自社でEコマースサイトを立ち上げる際には、幾つかの選択肢があります。楽天やAmazonのようなマーケットプレイスを使うことも、Shopifyのようなクラウドサービスを使うこともできるでしょう。
今回はオープンソース・ソフトウェアのEコマースシステムを紹介します。これらを使えば、自社で独自のEコマースサイトを立ち上げられます。
目次
EC-CUBE
EC-CUBEは日本製のEコマースシステムです。多くのレンタルサーバーでワンクリックインストールできるようになっており、素早く導入できます。
テーマやプラグインも数多く、何より日本の商習慣に合っているのが利点です。越境ECにも対応しており、日本国内だけでなく海外向けの販売にも利用できます。
【公式】EC-CUBE|ECサイト構築・リニューアルならECオープンプラットフォームEC-CUBE
Magento
Magentoは世界的に有名なEコマースシステムです。2018年にAdobe社に買収されており、現在はAdobe Commerceというブランドで販売されています。Magentoはオープンソース版の名称です。
小規模から年間数億円規模の売上げまで対応するシステム効率性と安定性があります。さらにマーケティング機能やB2Bへの対応を行う場合にはAdobe Commerceへの移行が推奨されるようです。
Magento Open Sourceを使い始める | Adobe Commerce
Drupal Commerce
Drupalは世界的に有名なCMSですが、Drupal CommerceはそのDrupal向けに提供されるEコマースモジュールです。
Eコマースメインというよりも、CMSとしてWebサイトがあり、その中で商品の販売を行うといった使い方になりそうです。Drupalは大企業、政府などで利用されるCMSであり、堅牢さには定評があります。
Welcart
Welcartは日本製のWordPress用Eコマースプラグインです。こちらもDrupal Commerceと同様に、CMSとしてのWordPressの強みを活かしたEコマースサイトが構築できます。
日本製なので決済や配送の仕組みなど、日本の商習慣に対応しているのが利点です。
Welcart について | 【公式】Welcart |SEOに強い!初めてでも安心の無料ネットショップ作成ツール
WooCommerce
WooCommerceもWelcart同様にWordPressプラグインになります。WooCommerceは日本製ではなく、海外製の世界的に有名なプラグインになります。
WooCommerce用の機能拡張やテーマも用意されており、拡張性の高さが売りです。国内だけでなく、世界中で販売する際に役立つでしょう。
WooCommerce – Open Source ecommerce Platform
osCommerce
osCommerceは歴史の長いEコマースソフトウェアで、2000年から20年以上にわたって開発されています。システムはPHPとMySQLの組み合わせで、数多くのフォークしたソフトウェアを生み出しています。
最新のバージョン4になって、これまでと大幅に変わっているようです。その売りの一つがApp Storeという仕組みで、マーケティングやSEOなどの機能を追加できます。
FREE shopping cart and open source eCommerce platform – Start selling on…
Zen Cart
Zen CartはosCommerceから派生したソフトウェアで、こちらも長い歴史があります(2003年に登場)。充実したテーマが用意されており、整ったデザインのECサイトを素早く構築できます。
システムはosCommerceと同じくPHPとMySQLの組み合わせなので、多くのサーバーで稼働できるでしょう。
Zen Cart Support – Zen Cart™ – Putting the dream of your own business within reach of anyone!
nopCommerce
nopCommerceはEコマースシステムとしては珍しい、ASP.NET製のEコマースソフトウェアです。Windows Serverなど、.NET系テクノロジーで動かしているシステムであれば導入が容易でしょう。
多くのプラグインとテーマ、言語パッケージがあるのでカスタマイズも容易です。GDPRにも対応し、グローバルなコマースも立ち上げられます。
無料でオープンソース の eコマースプラットフォームです。 ASP.NETベースのショッピングカートです。 – nopCommerce
PrestaShop
PrestaShopはPHP製のEコマースシステムです。WooCommerceと比較されることが多いようです。PrestaShopはWordPressプラグインではなく、独立して立ち上げられます。
レポートや分析機能が充実しており、機能拡張によって機能追加も容易です。テーマも数多く用意(有料が多いようです)されています。
Create and build your online business with PrestaShop
OpenCart
OpenCartはPHP製のEコマースシステムです。多通貨に対応し、言語ごとに通貨単位を変更できます。決済プロバイダーはあらかじめ組み込まれています。
フィルタリングによって商品を絞り込める機能が便利です。機能拡張もあり、足りない機能があれば追加できます。
OpenCart – Open Source Shopping Cart Solution
Spree Commerce
Spree Commerceは今話題のヘッドレスコマースを構築できるEコマースシステムです。フロントエンドとしてNext.js、Vueなどを使ったデモアプリがあります。
Spree Commerceとの通信はAPIを経由し、フロントエンドは静的な形でデプロイされます。よりアクセス数の多いサイトであったり、カスタマイズ性を求める場合に良い選択肢になるでしょう。
Spree Commerce – a headless open-source ecommerce platform
CubeCart
CubeCartはPHP製のEコマースシステムです。テンプレートエンジンにSmartyを採用しており、利用したことがある人であれば、容易に修正できるでしょう。
アフィリエイト機能や未ログイン時の価格非表示など、標準のままでも多彩な機能があります。また、機能拡張による機能追加にも対応しています。
Open Source Shopping Cart Software | CubeCart
Shopware
ShopwareはB2Cはもちろん、B2Bにも対応したEコマースシステムです。ヘッドレスコマースやオムニコマースにも対応しています。
決済時のフローなどを自由にカスタマイズでき、自社の商習慣に合わせられる柔軟性が売りです。
The ecommerce platform to power your online business | Shopware
Solidus
SolidusはRuby on Rails製のEコマースシステムです。Ruby on Railsの中で組み合わせられるので、自社システムとの連携も容易です。
APIはRESTとGraphQLが用意されており、外部システムとの連携も想定されています。サブスクリプションもサポートしています。
Solidus: Rails eCommerce Platform
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まとめ
自社でEコマースをはじめるならば、フルスクラッチで実装する必要はまずありません。既存のマーケットプレイスを利用するか、オープンソース・ソフトウェアを利用しましょう。
後は自社の要件に合わせて越境ECや各国語対応、プラグインの提供状態を見極めて導入すれば良いでしょう。
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