【2026年版】パスワードマネージャーおすすめ9選を比較|個人・法人別の選び方と安全性(無料あり)

2026年09月02日(水) セキュリティ

パスワードマネージャーは、個人なら無料で複数端末を同期できるBitwarden、使いやすさを優先するなら1Password、家族なら1Password Families、会社やチームなら共有ボルト・権限管理・退職時の失効・監査ログが揃う1Password Business/Keeper/Bitwarden Teamsを選べば大きく外しません。

本記事では2026年8月時点の主要9製品を料金・無料範囲・共有機能・パスキー対応の同じ軸で比較し、標準機能で足りる人との線引き、危険性、移行手順までまとめます。

会社では、担当者しか知らない共有アカウントや、Excelとチャットに散らばった認証情報が、属人化と退職による知識の喪失を生みます。誰が管理し、どう申請し、いつ失効させるかというノウハウは、担当者の頭の中に残さず手順書としてまとめ、全社員が検索できる場所に蓄積します。その進め方まで扱います。

目次

用途別のおすすめパスワードマネージャー比較表

迷ったときの選択は3つに絞れます。判断が分かれるのは、誰かと共有するかどうかと、退職や異動で担当が替わったときにアクセスを止めて引き継ぐ必要があるかどうかの2点だけです。

使う人まず選ぶ製品決め手
個人(1人で使う)Bitwarden無料プラン/使いやすさ重視なら1Password無料でも保存件数と端末数に制限がない/自動入力と日本語UIの分かりやすさ
家族1Password Families/Bitwarden Families共有ボルトで家族に見せる範囲だけを分けられる
会社・チーム1Password Business/Keeper/Bitwarden Teams共有ボルト・部署別権限・退職時の失効・監査ログが揃い、担当者が替わっても引き継げる

自分の行が決まったら、次の表で無料プランの範囲とパスキー対応を確かめてください。

製品個人の料金(2026年8月時点)無料プランの範囲対応OS・ブラウザ・日本語UI共有・権限と退職時の失効(法人プラン)パスキー対応ゼロ知識設計・第三者監査
1Password個人 月2.99ドル〜(年払い・新規1年目。通常3.99ドル)無料プランなし。14日間の試用のみWindows・macOS・iOS・Android・Linux/主要ブラウザ拡張/日本語UIありBusinessで共有ボルト・役割別権限・監査ログ・SSO。管理者が利用者を追加・削除し、退職時は権限を外して引き継ぐ保存・利用に対応ゼロ知識設計。第三者監査の報告を公開
Bitwarden無料。Premium 年19.80ドル/Families 年47.88ドル(6人まで)保存件数・端末数とも無制限。ほかの1人と共有可主要OSとブラウザに対応/日本語UIありTeams 月4ドル/人、Enterprise 月6ドル/人。イベントログ・細かい権限・SSO。無料プランの共有は1人まで保存・利用に対応ゼロ知識設計。ソースコードを公開
Keeper有料プラン中心(金額は公式ページ)無料プランの範囲は限定的主要OSとブラウザに対応/日本語UIありビジネスでチーム共有フォルダ・管理権限の委任、エンタープライズでSSO/SAML・SCIM連携。フォルダ単位で管理担当を替えて引き継げる保存・利用に対応ゼロ知識設計
LastPass無料プランあり。有料は個人・家族向けを用意パソコンかスマートフォンのどちらか1種類の端末のみ主要OSとブラウザに対応/日本語UIありTeams・Businessで管理コンソールと共有フォルダ。利用者の追加・失効を管理者が一括で行える保存・利用に対応ゼロ知識設計。2022年に侵害を公表(後述)
KeePassXC無料(オープンソース)機能制限なし。同期は自分で用意Windows・macOS・Linux/ブラウザ連携あり共有・権限管理の仕組みなし。担当者個人がファイルを抱える形で、組織には残らない保存に対応データを手元のファイルに保存。サーバーに預けない
Enpass年額サブスクのほかに買い切りの永続ライセンスあり無料で試用可(範囲は公式ページ)主要OSとブラウザに対応ビジネス向けプランあり保存・利用に対応自分で選んだクラウドストレージに保存
Dashlane無料プランと有料プラン(金額は公式ページ)保存件数に上限あり主要OSとブラウザに対応ビジネスプランで管理コンソール・SSO。管理者が利用者を追加・削除できる保存・利用に対応ゼロ知識設計
NordPass無料プランあり。Premium・Familyは有料1アカウント。複数端末での同時利用は不可主要OSとブラウザに対応/日本語UIありTeams・Business・Enterpriseを用意保存・利用に対応ゼロ知識設計
RoboForm無料プランと有料プラン1台の端末のみ主要OSとブラウザに対応/日本語UIありビジネス向けプランあり保存・利用に対応端末側で暗号化。ローカル保存にも対応

料金と無料枠は変わるため、申し込む前に各社の公式ページで確認してください。

目的がはっきりしている場合は、次の3つで足ります。

  • 無料で始めたい:Bitwardenの無料プラン。件数と端末数に制限がありません
  • 買い切りがいい:Enpass。年額のほかに永続ライセンスがあります
  • 1Passwordの代わりを探している:無料重視ならBitwarden、法人機能重視ならKeeper

パスワードマネージャーおすすめ9選

取り上げる9本は、2026年8月時点で提供が続いている製品だけです。旧版のFirefox LockwiseとTrue Key、法人共有ができないパスメモ、パスワード管理機能を終えたMicrosoft Authenticatorは外しました。Microsoft Authenticatorは2025年7月に自動入力が使えなくなり、8月中旬には保存済みの情報を参照できなくなっています(出典:Microsoft「Changes to Microsoft Authenticator autofill」)。

各製品は機能だけでなく、認証情報を一元管理して属人化を防げるかも見ます。個別に取り上げるのは用途が分かれる6本です。無料プランが1台に限られるRoboForm、保存件数に上限のあるDashlane、NordVPNと同系列のNordPassは、上の比較表で位置づけを確認すれば足ります。

1Password(使いやすさ重視の定番)

1Passwordの公式サイト

1Passwordは、自動入力と共有の設定が分かりやすく、社内や家族に配ったあとの問い合わせが少ない製品です。無料プランはなく、個人は月2.99ドル(年払い・新規は1年目の価格、通常は3.99ドル)、ファミリーは月4.49ドルからで、いずれも14日間試せます(出典:1Password「個人・ファミリー向けの料金」2026年8月時点)。

向くのは、複数メーカーの端末をまたいで使う人と、非IT部門にも配る会社です。会社では情報システム部門が管理者を持って一元管理でき、退職や異動のときも権限を外すだけで済むので、認証情報が担当者の記憶に残る属人化を防げます。向かないのは、無料で済ませたい人と、1人あたりの単価を抑えたい少人数のチームです。2022年に永続ライセンスの販売を終えているため、買い切りで使いたい場合は候補から外れます。

Bitwarden(無料で複数端末を同期)

Bitwardenの公式サイト

Bitwardenは、無料プランのままで保存件数と端末数に制限がなく、ほかの1人と項目を共有できます。有料のPremiumは年19.80ドル、ファミリーは6人まで年47.88ドルで、法人向けのTeams・Enterpriseでは細かい権限設定とSSOを使えます(出典:Bitwarden「Pricing」2026年8月時点)。

ソースコードが公開されており、暗号化はゼロ知識設計です。向くのは、費用をかけずに複数端末で同期したい人です。無料プランの共有は1人までで、個人から個人への手渡しが残るため属人化は解けません。組織として一元管理し、誰がどの権限を持つかを記録して運用するならTeams以上が要ります。弱点は、サイトによって自動補完が効かず手で貼り付ける場面が残る点です。

Keeper(法人向けの共有と監査ログ)

Keeperの公式サイト

Keeperは、部署や案件ごとの共有フォルダと、誰が何を開いたかを追える管理機能が中心の製品です。ビジネスプランでチーム共有フォルダと管理権限の委任を使え、エンタープライズプランでSSO/SAMLとSCIM・AD/LDAP連携が加わります(出典:Keeper Security「ビジネスおよびエンタープライズ向けの料金」2026年8月時点)。

向くのは、部署ごとに見せる範囲を分けたい会社と、監査でアクセス記録の提出を求められる会社です。共有フォルダごとに管理担当を決めて記録しておけば、異動や退職があっても権限を付け替えるだけで済み、誰が何を持っていたかを調べ直す作業が要りません。向かないのは、共有さえできればよい少人数のチームで、必要な機能をアドオンで足すと1人あたりの月額が積み上がります。

LastPass(乗り換え先を探す人向け)

LastPassの公式サイト

LastPassは2022年の侵害を経て今も提供が続いており、乗り換え先を比べるときの基準になる製品です。無料プランはパソコンかスマートフォンのどちらか1種類の端末でしか使えないため、複数端末で使うなら有料プランに移ります(出典:LastPass「料金プラン」2026年8月時点)。法人プランでは管理コンソールから利用者と共有フォルダをまとめて管理でき、退職時の失効も管理者側で行えます。侵害の経緯と、そこから読み取れる見分け方は危険性の章で扱います。

KeePassXC(無料のオープンソース)

KeePassXCは無料で使えるかわりに、同期の仕組みと開発の継続性を自分で確認することになります。データは暗号化されたファイルとして手元に保存され、公式サイトはクラウドを使わず遠隔のサーバーにデータを保存しないと明記しています。パスキーの保存にも対応します(出典:KeePassXC「公式サイト」)。

向くのは、認証情報を外部のサーバーに置きたくない人と、費用をかけずに1人で使う人です。向かないのは、スマートフォンとパソコンで自動同期したい人と、チームで共有したい会社です。ファイルを個人が抱える形になるため、担当者が辞めると保管場所とパスフレーズごと分からなくなり、組織に残る知識にはなりません。

Enpass(買い切りライセンスあり)

Enpassは、年額のサブスクリプションのほかに、一度払えば使い続けられる永続ライセンスを用意している製品です(出典:Enpass「Pricing」2026年8月時点)。データは自分で選んだクラウドストレージに置き、提供元のサーバーに預けない構成を取れます。

向くのは、月額課金を続けたくない人と、保管場所を自分で決めたい人です。向かないのは、共有ボルトと監査ログを必要とする会社です。誰がどの認証情報を持つかを組織として把握し、退職時にまとめて失効させる用途では、1Password BusinessかKeeperを選びます。

パスワードマネージャーを選ぶ5つの基準

無料か有料かより、必要な機能があるかで決めます。次の5つはどれも、使い始めたあとや乗り換えるときに効いてくる項目です。会社やチームで使う場合は、これに「担当者が代わっても引き継げるか」という軸が加わります。個人の記憶や手元の端末に閉じた管理は属人化を招き、異動や退職のたびに知識とノウハウが欠けていくためです。共有と権限の基準も含めて、次の章と合わせて読んでください。

ゼロ知識暗号化と第三者監査の有無

運営元が破られても中身を読めない設計かどうかで判断します。ゼロ知識設計では、暗号化と復号を利用者の端末だけで行い、マスターパスワードは提供元に渡りません。

確認するのは、公式サイトにゼロ知識やエンドツーエンド暗号化の記載があるか、SOC 2やISO/IEC 27001など第三者の監査・認証を公開しているか、過去に侵害があった場合に経緯を自社で公表しているかの3点です。

対応OSと同期できる端末数

ブラウザ拡張の対応と、無料プランの端末数制限をまず確認します。iPhoneとWindowsのように複数メーカーの端末を使っていると、標準機能では自動入力が片方でしか効きません。

AndroidとiPhoneを併用する家庭や、私物のスマートフォンと会社のパソコンをまたぐ働き方では、同期できる端末数と対応ブラウザを先に見てください。会社で配る場合、対応する端末の範囲が狭い製品は、後から入った人の環境に合わず、管理の外に取り残される人を生みます。

パスキー対応とエクスポート可否

将来の乗り換えに備えて、パスキーを保存できるかと、CSVなどで書き出せるかの両方を確認します。パスキーはパスワードを使わずに指紋や顔でログインする仕組みで、対応するサービスが増えています。マネージャー側がパスキーの保存に対応していれば、端末やブラウザをまたいで同じパスキーを使えます。

書き出しは、提供元が終了したときや料金が変わったときの逃げ道になるので、対応する形式が公開されているかを見てください。会社では、蓄積した認証情報をまとめて別のツールへ移せるかどうかが、製品を替えても組織の管理を続けられるかの分かれ目になります。

無料プランの範囲と有料に切り替える条件

無料の限界は、保存件数・端末数・同期・共有の4点で決まります。

有料に移るのは、2人以上と共有したい、複数メーカーの端末で同期したい、ダークウェブ監視などの付加機能が要る、のいずれかに当てはまったときです。月額課金を続けたくない場合は買い切りのEnpassか無料のKeePassXCが候補になりますが、同期の仕組みと開発の継続性は自分で確認することになります。

自動入力の精度と日本語サポート

日々の使いやすさは、自動入力がサイトを問わず効くかで決まります。候補が出ずに手で貼り付ける場面が残る製品もあるので、試用期間のうちに自分がよく使うサイトで試してください。海外製の多い分野なので、管理画面が日本語化されているか、問い合わせに日本語で対応するかも見ます。社内に配る場合は、非IT部門の人が最初のログインでつまずかないかが選定を分けます。つまずいた箇所と対処を社内の手順書に残しておけば、担当者が替わるたびに同じ説明をやり直さずに済みます。

会社・チームで使う場合の導入と運用ルール

担当者任せのパスワード管理を、組織で共有する仕組みに変えます。個人向けの製品を各自が入れても、共有アカウントの属人化と退職による知識の喪失は解けません。必要なのは、共有の仕組みと、誰が管理し、いつ失効させるかを文書化した運用ルールです。

共有アカウントの属人化が招く問題

会社SNS、広告の管理画面、SaaSの管理者アカウントのように複数人で使う認証情報が、担当者の記憶やExcelの一覧表、チャットの過去ログに散らばっている状態は、属人化と情報の分断、退職による知識の喪失をそのまま抱え込んでいます。誰か1人がパスワードを変えて一覧表の更新を忘れると、翌日には「入れない」という問い合わせが起きます。

担当者が異動すると、どのアカウントを誰が持っていたかを追えなくなり、退職者のアクセス権が残ったまま気づかれない状態にもなります。チャットに貼ったパスワードは検索すれば誰でも読めるので、閲覧範囲を絞ったつもりでも絞れていません。個人向けの製品を各自が入れるだけでは、この組織側の問題が残ります。

法人プランで確認する5つの機能

個人プランを人数分そろえても、共有と失効は仕組みになりません。法人プランで確認するのは次の5つです。

  • 共有ボルト:部署や案件の単位で、閲覧できる範囲を分ける
  • 権限の分離:管理者と利用者を分け、全員を管理者にしない
  • 利用者の追加と削除:退職・異動の当日にアクセスを失効させる
  • 監査ログ:誰がいつどの認証情報を開いたかを記録する
  • SSOと多要素認証の強制:ID基盤と連携し、認証の入口を統一する

1Password Businessは1人あたり月8.99ドルで、共有ボルト・役割別の権限・監査ログに加えて、SSO連携と利用者の自動プロビジョニングを含みます(出典:1Password「ビジネス向けの料金」2026年8月時点)。KeeperとBitwardenも上位プランでSSOと細かい権限設定に対応します。Excelの一覧表、チャットでの送付、ブラウザの保存機能では、この5つのどれも実現できません。

導入後に定着させる運用ルール

配る前に、管理者を絞る・共有の粒度・棚卸しの頻度・ブラウザ保存の停止の4つを決めます。全員を管理者にすると退職時に誰の権限を消せばよいか分からなくなるので、管理者は情報システム部門と総務の数人に限ります。共有は「営業部」「採用サイト」のように部署か案件の単位でそろえ、個人が個人へ手渡す形を残しません。

決めた内容は口頭で回さず、全社員が読める場所に手順書として書き、更新し続けます。四半期に一度、共有アカウントの一覧を見て、使っていないものと退職者が残っているものを消します。ブラウザの保存機能は設定で止めます。外注先や業務委託には期限を決めて共有し、契約終了と同時に失効させます。導入の初期に、Excelとチャットでの受け渡しをやめる日を決めて旧来のやり方を止めないと、一部の人しか新しいツールを使わない状態が続きます。

パスワード本体と台帳・手順の置き場

パスワードの文字列そのものは、マネージャーの外に出しません。一方で、利用申請と失効の手順、そして台帳は、部署をまたいで検索できる場所へ蓄積します。担当者の記憶やExcelのままでは暗黙知として埋もれ、異動のたびに引き継ぎ漏れが起きます。

NotePMのようなナレッジ管理ツールなら、手順書や台帳をノート単位の権限で共有でき、更新履歴が残り、添付したWord・ExcelやPDFの中身まで全文検索できます(出典:NotePM「機能一覧」)。アクセスログは過去180日分をExcelで出力でき、2段階認証の必須化やSAML2.0のSSO(有料オプション)にも対応します(出典:NotePM「アクセスログ」)。

台帳と手順が同じ場所に蓄積されていれば、担当者が替わっても同じやり方で回せ、業務が標準化します。

WEB上で簡単にドキュメント作成・管理ができるツール「NotePM」
→NotePMを無料で試してみる

標準機能で足りる人と専用ツールが必要な人

端末が同じメーカーでそろっていて、誰とも共有しないなら、GoogleやiCloudの標準機能で足ります。専用ツールが要るのは、そこから外れる条件に当てはまる場合です。

GoogleやiCloudの標準機能で十分な人

iPhoneとMacだけ、あるいはAndroidとWindowsのChromeだけで済んでいる人は、iCloudキーチェーンやGoogleパスワードマネージャーで足ります。保存も自動入力も無料で、新しいアプリの使い方を覚えずに済みます。会社の共有アカウントを1つでも扱っているなら、この範囲からは外れます。

足りるかどうかは、保存方式の違いでも分かれます。標準機能はアカウントに紐づくクラウド保存なので、端末が壊れてもアカウントから復旧でき、同じメーカーの範囲なら内容もそろいます。足りなくなるのは、その範囲の外に出るときです。

専用ツールが必要になる4つの条件

次の4つのどれかに当てはまるなら、専用ツールに移します。

  • iPhoneとWindowsのように複数メーカーの端末を併用している
  • 家族やチームで同じアカウントを共有している
  • 将来ほかのメーカーの端末に乗り換える可能性がある
  • SafariとChromeなど複数のブラウザで自動入力を使いたい

3つ目は見落とされがちで、標準機能に保存したパスキーは別の製品へ移しにくく、乗り換えの自由度が下がります。会社では、標準機能だと誰がどのアカウントを保存しているかを管理者が把握できず、退職時にまとめて失効させることもできません。国産のアプリは日本語のサポートを受けやすい一方、端末の中で1人が使う設計のものが多く、チームでの共有には向きません。

パスワード管理アプリの危険性と備え

使い回しやExcel管理、ブラウザ任せを続けるより安全です。個人の記憶やExcelの台帳、チャットの履歴に頼る属人的な管理は、情報が部署ごとに分断され、担当者の退職とともに知識ごと失われるという別の危うさを抱えています。専用ツールにも備えが要るリスクが3つあります。同じパスワードの使い回しは1か所の漏えいで被害が芋づる式に広がるので、まず自動生成でサービスごとに別のパスワードへ置き換えます。そのうえで、忘却と紛失、運営会社への攻撃、サービス終了と偽アプリの3つに備えます。

マスターパスワードの忘却と端末紛失

復旧に必要な情報を紙で保管し、認証アプリを別の端末に分けておけば全滅を防げます。ゼロ知識設計では提供元がマスターパスワードを持たないため、完全に忘れると運営会社でも開けません。緊急アクセスの機能があれば、信頼できる家族や同僚を指定しておきます。会社では、復旧手段の保管場所と担当を手順に書いておかないと、担当者が不在の日に誰も開けない状態になります。

もう1つの落とし穴は、マネージャーと二段階認証のアプリを同じスマートフォンにまとめることです。機種変更で認証アプリの引き継ぎを忘れると、どちらにもログインできなくなります。バックアップコードは別の場所に保管してください。

運営会社への攻撃とLastPassの事例

ゼロ知識設計なら、運営会社が攻撃されても中身は読めません。LastPassは2022年8月に開発環境からソースコードなどを持ち出され、そのとき得られた認証情報を使って11月にクラウド上のバックアップへ不正アクセスされ、暗号化されたボルトのコピーが持ち出されました。同社は、マスターパスワードを同社が知ることも保存することもないため、復号は利用者の端末でしか行えないと説明しています(出典:LastPass「Notice of Recent Security Incident」)。

この事例から読み取るのは、提供元が破られる前提で設計されているかと、侵害の経緯を自社で公表するかの2点です。会社で使っている場合は、事故の経緯と自社が取った対応を記録に残しておくと、次に製品を選び直すときの判断材料になります。

サービス終了と偽アプリ

書き出せる形式を確かめてから預け、公式の配布元からだけ入れます。Firefox Lockwiseは2021年12月13日にアプリのサポートを終えており(出典:Mozilla「Firefox Lockwise を使ってみる」)、Microsoft Authenticatorもパスワードの保存と自動入力を2025年に終えました。手元にデータを取り出せるなら、終了しても別の製品へ移れます。もう1つは、名前を似せた偽のアプリやブラウザ拡張です。検索結果の広告からではなく、公式サイトのリンクか各OSストアの正規ページから入れてください。会社では、どの製品をなぜ選び、どこから入れるかを記録に残しておくと、次に検討する担当者が同じ調べ直しをせずに済みます。

ブラウザ保存やExcelから移行する手順

書き出し、取り込み、ブラウザ保存の停止、パスキーの並行運用の順に進めます。順番を変えると、二重管理が残るか、途中でログインできないアカウントが出ます。会社で移行するときは、この手順自体を文書に残しておくと、部署ごとに順番がばらつかず、あとから加わった人も同じやり方で移せます。

既存データをエクスポートしてインポートする

今使っている場所からCSVで書き出し、新しいツールに取り込みます。ChromeやSafariの保存済みパスワード、ほかのツール、Excelの一覧表のいずれからでも、書き出しの手順は各公式ヘルプにあります。Excelの台帳から移す場合は、サービス名・URL・ID・パスワードの4列にそろえてからCSVとして保存すると、取り込んだあとの手直しが減ります。会社では、どのアカウントを誰の担当として移したかを台帳に控えておくと、移行後の抜けを確認できます。

書き出したCSVは暗号化されていない平文なので、取り込みが終わったらすぐに削除し、ごみ箱も空にします。クラウドやメールの添付にも残さないでください。

ブラウザのパスワード保存を止める

二重管理をなくすため、ブラウザ側の保存をオフにし、保存済みの分を削除します。オフにしないと同じサイトのパスワードがブラウザとツールの両方に残り、片方だけ更新されて古い値でログインを試す事故が起きます。会社では、管理者が配る設定でブラウザの保存機能を止めておくと、利用者ごとの設定漏れがなくなります。止めた日と対象範囲を記録しておけば、あとから加わった端末の取りこぼしも追えます。

パスキーとパスワードを並行運用する

当面はパスキーとパスワードを並行して使い、マネージャーをパスキーの保管場所にもします。対応するサービスはまだ一部なので、対応したものから順に切り替えます。注意点は、標準機能に保存したパスキーを別の製品へ移しにくいことです。将来の乗り換えまで考えるなら、パスキーとパスワードを1つのツールにまとめておくほうが動きやすくなります。

WEB上で簡単にドキュメント作成・管理ができるツール「NotePM」
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まとめ:パスワードを預ける先と運用ルールを残す先

預ける先と、運用ルールを残す先を分けて決めれば、選定は終わります。個人なら端末構成と無料プランの範囲で、会社なら共有・権限・失効・監査ログの4点で製品が決まります。ゼロ知識設計と第三者の監査、パスキー対応、書き出しの可否を確認しておけば、運営会社の侵害やサービス終了があっても後戻りできます。

会社で導入するなら、パスワード本体をツールに集約するだけでは足りません。どのサービスを誰が管理し、どう申請し、退職時にどう失効させるかという運用ルールと台帳を、組織のナレッジとして蓄積し、全社員が検索できる状態で更新し続ければ、担当者が替わっても同じ品質でアカウント管理を回せます。NotePMの30日間無料トライアルは支払い方法の登録なしで全機能を試せるので、運用ルールと台帳の置き場づくりから始めてみてください(出典:NotePM「料金プラン」)。