ChatGPTは誰もが使える高性能なAIとして注目を集める一方で、「嘘ばかりつく」「制限されて使えない」といった評判もあります。ChatGPTは本当に使えないツールなのでしょうか。この記事では、ChatGPTが使えないと言われている理由とその仕組み、ChatGPTを使いこなすコツについて解説します。
ChatGPTの基本的な知識については、以下の記事で全般的に解説していますので、参考にしてください。
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目次
ChatGPTが使えないと言われる理由
高性能なAIであるChatGPTは、使い方によっては十分に技術を発揮できず、「使えない」と言われることもあります。ChatGPTを上手に使いこなすためにも、苦手としている領域とその理由をしっかり把握しましょう。
嘘や架空の情報を含んだ回答をする
ChatGPTは人間が書いたような自然な文章を生成できますが、文章に含まれる情報の精度には課題が多いです。課題の1つは、情報の信憑性です。存在しない商品やURLを答えたり、人名を入力すると嘘の経歴を生成したりすることもあり、ChatGPTによる珍回答はたびたび話題に上がっています。そのため、現時点では検索エンジンの代わりとして使うことは難しいでしょう。
もう1つは、対応可能な情報の範囲です。ChatGPTは2022年初頭までに学習した情報をもとに、文章を生成しています。そのため、2022年以降の出来事に関する質問や、未来に関する質問には答えられません。また、学習内容は Web上のテキストであり、十分な精査が行われていないため、差別や偏見といったバイアスが掛かった回答になることもあります。このことを開発元であるOpenAIも問題視していて、不適切な回答になる可能性が高い質問に対してはエラーが表示される仕組みになっています。
アクセスが集中すると利用が制限される
ChatGPTは発表された時から大きな注目を集めていて、全世界でのユーザー数はリリースからたった5日で1億人を突破しました。それほど多くの人が利用しているため、サーバーに大きな負荷が掛かり、回答の速度が遅くなります。タイミングによっては一時的に利用が制限されて、エラーメッセージが表示されることもあります。とくに日本時間の深夜帯は、アメリカの日中にあたるため、アクセスが集中しやすい時間帯です。
有料版のChatGPT Plusであれば、アクセスが集中している時も優先的に回線を使用できます。普段と同じスピードで回答を受け取ることができ、エラーが起きる可能性も減らせるでしょう。無料版よりも高性能なモデル「GPT-4」が搭載されているため、回答の精度も高くなります。ただし、月額20ドル(2400円)の出費が必要なので、利用目的に見合ったコストかどうか判断してください。
ChatGPTの仕組み
ChatGPTには、高性能な大規模言語モデルであるGPT-3.5とGPT-4が使われています。このGPTシリーズはWeb上の膨大なテキストデータから言語を学習して、GPT-3.5は3,550億個、GPT-4は100兆個のパラメーターを持っています。このパラメーターによって、まるで和歌の枕詞のように「〇〇という単語に続く言葉は△か□」と予測する能力を身に付けました。
GPTシリーズが搭載されたChatGPTでも、パラメーターの働きによってユーザーが入力した質問(プロンプト)を理解し、それに応じた言語を生成する仕組みです。生成された回答(トークン)は、正しい文法を用いているだけでなく、膨大なパラメーターをもとに文脈のニュアンスも調整できます。これが、まるで人間のように自然な文章を紡ぐことができる理由です。
ChatGPTが得意なこと
ChatGPT の苦手とすることをふまえて、どんな賢い使い方ができるのでしょうか。ここでは、ChatGPTの代表的な得意分野を5つ紹介します。
1. ブレインストーミング
人間には実現不可能なスピードでテキストを生成する特性を活かして、ブレインストーミングを行うことができます。たとえば、いきなり上司から「商品の製造工程でコストカットする方法を30秒で提案して」と頼まれた場合、即答できる人は多くないでしょう。こうした無理難題を何度も押し付けられることで、パワハラだと感じる可能性もあります。ですが、AIであるChatGPTは淡々と出力可能です。人間と違っていつでも一定の品質を保ち、夜中や早朝など時間を問わず対応できます。回答の精度には粗があるため内容の精査は必要ですが、アイデアの叩き台としては十分に活用可能でしょう。
2. 表現の変換
ChatGPTはテキストの要約や翻訳が得意です。要約や翻訳したいテキストを入力したうえで「以上の文章を要約・翻訳して」という指示を添えると、30秒程度で出力されます。また、難解なテキストを初心者向けに変換したり、キャラクターに扮した表現をしたりといった使い方も可能です。ただし、ChatGPT自身がリアルタイムでWebページにアクセスすることはできないため、Web上のテキストを変換したい場合は該当部分をコピペするようにしてください。
3. 正解が限られている質問
ChatGPTは情報の精査はできないものの、解釈の余地が限られているテキストを出力するのは得意です。そのため、Excelで使う関数や、プログラミングに使うコードとの相性が良いと言われています。目的に合った関数やコードを教えてもらったり、関数やコードを入力して意味を聞いたりといった使い方が可能です。また、「国連の常任理事国を教えて」「相対性理論を小学生向けに説明して」など、教科書的な説明を求める質問にもしっかりと答えることができます。
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4. テキストの添削・校正
入力したテキストが文法的に正しいかを判断した上で、客観的な視点から内容の改善点も指摘してもらえます。お客様に送るメールに誤字脱字がないか、稟議書の改善ポイントはどこかなどを教えてもらうこともできるでしょう。また添削や校正は、文章に限らず関数やコードなどあらゆるテキストデータに有効です。たとえばソフトウェア開発の現場では、デバック前にタイプミスがないかチェックしてもらうこともできます。
5. 抽象度の高い会話
事前学習したWeb上の情報をもとに回答を生成するため、一般論や概要をざっくりと説明するのは得意です。たとえば「SaaSとアプリケーションの違いを教えて」と問いかけると両者の概要と相違点を教えてくれますし、「当社が海外進出を目指すべきか教えて」というと一般的な検討ポイントを教えてくれます。また、質問の文脈から細かなニュアンスを読み取るため、悩み相談をすると感情に寄り添いながらアドバイスをしてくれます。
ビジネスにおいてChatGPTが担う役割
分野によっては人間以上に高い能力を発揮するChatGPTは、これからのビジネスシーンでどんな存在として役立つのでしょうか。
機械的に作業する有能なアシスタント
人間には成し得ない、AIだからこそのスピード感を仕事に活かせます。人間がアウトプットしたテキストの添削・校正を依頼することで、タスクに掛かる時間を短縮可能です。反対に、ゼロからアウトプットする工程をChatGPTに任せて、出力されたテキストをもとに人間がタスクを進めることもできます。ChatGPTに任せられる範囲は業務内容によって異なりますので、自社独自の活用方法を確立して、ナレッジとして社内に発信すると良いでしょう。
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客観的な意見を貰える相談相手
別の視点からの意見が欲しいときに、ChatGPTが頼りになります。たとえばお客様への提案資料を作成しながら、商品の魅力が伝えられるか不安に感じたときは、ChatGPTに尋ねてみてください。お客様の立場から、提案資料に書かれている商品の説明がどう映るか判断してもらえます。また、AIだからこそ人に直接聞きづらい悩みも話しやすいことも魅力です。「年上の部下との接し方に悩んでいます」「長時間残業している同僚が多くて、定時になっても帰りづらいです」など仕事に関する相談にも乗ってくれます。
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まとめ
ChatGPTはまだ回答精度が荒く、アクセス数によっては利用が制限されることもあります。ですが、使い方のコツを掴めば業務効率化をサポートしてくれる有能なツールです。積極的に仕事に取り入れて、生産性アップを目指しましょう。自社に合った活用方法が見つかったら、ナレッジとしてまとめましょう。マニュアルを簡単に作成・共有できるNotePMを活用するのがおすすめです。
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