法人がファイルサーバーをクラウド化するメリットとは?デメリットや移行手順も解説

2025年03月28日(金) オンラインストレージ

 

ファイルサーバーは、法人がデータを保存・管理するうえで重要なツールです。リモートワークが増加した近年の働き方では、従来の自社サーバーによるデータ管理が難しくなってきたため「クラウド型」を導入するケースもあります。

しかし、クラウド型と従来のオンプレミス型にはどのような違いがあるのか、切り替えることによってどのような効果があるのかわからないと導入に踏み出せないでしょう。

そこで本記事では、ファイルサーバーをクラウド化するメリットやデメリットについて解説します。ファイルサーバーを選ぶ際の比較ポイントや移行手順についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

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クラウド型ファイルサーバーと従来のサーバーの違い

ファイルサーバーのクラウド化とは、データをクラウド事業者のITサービスで保管することです。従来のオンプレミス型では、自社で管理・構築・保守を行う必要がありました。クラウド化とオンプレミス型の大きな違いは、システム管理を自社で行うか、インターネット上の外部事業者に委ねるかにあります。

クラウド化により、初期費用や運用コストの削減、場所や時間にとらわれないアクセス、柔軟な容量拡張などが可能になります。一方、オンプレミス型は、セキュリティやカスタマイズ性に優れているのがメリットです。

具体的な違いを表にまとめると、以下のとおりです。

オンプレミス型 クラウド型
初期費用 機器購入や設置工事など、まとまった初期投資が必要 初期費用が無料の場合も多く、月額料金で利用可能
運用コスト 自社で専門人材を確保して行う サービス提供事業者が行う
メンテナンス 自社でエンジニアを手配して行う サービス提供事業者が行う
利用環境 社内ネットワークに限定され、外部からのアクセスは制限される インターネット環境があれば、場所や時間を選ばずに利用できる
システムの柔軟性 要件に合わせて自由にカスタマイズできる 提供されるサービス範囲内に制限される
システムの拡張性 機器の追加購入や設置工事が必要で、時間と費用がかかる プラン変更やオプション追加で容易に拡張できる
セキュリティ 自社でセキュリティ対策を構築・維持する必要がある サービス提供事業者のセキュリティ対策に依存する

 

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ファイルサーバーをクラウド化するメリット

ファイルサーバーをクラウド化するメリットは、主に以下の3つです。

  • 情報共有がしやすくなる
  • 運用コストを軽減できる
  • 災害やシステム障害からデータを守れる

情報共有がしやすくなる

クラウド型ファイルサーバーは、インターネット環境下であれば、時間や場所を選ばずにデータへアクセス可能です。オフィスに限らず、リモートワークでも外出先からでもスムーズに情報共有できるのは大きなメリットになるでしょう。

データはリアルタイムで更新され、常に最新の状態を維持できます。複数人での共同編集も容易に行えるため、業務効率化にも貢献します。

こういった状況下であれば、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現できるでしょう。また、リアルタイムでの情報共有は、チームの連携を強化し、迅速な意思決定を可能にします。

運用コストを軽減できる

クラウド型であれば、自社でサーバーやストレージを用意する必要がないため、初期費用や光熱費などのコストを大幅に削減できます。また、保守管理はクラウド提供事業者が行うため、運用にかかる作業コストも不要です。

企業は、浮いた時間やリソースを他の重要な業務に集中できるようになり、業務効率の向上につながります。たとえば、これまでサーバー管理に時間を費やしていた情報システム部門の担当者は、より戦略的な業務に注力できるようになるでしょう。

災害やシステム障害からデータを守れる

オンプレミス型の場合、自然災害やシステム障害時にデータが消失してしまうリスクがあります。一方、クラウド型はネットワーク経由でデータがクラウド上に保存され、耐震・免震対策が施されたデータセンターで管理されるため、災害時のデータ消失リスクを最小限に抑えられるでしょう。

クラウド事業者はセキュリティ対策にも力を入れており、データの暗号化やアクセス制御など、さまざまな対策を講じています。また、クラウド型は複数拠点にデータを分散してバックアップする体制や、災害時に迅速な復旧を可能にする仕組みを備えているため、事業継続性の向上にもつながるでしょう。

ファイルサーバーをクラウド化するデメリット

ファイルサーバーをクラウド化する場合には、デメリットも生じます。以下のデメリットを把握しておきましょう。

  • 通信環境の影響を受けてしまう
  • カスタマイズ性に制限がある
  • 機密文書の取り扱いが難しい
  • データを移行する手間がかかる

通信環境の影響を受けてしまう

クラウド型ファイルサーバーは、インターネット経由でのデータ管理のため、通信環境に左右されるのが課題です。通信速度が低下すると、ファイルへのアクセスや共有に時間がかかり、業務効率が低下する可能性があります。とくに、大容量ファイルの扱いやリアルタイム編集では、ストレスを感じる場面も出てくるでしょう。

対策としては、光回線のような高速インターネット環境を整備することが重要です。また、パソコンやルーターなどの通信機器の性能も影響するため、定期的なアップデートや見直しを行いましょう。通信環境の最適化は、クラウド型ファイルサーバーの利便性を引き出し、快適な業務環境を実現するために不可欠です。

カスタマイズ性に制限がある

オンプレミス型は自社に合わせたデータ保存が可能ですが、クラウド型は汎用性を重視するためカスタマイズ性が低い傾向にあります。特殊な運用が必要な場合は、オンプレミス型で独自のファイルサーバーを構築するほうが適しているでしょう。

ただし、クラウド型でも多岐にわたる業務に対応する機能が搭載されているケースもあります。そのため、クラウド型とオンプレミス型を併用し、管理するデータの種類によって使い分けることも有効な選択肢です。たとえば、機密性の高いデータはオンプレミス型で、共有性の高いデータはクラウド型で管理する、といった運用が考えられます。

機密文書の取り扱いが難しい

企業は、人事情報や契約書、新製品情報など、多くの機密情報を保有しています。クラウド型ファイルサーバーは、これらの情報を保管するうえで便利ですが、情報漏洩や改ざんのリスクも伴います。

クラウド型は情報共有が容易な反面、拡散しやすい特性をもつため、機密文書の管理には細心の注意が必要です。とくに、誰がどの情報にどこまでアクセスできるかという権限設定は重要です。

適切な権限設定を行うことで、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。また、アクセスログの監視や定期的なセキュリティ監査も有効です。機密情報をクラウドで管理する際は、セキュリティ対策を徹底し、安全な情報管理体制を構築しましょう。

データを移行する手間がかかる

オンプレミス型からクラウド型への移行は、慎重な計画と段階的な実行が不可欠です。社内の膨大なデータを一括で移行しようとすると、時間と手間がかかり、移行作業が中断するリスクも高まります。

まず、移行するデータの優先順位を決め、段階的に移行計画を立てることが重要です。業務への影響を最小限に抑えるため、移行スケジュールは慎重に検討しましょう。たとえば、業務時間外や休日を利用して移行作業を行う、または部門ごとに段階的に移行を進めるなどの方法が考えられます。

また、移行ツールやサービスを活用することで、移行作業の効率化を図れます。クラウド事業者が提供する移行ツールや、専門の移行サービスを利用することで、スムーズな移行を実現できるでしょう。

 

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法人がクラウド型ファイルサーバーを比較するときのポイント

法人がクラウド型ファイルサーバーの導入を検討する際は、以下3つのポイントを押さえて比較しましょう。

  • 必要な機能が備わっているか
  • 万全なセキュリティ対策はされているか
  • 適切な料金体系になっているか

必要な機能が備わっているか

クラウド型ファイルサーバーは、情報アクセスの向上と業務効率化を目的として導入されることが多いですが、期待した効果を得るためには、機能性や使いやすさが重要です。操作性や検索性に優れたファイルサーバーを選び、従業員がスムーズに利用できる環境を整えましょう。

また、ユーザー数やデータ容量も考慮し、将来的な事業拡大を見据えたプラン選択が重要です。現状の従業員数だけでなく、今後の成長予測にもとづいて、余裕のあるプランを選ぶことで、長期的な運用を見据えた投資となるでしょう。

万全なセキュリティ対策はされているか

企業がデータを管理するうえで、高度なセキュリティ対策は不可欠です。アクセス制限・2段階認証・通信経路の暗号化・PDFセキュリティ機能などが重要となります。

アクセス制限により、機密情報へのアクセス範囲をメンバーごとに設定し、情報漏洩を防ぎます。また、2段階認証やワンタイムパスワードは、不正ログインのリスクを軽減するでしょう。

これらのセキュリティ機能は、企業の重要な情報を守るうえで必要です。適切なセキュリティ対策を講じることで、安心してデータを管理し、業務に集中できる環境を構築しましょう。

適切な料金体系になっているか

クラウド型ファイルサーバーは、多くの場合、月額料金制で提供されます。料金体系は、ストレージ容量に応じた定額制と、ユーザー数に応じた従量課金制が一般的です。

具体的な料金は、サービスやプランによって大きく異なります。そのため、自社のデータ量や利用人数を正確に把握し、将来的な拡張性も考慮したうえで、最適な料金プランを選択することが重要です。

料金プランを選ぶ際には、無料トライアル期間を活用し、実際の使用感を試してみるといいでしょう。また、料金だけでなく、セキュリティ機能やサポート体制など、総合的なサービス内容を比較検討することも大切です。

クラウド型ファイルサーバーへの移行手順

オンプレミス型からクラウド型ファイルサーバーへ移行する際は、以下の3ステップで行うといいでしょう。

  1. 移行するデータの現状と課題を把握する
  2. 移行計画を立ててテストをする
  3. 移行して動作確認まで行う

1. 移行するデータの現状と課題を把握する

クラウド型ファイルサーバーへの移行は、まずデータの棚卸しから始めましょう。移行には時間がかかるため、不要なデータを削除したり、優先順位をつけたりすることで、効率的な移行が可能になります。また、現在のファイルサーバーの課題を把握し、課題解決につながるクラウド型ファイルサーバーを選べるようにしましょう。

データ容量を把握し、移行後に必要なストレージ容量を見積もることも重要です。十分なストレージ容量を確保することで、移行後のデータ管理をスムーズに行えます。

2. 移行計画を立ててテストをする

闇雲にデータを移行するのではなく、移行スケジュールやデータ移行の優先順位を明確にしましょう。クラウド型ファイルサーバー提供会社の担当者と連携し、移行テストを行うことも有効です。

移行テストでは、本番環境と同じ手順でデータを移行し、エラーの有無やデータの抜け漏れ、移行時間などを検証します。テスト結果を踏まえ、移行計画を修正することで、本番移行をスムーズに進められるでしょう。

3. 移行して動作確認まで行う

移行テストで明らかになった課題に対策を施し、いよいよ本番の移行作業に取り掛かります。移行作業中は、進捗状況を関係者間で共有できるよう、連絡先リストや連絡手段を整理しておくといいでしょう。これにより、スムーズな連携と問題発生時の迅速な対応が可能になります。

データ移行が完了したら、必ずデータの動作確認と、消失したデータがないかを確認しましょう。移行後にデータが正常に動作するか、必要なデータがすべて移行されているかを検証することで、移行後のトラブルを防げます。

 

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クラウド型のファイル共有サービスなら『NotePM』がおすすめ

NotePM

情報共有をスムーズにし、業務効率を向上させたいなら、クラウド型ファイル共有サービス「NotePM」がおすすめです。NotePMは、強力な検索機能を備えており、必要な情報に素早くアクセスできます。ファイル名だけでなく、ファイル内のキーワードでも検索可能なため、目的のドキュメントをすぐに見つけやすいのも特徴です。

また、NotePMはアクセス権限の設定が柔軟に行える点も魅力です。部署やプロジェクト、役職など、さまざまな条件でアクセス権限を設定できるため、機密情報を安全に管理できます。

さらに、2段階認証や通信の暗号化など、セキュリティ対策も万全です。金融機関や行政でも採用されている高度なセキュリティであり、安心して利用できます。

これらの特徴により、NotePMは情報共有の効率化と、高いセキュリティの両立を実現します。ぜひNotePMを導入し、ストレスフリーな情報共有を体験してください。

 

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クラウド型のファイル共有サービス『NotePM』の導入事例

最後に、NotePMの導入事例を2つ紹介します。

  • 株式会社ディースピリット
  • 税理士法人河村会計

株式会社ディースピリット

株式会社ディースピリット

株式会社ディースピリットは、ロボットシステム開発やサーバー構築を手掛ける企業です。NotePMを導入する以前は使用するツールの規定が不明確で、情報が点在していて探しにくい状況でした。NotePMを導入したことで、情報の一元化に成功し、誰もが最新情報にアクセス可能になりました。

最新データの共有ができていないという課題もありましたが、NotePM導入後は、常に最新のデータを共有できるようになりました。これにより、情報共有の遅延による業務の停滞を防ぐことにもつながっているようです。

>関連記事:【導入事例】部門を超えた密な情報共有で 提案の質と業務効率が大幅にアップ! – 株式会社ディースピリット

税理士法人河村会計

税理士法人河村会計

税理士法人河村会計は、税務書類作成・税務相談・資金調達など、大分の企業における税務・会計業務、創業サポートなどを行う団体です。業務が属人化していることが課題だったため、マニュアル作成・共有のシステムを整備する過程でNotePMを導入しました。

NotePMはシンプルで画面が見やすく、ITツールの操作が苦手な従業員でも使いこなせたというお声をいただいています。導入後は業務マニュアルに簡単にアクセスしやすくなり、他スタッフへの質問回数が激減したことで、業務効率が上がったようです。

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ファイルサーバーをクラウド化して社内の生産性を上げよう

クラウド型ファイルサーバーは、時間や場所を選ばずにアクセス可能で、リアルタイム更新や共同編集も容易にします。初期費用や運用コストを削減でき、災害時のデータ保護にも優れているのが特徴です。一方、通信環境に左右され、カスタマイズ性や機密情報管理には注意が必要です。

導入時は、必要な機能やセキュリティ、料金体系を比較検討してファイルサーバーを選びましょう。検索性やセキュリティ対策を重要視するのであれば「NotePM」がおすすめです。高い検索性によって探している資料が見つけやすく、高度なセキュリティ対策も施されています。

「NotePM」は30日間無料でお使いいただけるので、まずはお試しからご検討ください。

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