テキストマイニングツールとは、何ができるツールで、自社にどのように役立つのか、と考える担当者も少なからずいるのではないでしょうか。テキストマイニングツールは、テキストデータから必要なものを抽出し・分析するツールです。大量のデータから顧客ニーズの把握、社内の作業効率化まで幅広く役立ちます。
本記事では、テキストマイニングツールのおすすめ9選をはじめ、できること・種類・比較ポイントについても詳しく解説していきます。テキストマイニングツールの導入を検討する際に、ぜひ活用してみてください。
目次
テキストマイニングツールとは
テキストマイニングツールは、膨大なテキストデータから意味を抽出し、分析するためのツールです。自然言語処理技術を用いて、テキストデータの中から求めているキーワード・トピック・人の感情や評価などを抽出し、分析結果を可視化できます。
テキストマイニングツールでは、自然言語処理技術によるテキストを解析し、重要なキーワード・トピック・感情などを抽出します。抽出した結果を出現頻度や関連度などから分析し、グラフやチャートで可視化することで、問題点や改善点を見つけ出すことが可能です。
テキストマイニングツールは、マーケティング調査、ソーシャルメディアの情報収集や、ニュース記事の分析、翻訳などに活用されています。
テキストマイニングツールでできること
テキストマイニングツールでできることについて、以下4点を説明します。
- 顧客ニーズの把握
- 課題発見の迅速化
- 新たな切り口からの分析
- 作業効率化
それぞれ解説していきます。
顧客ニーズの把握
1つ目は、顧客ニーズの把握です。
テキストマイニングツールは顧客からのフィードバックや問い合わせなどのテキストデータを分類し、何に関する要望や不満が多いのか、それらがどのカテゴリーに属するのかを把握できます。また、テキストデータから特定の単語やフレーズを抽出することで、顧客から何の要望・ニーズ、不満があるのか特定も可能です。顧客が不満を抱えていることがわかれば、すぐに改善点を見つけられるでしょう。
顧客ニーズを把握することで、どの商品やサービスに人気があるのか、改善の余地があるかなど、特定が可能です。
課題発見の迅速化
2つ目は、課題発見の迅速化です。
大量のテキストデータから、特定のキーワードやフレーズを抽出し、問題・課題が潜んでいることを素早く特定できます。テキストに含まれる関連するキーワードやフレーズをテーマとして分類することで、複数の文書から共通する課題を見つけ出せるでしょう。また、顧客の感情や反応を把握し、問題の深刻度を図ることも可能です。
テキストマイニング技術を使用すれば、企業は、テキストデータから見えた課題に対して、対策を打てるでしょう。人が手動で分析するよりも早いため、クレーム・トラブルへの迅速対応や、潜在的なリスクに備えた対応も可能です。
新たな切り口からの分析
3つ目は、新たな切り口からの分析です。
テキストマイニングツールは、時期や期間・性別・年齢などのセグメントで分類し、分析していきます。分析定義は自社に合わせて設定可能なため、多角的に顧客ニーズを捉えられるでしょう。同じトピックに関連する文書や文章をもまとめて分類できるため、企業の蓄積された分析データから、新たな切り口でのデータ分析も可能です。
テキストマイニング技術を使用すれば、企業は新たな分析視点を得られます。また、従来の分析方法で見落としていた情報にも気づき、新たなビジネスアイデアの発見・業務プロセスの改善など、企業の業績向上につながることを期待できます。
作業効率化
4つ目は、作業効率化です。
テキストマイニングツールを使用すれば、膨大なテキストデータも自動収集・抽出・分類できます。これにより、Excelなどの手作業でデータを入力・確認して集計していた従来の手間が不要となり、作業効率も大幅に向上するしょう。また、長文も自動的に要約してダッシュボードなどに視覚的にわかりやすく表示できるため、人が読むときの理解スピードもアップします。
テキストマイニングツールを使えば、これまでマンパワー不足で分析しきれなかった自由形式などのアンケート結果も、データ化して有効活用できます。より多くのデータをより短時間で分析できるため、作業効率も大幅に向上するでしょう。
関連記事:【2024年版】おすすめ音声認識システム7選を徹底解説!効果・活用業務・選び方も詳しく紹介!
テキストマイニングツールの種類
テキストマイニングツールの主な種類として、以下があります。
- 文章抽出向け
- SNS分析向け
- コールセンター業務向け
それぞれ解説していきます。
文章抽出向け
1つ目は、文章抽出向けです。
文書抽出向けのテキストマイニングツールとして、以下のような特徴があります。
- 特定のキーワードを抽出
- 非標準的な表現や文法的に複雑な文章への対応
- 人名や地名、組織名などの固有表現にも対応
- 大量の文書を一定のルールに従った分類
- 膨大な量の文書から重要な情報の抽出
文書抽出向けのテキストマイニングツールは、新聞記事や研究論文など、複雑な文章を、効率的、かつ体系的に分類・分析できるため、多くの企業や研究機関で役立ちます。
SNS分析向け
2つ目は、SNS分析向けです。
SNSには日々大量のテキストデータが投稿されています。テキストマイニングツールはそれらのデータを分析し、顧客の嗜好や意見・トレンドなどを把握可能です。SNS分析向けのテキストマイニングツールの主な特徴として、以下があります。
- 複数のSNSサイトからテキストデータを効率的に収集できるような設計
- 口語体や略語、スラングなどの非標準的な表現にも対応
- ハッシュタグの自動的に抽出・分析
- 特定の企業やブランドの認知度の把握
SNS分析向けのテキストマイニングツールは、マーケティングや広報、顧客サポートなどを中心に活用されています。
コールセンター業務向け
3つ目は、コールセンター業務向けです。
コールセンター業務に特化したツールは、コールセンターが保持している大量の音声データやテキストデータを解析し、顧客の問題や要望・クレーム内容などを分析できます。顧客の発言内容をテキスト化したデータを、テキストマイニング技術を使うことで、顧客が何を求めているか、どのような問題が潜んでいるかを抽出し、何の対応を行うべきか判断できるでしょう。
また、コールセンターは音声でやり取りすることも多いため、会話や顧客とのやり取りをベースにした、VOCのマイニングも可能なツールもあります。音声認識技術を使って、録音された音声データをテキストデータに変換し分析していきます。これにより、他の従業員もコールセンターのオペレーターと顧客とのやりとりの内容を効率的に把握でき、発生する問題に対して、適切な対応策を講じられるでしょう。
関連記事:【2024年版】VOC分析ツールのおすすめ7選!機能やメリット・デメリットと選び方を解説
テキストマイニングツールの比較ポイント
テキストマイニングツールの比較時は、以下3つのポイントを意識することが大切です。
操作性
カスタマイズ性
分析範囲
それぞれ解説していきます。
操作性
1つ目は、操作性です。
テキストマイニングツールを扱う自社担当者に専門知識がなくても、簡単に分析できるか、出力された結果の活用が簡単かどうかなどを、確認することが必要です。たとえば、GUIの使いやすさや、操作手順がわかりやすいこと、直感的な操作が可能なことなどが挙げられます。初心者でも簡単に操作できるツールであれば、運用中に操作担当者が変わったとしても、引き継ぎも容易で安定した結果を得られるでしょう。
カスタマイズ性
2つ目は、カスタマイズ性です。
テキストマイニングツールを導入後、自社の特定のニーズや課題に応じて、カスタマイズが必要なケースも考えられます。たとえば、特定の分野の専門用語やキーワードを含むテキストを分析したいとき、専門言語の登録などが必要です。そのため、企業独自の用語・商品名などを辞書に登録できるか、企業独自の分析項目や指標も追加可能か、分析対象のデータの形式やフォーマットが、ツールで設定可能かなどについても確認していきましょう。
カスタマイズ性が高いテキストマイニングツールを選べば、自社にとってより使いやすいツールとなり、経営層などの意思決定スピードも高まるかもしれません。
分析範囲
3つ目は、分析範囲です。
分析範囲とは、ツールが対応できるテキストデータの種類や量・言語などのことを指します。たとえば、あるテキストマイニングツールが、自社が扱うデータ形式に対応していないこともあります。そのため、文書抽出・SNS・コールセンター・アンケート・チャットなど、自社が利用したいシーンに合わせて、ツールで分析可能かをしっかりと確認しましょう。
また、小規模なデータ分析に適しているツールもあれば、大量のテキストデータに強いツールもあります。自社の処理量に合っていないツールを選ぶと、処理に時間がかかる可能性があるため、注意が必要です。
分析範囲はテキストマイニングツール選定の際に重要なポイントです。自社が扱うデータに合致したツールを選びましょう。
おすすめテキストマイニングツール9選
テキストマイニングツールのおすすめについて、以下9つを紹介します。
文書抽出向け
- 見える化エンジン
- VextMiner
- Magic Insight for WEX ACサービス
- TextVoice
SNS分析向け
- Tofu Analytics
- NetBase
コールセンター業務向け
- TRAINAテキストマイニング
- Text Mining Studio
- VOiC Finder
それぞれ解説していきます。
文書抽出向け
テキストマイニングツールの文書抽出向けのツールを、以下4点紹介します。
- 見える化エンジン
- VextMiner
- Magic Insight for WEX ACサービス
- TextVoice
見える化エンジン
見える化エンジンとは、SNSや問い合わせログ、アンケート・社内文書・日報などの幅広いデータを活用できるテキストマイニングツールです。日々言語解析を進化させ、若者言葉をはじめとしたトレンドも抽出・分析可能です。直感的なUIのため、テキストマイニングツールをまだ使ったことがない方でも抵抗なく利用できます。困った時は専任のコンサルタントがお伺いして支援できる導入支援サービスもあります。
見える化エンジンの特徴
- 11年連続シェアNo.1を獲得(富士キメラ総研2022年調べ)
- SNSやコールログなど幅広いデータを専門的に分析
- Twitterの認定サービスとしてTwitterデータを活用支援
URL: https://www.mieruka-engine.com/
VextMiner
VextMinerは大量の文書情報から求めている情報を発掘できるテキストマイニングツールです。大量のデータ分析にかける時間がないとき、さまざまな意見の分析の仕方がわからないとき、担当者の変更による分類分析が変わるときなどに役立つ機能が搭載されています。カテゴライズや予兆監視機能などは標準機能、オプション機能として知識生成やバッチ処理などもあるため、活用したい状況に合わせて必要な機能を選択できるでしょう。
VextMinerの特徴
- 自動学習による文単位の分析に強み
- ビックデータに潜んでいる少数派意見を抽出
- 初心者でも安心な1日研修コースを用意
URL: https://www.vext.co.jp/vextminer/
Magic Insight for WEX ACサービス
Magic Insight for WEXは、IBM Watson Explorer搭載のツールをASP/SaaS型として利用可能なサービスです。3つのサービスがあり、1つが高機能テキストマイニングができるACサービスです。列や行などの定義がされていない非構造化データを自然言語解釈で集約し、さまざまな分析方法で視覚化できるため、新たな知見やパターンを明らかにすることも可能です。
Magic Insight for WEX ACサービスの特徴
- 構造化・非構造化データどちらにも対応
- トレンド分析やコネクション分析など7つの高度分析機能を搭載
- オンプレミスとASP・SaaSから選択可能
URL: https://www.mi-wex.jp/function/ac/
TextVoice
TextVoiceは、簡単に使える自動辞書を搭載したツールです。類似語を自動で辞書化しているため、驚くほど効率があがるでしょう。アンケートや問い合わせをはじめ、さまざまなデータに対応しており、新たな顧客ニーズを発見し、解決策を導き出すなど、企業ビジネスに活用可能です。言葉と言葉のつながりを可視化、潜在パターンのマッチングなど全部で6つの機能を搭載しています。
TextVoiceの特徴
- 誰でも分かりやすい直感的な操作
- 一度に15MBまでのデータを分析可能
- 2週間無料でお試し可能
URL: https://www.myvoice.co.jp/service/menu/txt-voice.html
SNS分析向け
テキストマイニングツールのSNS分析向けのツールを、以下2点紹介します。
- Tofu Analytics
- NetBase
Tofu Analytics
Tofu Analyticsは、SNSを分析できる最先端のツールです。独自の分析技術を搭載しており、SNSにおけるマーケティング、集客、ソーシャルリスニングを自動化していきます。AIがインフルエンサーを自動特定し、分析済みの方に対して、アプローチをかけることも可能です。AIによる画像分析機能を使えば、顧客が求めているデータを出力でき、MAツールやBIツールとの連携も可能です。
Tofu Analyticsの特徴
- 投稿の変化・リーチ総量などをモニタリング
- 1000を超えるSNSアカウント管理の実績有
- 無料トライアル可能(一定の条件有)
URL: https://tofu.misosil.com/
NetBase
NetBaseは世界トップクラスの実績を持つSNS分析ツールです。TwitterやYouTubeなど主要なSNSはもちろん、ニュースサイトやブログ、ECサイトなどのWebページのデータソースを分析可能です。自社が保有しているデータも、NetBaseにアップロードするとデータベースに蓄積され分析対象とできます。日本語英語をはじめ49ヵ国の言語に対応しています。
NetBaseの特徴
- 感情・行動・性別など様々な切り口から分析可能
- 必要なタイミングでメンバーに共有可能
- 企業向けにデモリクエストが可能
URL: https://www.netbase.co.jp/
コールセンター業務向け
テキストマイニングツールのコールセンター業務向けのツールを、以下3点紹介します。
- TRAINAテキストマイニング
- Text Mining Studio
- VOiC Finder
TRAINAテキストマイニング
TRAINAテキストマイニングは主にコールセンター向けのツールです。顧客との通話やアンケートなど膨大なデータを分析し、新しい商品の開発やサービス改善に役立てることが可能です。野村総合研究所がコンサルティング業務で培ってきた経験を活かして開発、自ら役立てることで、実業務上でも使いやすく、顧客課題を解決できます。
TRAINAテキストマイニングの特徴
- 業界・商品種別の感性辞書や感情辞書を独自に開発
- 注目すべき箇所が分かるホットスポット機能を搭載
- 導入から最短1~2週間でテキストマイニングを使用可能
URL: https://www.traina.ai/solution/textmining/
Text Mining Studio
Text Mining Studioはテキストを手軽に分析できるツールです。マウス1つで、データ読み込み、分析、レポート出力までを行えます。「単語」から一歩進んだ「係り受け単語と単語の意味的つながり)」や「態度表現(ニュアンス)」なども自然言語処理でき、顧客の課題を詳しく知り、必要な対策を導き出せます。分析結果を見て、元のテキストをすぐに確認して、説得力あるアウトプットを生成可能です。
Text Mining Studioの特徴
- 簡単な操作でテキストマイニング機能を本格利用可能
- 英語・類似抽出など便利なアドオン製品も提供
- トライアルとして1ヶ月間無料で利用可能
URL: https://www.msi.co.jp/solution/tmstudio/index.html
VOiC Finder
VOiC Finderは、「話し言葉」のVOC分析に強みがあるテキストマイニングツールです。日産自動車とSCSKが共同開発しています。音声データはあるけど、話し言葉の解析が難しくVOC分析ができていないといった際に役立ちます。複数の文章の関係性も読み取ることができ、会話から相手との関係性や、何を求めているかを適切に抽出・分析可能です。
VOiC Finderの特徴
- 10万語以上の標準辞書に加えAI自動辞書作成機能を搭載
- CX分析、ペインポイント(痛点)分析などさまざまな分析に対応
- 要望に応じて都度見積が必要
URL: https://www.scsk.jp/product/common/voic_finder/index.html
まとめ
本記事では、テキストマイニングツールについて解説しました。テキストマイニングツールには、文書抽出向け・SNS向け・コールセンター業務向けなど、大きく3つの種類に分かれます。導入を検討する際は、自社がツールを使用して何を成し遂げたいのか、どのような結果を得たいのかなどの目的を明確にしてから、適したツールを選びましょう。
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