
社内ポータルやマニュアルとしてSharePointを活用する中で、「ページが長すぎて目的の情報にたどり着けない」「特定のセクションを共有したいのにページ全体のURLしか送れない」といった課題を感じていませんか。情報が増えるほど、スクロールの手間が増え、必要な箇所を見つけるまでに時間がかかってしまいます。
こうした課題を解決するのが、ページ内の特定の見出しやセクションへ直接ジャンプできる「アンカーリンク(ページ内リンク)」です。SharePointのモダンUIでは、見出しWebパーツに対してアンカーリンクが自動生成される仕様となっており、以前のクラシックUIと比べて設定が大幅に簡略化されています。
本記事では、SharePointモダンUIでのアンカーリンク取得方法から目次の作成手順、リンクが機能しない場合のトラブルシューティング、さらに見出し以外の箇所へリンクを飛ばす高度な設定まで、実務で役立つ情報を網羅的に解説します。
目次
SharePointページ内リンク(アンカーリンク)とは

アンカーリンクは、Webページ内の特定の見出しやセクションへ直接ジャンプさせる機能です。ユーザーは長いページを上から下まで読む必要がなく、クリック一つで目的の箇所へ移動できるため、スクロール負荷が大幅に軽減されます。特に社内ポータルやマニュアルのように情報量が多いページでは、アンカーリンクの有無が利便性を大きく左右します。
企業における情報共有基盤として、クラウドサービスを活用する動きが広がっています。社内ポータルやナレッジベースとしてSharePointのようなプラットフォームを導入する企業が増える中で、「情報の見つけやすさ」が重要な課題となっています。ページが長文化すればするほど、必要な情報へのアクセス性が低下し、結果として業務効率の低下を招きかねません。
SharePointモダンUIでは、見出しWebパーツに対してアンカーリンクが自動生成される仕様となっており、以前のクラシックUIよりも設定が簡略化されています。クラシックUIではHTMLソースを直接編集してID属性を手動で付与する必要がありましたが、モダンUIではその作業が不要になり、管理工数が削減されました。この変更により、技術的な知識が少ない担当者でも、ページ内リンクを活用した使いやすいページを作成できるようになっています。
SharePointモダンUIでのアンカーリンク設定方法

モダンUIのページでは、公開済みのページ上で見出しにマウスをホバーするだけで、リンクアイコンからアンカーURLを簡単に取得できます。この仕組みにより、技術的な知識がなくても、誰でも直感的にページ内リンクを設定できるようになっています。
見出しからアンカーリンクを取得する手順
見出しWebパーツからリンクアイコンを表示させ、URLをコピーするまでの流れを説明します。

1. ページを公開または再公開する
アンカーリンクを取得するには、まずページを「公開」または「再公開」した状態にする必要があります。下書き状態ではリンクアイコンが表示されないため、編集中のページでは取得できません。公開後、ページを閲覧モードで開いてください。
2. 見出しにカーソルを合わせてリンクアイコンを表示
ページを公開または再公開した状態で、H2またはH3レベルの見出しにカーソルを合わせると、左側にリンクアイコンが表示されます。このアイコンは、見出しにマウスをホバーした際のみ表示される仕様です。
3. リンクアイコンをクリックしてURLをコピー
リンクアイコンをクリックすると、URLがクリップボードにコピーされます。このURLには末尾に「#見出し名」のアンカーが含まれており、ページ内の特定の見出しへジャンプするための固定リンクとして機能します。コピーしたURLは、テキストWebパーツやTeamsチャットなど、任意の場所で利用できます。
テキストにアンカーリンクを設定する手順
コピーしたアンカーURLを、テキストWebパーツ内の任意の文字列にハイパーリンクとして紐付ける流れを説明します。
1. テキストWebパーツを編集モードにする
リンクを設定したいテキストWebパーツの編集アイコンをクリックし、編集モードに切り替えます。テキストWebパーツ内で、リンクを設定したい文字列を選択してください。
2. リンク挿入メニューからアンカーURLを貼り付け
テキストWebパーツの編集メニューからリンク挿入を選択し、コピーしたアンカーURLをそのまま貼り付けることでページ内遷移が可能になります。リンクを設定後、ページを保存・公開すれば、ユーザーはそのテキストをクリックするだけで目的の見出しへジャンプできます。
クラシックUIとモダンUIの違い
HTMLソースの直接編集が必要だったクラシックUIと、自動生成されるモダンUIの仕様差を整理します。
| 項目 | クラシックUI | モダンUI |
| アンカー生成方法 | HTMLソースを直接編集してID属性を手動で付与 | 見出し作成時にシステムが自動でアンカーを生成 |
| リンク取得方法 | HTMLソースからID属性を確認し、手動でURL構築 | 見出しにマウスをホバーしてリンクアイコンからコピー |
| 必要な技術知識 | HTML/CSSの基礎知識が必要 | 技術知識不要、直感的な操作で設定可能 |
| 管理工数 | 手動設定のため工数が大きい | 自動生成により工数が大幅に削減 |
モダンUIではID属性を手動で付与する必要がなく、見出し作成時にシステムが自動でアンカーを生成するため、管理工数が大幅に削減されます。この変更により、技術的なハードルが下がり、より多くの担当者がページ内リンクを活用できるようになりました。
SharePointページに目次を作成する方法

SharePointには見出しを自動抽出して目次を作る標準パーツがないため、テキストWebパーツを用いて手動でリンク集を作成する必要があります。
この作業には一定の工数がかかりますが、ユーザビリティを大きく向上させることができます。
手動目次の作成手順

1. ページ最上部にテキストWebパーツを配置
目次を設置したい位置(通常はページ最上部、導入文の直後)にテキストWebパーツを追加します。このWebパーツが目次の土台となります。
2. 見出し構造に合わせた箇条書きを作成
テキストWebパーツ内に、ページ内の見出し構造に合わせた箇条書きを作成します。H2見出しを第1階層、H3見出しを第2階層として、インデントを使って階層構造を表現すると、視認性が高まります。
3. 各行にアンカーURLを適用
ページ最上部にテキストWebパーツを配置し、見出し構造に合わせた箇条書きを作成してから、各行にアンカーURLを適用するのが最も効率的です。前述の手順で取得したアンカーURLを、対応する目次項目にリンクとして設定していきます。すべての項目にリンクを設定したら、ページを保存・公開してください。
このように、SharePointでは目次の作成と更新に手作業が必要ですが、社内wikiツールのNotePMであれば、見出し構造から目次を自動生成する機能が標準搭載されています。マニュアルの量が多く、目次のメンテナンスに時間を取られている場合は、ツールの使い分けを検討するのも一つの手です。
運用時の注意点:見出し変更とリンク切れ対策
SharePointのアンカーURLは見出し文字列に依存するため、見出しを変更した際は目次側のリンクURLも手動で更新しなければなりません。
たとえば、「導入手順」という見出しを「セットアップ手順」に変更した場合、アンカーURLの末尾も「#導入手順」から「#セットアップ手順」に変わります。目次側のリンクを更新しないと、ユーザーがクリックしても正しい箇所へジャンプできなくなります。
このリンク切れを防ぐためには、見出しを変更するたびに目次のリンクも同時に更新する運用ルールを設けることが重要です。また、定期的にページ全体のリンクをチェックし、リンク切れがないか確認する作業も推奨されます。
補足:ページトップへ戻るリンクの設置
長文ページの下部から瞬時に上部へ戻るための、UXを向上させるリンク設定テクニックを紹介します。
各セクションの末尾に「ページトップへ戻る」というリンクを置き、URL末尾に「#」のみを指定することで、ページ最上部へジャンプさせることができます。この設定により、ユーザーは長いページを読み進めた後、スクロールせずに一気にページトップへ戻ることができ、利便性が向上します。
設定方法は簡単です。テキストWebパーツで「ページトップへ戻る」などのテキストを作成し、リンク挿入メニューでURLに「#」のみを入力します。この「#」は、ページの最上部を指す特殊なアンカーとして機能します。
SharePointのアンカーリンクが機能しない原因と解決策

この章では、設定したリンクが飛ばない、あるいはエラーになる主な要因(未公開、権限、エンコード等)を特定し、それぞれの解消法、そしてよくある疑問に回答します。
アンカーリンクが機能しない最大の要因は、ページが「下書き」状態であることや、閲覧者に適切なアクセス権限が付与されていないことにあります。設定自体は正しくても、これらの前提条件が満たされていなければリンクは正常に動作しません。
ページ未公開・権限不足によるエラー
編集中の下書き状態ではリンクアイコンが表示されない仕様や、権限設定によるアクセスの制限について解説します。
リンクを取得するには、少なくとも一度はページを「発行」または「再公開」する必要があり、未公開の状態ではアンカーURLが有効になりません。下書き状態のページでは、見出しにマウスをホバーしてもリンクアイコンが表示されないため、アンカーURLを取得することができません。
また、ページへのアクセス権限が適切に設定されていない場合も、アンカーリンクは機能しません。たとえば、閲覧者にページの閲覧権限がない場合、アンカーURLをクリックしてもアクセス拒否のエラーが表示されます。この問題を解決するには、SharePointサイトの権限設定を確認し、必要なユーザーやグループに閲覧権限を付与してください。
URLエンコード・ブラウザキャッシュの問題
日本語見出しによるエンコードの不具合や、ブラウザのキャッシュが原因で古いURLを参照してしまう問題の解決策を説明します。
日本語の見出しはURLエンコードにより非常に長くなる場合があり、ブラウザによっては正常に遷移できないことがあります。この問題を解決するには、ブラウザのキャッシュをクリアするか、別のブラウザで検証することが有効です。また、見出しをシンプルな英数字に変更することで、エンコード後のURLが短くなり、互換性が向上する場合もあります。
ブラウザのキャッシュが原因で、古いページ構造やURLを参照してしまうこともあります。この場合、ブラウザのキャッシュをクリアするか、シークレットモード(プライベートブラウジング)で開くことで、最新の状態を確認できます。
SharePoint特定セクション・テキストブロックへの直接リンク方法

この章では、見出し以外の場所へリンクを飛ばすための制約と回避策、MarkdownWebパーツを利用した高度なカスタマイズ手法、そしてTeams・モバイルでのアンカーリンク挙動について順に解説します。
モダンUIの標準機能では、テキストWebパーツ内の任意の行や画像に対して直接アンカーを自動生成することはできません。アンカーリンクは基本的に見出しWebパーツに対してのみ自動生成される仕様となっています。
見出し以外へのリンク設定の制約

標準機能の限界を理解し、代替案として「直前に空の見出しを置く」などの運用上の工夫を紹介します。
特定の文章にジャンプさせたい場合は、その直前に小さな見出し(H3など)を配置し、その見出しのアンカーURLを利用するのが最も現実的な回避策です。たとえば、重要な注意事項や補足説明にジャンプさせたい場合、その直前に「注意事項」「補足」などの見出しを追加し、その見出しのアンカーURLを目次や本文中のリンクとして設定します。
この方法では、ページの構造に見出しが増えることになりますが、情報の整理にもつながるため、結果的にユーザビリティが向上する場合が多いです。見出しのスタイルを調整して目立たなくすることもできますが、情報構造を明確にする観点からは、適切な見出しを付けることが推奨されます。
MarkdownWebパーツを使った高度なアンカー設定
MarkdownWebパーツ内でHTMLのaタグとid属性を記述すれば、任意の箇所をリンク先(アンカー)として定義することが可能になります。この方法は、HTML/CSSの基礎知識が必要ですが、見出し以外の箇所へ柔軟にリンクを設定できるため、高度なページ構成を実現したい場合に有効です。
具体的には、MarkdownWebパーツを追加し、以下のようなHTMLコードを記述します。
<a id=”custom-anchor”></a>
<p>ここにジャンプさせたいテキストを記述</p>
このコードにより、「custom-anchor」というIDが付与されたアンカーポイントが作成されます。このアンカーへジャンプするには、リンクのURLに「ページURL#custom-anchor」を指定します。ただし、この方法はSharePointの標準機能ではないため、将来的なアップデートで動作が変わる可能性がある点に注意してください。
Teams・モバイルでのアンカーリンク挙動
PCブラウザ以外での動作精度を検証し、マルチデバイス環境で共有する際の注意点をまとめます。
Microsoft Teamsのタブで表示する場合やモバイルアプリでは、通信環境やアプリの仕様によりジャンプ位置がずれることがあるため、事前検証が推奨されます。特にモバイルアプリでは、画面サイズが小さいことや、スクロール位置の計算方法が異なることから、意図した位置に正確にジャンプしない場合があります。
実際に運用する前に、対象デバイスやアプリでアンカーリンクの動作を確認し、必要に応じて見出しの位置や構成を調整してください。また、Teamsチャットでアンカーリンクを共有する際は、「特定のセクションへジャンプします」といった説明を添えることで、ユーザーの混乱を防ぐことができます。
SharePointページ内リンク(アンカーリンク)設定方法まとめ

アンカーリンクと目次の活用は、長文ページにおけるユーザーの目的達成時間を短縮し、社内ポータルの利便性を向上させます。特にSharePointモダンUIでは、見出しに対するアンカーリンクが自動生成される仕様となっており、クラシックUIと比べて設定の手間が大幅に削減されました。
本記事で解説した手順に従えば、技術的な知識がなくても、ページ内リンクを活用した使いやすいページを作成できます。ただし、見出しを変更した際は目次側のリンクも手動で更新する必要があるため、運用ルールを明確にし、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。
情報共有ツールの操作習熟は、組織全体の生産性向上に直結します。アンカーリンクや目次といった基本機能を適切に活用することで、社内ポータルの情報アクセシビリティが改善され、従業員の業務効率が向上します。運用の自動化やリンク切れの根本解決を求める場合は、目次自動生成機能を備えたNotePMのような専用ツールの導入も選択肢の一つとなります。


