インターネットの普及に伴い、年々サイバー攻撃の件数が増加傾向にあります。特にメールを用いたサイバー攻撃の割合が高いため、メールセキュリティなどの対策が重要といえるでしょう。しかし、メールセキュリティには多くの種類があるため、どのようなメールセキュリティを導入すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、メールセキュリティの概要や導入する理由、おすすめのメールセキュリティなどについて解説します。
目次
メールセキュリティとは?
メールセキュリティは迷惑メールやマルウェアなど、メールを介したさまざまな脅威を防ぐサービスです。企業や特定のサービスの名称を騙ったメールが多く、メールに添付されたドキュメントや記載されたURLを踏むと情報漏えいやウイルス感染などのリスクがあります。メールによるサイバー攻撃は年々増加しており、手口も巧妙化してきているため、情報漏洩などのリスクを排除するためにもメールセキュリティの導入は必須といえるでしょう。
メールセキュリティを導入する理由
メールセキュリティを導入することで、以下の効果が期待できます。
- 迷惑メール防止
- フィッシングメール防止
- 標準的攻撃メール防止
- マルウェアの感染防止
- メールの誤送信防止
1つずつ、解説していきます。
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迷惑メール防止
迷惑メールは、メールによるサイバー攻撃の代表格です。中でも無差別に大量に送られてくるメールは「スパムメール」と呼ばれており、目にしたことがある方も多いでしょう。スパムメールはウィルスなどの直接的な被害はありませんが、不要なメールが大量に送られてくるため、受診ボックスの容量を圧迫したり、重要なメールが埋もれてしまうことがあります。もちろんスパムメールだけではなく、ウイルスが仕込まれている迷惑メールも存在するため、情報漏えいや不正アクセスを防ぐためにも、メールセキュリティの導入が重要です。
フィッシングメール防止
フィッシングメールは、実在している企業名や銀行名などを騙り、情報を盗むことを目的としています。メールに記載されたURLから偽サイトに誘導し、IDやパスワードなどの個人情報を入力させることでアカウント情報を盗むという手口が一般的です。自社で使用しているIDやパスワードを盗まれてしまうと情報漏えいのリスクが非常に高まるため、対策は必須といえるでしょう。
標的型攻撃メール防止
標的型攻撃メールは、特定の企業や団体を標的として行われるサイバー攻撃です。迷惑メールのように不特定多数が対象ではないため、標的に対して明確な悪意を持った攻撃となります。手口としては、標的となった企業や団体が普段からよくやり取りしている相手を装って、ウイルスが仕込まれたファイルやURLを送ってくる場合が多いでしょう。ウイルスに感染すると指定の情報の入力やパソコンの乗っ取りといった被害が発生するため、情報漏えいのリスクが非常に高いサイバー攻撃の1つです。
マルウェアの感染防止
ウイルスやスパイウェア、ランサムウェアなどの悪意あるソフトウェアの総称をマルウェアといいます。メールを使ったサイバー攻撃ではよく用いられ、マルウェアによる被害は年々増加傾向にあります。マルウェアの中でも特に増えているのがランサムウェアによる被害です。ランサムウェアに感染するとパソコンのファイルやシステムがロックされ、使用不可能となってしまいます。この状態を解除することと引き換えに金銭を要求するのがランサムウェアの手口です。
メールの誤送信防止
メールセキュリティはサイバー攻撃の対策だけではなく、メールの誤送信も防いでくれます。企業間のメールは機密情報や個人情報のやり取りをすることが少なくないため、メールの誤送信が大きな問題を引き起こす可能性も十分考えられるでしょう。メールの誤送信のようなヒューマンエラーを少しでも減らしたい場合にも、メールセキュリティの導入は効果的です。
メールセキュリティの主な機能
メールセキュリティの主な機能は「アンチスパム/アンチウイルス」「メール暗号化」「誤送信防止」「送信制限設定」の4つです。送られてきたメールを自動でスキャンすることでスパムやウイルス感染対策となるほか、メールを暗号化することで第三者からの不正アクセスを防ぎます。誤送信防止や送信制限設定は主にヒューマンエラーの防止となるでしょう。
メールセキュリティの種類
メールセキュリティには以下の3つの種類があります。
- クラウド型
- ゲートウェイ型
- エンドポイント型
1つずつ、解説していきます。
クラウド型
クラウド型のメールセキュリティは、クラウド上でメールを管理するタイプを指します。物理的にサーバーを設置する必要がない点が1番のメリットであり、物理サーバーが不要なことで初期費用も抑えられます。クラウドなので導入も短時間で済み、拡張性も良好です。
ゲートウェイ型
ゲートウェイ型は、自社のメールサーバー周辺に専用機器を設置することで導入可能です。メールサーバーのゲートウェイでメールをチェックすることからゲートウェイ型と呼ばれています。端末の台数に関係なく構成できるため、メールサーバーを設置している企業であればゲートウェイ型がおすすめです。
エンドポイント型
ユーザーが利用している端末に直接インストールするタイプがエンドポイント型です。セキュリティソフトの単価自体は比較的安価ですが、端末ごとにインストールしなければならないため、端末の数次第では費用が高額となってしまう場合もあります。サーバーの知識が不要なため、導入が容易という点も特徴です。
メールセキュリティ製品の選び方のポイント
メールセキュリティ製品を選ぶ際は、以下の4つのポイントを意識しましょう。
- 必要な機器の有無
- PC動作に支障が出ないかの確認
- 他システムとの連携
- 設定が簡単にできるか
1つずつ、解説していきます。
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必要な機能の有無
メールセキュリティ製品には多くの種類があり、搭載されている機能もさまざまなため、自社にとって必要な機能が備わっているかを判断基準としましょう。例えば、先述したメールセキュリティの主な機能のうち、メール暗号化のみを目的とする場合は、標準的な機能が一通り揃っているものより、メール暗号化に特化したもののほうが費用が安い場合があります。
PC動作に支障が出ないかの確認
メールセキュリティを導入したことで、パソコンの動作に支障が出るようでは本末転倒です。パソコンのスペック次第では上手く動作しないメールセキュリティ製品があるかもしれないため、体験版があるソフトは体験版を導入して動作確認することをおすすめします。
他システムとの連携
自社で利用しているシステムと、メールセキュリティが連携できるかどうかの確認は必ず行うようにしましょう。特にゲートウェイ型を導入する場合は、自社のメールサーバーと連携できるかの確認は必須といえます。連携できるかどうかは、システムの提供元に確認するとよいでしょう。
設定が簡単にできるか
メールセキュリティ製品によっては、設定がやや複雑な場合があります。特にゲートウェイ型の場合は周辺機器を設置する必要があるため、その傾向が強いでしょう。初期設定は業者に依頼することもできますが、導入後に発生したエラーなどは自社で解決しなければ業務に支障をきたしてしまいます。エラーが起きた際にもすぐ復旧できるよう、なるべく設定が簡単な製品がおすすめです。
メールセキュリティ製品のおすすめ7選
最後に、おすすめのメールセキュリティ製品を7つ紹介します。
m-FILTER
m-FILTERは、ホワイト運用と偽装判定が特徴のメールセキュリティです。データベースには極めて安全度の高い送信元の情報が格納されているため、メールの誤検知や検知漏れを最小限に抑えることが可能です。メールの危険因子を全て無害化した状態でメールを受信できるほか、誤送信対策も充実しているため、メールセキュリティとしての性能は申し分ありません。
m-FILTERの特徴
- データベースによるメールのホワイト運用
- 危険因子を全て無害化
- 充実の誤送信対策
URL: https://www.daj.jp/bs/mf/
Menlo Security
Menlo Securityは、シームレスに生産性を維持できるメールセキュリティです。既存のメールインフラと統合されているため、配備やインストールにかかる時間が大幅に短縮されます。メールだけでなく、汎用的なアプリケーションからのドキュメントは全てスキャン・保護されるため、極めて安全です。Office365やG Suiteとの連携も可能となっています。
Menlo Securityの特徴
- 既存のメールインフラと統合
- メールだけでなくドキュメントもスキャン
- Office365やG Suiteとの連携
URL: https://www.menlosecurity.com/ja-jp/
Trend Micro Email Security™
Trend Micro Email Security™は、先進技術と実績ある技術を融合したクラウド型のメールセキュリティです。多層的な保護により、ランサムウェアやその他の不正プログラムからの効率的な保護が可能となっています。機能の異なる3つのサービスがあるため、企業のニーズにより適したメールセキュリティを選ぶことができるでしょう。
Trend Micro Email Security™の特徴
- 先進技術と実績ある技術の融合
- 多層的かつ効率的な保護
- ニーズに適したサービスを選択可能
FortiMail
FortiMailは、包括的でトップレベルの脅威保護を実現したメールセキュリティです。あらゆる脅威に対する高度な多層型保護により、サイバー攻撃の被害を未然に防止します。また、多様な導入モデル・運用モードが用意されているため、柔軟な運用が可能です。信頼性も高く、第三者検証機関による性能テストで高い評価を得ています。
FortiMailの特徴
- 高度な多層型保護
- 多様な導入モデル・運用モード
- 性能テストで高い評価
URL: https://www.fortinet.com/jp/products/email-security
Symantec Email Security.cloud
Symantec Email Security.cloudは、すぐに導入できるクラウド型のメールセキュリティです。クラウド型の多層防御システムを実装しているため、非常に高いウイルス検知率を誇ります。シマンテックのクラウドインフラを利用しているため、導入が簡単で、運用コストの大幅な削減も可能です。
Symantec Email Security.cloudの特徴
- クラウド型の多層防御システム
- クラウドインフラを利用
- ポータルサイトで一元管理
URL: https://licensecounter.jp/symantec/product/ess/
Mail Defender
Mail Defenderは、クラウドタイプとオンプレミスタイプを選択可能なメールセキュリティです。企業の環境に合わせて柔軟な対応が可能となっています。DAPP(漏れても安心なパスワード)技術を採用しているため、万が一パスワードが漏えいしたとしても悪用される心配はありません。送信メールのディレイや成りすまし検知など、標準的な機能も一通り揃っているため、満足度の高いセキュリティサービスといえるでしょう。
Mail Defenderの特徴
- クラウド型とオンプレミス型を選択可能
- DAPP技術を採用
- 送信メールのディレイ・成りすまし検知
URL: https://www.m-defender.jp/
Active! gate SS
Active! gate SSは、TLS確認機能や添付ファイルの暗号化など、7つのアプローチでメール経由の情報漏えいを防止するメールセキュリティです。利用シーンに合わせて最適な機能を選択できるほか、60日間の無料トライアルがあるため、事前に性能を確認することができます。Google WorkspaceやLINE WORKSとの連携が可能なため、メールをより安全に利用することができるでしょう。
Active! gate SSの特徴
- 7つのアプローチによる高いセキュリティ
- 60日間の無料トライアル
- 主要なサービスとの連携
URL: https://activegate-ss.jp/
まとめ
本記事では、メールセキュリティの概要や導入する理由・おすすめのメールセキュリティなどについて解説しました。メールによるサイバー攻撃が増加傾向にある昨今では、メールセキュリティの導入は必須といえます。本記事で解説した内容やおすすめのメールセキュリティ製品を参考にしつつ、最適なメールセキュリティ製品を選んでみてください。
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