーを設定することです。たとえば、月曜日は原則として定時退社というルールを定めます。週1回だけではなく、週に複数回設定することで、残業をしない環境を作ることができます。これには、リーダーから新入社員まで、全員が確実に帰宅することが大切です。シフト制の部署や急な残業が必要になりやすい部署では、曜日を選んだり、できない場合は別の日に変更したりするなど、柔軟に対応する必要があるでしょう。

残業時間を見える化する

残業時間を減らす方法の2つ目は、残業時間を見える化することです。
従業員が自分でどれだけ残業しているかが分からないと、削減すべき残業量や対象の従業員が判別できません。もし今、残業時間が正確に分かっていないのであれば、勤務時間管理システムを導入して、残業時間を明示することをおすすめします。
残業時間を見える化し、残業が多い従業員と少ない従業員を見比べることで長時間労働の原因を解明し、残業時間を減少させた例もあります。

関連記事:勤怠管理システムのメリット・デメリットと効果を最大化するためのポイント

残業をチケット制にする

残業時間を減らす方法の3つ目は、残業をチケット制にすることです。「1チケットで1時間の残業が認められる」などのシステムです。事前にチケットを配布しておき、上司に残業を申請するとともにチケットを提出します。もし期末にチケットが余っていれば、ギフト券と交換可能など、報奨する仕組みを設けます。これによって、どれだけ残業できるかが明確になるため、漫然と定時を過ぎてしまうような残業は防げます。また、従業員には主体的に残業時間を抑える意識が芽生えるでしょう。これまでの残業時間よりも少ない時間分のチケットを配るのがポイントです。

社内wikiで業務を標準化する

残業時間を減らす方法の4つ目は、社内Wikiで業務を標準化することです。業務ガイドラインを策定し、全員がアクセス可能で、内容を容易に更新できる仕組みを構築することをおすすめします。効率的な作業手順や蓄積されたノウハウを従業員全員で共有することで、さらに効果的なプロセスを創出することも可能です。また、急な残業が必要になった際、異なる部署のメンバーが助けることもできるでしょう。社内Wikiの作成ツールを利用して、作成から内容更新までをスムーズに行うことをおすすめします。

関連記事:【2024年版】社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)

従業員の評価制度を見直す

残業時間を減らす方法の5つ目は、従業員の評価制度を見直すことです。従来のよくある評価制度では、長時間労働が評価されがちで、無意識のうちに残業が増える傾向にありました。しかし、成果重視の評価に切り替えることで、無駄な残業を減らすことができます。新しい評価制度の導入は、組織全体の文化や働き方を変える大きな一歩となります。従業員が健康で、かつ効率的に働ける環境作りには、評価制度の見直しは不可欠です。

削減方法を募集する

残業時間を減らす方法の6つ目は、削減方法を募集することです。残業の削減は、経営陣がトップダウンで指示すると、「現場の実情を理解していない」と従業員からの反感を買う恐れがあります。そこで、残業時間の削減目的やメリットを従業員にしっかりと説明した上で、削減方法のアイデアを従業員に募ってみてはいかがでしょうか。同じ立場である従業員からの提案は受け入れられやすく、現場で実践しやすいアイデアが出てくる可能性があるでしょう。


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まとめ

本記事では、残業時間の削減方法を6つ紹介しました。業務の標準化から、業務効率化ツールの導入、チケット制の活用、そして経営層の取り組みまで、さまざまな方法があります。また、削減のメリットや過去の失敗例を振り返り、今後の取り組みの参考にすることで、より現実的かつ効果的な改善が期待できます。業務のノウハウ共有や効率的なコミュニケーションを実現することで残業時間削減につながるため、社内wikiを導入するのもおすすめです。社内wikiを活用した残業時間削減も、ぜひ検討してみてください。

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