【2024年版】セールス・イネーブルメントツール おすすめ6選を徹底比較!

2024年12月03日(火) 営業・顧客管理

現在、多くの企業が営業システムを導入し、営業の成果向上の対策をしています。時代の流れと共に、システムの活用は企業成長に必要不可欠と言えます。しかし、導入しただけでは十分な成果を得ることは難しく、従来の営業活動のプロセスを見直し、新しい考え方を取り入れ改善していくことが大切です。そこで今、注目されているのがセールスイネーブルメントツールです。

本記事では、セールスイネーブルメントの基礎知識のまとめから、セールスイネーブルメントツールを活用する方法、おすすめのセールフイネーブルメントツールを紹介します。

セールス・イネーブルメントツールの基礎知識

今から約20年前に考え方の原型が提唱されたと言われるセールスイネーブルメント。時代の変化と共に、現在様々な企業から注目を集めています。ここではセールスイネーブルメントの基本的な知識を紹介します。

セールス・イネーブルメントとは?

セールスイネーブルメントとは、営業活動を改善し継続的な効果を挙げるための概念及び活動です。営業活動というと顧客折衝のみに焦点があてられがちですが、その背後にある情報収集や資料作成の他、教育などの業務も含めて取り組みを行います。一連の活動を統合し、全体的に設計して効果を数値化していくことで営業活動の最適化を推進することが目的だからです。これまで個人に依存していた営業活動をチームでプロセスを整えて取り組むことで、組織的な営業力の強化により成果向上が期待できます。

なぜ今セールス・イネーブルメントなのか

デジタル技術の進化に伴い、ビジネスのシステム化が進んできました。特に顕著なのはモバイルデバイスが普及し始めた2010年以降で、営業領域では総括して「Sales Tech」と呼ばれています。営業システムを導入する企業は年々増加しており、SFAやCRMなどの支援ツールから始まったデジタル化は、業務そのものを見直すためのツールへ変化してきました。その背景には企業として成果向上を目標としながら、様々な要因により人員が減少する中で属人的な従来方法からの脱却が求められていることにあります。

これまでの営業活動は個人の経験などを頼りに行われていたケースが多く、結果以外の過程がブラックボックスになっていました。そこにセールスイネーブルメントを用いて営業プロセスを組織で統一することで、結果に紐づく過程を数値化し全体の最適化を図ろうと考える企業が増えている傾向にあります。さらに、複雑化した顧客のニーズを営業担当者だけで掴むことが難しくなり、マーケティング部門など他組織との連携を深めることで組織的な営業活動へと転換が求められています。

セールス・イネーブルメントでの取り組み

セールスイネーブルメントでの取り組みにはどのようなものがあるか解説します。

  • マネジメントとコーチング
  • 教育と研修
  • コンテンツの拡充と利用促進
  • 成功事例の共有
  • 営業プロセスの可視化

それでは、1つずつ見ていきましょう。

マネジメントとコーチング

セールスイネーブルメントでの取り組みの1つ目は、マネジメントとコーチングです。「コーチング」はセールスイネーブルメントにおいて最も重要な要素です。コーチングは主に営業マネージャーによる担当者への営業支援のことを指しています。具体的には、マネージャーが担当者全体の状況把握を行い、最適な業務分配を行いつつ営業同行などの直接支援を行うことで成功体験からモチベーション向上を促します。管理職としては基本的な考え方ですが、多忙な中で成し遂げることは非常に難しいです。改革に向けてマネージャー個人だけでなく、企業としてのサポートが求められる項目と言えます。

教育と研修

セールスイネーブルメントでの取り組みの2つ目は、教育と研修です。顧客への折衝技術だけでなく、定期的なデジタルツールの勉強会や営業コンテンツの開発・提供など組織によるバックアップ体制を整えることが必要です。営業担当者に対して継続的な教育や研修、折衝情報と成果を収集して分析を行い、成果が出る研修で再び担当者へ返還することで、組織的な営業力の強化と高い成果の実現へ繋げることが可能になります。

コンテンツの拡充と利用促進

セールスイネーブルメントでの取り組みの3つ目は、コンテンツの拡充と利用促進です。顧客折衝に利用する提案資料は、営業担当者全員が利用できるデジタルコンテンツとして作成することがおすすめです。これまでは担当者が顧客に応じて資料を個別作成するケースも多く、作成に時間がかかるうえに汎用的ではないため別顧客へは再度作成するといった手間が発生していました。個別の提案資料と成果を分析してデジタルコンテンツとすることで、最も成果の出る資料を組織全体で共有することが可能になります。これにより、折衝効果の向上と効率化が可能です。

成功事例の共有

セールスイネーブルメントでの取り組みの4つ目は、成功事例の共有です。営業成績の高い担当者がどのような折衝を行っているのか、詳細を知らないという人は多いのではないでしょうか。セールスイネーブルメントでは、成果の高い営業手法を共有し全体の知識やスキルを向上させる必要があります。個人の裁量で折衝を進めていた営業マンの中には、共有することに難色を示す人もいるかもしれませんが、重要なステップであることを理解してもらい、組織全体が底上げできるよう成功パターンを全員に浸透させることにつながります。

営業プロセスの可視化

セールスイネーブルメントでの取り組みの5つ目は、営業プロセスの可視化です。顧客折衝にはいくつかステップがあります。これまで営業活動は結果に至る過程を数値化することが難しく、結果として目に見える最終成果のみで評価が決まることもありました。しかし、セールスイネーブルメントではステップ毎に数値化を行うことが可能なため、営業プロセスが可視化できるようになります。他の営業支援ツールと連携しながらステップ毎に成功率の高い営業行動を分析することで、論理的な視点から成功パターンに導くことが可能です。

セールス・イネーブルメントツールとは

営業活動全体を統合的に管理するためのツールのことです。顧客と折衝を行う営業部門だけでなく、マーケティング部門やカスタマーサービス部門など顧客と関わる各種組織を横断した統合システムとなるよう会社が主導して導入を進めましょう。営業活動に必要な資料やツールのストレージとしてだけではなく、担当者が現場で取得した情報を全社に還元できるようなナレッジ共有システムとしての導入観点も大切です。具体的には下記のようなシステムがあります。

システム/ツール名 概要
SFA(営業支援)システム 営業の受注までの進捗状況を可視化し活動の管理を行う。事務作業の自動化機能を有している物もあり業務効率化の効果もある。主に営業担当者が利用。
CRM(顧客管理)システム 顧客に関する属性や接触履歴を記録・管理しコミュニケーション分析を行うシステム。営業やマーケティング部門で利用。
インサイドセールスシステム インターネット通信を介して商談を行うWebシステム。画面共有による資料説明やデモが実施可能。対顧客だけでなく社内会議にも利用でき、移動時間や経費削減の効果もある。
ウェビナーツール インターネット通信を介した動画配信システム。セミナーの様子やサービスデモを配信し、顧客にアピールするために利用。社内研修としての活用もでき経費削減の効果もある。
DCMS(セールスデジタルコンテンツ管理) 営業コンテンツをまとめて管理するシステム。コンテンツのDBとして利用する他、共同作業環境やバージョン管理などを行う。顧客への送付や閲覧分析も可能で行動分析としても活用可能。

セールス・イネーブルメントツールを活用するステップ

セールスイネーブルメントツールを活用するステップは以下の3つです。

  • STEP1:専門チームの立ち上げ
  • STEP2:定量分析と効果測定
  • STEP3:ナレッジの共有と改善活動

STEP1:専門チームの立ち上げ

セールスイネーブルメントツールを活用するステップの1つ目は、専門チームの立ち上げです。セールスイネーブルメントの導入には全社的な推進活動が必要です。そのため、専門チームを立ち上げ各組織を横断した連携を行いましょう。関係組織は営業やマーケティングなどの顧客折衝に関係する部門だけでなく、社員教育を担う人事や運用管理を行う情報システム部門など管理部門の協力も不可欠です。

STEP2:定量分析と効果測定

セールスイネーブルメントツールを活用するステップの2つ目は、定量分析と効果測定です。導入後は定期的に各施策の効果を測定することが大切です。実施した営業プロセスや教育研修などを細かく分析し、どの施策が測定結果にどのように影響したのか定量分析を行います。また、KPIやKGIに照らして進捗や乖離がないかの確認も重要です。成果を感じられない時は施策を見直し改善に向けて再調整を行いますが、場合によっては中止の判断を下すケースも想定しておく必要があります。

STEP3:ナレッジの共有と改善活動

セールスイネーブルメントツールを活用するステップの3つ目は、ナレッジの共有と改善活動です。効果の高いプロセスが確立できた場合は、ノウハウを社内に共有します。営業活動は属人的になりやすいため積極的に共有を進めることが大切です。具体的には、継続的な研修など教育の機会を設けることです。既存社員への教育経験を重ねることで、新入社員や中途社員へも一律にノウハウ共有することができますので、全体活動を統一化するためには有効な方法と言えます。

セールス・イネーブルメントツール おすすめ6選を紹介

ここでは、セールスイネーブルメントツールのおすすめ6選を紹介します。

Handbook

Handbook

Handbookはクラウドで集中管理したコンテンツを活用するモバイルコンテンツ管理システムです。導入企業の93%が製品に満足していると高い支持を得ています。商談現場で利用した販促コンテンツの利用実態データを取得できるため、成果の高い営業担当者のノウハウが把握でき、組織改善に役立てることが可能です。また、管理と共有が徹底できるため組織を横断した複数人での管理も容易にできます。

Handbookの特徴

  • クラウド上でコンテンツ作成ができ他者からの評価をリアルタイムで集計
  • コンテンツの活用状況が把握できる豊富な分析機能
  • 30日間の無料トライアルあり

URL: https://handbook.jp/

 

Senses

Senses

Sensesは営業案件に関する情報を一元管理するセールス・マーケティングプラットフォームです。行動実績・Next Action・目標・リスクなどを一括管理でき、蓄積したナレッジをチーム内で確認できるため組織力の強化が期待できます。また、アクションを登録すると過去の類似案件から最適な方法をシステムが提示するため、情報収集時間を短縮することができ効率化が進むでしょう。

Sensesの特徴

  • 取引先の企業情報やプレスリリース、財務情報などをツール上で自動取得
  • Chrome拡張機能を利用してGmailやカレンダーとの連携が可能
  • 初期費用は不要。小規模向けStarterプランと基本機能を揃えたGrowthプランは無料トライアルあり

URL: https://product-senses.mazrica.com/

 

Copper

Copper

Copper(カッパー)は中小企業を中心に導入されているCRMシステムです。営業生産性向上をメインとしており、顧客や見込み客の情報をWebや複数のデータベースから自動取り込みする機能を搭載しています。また、営業メールの自動配信やチームや他部署人員と共有する営業ツールの提供もありCRM以外の機能も豊富です。ただし、現時点では日本語に対応していません。

Copperの特徴

  • 画面がシンプルでフィールド作成も行えるため企業特有の仕様にも対応
  • 顧客のメールアドレスからWebの閲覧履歴を取得する拡張機能あり
  • 14日間の無料トライアルプランあり

URL: https://www.copper.com/

 

Smartsheet

Smartsheet

Smartsheetはプロセスの自動作成やタスクの可視化が行えるプロジェクト管理ツールです。コード不要で自社システム開発ができ、システム部門が管理しやすい機能とセキュリティを備えています。コンテンツ作成を複数人で共同作業できるツールやワークフロー機能の搭載、KPIとリアルタイムな進捗情報を一覧できるダッシュボードなど豊富なサービスが魅力です。

Smartsheetの特徴

  • 「セールス」「人事」などの業務別テンプレートにより開発不要で導入後迅速な運用開始が可能
  • コネクタを活用した外部システムとの柔軟な連携
  • 最低限機能を搭載したプロとメーカー推奨ビジネスの各プランに30日間の無料トライアルあり

URL: https://jp.smartsheet.com/

 

Sales Doc

Sales Doc

Sales Docは従来の営業資料を活用するためのセールスイネーブルメントツールです。ツールを使って資料や動画を送信すると、顧客が閲覧している際に「連絡を希望する」とアポイントを打診するポップアップが自動表示されるため折衝機会を逃しません。さらに、ダッシュボード機能でチーム内の活動状況や成果が可視化して共有できるため、営業強化にも有効です。

Sales Docの特徴

  • 送付した資料の閲覧時間や注目箇所が数値でわかるためアプローチ戦略が立てやすい
  • 閲覧率とアポイント率を比較することで成果の上がりやすい資料へ改善しやすい
  • 20日間全機能が利用できる無料トライアルあり

URL: https://promote.sales-doc.com/lp/01/

 

PITCHER(ピッチャー)

PITCHER

PITCHERは特許を取得したセールスイネーブルメントソフトウェアです。コンテンツ管理をメイン機能としており、様々なファイルフォーマットやOS、デバイスで利用できるよう高い互換性で業務をサポートします。折衝現場でコンテンツがどのように使用しているかリアルタイムに分析することができ、報告書作成機能によって迅速にビジュアルな報告資料を作成することも可能です、

PITCHERの特徴

  • 優良事例をチーム内に共有し個別にフィードバックを行うコーチング機能
  • eラーニング機能によるコンテンツ作成・発行・分析・配布で社員教育を向上
  • 多言語対応によりグローバル展開にも対応

 

まとめ

本記事では、セールスイネーブルメントの基礎知識のまとめから、セールスイネーブルメントツールを活用する方法、またおすすめのセールフイネーブルメントツールを紹介しました。セールスイネーブルメントを導入するためにシステムを刷新する必要はありません。これまで各社が取り組んできた活動にプラスαの考え方を取り入れればよいのです。しかし、実現には思考の変革や組織の見直しなど様々な壁もあります。そのような時はツールをうまく取り入れ、効率的な改革を進めていきましょう。

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