企業における情報共有とは、個人の持つ情報を組織内で効率的に蓄積し、活用することを意味します。
社内の情報共有について、ポジティブなイメージを持つ人は多いのですが、一方で、
「情報共有は本当に効果があるのだろうか?」
「情報共有するとどんなメリットがあるのか具体的に知りたい」
などの疑問を持つ方もいると思います。
情報共有を導入することで得られるメリットは以下の7つです。
① 業務の「見える化」実現で業務効率や生産性が向上
② コミュニケーションの円滑化
③ 誰もが欲しい情報に最短でアクセスできる
④ 人材育成が容易に行える
⑤ ノウハウを蓄積し、社内資産にできる
⑥ 仕事の属人化を防止
⑦ ベストプラクティスのアップデートが可能
この7つのメリットは、企業にとって経営や職場環境改善に非常に有用です。そのため、多くの企業で情報共有が導入され、経営にかかわる大きな成果を上げています。
情報共有は従業員にとっても会社にとっても大きなプラスになるものですが、実はうまく活用するのが難しいという側面もあります。
なぜなら情報共有を成功させるには、
■ 情報共有の目的
■ 情報共有のメリット
の周知徹底が不可欠だからです。
そこで当記事では、
■ 情報共有の得られるメリット
■ 情報共有で得られる成果
を徹底的に解説します。
情報共有のデメリットや失敗例と解決策も併せてご紹介しますので、
「情報共有のメリットを全部知りたい」
「社内で情報共有を行うべきか迷っている」
という方はぜひ最後までお読みください。
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目次
情報共有で得られる7つのメリット
情報共有が重要視される理由は、個人と組織の両方にメリットをもたらすからです。組織内に分散する情報や個人が持つ情報を全体で共有することで、次の7つのメリットが得られます。
① 業務の「見える化」実現で業務効率や生産性が向上
② コミュニケーションの円滑化
③ 誰もが欲しい情報に最短でアクセスできる
④ 人材育成が容易に行える
⑤ ノウハウを蓄積し、社内資産にできる
⑥ 仕事の属人化を防止
⑦ ベストプラクティスのアップデートが可能
それでは、具体的にどのようなメリットがあるのかについて、それぞれ詳しく解説していきます。メリットが実際にどのような成果をもたらすのかを明確にするため、成功事例にも触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
① 業務の「見える化」実現で業務効率や生産性が向上
業務の「見える化」とは、個人スケジュールや業務の進捗などが誰でも把握できる状態であることを言います。
従来の業務の進捗管理方法としては、
- 管理者へメール
- チーム全体へメール
- 口頭で報告
などがありますが、複数人での情報共有には手間がかかり不向きです。
情報共有を導入すると以下が可能になります。
- 一度の報告(入力)で全体に共有ができる
- 業務の進捗がリアルタイムで全体に共有できる
- 現在の業務状態が聞かなくても分かる
これらにより、無駄な報連相が減り、スムーズに業務を行えるのです。
また、組織や管理者にとっては、
- スケジュール管理がしやすい
- 問題点の早期発見がしやすい
- 個人への確認作業が減り、作業効率が上がる
というメリットがあります。
実際に情報共有で「業務の見える化」を実現させた2社の例をご紹介します。
「業務の見える化」で社員の時間外労働を削減
大学の教育や業務運営などを支援するサービス企業・株式会社早稲田大学アカデミックソリューションでは、2017年に 社員の時間外勤務状況が「週次で見える化する仕組み」 を導入しました。
これまでの月次の管理では、ただ結果を見るだけでしたが、週次の管理に変更したことで、1週間ごとの勤務超過時間が把握でき、残りの週で調整が可能になりました。
さらに時間外労働の超過が発生しそうになると、管理職にアラートが届く仕組みを導入することで、管理職が部下の勤務状況を速やかに把握し、早期対応ができるようになりました。
この結果、
◎ 時間外労働の見える化導入9ヶ月間で、法定時間外労働累計がおよそ2,400時間も減少(前年同月比)
◎ 有給休暇取得率が前年同期に比べて約3.1%上昇
という成果を出しています。
参考:株式会社早稲田大学アカデミックソリューション 導入事例 | 大塚商会
情報共有の導入で生産性の向上を実現
建築工事や給排水設備工事を主要事業とする株式会社太陽商工では、情報共有がIT化されていないことで、次のような問題を抱えていました。
- 資材発注時に毎回、該当部門に進捗を確認しなければならず、部門間の問い合わせに時間がかかっている
- 工事現場の社員は現場から帰社後に報告業務などを行うため、残業が増加
これらの問題を解決するために、社内の情報共有のIT化を導入し、業務情報を各部門で共有しました。その結果、先に挙げた問題が解決されただけでなく、さらなる成果が上がりました。
- ◎ 図面や申請書類などを電子化して蓄積したことで、必要書類を簡単に検索できる
- ◎ 図面や工事履歴などの情報を共有することで、部門を超えての対応が可能になった
- ◎ 現場で図面や顧客からの連絡確認のほか、現場報告書の作成が可能となり、1人1日当たり3時間の業務時間削減に成功
問題を解決しただけでなく、+αの成果を出した成功例でしょう。
② コミュニケーションの円滑化
業務の進捗をメールや口頭で説明したのに、上司やリーダーから「報告がない!」と指摘された経験はありませんか?大きな組織になればなるほど、組織を管理する上司やリーダーに膨大な情報が集まるため、勘違いや思い込みが発生しやすいものです。
情報共有は使用するツールにもよりますが、
- 既読・未読が一目で認識できる
- やり取りが記録に残り、簡単にアクセスできる
ものが多いため、コミュニケーションエラーの防止に最適です。
情報共有の導入により、コミュニケーションの円滑化で成果を挙げているのが渋谷区役所です。近年、渋谷区役所では、より質の高い行政サービスを区民に提供することを目的として、区政運営改革を推進しています。
その一環として、全職員のコミュニケーションにチャットベースのツールを導入しました。従来のメールや内線電話での連絡に加えて、ビジネスチャットを活用できるようになったことにより、次のような成果が出ています。
- ◎ 職員同士のタイムリーで自発的な情報共有が可能
- ◎ ファイル共同編集機能により、各種資料作成がリモートで同時編集可能
- ◎ 上記によって業務効率が大きく向上
参考:渋谷区が働き方改革の実現に向けて日立システムズとICT基盤を全面刷新
③ 誰もが欲しい情報に最短でアクセスできる
業務効率を下げる原因のひとつに「情報を探す時間」が挙げられます。
「マニュアルの変更箇所はどこ?」
「顧客情報の最新版を確認したい」
という場合に、その都度担当者に確認をしていては非効率的です。
自己管理の甘い人は、「昨日のメールに返信しなければならないけれど、どのフォルダにあるか分からない」「ファイルに入れたはずの資料が見つからない」となるたびに、業務がストップしてしまうということもあるでしょう。
こういった問題は情報共有を導入することで一気に解決できます。
というのも、情報共有は情報の一元化だけでなく、
- ◎ タグやカテゴリ別で細かく分類が可能
- ◎ 検索が容易に行える
ため、膨大な情報の中にあっても、誰もが欲しい情報に最短でアクセスできるようになるからです。
それでは、情報共有を導入したことで、豊富な情報もスムーズに管理している2つの企業の事例をご紹介します。
クラウド型コールセンターシステムの提供販売をしている株式会社ソフツーでは、
- 社内向けサポートマニュアル
- コールセンターお問い合わせに関するナレッジ
- 通話録音の振り返り
などのドキュメントを情報共有ツールに登録しています。
顧客から問い合わせがあった際に同様の質問がないかなど、ツール上で検索するだけでアクセスができるので、誰でも簡単に欲しい情報を手に入れることができます。
参考:【事例紹介】使いやすさが重要!コールセンターのナレッジ共有を実現
また、昭和3年創業の電熱機器メーカー・株式会社石崎電機製作所では、情報共有のIT化を進めたことにより、ペーパーレス化と「欲しい情報にすぐにアクセスできない」という問題を解決しました。
参考:創業88年の電機メーカーの「情報改革」武器はEvernote、書類・画像・名刺まで一元管理
④ 人材育成が容易に行える
新しく加わったメンバーへの業務指導は、管理者や既存メンバーの重要な仕事のひとつです。マンツーマンでの指導は有効ですが、長期に及ぶと業務に支障をきたします。また、新規メンバーの加入のたびに指導を繰り返していては、一部のメンバーに負荷が集中してしまうでしょう。
情報共有で業務マニュアルがしっかり展開されていると、以下が可能になります。
- 新規メンバーが業務内容を把握しやすい
- 無駄な質問が減らせる
- 新規メンバーの業務修得がスムーズになる
これにより基本的な業務に関する人材育成にかける時間を減らすことができます。
法人向け福利厚生代行サービスなどの事業を展開するベネフィット・ワンでは、情報共有を導入したことで若手営業部員の育成にも成果を上げています。営業支援システムを導入し、タイムライン機能を活用することで、トップ営業のノウハウをタイムリーに共有することが可能になりました。
例えば、
- 受注に至るまでの成功例
- 失注となった失敗例
- 参考になりそうな商談ノウハウ
- 注意を呼び掛けたいケース
などをタイムラインで配信し、共有化。
これにより、
- ◎ 若手社員が短期間で成果を出せるようになった
- ◎ 研修や会議に依存しない若手育成
を実現しました。
同社ではこの情報共有によって若手社員が飛躍的に成長し、
- ◎ インセンティブ事業部のトップセールス4人の内3人が若手社員(入社1,2年目)
- ◎ 組織全体で前年比360%の受注件数アップを達成
- ◎ タイムライン活用前後を比較すると、残業時間を30%削減に成功
という素晴らしい結果を出しています。
⑤ ノウハウを蓄積し、社内資産にできる
商品の多様化や顧客要求の高度化などにより、企業が扱う業務に専門性が求められるようになりました。それに伴って、社内のあちこちに専門的な知識を持つメンバーが分散しているというケースも見られます。
この時に情報共有がしっかりされていないと、
「社内の誰がどの専門家か分からない」
「この問題について誰に聞けばいいのか分からない」
といった問題が起こります。
また、専門的な問題以外にも、すでに誰かが解決済みの問題に対して、新たに取り組むのは有益とは言えません。
メンバーがそれぞれ習得したノウハウを共有することで、
- ◎ 全体的なスキルアップ
- ◎ ノウハウを持っている人を特定できる
- ◎ ノウハウの改良
- ◎ 生産性アップや品質向上
につながります。
ノウハウを組織の共通知識として蓄積することは、企業にとってプラスです。
長期的に見るとかなり大きな社内資産になるでしょう。
パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社では、マーケティングに特化した情報共有のツールを使うことで、豊富なノウハウを効果的に活かせるようになりました。
これまで難しかった部門や営業拠点の枠を超えたノウハウの共有もできるようになり、顧客に最適な提案が行えるようになりました。松下電工時代からの蓄積された営業ノウハウを共有化できれば、さらなる効果が期待できるとしています。
参考:パナソニック インフォメーションシステムズ株式会社 様の営業改革事例
⑥ 仕事の属人化を防止し、誰もが働きやすい環境に
仕事の属人化とは「この仕事はこの人でなければダメ」という仕事と人が依存関係になることです。特定の人しか情報を知らなかったり、対応できなかったりという状態だと、一部の人に業務が集中してしまいます。
誰かに業務分担を依頼したくても「依頼する内容を理解してもらうのに時間がかかる」「自分で取り組んだ方が早く終わる」ことが多いため、業務の負担を減らすのは難しいでしょう。
仕事が属人化すると、
- 特定の人に業務が集中する
- 「特定人物のキャパシティが企業のキャパシティ」となり、大きな案件を受けにくい
- 退職した場合、ノウハウを損失する
という問題が起きます。
この問題は情報共有を行うことで回避できます。
情報共有は、誰もが欲しい情報を見ることができるため、仕事の属人化を防ぐ効果もあるのです。
福岡県のソリューションベンダー・エコー電子工業株式会社では、自社開発で営業支援に特化した情報共有システムを導入しました。これにより、役員以下全員が仕事内容を入力・閲覧できるようになりました。業務日報などの登録で日々の業務が見える化され、仕事の属人化が避けられています。
また、顧客の課題を全社員で共有することで、迅速な課題の解決が可能となり、顧客の信頼の獲得、業務の代替要員の確保も簡単にしています。
⑦ ベストプラクティスのアップデートが可能
ベストプラクティスとは、「現時点での最も良いやり方」という意味のビジネス用語です。ノウハウ、知識、業務の進め方など、すべてが当てはまります。
例えば、現場ごとで作業にばらつきがある場合は、
- ①:各現場のベストプラクティスを吸い上げる
- ②:①をテンプレート化
- ③:②を実践し、改良点を挙げる
- ④:改良点を考慮して、ベストプラクティスのアップデートを行う
を繰り返すことで、売り上げ向上やコストダウン、品質アップなどが実現可能です。個人やチームが行った業務の取り組みで最も良いやり方を共有し、それをどんどん改良していくことで組織全体の底上げにつながります。
知っておくべき情報共有のデメリットと解決策
情報共有には多くのメリットがある反面、うまく活用できないとマイナスに作用することがあります。情報共有のデメリットは次の2つです。
- 上手に活用できないと業務効率が下がる
- うまく活用できないと導入コストが無駄になる
しかし、この2つのデメリットは取り組み次第で解決することができます。この章では、情報共有のデメリットについて、失敗例・解決策と併せて解説していきます。
情報共有に非協力的な状態だと、逆に業務効率が下がる
情報共有をせっかく導入しても、きちんと活用されなければ意味がありません。
一部のメンバーが従来の連絡方法を取っていたり、情報共有に非協力的な状態だと、報連相が二度手間になる恐れがあります。
例えば、スケジュールを共有する場合は、メンバー全員が予定を正しく入力することが求められます。しかし、一部のメンバーが予定を入力漏れや入力ミスを行うと、
- 予定のダブルブッキング
- ビジネスチャンスを失う
という問題が発生しやすくなります。
また、日常的にスケジュールを正しく共有しないメンバーに対しては、重要な打ち合わせや進捗であれば、再確認が必須事項となるでしょう。メールや電話、直接など方法はさまざまですが、トラブル防止のためにその都度再確認しなければならず、非効率的であることは言うまでもありません。
このように、情報共有は組織全体で取り組まなければ、業務効率が下がる可能性があります。それでは、次の項で情報共有に非協力的なメンバーによる失敗例と解決策をご紹介します。
【失敗例と解決策】メンバーが使ってくれない
年長者メンバーに多く見られるのが、情報共有ツールの使い方が覚えられないから使わないというケースです。組織のメンバーに年長者やPC操作が苦手な人が複数いる場合には、
- 操作が簡単なツールを選ぶ
- 分かりやすいマニュアルを作る
- 使い方のレクチャー時間を設ける
などの配慮が必要になります。
情報共有ツールを使う場合は、本格的に導入する前の試用にPC操作が不得手なスタッフに加わってもらうといいでしょう。
老舗電気メーカーの株式会社石崎電機製作所では、下記の取り組みで20~70代の従業員全員が情報共有システムを使いこなせるようになりました。
- ①:情報共有ツールを5.6名の少数で使い始め、習慣付けを行う
- ②:①と並行して、全社的に使用するために、社員1人ひとりに直接レクチャー。個別に日程を組み、1人あたり約4時間かけて使い方を説明
石崎電機製作所が幅広い年齢の社員に対しても情報共有を根づかせられたのは、個別のレクチャーに加えて 「なぜ情報共有システムを導入するのか」を事前に説明していた ことによるものでしょう。
「会社の資産である情報を、全員で活用できるようにするための取り組み」であること(情報共有の目的)をしっかり理解してもらうことで、メンバーの意識を高めることができます。
参考:創業88年の電機メーカーの「情報改革」武器はEvernote、書類・画像・名刺まで一元管理
【失敗例と解決策】情報共有を嫌う従業員がモチベーションを下げる
「売り上げや進捗が良くない」「せっかく手に入れたノウハウを共有したくない」などの理由から、業務の見える化を嫌がるメンバーは、どこの組織にも一定数います。
情報共有を嫌がる従業員の多くは、
- 情報共有による恩恵が比較的少ない優秀な従業員
- 業務効率が悪く、業務姿勢に問題がある従業員
で、無理に情報共有を進めることで、モチベーション低下や離職願望につながります。情報共有の促進には、参加メンバー全員の理解と承認がなければうまくいきませんから、適切な対処が必要となります。
- 【失敗例】成果重視のため、ノウハウの情報共有を進める社員と拒否する社員に分かれてしまう
- 企業の業績アップに貢献するため、営業部では見込み客への効果的なアプローチ法や成約率の高いクロージングテクニックなどのノウハウ共有を進めていた。
- しかし、成約率に応じてインセンティブがつくことから、営業成績優秀な社員はノウハウ共有に非協力的。ノウハウを提供する社員と拒否する社員に二分され、職場環境が悪化した。
成果重視の職場に起こりがちなのが、情報共有が一部社員にとってマイナスになることです。ノウハウを共有することで、自分の成績や評価が下がる可能性があると、協力的になるのは難しいです。
この問題を解決するには、
- 業務の見える化によるメリットをしっかり伝える
- 短いスパンで進捗を責めない
- 良いノウハウを提供した場合に表彰する仕組み
という仕組み作りが必須です。
うまく活用できないと導入コストが無駄になる
情報共有を導入するには、いかなる手段を用いても導入コストがかかります。
考えられるコストは次の2つです。
①金銭コスト
情報共有ツールの多くは有料です。ツール代は提供会社やサービス内容によって異なりますが、大体 1ユーザーあたり500円~ の費用がかかります。
ツールによっては利用代のほかに高額な導入コストやランニングコストが発生することがあり、慎重に検討しなければならないでしょう。ツールを導入せず、自社で管理する場合は情報管理担当が必要となることが多く、人的コストが発生します。
②時間コスト
情報共有を導入するにあたって、情報共有の必要性や目的、方法などで議論を重ねることが多いでしょう。ツールの試用や試用後の検証には少なからず時間がかかりますし、情報共有導入後は周知の時間も必要です。
共有ツール利用の場合は、ツールの使用方法や利用目的の徹底周知にも時間を要します。情報共有は、関わるメンバー全員の理解と正しい活用がポイントとなるため、環境を整える時間が必要となるのです。
このことから、情報共有はうまく活用されないと時間と費用が無駄になると言えるでしょう。
【失敗例と解決策】いきなり本格導入する
組織での情報共有を急ぐあまり、情報共有ツールの試用をせずに本格導入すると、失敗を招くことがあります。ここでは、起こりがちな失敗例を2例ご紹介します。
- 【失敗例①】導入ツールと利用目的が合っていない
- 地域密着の学習塾では、増える指導マニュアルや問題プリントの一元管理のために、情報共有ツールを導入した。深く検討せず、ネットのレビューとコスト面だけで選んだ結果、チャットに特化したツールを導入してしまった。
- 講師同士のコミュニケーションは円滑になったが、本来の目的である「ドキュメントの一元化」が果たされておらず、後日、別のツールを再導入することとなった。
情報共有ツールは複数の会社から提供されており、特徴やコストなどがそれぞれ異なります。いくらコストや操作性で魅力的でも、自社で希望する情報共有の目的と一致しないツールを選んでしまっては失敗のリスクが高まるでしょう。
このような失敗は、正しいツール選びを行うことで回避できます。
情報共有ツールは、下記を考慮した上で自社に合ったものを選びましょう。
- 導入目的
- 利用者数
- 共有したい情報や範囲
- 操作性
また、本格導入する前には必ず試用をすることが大切です。
- 【失敗例②】短期間で複数部署に導入した結果、問題が生じる
- 業務効率の円滑化を図るため、チャットに特化した情報共有ツールの導入を決めた。営業部で1ヶ月試用してみて問題がなかったので、経理部、人事部など複数部署で一気に本格導入を開始したところ、次のような問題が生じた。
- 既存のシステムとの連携がうまくいかず、業務効率が下がった
- 部外秘情報をシェアしてしまった
情報共有ツールを短期間で複数部署に導入すると、上記の失敗例のようにさまざまな問題が起こる可能性があります。このような失敗を防ぐには、以下が重要です。
- 情報共有の詳細なルールをあらかじめ決めておく
- 段階的な導入を心がける
特に共有する情報の範囲は、導入前に確定しておくことが大切です。全社的にシェアすべきか、部外秘など、詳細に決めておきましょう。
また、いきなり全社的にシステムを導入すると混乱を招くこともあります。
特に問題がないのであれば、部署ごとやチームごとなどで利用開始するのが理想的です。もしくは、まずは部署ごとでの利用に留め、情報共有ツールの運用に問題がないようであれば、複数部署で連携するという形でも良いでしょう。
いずれにしても、段階的な導入を行うことで現場の混乱が生じにくくなります。
情報共有にはツール導入がオススメ!
社内の情報共有にはツール導入が最もおすすめです。
参考:情報共有ツールおすすめ 23選(無料あり)と会社にもたらすメリット
これまでのEメールや直接的な情報共有方法では、次のようなデメリットがありました。
【メールや直接的な方法で情報共有するデメリット】
- 複数人での情報共有に多くの時間や手間がかかる
- 重要情報の送信忘れや伝え忘れなどで信頼関係が崩れる
- 業務上のミスにつながる
このデメリットを一気に解決し、メリットをもたらすのが近年多くの企業が導入している「情報共有ツール」です。例えば、情報共有ツールのチャット機能は、Eメールより迅速かつ気軽にコミュニケーションできるようになるため従業員間の信頼関係構築に役立ちます。
社内wikiツールのような、文書を複数人で編集できる機能を使えば、Eメールや口頭でのやり取りが減らせるため、大幅な業務の効率化が可能です。
現在多くの企業が情報共有ツールを導入しており、業務効率化や職場環境の改善、企業の業績アップなどの成果につなげています。ただし、情報共有ツールは有料から無料のものまで100程度あり、ツールごとに機能や特徴が大きく異なるため、選び方に注意が必要です。
情報共有ツールに関する記事
わかりやすいマニュアルが簡単に作れるサービス ⇒「NotePM」
NotePMのPDF資料をダウンロード ⇒ こちらから
まとめ
複数人が関わる業務には、情報共有は欠かせません。
【情報共有のメリット】
- 業務の「見える化」が実現
- 業務の効率化・業績アップの実現
- コミュニケーションエラーの防止
- 誰もが欲しい情報に最短でアクセスできる
- 人材育成が容易に行える
情報共有がうまく行われることで、メンバーの信頼感を高めたり、組織の雰囲気が良くなったりするだけでなく、業務効率化や企業の業績アップなどの成果にもつながります。
ただし、情報共有には次の2つのデメリットがあります。
- 上手に活用できないと業務効率が下がる
- うまく活用できないと導入コストが無駄になる
このデメリットを払拭し、失敗しない情報共有のためには、
- 情報共有の目的や方法の周知徹底
- 情報共有の目的などをしっかり固める
ことが大切です。
情報共有の方法はツール導入が最もおすすめで、実際に多くの企業がツールを使った情報共有で成果を挙げています。
情報共有ツールは有料から無料のものまで100程度ありますから、自社にぴったりのツールが見つかるはずです。導入を検討中の方は、まずはツールの試用から始めてみるといいでしょう。
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