業務の効率化を図る方法の一つに、請求書発行システムの導入があげられます。しかし、導入を検討しているものの、具体的な内容がよくわからないという人もいるかもしれません。この記事では請求書発行システムの基本的な機能や選ぶ際に押さえておきたいポイント、導入することで得られる効果などについて紹介していきます。
目次
請求書発行システムとは?
請求書発行システムとは、自社内のシステムやクラウドサービスなどを利用して請求書を作成するシステムのことです。作成した請求書はメールで添付できるうえに、デジタルデータとして保存もできます。さらに、印刷をすれば郵送したりファックスで送信したりすることも可能です。自社の請求書を作成する際、これまではエクセルなどを利用してきた会社は多いかもしれません。しかし、エクセルの場合はゼロから作成する必要があります。一方、請求書発行システムはあらかじめ用意されているフォーマットを使用するため、作成に時間を取られないことがメリットの一つです。
請求書発行システムが注目されている理由
1998年に電子帳簿保存法が施行されました。それによって、国税関税帳簿書類の一部もしくはすべてにおいてデジタルデータでの保存が認められるようになりました。さらに、2005年に入ると法改正によって国税関係書類の一部がスキャン保存できるようになり、請求書についても一定の要件を満たしていればデジタルデータでの保存が認められようになっています。請求書発行システムが注目されるようになった理由には、これらの法律が背景としてあげられます。また、従来の紙での請求書より、デジタルデータとして保存する方が保管場所をとられないという点も理由の一つとして考えていいでしょう。
請求書発行システムの基本機能
では、請求書発行システムの基本的な機能を5つ見ていきましょう。実際にはどの請求書発行システムを利用するかで細かい機能には違いが出ますが、ここでは一般的な機能について紹介します。
請求書と関連書類の作成
請求書の作成はもちろん、納品書や明細書といった関連書類が作成できる機能です。これらの書類は、請求書を発行するうえで切り離すことはできません。
取引先や自社情報の自動入力
請求書を発行するうえで欠かすことができないのが、取引先と自社の情報です。取引先の名称や所在地、担当部署名に担当者といった基本的な情報を自動入力できます。自社についても同様の情報を入力することが可能で、請求書作成はもちろん、メールで添付する際も必要な機能の一つです。
口座と連携した入金消し込み機能
請求書を発行した後、取引先からきちんと入金されているか確認し、請求残高を整理していくのは手間がかかります。請求書発行システムはほとんどに口座と連携した消し込み機能がついているため、確認にかかる時間や残高のズレの解消に役立つでしょう。クラウドサービスを利用すれば、社外にいるときでも入金の確認が可能です。
会計ソフトとの連携
帳簿や貸借対照表、損益計算書などの作成と管理に会計ソフトを使うのが一般的です。請求書発行システムの多くは会計ソフトとの連携が可能で、帳簿管理や損益計算書などの作成がスムーズに行えます。
売上レポートの作成
請求書をもとにして月毎または年度毎の売上レポートを自動的に作成してくれる機能です。自分で売上をまとめる手間が省けるうえに、業績の変動をスピーディーに把握できます。
請求書発行システムを選ぶ時の比較するポイント
請求書発行システムといってもさまざまなサービスが出ています。ここでは、実際にシステムを選ぶ際の比較ポイントについて説明していきます。
フォーマットの変更や郵送代行はできるかどうか
ロゴなどが挿入できることも大切ですが、自社に合ったフォーマットに変更できるシステムを選ぶのは重要なポイントです。また、メールでの送付に抵抗のある取引先には、従来通り郵送することも考えておかなければなりません。取引先が多い場合は、郵送代行サービスも利用できるシステムを選ぶと便利です。
セキュリティ面に問題は見られないか
デジタル化するうえで、セキュリティ面の問題を外すことはできません。そこで、まず知っておきたいのが請求書発行システムには「クラウド」と「オンプレミス」の2種類があることです。クラウドはインターネットを経由して利用するもので、IDとパスワードさえあれば社外からでもアクセスできます。しかし、不特定多数の人がサーバーを共用するため、セキュリティ面が十分かどうかをしっかり確認する必要が出てきます。一方、オンプレミスとは社内にサーバーを置いて独自のシステムを構築させることです。構築する手間はかかりますが、オンプレミスは自社専用のシステムのため情報が漏洩する心配が少ないという特徴があります。
導入した後のサポート体制はどうなっているか
サポート体制がどうなっているかは、導入する前に確認しておきたい重要な点です。システムに不具合が出たときにどのような対処をしてもらえるのか、費用も含めて事前に確認しておきましょう。また、問い合わせの方法や対応可能な曜日と時間帯についても確認し、自社に合ったサービスを選ぶことがポイントです。
請求書発行システムの導入効果
最後に、請求書発行システムを導入することでどのような効果が期待できるのか解説していきます。
請求書の発行がスムーズになる
請求書発行システムを利用することで作業が格段にスムーズになり、これまでにかかってきた時間を大幅に節約できるでしょう。その分、他の業務に時間をあてることもできますし、労働時間を短縮することも可能です。郵送代行サービスも利用できれば、メール以外での請求書の発送にも手間がかかりません。
入金確認や売上を把握しやすい
これまで手作業で行ってきた口座の入金確認と請求書の照合をする必要がなくなり、入金されたかどうかを早めに確認できます。売上はもちろん、入金漏れがどれくらいあるかも把握しやすいため、早めの対策をとりやすくなるでしょう。
人件費など経費の削減につながる
これまで、請求書の発行や納品書などの作成にかかっていた人件費の削減が可能になります。また、個人事業主など一人で事業を行っている人は、請求書の発行や管理のために時間を潰したり人件費をかけたりする必要がありません。もちろん、請求書発行システムの利用には経費がかかりますが、人件費や作業にかかる時間を考えればメリットは大きいといえます。
おすすめのクラウド請求書発行システム
以下の記事では、おすすめの請求書発行システムの概要や特徴について解説しています。
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請求書発行システムは選択ポイントを押さえて選ぶことが大切
請求書発行システムは、作成時間を大幅に節約できるうえに管理しやすいというメリットがあります。セキュリティ面やサポート体制など選択ポイントを押さえながら、自社に必要なシステムはどれか費用面なども含めて判断しましょう。
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