マニュアルでフローチャートを活用するには?図形の意味や作り方・書き方を解説

2025年09月11日(木) マニュアル作成

 

業務マニュアルを作成しても、手順が複雑で現場で活用されないといった課題を抱えている企業は少なくありません。

そんなときに効果的なのが、フローチャートを活用したマニュアルの可視化です。

フローチャートを取り入れることで、業務の流れや判断ポイントが一目でわかるようになり、教育や引き継ぎの精度が向上します。

本記事では、フローチャートの図形の意味や、作成手順について、わかりやすく解説します。

また、フローチャート作成に役立つおすすめツールや導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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マニュアルのフローチャートを作る目的

フローチャートとは、業務の作業手順やシステムの処理手順を記号で表したものです。

マニュアルにフローチャートを導入する目的は、業務の整理と可視化による業務効率化にあります。

文章だけでは伝わりにくい作業の流れも図形や線で視覚的に表現できるため、誰が見ても内容を理解できます。そのため、マニュアルを理解する時間が短縮され、業務効率化を図ることが可能です。

また、担当者の経験やスキルに左右されることなく、誰もが同じ手順・品質で業務を遂行できるため、生産性の向上にもつなげられます。

マニュアルのフローチャートを作るメリット

マニュアルのフローチャートを作るメリットは以下のとおりです。

  • 業務全体を理解しやすくなる
  • 業務を効率化できる
  • 業務の見落としを減らせる

業務全体を理解しやすくなる

フローチャートを作成することで、業務全体を理解しやすくなります。

文章だけのマニュアルでは、各工程の関連性や全体像を把握するのに時間がかかりますが、フローチャートなら業務の始まりから終わりまでの流れが一目でわかります。

例えば、クレーム対応という臨機応変かつ慎重な対応が求められる業務でも、流れを可視化することで、次に必要な手順がすぐに理解できるでしょう。

新入社員でも「自分が現在どの段階にいて、次に何をすべきか」を把握できるため、業務効率化が図れます。

業務を効率化できる

フローチャートによって業務の効率化が図れるというメリットがあります。

フローチャートを作成することで業務プロセスの無駄が可視化され、改善ポイントが明確になるからです。

例えば、工程の重複や判断基準が曖昧な箇所がある場合、図で表現することで問題が浮き彫りになります。業務の問題点が明確になることで、プロセスの統合や自動化などの改善ができるため効率化が図れます。

無駄な工程を削減し、手順を最適化することで、業務全体のスピードアップと生産性の向上が実現可能です。

業務の見落としを減らせる

フローチャートにより業務の見落としを減らし、品質を安定させることができます。

特に、クレーム対応やシステムトラブルの対応など、状況に応じて手順が細かく分かれる業務においてフローチャートを活用することで、迅速に対応しながら、ヒューマンエラーの削減が可能です。

また、各工程での確認項目をフローチャート内に明記することで、経験の浅い担当者でもエラーを減らして作業できます。

フローチャートの標準化により、業務品質の安定化とリスク防止の強化が可能です。

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マニュアルのフローチャートで使用する図形の意味

ここでは、フローチャートで使用する図形の意味を解説します。

マニュアルのフローチャートで使用する図形は以下のとおりです。

  • 開始・終了
  • 条件分岐
  • 処理
  • 矢印・線

開始・終了

開始・終了

「開始・終了」は、業務の始まりと終わりを明確に示すための記号です。この記号は「端子(たんし)」とも呼ばれ、角が丸い長方形または楕円形のような形で表されます。

すべてのフローチャートは必ず「開始」の端子から始まり、「終了」の端子に至ります。

フローチャートを確認する際は、まず上部に位置する開始マークから順番にチェックしましょう。

条件分岐

条件分岐

「条件分岐」は、特定の条件によって、その後の作業内容が変わる場合に使用する記号です。

ひし形の図形から複数の矢印が出ており、それぞれ「はい」「いいえ」や具体的な条件に応じて異なる処理へと進みます。

例えば、「クレーム内容は緊急対応が必要か?」という判断が必要な場合は条件分岐を用意し、「はい」の場合は上司への即時報告、「いいえ」の場合は通常対応という具合に処理が分岐します。

処理

処理

「処理」は、業務の中で行われる具体的な作業や操作内容を表す記号です。

長方形の図形で示され、「報告書を部長に提出する」といった、具体的なアクションを簡潔に記述します。

「処理」の記号を順番に並べていくことで、業務の基本的な流れが形づくられます。

矢印・線

矢印・線

「矢印・線」は、フローチャートの各図形をつなぎ、処理(プロセス)の流れの方向を示す記号です。矢印は原則として一つの処理から出て、次の処理に向かい、流れが一方通行であることを示しています。

基本的には矢印や線を上から下、または左から右に配置することで、読みやすいフローチャートが作成できます。

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マニュアルで使用するフローチャートの作り方

ここでは、マニュアルで使用するフローチャートの作り方をステップで解説します。

  1. 目的を決める
  2. フローチャートを作るツールを選定する
  3. 対象の作業の工程を洗い出す
  4. 工程を順番どおりに並べる
  5. 工程の関係性を図形で表す
  6. 運用してフィードバックを収集する

1.目的を決める

フローチャートを作成する際には、まず目的を明確にするところから始めましょう。

フローチャートの目的が新人教育用なのか、業務標準化のためなのかなどによって、記載すべき内容の詳細度や表現方法が変わるためです。

例えば、新人教育用であれば基本的な用語の説明や詳細な手順を含める必要がありますが、経験者向けの業務標準化なら要点のみに絞った解説で問題ありません。

目的が明確になれば、読者となる対象者のスキルレベルや必要とする情報の方向性も決まるため、以降の進め方がスムーズになります。

2.フローチャートを作るツールを選定する

目的が決まったら、フローチャート作成に使用するツールを選定しましょう。

ExcelやPowerPointなどの汎用ツールから、NotePMのようなマニュアル作成に特化したツールまで、さまざまな選択肢があります。

ツールを選ぶ際には、以下の項目をもとに自社に合ったツールを選定しましょう。

  • 操作性の良さ
  • 作成のしやすさ
  • 共有のしやすさ
  • 更新の容易さ
  • 検索機能の有無

特に複数部門で共有する場合は、誰でも簡単に編集・更新できるツールを選ぶことが重要です。

また、作成後の管理など、長期的な運用を見据えてツール選定を行いましょう。

3.対象の作業の工程を洗い出す

フローチャートを作成するために、対象の作業の工程を洗い出しましょう。

実際に業務を担当している従業員へのヒアリングや、現在のマニュアルを参考にしながら、考えられる限りの業務手順を洗い出します。特に、業務が属人化している場合は、担当者のノウハウを徹底的にヒアリングすることで、他の人でも遂行できるようになります。

また、状況によって作業の分岐が発生する場合は、条件と分岐後の処理も合わせて確認しましょう。

作業の手順が洗い出せたら、実際の業務と照合し、現場の実態との乖離がないかチェックしてください。

4.工程を順番どおりに並べる

作業工程の洗い出しが完了したら、正しい作業手順に沿って並べ替えていきます。この段階で、工程の前後関係や、依存関係も整理しましょう。

事前に処理の順番を視覚的に示し、矢印などで関係性を整理しておくことで、誰が見ても理解できるフローチャートを作成できます。

もし並べ替えの段階で、作業の順序に不明点やあいまいな部分があれば、再度現場の担当者に確認し、正確なプロセスを確定させましょう。

5.工程の関係性を図形で表す

工程を順番どおりに並べたら、実際にフローチャートの図形に置き換えましょう。

この工程では、以下の基本図形を使い、各工程を表現します。

  • 開始・終了(角が丸い長方形)
  • 処理(長方形)
  • 条件分岐(ひし形)

図形内に記載する処理内容は簡潔に記載し、必要に応じて説明を付け加えます。そして、並べた順番どおりに、図形を「矢印・線」でつないでいきます。

条件分岐がある場合は、「はい」と「いいえ」それぞれの矢印の先が、どの処理につながるのかを明確に示しましょう。

業務フロー全体が図形で表せたら完成です。

6.運用してフィードバックを収集する

作成したフローチャートは、実際の業務で使用してもらい、現場からのフィードバックを収集しましょう。作成したフローチャートには、担当者にわかりにくい表現があったり、想定外の状況が記載されていなかったりといった改善点が見つかることがあるためです。

もし、修正箇所があってもそのまま放置すると、マニュアルに対する信用がなくなり、現場で使用されないフローチャートになる恐れがあります。

利用者からフィードバックを集め、修正を重ねることで現場で役立つフローチャートを維持できます。

フローチャート・マニュアル作成にはツールを使うのがおすすめ!

フローチャートを含むマニュアルの作成・管理には、専用のツールを利用するのがおすすめです。ツールを導入することによって、フローチャートやマニュアルの作成が効率化され、更新や管理のしやすさも向上します。

ツールにはテンプレート機能を備えているものもあり、ゼロからフローチャートを作成する手間が省け、作業効率が高められます。

また、専用ツールを使えば、フローチャートの管理を一元化できるため常に最新のマニュアルにアクセス可能です。業務のたびに担当者が最新のマニュアルを探す時間が短縮されるため生産性の向上が期待できるでしょう。

専用ツールの中でも、ナレッジマネジメントツール『NotePM』がおすすめです。フローチャートを活用したマニュアル作成において、NotePMがおすすめである具体的な理由は、以下のとおりです。

  • 豊富なテンプレート
  • 高い検索性

豊富なテンプレート

NotePMには、業務フローチャートから手順書まで、さまざまな用途に対応したテンプレートが豊富に用意されています。

フローチャートを作成する際にテンプレートを活用することで、ゼロから作る手間が削減され、統一感のあるマニュアルを短時間で作成可能です。

テンプレートは自社の業務に合わせてカスタマイズ可能で、一度作成したフォーマットを組織内で共有・再利用することもできます。部門間でのマニュアルの書式が統一されるため、どこに何が書いてあるかわかりやすいフローチャートやマニュアルを作成できます。

高い検索性

NotePMは検索性の高さにより、従業員がマニュアルやワークフローを探す時間を短縮できます。

NotePMでは、ページのタイトルや本文だけでなく、WordやExcel、PDFといった添付ファイルの中身まで全文検索の対象となります。

例えば、「あの業務の手順、どこに書いてあったかな」という場合でも、関連するキーワードで検索すれば、目的のマニュアルに迅速にたどり着くことが可能です。この検索機能により資料を探す時間を10分の1まで削減できます。

高い検索性が、マニュアル利用のハードルを下げ、組織内でのナレッジ活用を促進します。

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『NotePM』を導入した成功事例

税理士法人FLAGS

中小企業向けに税理士業務を請け負う税理士法人FLAGS。同社では、マニュアル類をクラウドフォルダで管理していましたが、検索性の低さや更新のしにくさに課題を感じていました。

今後、必要な情報を迅速にアップロードして共有したいと考えていた中、『NotePM』を導入しました。
NotePMの導入後は、情報を検索しやすくなったため従業員の業務効率がアップ。また、報告書をテンプレート化したことにより、情報そのものが確認しやすくなりました。

特に、入所手続きに関するマニュアルを整備したことで、必要な情報はNotePMを参照してもらうようにしています。結果として、担当者の作業工数が体感で半分程度に削減されました。

関連記事:【導入事例】新人教育の工数を5割削減!所内の情報を集約して生産性を向上させるNotePMの活用方法 – 税理士法人FLAGS(旧:税理士法人末松会計事務所)

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マニュアルのフローチャートを作って業務を効率化しましょう

本記事では、マニュアルにおけるフローチャートの作成目的から、具体的な作り方、そして便利なツールまでを解説しました。

フローチャートは、複雑な業務プロセスを可視化し、誰にでもわかりやすく伝えるために有効な手段です。フローチャート付きのマニュアルを整備することで、業務の属人化を防ぎ、新人教育のコストを削減し、組織全体の生産性を向上させられます。

ぜひ、『NotePM』のようなツールも活用しながら、わかりやすいフローチャート・マニュアルを作成し、日々の業務効率化を実現してください。

NotePM