Teamsでファイルを共有したのに「アクセスできません」と言われた、外部の協力会社にだけ特定のフォルダを共有したいのに方法がわからない——こうした悩みは、Teamsを使っている多くのチームリーダーや情報システム担当者が一度は経験するトラブルです。
実は、Teamsのファイル共有で「アクセス権がない」というエラーが起こる原因の多くは、ファイルの保存場所(SharePointかOneDriveか)と、共有リンクの範囲設定のミスにあります。チャネルで共有したファイルはSharePointに保存され、チーム全体が自動的にアクセスできる一方、チャットで共有したファイルはOneDriveに保存されるため、個別に権限を設定しなければ相手は開けません。
この記事では、Teamsのファイル共有におけるアクセス権の仕組みと、具体的な設定手順を初心者にもわかりやすく解説します。「組織内のユーザー」「特定のユーザー」「リンクを知る全員」といった共有リンクの使い分けから、外部ユーザー(ゲスト)への安全な共有方法、さらには「アクセスできない」というエラーが出たときの原因別の対処法まで、実務で役立つ知識を網羅しています。
適切なアクセス権設定を理解すれば、情報漏洩のリスクを抑えながら、チーム内外のメンバーとスムーズに共同作業ができるようになります。
目次
Teamsファイル共有の仕組みと保存場所
Teamsでファイルを共有すると、実は裏側でSharePointやOneDriveといったMicrosoftのクラウドストレージに保存されています。この保存先の違いが、アクセス権トラブルの根本原因になっていることが少なくありません。
チームのチャネルで共有したファイルはSharePointに保存され、チームメンバー全員が自動的にアクセスできる仕組みです。一方、個人同士のチャットや少人数のグループチャットで共有したファイルは、共有者のOneDrive for Businessに保存されるため、相手に個別で権限を付与しなければ開けません。
この違いを理解していないと、「チャネルでは問題なく共有できたのに、チャットで送ったら相手が開けない」という状況に陥ります。まずは、Teamsのファイル共有がどこに保存され、どのように権限が管理されているのかを押さえておきましょう。
チャネル共有とチャット共有の違い
Teamsでファイルを共有する方法には、大きく分けて「チャネルでの共有」と「チャットでの共有」の2種類があります。この2つは保存先が異なるため、アクセス権の管理方法もまったく違います。
■チャネル共有:SharePointに保存され、チーム全体がアクセス可能
チームのチャネルにファイルをアップロードすると、そのファイルは自動的にSharePointのチームサイトに保存されます。チームに所属しているメンバーは、特別な設定をしなくても全員がそのファイルを閲覧・編集できる仕組みです。たとえば、プロジェクトチームで議事録や資料を共有する場合、チャネルにアップロードすれば、メンバー全員がいつでもアクセスできます。
■チャット共有:OneDrive for Businessに保存され、個別に権限設定が必要
一方、個人同士のチャットや少人数のグループチャットでファイルを送信すると、そのファイルは送信者のOneDrive for Businessに保存されます。この場合、受信者がファイルを開くには、送信者が個別に閲覧・編集の権限を付与する必要があります。権限を付与していないと、受信者には「アクセス権がありません」というエラーが表示されてしまいます。
この違いを知らずに、チャットで気軽にファイルを送ってしまうと、相手が開けずに困るという事態が起こりやすくなります。チーム全体で共有したい場合はチャネルを、特定の相手だけに送りたい場合はチャットを使い、それぞれの保存先と権限の仕組みを意識することが大切です。
SharePointとOneDriveの権限の仕組み
TeamsでファイルをSharePointに保存するか、OneDriveに保存するかによって、アクセス権限の管理方法が大きく変わります。この違いを理解しておくと、「なぜ相手がファイルを開けないのか」という疑問を解消しやすくなります。
■SharePoint:チーム単位で権限が自動継承される
SharePointは、チームやプロジェクト単位でファイルを管理するための仕組みです。Teamsのチームを作成すると、自動的にSharePointのチームサイトが作られ、チャネルにアップロードしたファイルはここに保存されます。チームに所属しているメンバーは、特別な設定をしなくても全員がファイルにアクセスできます。
さらに、SharePointではフォルダやファイル単位で詳細なアクセス権限を設定することも可能です。たとえば、特定のフォルダだけを一部のメンバーに限定して公開したり、閲覧のみに制限したりといった柔軟な管理ができます。
■OneDrive:個人ストレージのため、共有リンク発行時に都度権限設定が必要
OneDrive for Businessは、個人が使うための大容量クラウドストレージです。Teamsのチャットでファイルを送信すると、送信者のOneDriveに保存され、受信者には共有リンクが送られます。ただし、このリンクを開くには、送信者が事前に「このファイルを誰に、どの権限で共有するか」を設定しておく必要があります。
設定を忘れると、受信者がリンクをクリックしても「アクセス権がありません」というエラーが表示されてしまいます。OneDriveは個人のファイル管理には便利ですが、チーム全体での共有には向いていません。
アクセス権トラブルが起こる主な原因
Teamsでファイルを共有したのに「アクセスできません」というエラーが出る場合、原因はいくつかのパターンに分かれます。ここでは、実務でよく起こるトラブルの原因を3つ紹介します。
■共有リンクの範囲設定ミス
ファイルの共有リンクには、「組織内のユーザー」「特定のユーザー」「リンクを知る全員」といった範囲設定があります。たとえば、「組織内のユーザー」に設定したリンクを外部の協力会社に送っても、相手は開けません。また、「特定のユーザー」に設定したリンクを、指定していない人に送った場合も同様にエラーが出ます。
リンクを作成するときに、誰に共有したいのかを意識して範囲を選ぶことが重要です。
■チーム・チャネルへの招待漏れ
SharePointに保存されたファイルは、チームメンバーであれば自動的にアクセスできます。しかし、チームに招待していない人にファイルのリンクを送っても、相手はアクセスできません。外部の協力会社や、社内の他部署のメンバーにファイルを共有したい場合は、まずチームやチャネルに招待するか、個別に権限を付与する必要があります。
■OneDrive共有時の権限付与漏れ
チャットでファイルを送信すると、送信者のOneDriveに保存されます。このとき、受信者に閲覧・編集の権限を付与していないと、相手はファイルを開けません。OneDriveの共有設定は自動では行われないため、送信者が手動で権限を設定する必要があります。
Teamsでのアクセス権設定の基本手順
Teamsでファイルのアクセス権を設定する方法は、大きく分けて「共有リンクを使う方法」と「ファイル・フォルダ単位で個別に権限を設定する方法」の2つがあります。それぞれの方法には向いている場面があり、状況に応じて使い分けることで、スムーズなファイル共有が可能になります。
共有リンクは、手軽に複数の相手にファイルを共有したいときに便利です。リンクの範囲を「組織内のユーザー」「特定のユーザー」「リンクを知る全員」から選ぶことで、誰がアクセスできるかをコントロールできます。一方、ファイルやフォルダ単位で個別に権限を設定する方法は、より細かいアクセス管理が必要な場合に適しています。
ここからは、それぞれの方法について具体的な手順を解説していきます。
共有リンクでアクセス権を設定する方法
共有リンクは、Teamsで最も手軽にファイルを共有できる方法です。リンクを作成して相手に送るだけで、ファイルにアクセスしてもらえます。ただし、リンクの範囲設定を間違えると、相手が開けなかったり、逆に意図しない人にファイルが公開されたりするため、設定内容をしっかり確認することが大切です。
共有リンクには、「組織内のユーザー」「特定のユーザー」「リンクを知る全員」の3種類があります。それぞれどのような場面で使うべきか、具体的に見ていきましょう。
1. 組織内のユーザーと共有
「組織内のユーザー」に設定した共有リンクは、自社のMicrosoft 365アカウントを持っている社員全員がアクセスできるリンクです。社内の誰かに資料を共有したいが、具体的に誰に送るかは決まっていないという場合に便利です。
この設定では、リンクを知っている社内の誰でもファイルを開けるため、機密情報を含むファイルには注意が必要です。また、外部の協力会社や取引先には、このリンクではアクセスできません。
権限は「編集可」と「閲覧のみ」の2種類から選べます。資料を見てもらうだけなら「閲覧のみ」、一緒に編集作業を進めたい場合は「編集可」を選びましょう。
2. 特定のユーザーと共有
「特定のユーザー」に設定した共有リンクは、指定したメールアドレスの相手だけがアクセスできるリンクです。社内の特定のメンバーや、外部の協力会社に限定してファイルを共有したい場合に最適です。
この設定では、リンクを知っていても、指定されていないユーザーはファイルを開けません。機密性の高い資料や、限られたメンバーだけで共有したい情報には、この方法が最も安全です。
外部ユーザー(ゲスト)にも共有できますが、組織の設定で外部共有が許可されている必要があります。もし外部ユーザーに共有できない場合は、IT管理者に確認してみましょう。
3. リンクを知る全員と共有
「リンクを知る全員」に設定した共有リンクは、リンクを知っている人なら誰でもアクセスできるリンクです。社内外を問わず、リンクを受け取った人全員がファイルを開けるため、広く公開したい資料や、アクセス制限をかけたくない情報に使います。
ただし、この設定は最もセキュリティリスクが高く、リンクが意図しない相手に転送されると、誰でもファイルを閲覧できてしまいます。機密情報や個人情報を含むファイルには、絶対に使わないようにしましょう。
一時的なイベント資料や、社外向けの公開資料など、広く共有することが前提の情報に限定して使うことをおすすめします。
ファイル・フォルダ単位で個別に権限を設定する方法
共有リンクではなく、ファイルやフォルダに直接アクセス権限を設定したい場合は、SharePointの「アクセス許可の管理」機能を使います。この方法を使うと、特定のユーザーやグループに対して、より細かい権限レベル(フルコントロール・編集・閲覧)を設定できます。
たとえば、プロジェクトフォルダ全体を特定のチームメンバーだけに公開したい、あるいは一部のメンバーには編集権限を与えず閲覧のみに制限したいといった場合に便利です。
設定はSharePointのサイトから行う必要がありますが、一度設定すれば、そのフォルダ内のファイルすべてに権限が適用されるため、個別にリンクを作成する手間が省けます。
アクセス権を変更・削除する方法
一度設定したアクセス権は、後から変更したり削除したりすることができます。たとえば、プロジェクトが終了したので外部メンバーの権限を削除したい、あるいは共有リンクを無効化して新しいメンバーだけにアクセスを許可したいといった場合に使います。
既存の共有リンクを無効化するには、Teamsのファイルタブから対象のファイルを右クリックし、「リンクの管理」を選択します。ここで表示される共有リンクの一覧から、削除したいリンクを選んで「リンクの削除」をクリックすれば、そのリンクは無効になります。
特定のユーザーの権限を編集・削除したい場合は、SharePointの「アクセス許可の管理」から、該当するユーザーを選んで権限を変更するか、完全に削除します。権限を削除すると、そのユーザーはファイルにアクセスできなくなるため、誤って必要なメンバーの権限を削除しないよう注意しましょう。
ファイルにアクセスできない時の原因と対処法
Teamsで共有されたファイルを開こうとしたときに、「アクセスできません」「このファイルにアクセス権がありません」といったエラーメッセージが表示されることがあります。このようなトラブルは、アクセス権の設定ミスや、共有リンクの範囲設定が原因で起こることがほとんどです。
ここでは、よくあるエラーのパターンごとに、原因と具体的な対処法を解説します。自分がファイルを開けない場合だけでなく、共有した相手から「開けない」と言われたときにも、このセクションを参考にしてください。
チームやチャネルに招待されていない
SharePointに保存されたファイルは、チームメンバーであれば自動的にアクセスできます。しかし、チームに招待されていない人にファイルのリンクを送っても、相手は「アクセス権がありません」というエラーが出てファイルを開けません。
この場合の対処法は、チームの所有者にチームへの招待を依頼することです。チームの所有者は、Teamsの画面でチーム名の右にある「…」をクリックし、「メンバーを追加」から新しいメンバーを招待できます。
また、組織の設定でゲストアクセスが無効になっている場合、外部ユーザーをチームに招待できないことがあります。この場合は、IT管理者に連絡して、ゲストアクセスを有効にしてもらう必要があります。
共有リンクの範囲外のユーザーである
共有リンクには「組織内のユーザー」「特定のユーザー」「リンクを知る全員」といった範囲設定があります。たとえば、「組織内のユーザー」に設定したリンクを外部の協力会社に送っても、相手は開けません。また、「特定のユーザー」に設定したリンクを、指定していない人に送った場合も同様にエラーが出ます。
この場合の対処法は、共有者にリンクの範囲を変更してもらうか、自分を「特定のユーザー」に追加してもらうことです。共有者は、Teamsのファイルタブから対象のファイルを右クリックし、「リンクの管理」を選択することで、既存のリンクの範囲を変更したり、新しいリンクを作成したりできます。
外部ユーザーに共有したい場合は、「特定のユーザー」に設定して、相手のメールアドレスを指定するか、「リンクを知る全員」に設定する必要があります。ただし、「リンクを知る全員」はセキュリティリスクが高いため、機密情報には使わないよう注意しましょう。
OneDrive共有時に権限が付与されていない
Teamsのチャットでファイルを送信すると、そのファイルは送信者のOneDrive for Businessに保存されます。このとき、受信者に閲覧・編集の権限を付与していないと、相手はファイルを開けません。
受信者側で「アクセス権を要求」ボタンが表示される場合は、このボタンをクリックして送信者にアクセス権の付与を依頼できます。送信者には通知が届くので、OneDriveから該当のファイルを開き、受信者に権限を付与しましょう。
送信者側で権限を付与するには、OneDriveのWebサイトにアクセスし、該当のファイルを右クリックして「共有」を選択します。ここで受信者のメールアドレスを入力し、「編集可」または「閲覧のみ」の権限を選んで送信すれば、相手がファイルを開けるようになります。
組織の外部共有設定で制限されている
組織のIT管理者が、セキュリティポリシーの一環として外部ユーザーへのファイル共有を無効化している場合があります。この場合、いくら共有リンクを作成しても、外部ユーザーはアクセスできません。
この問題を解決するには、IT管理者に連絡して、外部共有の設定を変更してもらう必要があります。ただし、組織によってはセキュリティ上の理由で外部共有を許可していないこともあるため、まずは社内のセキュリティポリシーを確認しましょう。
もし外部共有が許可されない場合は、別の方法でファイルを共有する必要があります。たとえば、メール添付で送る、外部向けのファイル共有サービスを使う、といった代替手段を検討してください。
ケース別のアクセス権コントロール術
Teamsのアクセス権設定は、基本的な共有リンクの使い方だけでなく、より高度な管理方法を知っておくと、実務でのトラブルを大幅に減らせます。外部ユーザーへの安全な共有方法、ダウンロード禁止の設定、期限付きリンクの活用など、状況に応じた細かいコントロールが可能です。
ここでは、実務でよくあるケースごとに、アクセス権を適切に管理するための具体的なテクニックを紹介します。
外部ユーザー(ゲスト)に安全に共有する方法
外部の協力会社や取引先にファイルを共有したい場合、まず組織の設定でゲストアクセスが有効になっているかを確認する必要があります。ゲストアクセスが無効になっていると、外部ユーザーをチームに招待できません。IT管理者に確認して、必要に応じて設定を変更してもらいましょう。
ゲストアクセスが有効であれば、チームの所有者はTeamsの画面でチーム名の右にある「…」をクリックし、「メンバーを追加」から外部ユーザーのメールアドレスを入力して招待できます。招待されたゲストは、招待メールに記載されたリンクからTeamsにアクセスし、指定されたチームやチャネルのファイルを閲覧・編集できるようになります。
ただし、ゲストが閲覧できる範囲は、招待されたチームやチャネルに限定されます。組織全体のファイルにアクセスできるわけではないため、機密情報が漏れるリスクは比較的低いです。それでも、外部ユーザーに共有する際は、以下のセキュリティチェックリストを確認しておくと安心です。
- 共有するファイルに機密情報が含まれていないか
- ゲストの権限を「閲覧のみ」に制限できないか
- 共有期間が終わったらゲストの権限を削除する予定があるか
【コラム】ゲストユーザーの権限を定期的に見直そう
外部ユーザーへのアクセス権は、プロジェクト終了後も残り続けることがあります。四半期ごとにゲストユーザーのリストを確認し、不要になった権限は削除する習慣をつけましょう。SharePointの「サイトの設定」から「サイトの権限」を開くと、現在アクセス権を持っているユーザーの一覧を確認できます。
ダウンロード禁止・閲覧のみ許可の設定
ファイルを共有したいが、相手にダウンロードや編集をさせたくない場合は、SharePointの「ダウンロード禁止」設定を使います。この設定を有効にすると、相手はブラウザ上でファイルを閲覧できますが、ローカルにダウンロードしたり、印刷したりすることができなくなります。
設定方法は、SharePointのサイトにアクセスし、対象のファイルまたはフォルダを右クリックして「設定」を選択します。ここで「ダウンロードの禁止」オプションを有効にすれば、閲覧のみ許可の状態になります。
この機能は、機密性の高い資料を外部ユーザーに見せる必要があるが、ファイルを持ち出されたくない場合に非常に有効です。ただし、スクリーンショットを撮られる可能性は完全には防げないため、本当に重要な情報は共有しないという判断も必要です。
期限付き共有リンクの活用
プロジェクトが一定期間だけ進行する場合や、一時的に外部ユーザーにファイルを共有したい場合は、共有リンクに有効期限を設定すると便利です。有効期限を設定しておけば、期限が過ぎた後は自動的にリンクが無効になり、相手はアクセスできなくなります。
設定方法は、Teamsのファイルタブから対象のファイルを右クリックし、「リンクをコピー」を選択します。リンク設定画面で「有効期限を設定」を選び、任意の日付を指定すれば、その日を過ぎるとリンクは無効になります。
この機能は、プロジェクト期間限定の共有に最適です。たとえば、3ヶ月間のプロジェクトで外部メンバーと協力する場合、プロジェクト終了日を有効期限に設定しておけば、終了後に手動で権限を削除する手間が省けます。
フォルダ単位での権限管理のベストプラクティス
プロジェクトごとにフォルダを分けて権限を設定すると、ファイルの管理がぐっと楽になります。たとえば、「営業資料」「開発資料」「経理資料」といったフォルダを作り、それぞれに関係するメンバーだけがアクセスできるよう権限を設定すれば、情報の混乱や漏洩のリスクを減らせます。
SharePointでは、フォルダに設定した権限が、その中のファイルすべてに自動的に継承されます。つまり、フォルダ単位で一度権限を設定すれば、新しいファイルを追加するたびに個別に権限を設定する必要がありません。階層構造をうまく活用することで、管理の手間を大幅に減らせます。
ただし、権限を設定したまま放置すると、退職者や異動者のアクセス権が残り続けることがあります。定期的に権限の棚卸しを行い、不要なアクセス権を削除することが重要です。
複雑な権限管理が必要な場合、Teamsの標準機能だけでは限界を感じることもあります。そのような場合は、NotePMのようなナレッジ管理ツールを活用すると、プロジェクト単位や組織単位で柔軟にアクセス範囲を設定でき、ゲスト権限の管理も細やかに行えます。ファイル共有とナレッジ蓄積を両立させたい場合に、検討する価値があるでしょう。
情報漏洩を防ぐアクセス権管理の注意点
Teamsでのファイル共有は便利ですが、アクセス権の設定ミスが原因で、意図しない相手に機密情報が漏れてしまうリスクがあります。特に、共有リンクの範囲設定を間違えたり、退職者の権限を削除し忘れたりすると、重大なセキュリティインシデントにつながる可能性があります。
ここでは、情報漏洩を防ぐために押さえておくべきアクセス権管理の注意点を解説します。
よくあるアクセス権設定ミスと対策
実務でよく起こるアクセス権設定のミスには、いくつかの典型的なパターンがあります。これらを事前に知っておくことで、トラブルを未然に防げます。
■「リンクを知る全員」での共有を安易に使用
「リンクを知る全員」に設定した共有リンクは、リンクを知っている人なら誰でもアクセスできるため、非常に便利です。しかし、このリンクが意図しない相手に転送されると、機密情報が外部に漏れる危険性があります。機密性の高いファイルには、絶対に「リンクを知る全員」を使わず、「特定のユーザー」に限定しましょう。
■外部共有を意図せず有効化
組織の設定で外部共有が有効になっていると、社員が気づかないうちに外部ユーザーにファイルを共有してしまうことがあります。IT管理者は、外部共有の設定を定期的に見直し、必要に応じて制限をかけることが重要です。
■退職者・異動者の権限削除漏れ
社員が退職したり、他部署に異動したりした後も、以前のアクセス権が残り続けることがあります。これを放置すると、本来アクセスできないはずの人がファイルを閲覧できてしまいます。人事異動のタイミングで、アクセス権の見直しを行う仕組みを作りましょう。
定期的な権限の棚卸しと監査
アクセス権は一度設定したら終わりではなく、定期的に見直すことが重要です。四半期ごとに権限のレビューを実施し、不要なアクセス権を削除する習慣をつけましょう。
SharePointには、アクセス権のレポート機能があります。この機能を使えば、誰がどのファイルにアクセスできるかを一覧で確認できます。特に、外部ユーザーや退職者のアクセス権が残っていないかをチェックすることが大切です。
また、不要な共有リンクが残っている場合は、「リンクの管理」から無効化しましょう。特に「リンクを知る全員」に設定したリンクは、プロジェクト終了後に必ず削除することをおすすめします。
より高度なアクセス管理を行いたい場合は、NotePMのような専門ツールの活用も検討できます。NotePMには、誰がいつページを見たかを確認できる閲覧履歴機能や、見ていないページがわかる未読管理機能が搭載されており、情報共有の状況を可視化できます。柔軟なアクセス制限と組み合わせることで、セキュリティ強化と情報共有の両立が可能になります。
組織のセキュリティポリシーとの整合性
Teamsでのファイル共有は、組織のセキュリティポリシーに従って行う必要があります。IT部門がガイドラインを策定している場合は、それに従ってアクセス権を設定しましょう。
特に、機密情報や個人情報を扱う場合は、社内のルールを厳守することが重要です。たとえば、「外部共有は禁止」「ダウンロード禁止設定を必須とする」といったルールがある場合は、それに従って設定を行いましょう。
また、業界によってはコンプライアンス要件が厳しく、特定のデータを外部に持ち出すことが法律で禁止されている場合もあります。医療情報や金融情報を扱う場合は、特に注意が必要です。
Teamsと連携できるファイル共有・権限管理ツール
Teamsの標準機能であるSharePointやOneDriveは、基本的なファイル共有には十分ですが、より高度な権限管理やナレッジ共有を実現したい場合、サードパーティのツールを活用するという選択肢もあります。
ここでは、Teamsと連携できる主要なファイル共有・ナレッジ管理ツールを紹介し、それぞれの特徴と選定ポイントを解説します。
Teamsネイティブ機能の限界と課題
SharePointやOneDriveは、Teamsとのネイティブな連携が強みですが、いくつかの課題もあります。特に、ファイル検索の弱さとナレッジの体系化の難しさは、多くの企業が直面する問題です。
SharePointの検索機能は、ファイル名やファイルのプロパティを対象にしていますが、ファイルの中身まで検索することはできません。たとえば、WordやPDFの本文中に書かれたキーワードで検索したい場合、SharePointでは見つけられないことがあります。
また、SharePointは権限設定が複雑で、フォルダやファイル単位で細かく設定できる反面、管理が煩雑になりがちです。特に、大規模な組織やプロジェクトでは、誰がどのファイルにアクセスできるかを把握するのが難しくなります。
さらに、ナレッジの蓄積という観点では、SharePointはあくまで「ファイル置き場」であり、情報を体系的に整理してチーム全体で活用する仕組みとしては不十分です。より高度な管理が必要な場合は、専門のツールを検討する価値があります。
主要ツールの比較表
Teamsと連携できる主要なファイル共有・ナレッジ管理ツールを、アクセス権設定の柔軟性、検索機能、Teams連携、料金の4つの観点から比較しました。
| サービス名 | アクセス権設定 | 検索機能 | Teams連携 | 料金 |
|---|---|---|---|---|
| SharePoint Online | 詳細な権限設定が可能 | ファイル名のみ検索 | ネイティブ統合 | 月額630円/ユーザー〜(多くはMicrosoft 365に含まれる) |
| OneDrive for Business | 個人ストレージ、共有リンクで権限設定 | ファイル名のみ検索 | ネイティブ統合 | Microsoft 365プランに含まれる |
| Box | 7段階の詳細な権限設定 | ファイル名+ファイル内全文検索 | 公式アプリで連携 | 月額1,980円/ユーザー〜 |
| Dropbox Business | 3種類のシンプルな権限設定 | ファイル名+ファイル内全文検索(プランによる) | 公式アプリで連携 | 月額1,800円/ユーザー〜 |
| NotePM | プロジェクト・組織単位で柔軟に設定 | ファイル内全文検索(Word、PDF等) | 更新通知をTeamsに送信 | 月額3,800円〜(8ユーザー) |
この比較表から、各サービスの強みが見えてきます。SharePointとOneDriveはTeamsとのネイティブな連携が最大の強みですが、検索機能やナレッジ管理の面では専門ツールに劣ります。Boxはセキュリティと詳細な権限管理に優れ、Dropboxはシンプルで使いやすい操作性が魅力です。NotePMは、ファイルの中身まで検索できる全文検索機能と、柔軟なアクセス制限を両立している点が特徴です。
各ツールの特徴と選定ポイント
ここでは、confirmed_servicesに含まれる各サービスの特徴を個別に解説します。自社の業務環境や既存ツールとの連携を考慮して、最適なツールを選びましょう。
1. SharePoint Online
SharePoint Onlineは、Microsoft 365に含まれる法人向けのクラウドストレージサービスです。Teamsのチームで共有されるファイルは、実質的にこのSharePointサイト上に保存・管理されています。
単なるファイル共有に留まらず、ポータルサイトの構築や文書管理、ワークフローの自動化など、組織の情報共有基盤として多機能に活用できるのが特徴です。フォルダやファイル単位で非常に詳細なアクセス権限設定が可能で、コンプライアンスやセキュリティ要件に応じた柔軟な権限管理ができます。
ただし、設定が複雑で、IT管理者でないと使いこなすのが難しい面もあります。また、検索機能はファイル名やプロパティに限られ、ファイルの中身まで検索することはできません。
推奨利用シーン:Teamsを中心に業務を進めており、追加コストをかけずに基本的なファイル共有と権限管理を行いたい企業。
2. OneDrive for Business
OneDrive for Businessは、Microsoft 365に含まれる個人利用を主目的としたオンラインストレージサービスです。Teamsのプライベートチャットや1対1のチャットで共有したファイルは、共有者のOneDrive for Businessに保存されます。
PCのデスクトップやドキュメントフォルダと同期させることで、個人のファイルをクラウド上で安全に管理し、必要に応じて他者と共有することができます。ファイルやフォルダ単位での共有とアクセス権設定が可能で、共有リンクの有効期限やパスワード設定もできます。
ただし、個人用ストレージという性質上、チーム全体での情報共有には向いていません。また、SharePointと同様に、検索機能はファイル名のみに限られます。
推奨利用シーン:個人の作業ファイルを安全に保管し、必要に応じて特定の相手に共有したい場合。
3. Box
Boxは、セキュリティと管理機能に非常に優れた法人向けクラウドストレージサービスです。7段階のアクセス権限設定や、電子透かしの挿入、詳細なログ監査機能など、企業の厳格なセキュリティポリシーに対応できる機能を豊富に備えています。
TeamsのチャネルとBoxフォルダを連携させることで、Teams内で直接Boxのファイルを操作できます。また、全てのファイルに対するAES 256ビット暗号化など、高度なセキュリティ機能が標準で提供されています。
金融機関や政府機関など、高いセキュリティレベルが求められる組織での導入実績が豊富です。ただし、料金はやや高めで、法人向けプランはBusinessが月額1,980円/ユーザーから(最小3ユーザー)となっています。
推奨利用シーン:機密情報や個人情報を含むファイルを扱う企業で、厳格なセキュリティとコンプライアンス要件に対応したい場合。
4. Dropbox Business
Dropbox Businessは、「シンプルで使いやすい」ことに定評のあるオンラインストレージサービスの法人向けプランです。ファイル同期の速さと安定性に優れており、ITリテラシーを問わず直感的な操作が可能です。
Teamsと連携することで、チャネル内でDropbox内のファイル共有やプレビューができます。アクセス権限は「所有者」「編集者」「閲覧者」の3種類のシンプルな設定で、共有リンクへのパスワード設定や有効期限設定も可能です。
また、ファイル名だけでなく、ファイル内のテキストも検索対象にできる全文検索機能がプランによっては利用できます。法人向けプランはStandardが月額1,800円/ユーザーから(最小3ユーザー)です。
推奨利用シーン:ITツールに不慣れな従業員でも教育コストをかけずに導入・活用したい企業。大容量ファイルの共有や同期をスムーズに行いたい場合。
5. NotePM
NotePMは、単なるファイル置き場ではなく、ファイルに付随するマニュアルやノウハウといった「ナレッジ」を蓄積・共有することに特化したツールです。WordやPDFなど、ファイルの中身まで検索できる強力な全文検索機能を持ち、SharePointでは見つけられなかった情報も簡単に探し出せます。
ノート(プロジェクトや部署単位)ごとに柔軟なアクセス権限設定が可能で、社外メンバー向けのゲスト権限も用意されています。誰がいつページを見たかを確認できる閲覧履歴機能と、見ていないページがわかる未読管理機能を搭載しており、情報共有の状況を可視化できます。
Teamsへの更新通知など、チャットツールとの連携も可能です。プラン8(8ユーザー、3,800円/月)から利用でき、閲覧のみのユーザーは課金対象外となる場合があります。
推奨利用シーン:ファイル共有だけでなく、社内マニュアルやノウハウを体系的に蓄積・活用したい企業。検索性やセキュリティ、履歴管理に優れた環境を求める場合。
【コラム】ナレッジ管理ツールとファイルストレージの違い
SharePointやBoxなどのファイルストレージは「ファイルを保存する場所」であるのに対し、NotePMのようなナレッジ管理ツールは「情報を体系的に整理して活用する仕組み」です。たとえば、議事録や業務マニュアルを作成する場合、ファイルストレージではWordファイルとして保存しますが、ナレッジ管理ツールではWebページとして作成し、タグやフォルダで整理できます。検索性が高く、チーム全体で情報を探しやすくなるのが大きな違いです。
Teamsのアクセス権設定を適切に管理し、安全な情報共有を実現しよう
Teamsでのファイル共有は、アクセス権の仕組みを正しく理解すれば、チーム内外のメンバーとスムーズに共同作業ができる便利な機能です。チャネル共有とチャット共有の違い、SharePointとOneDriveの権限の仕組み、共有リンクの範囲設定といった基本を押さえることで、「アクセスできない」というトラブルを大幅に減らせます。
また、外部ユーザーへの安全な共有方法、ダウンロード禁止設定、期限付きリンクの活用など、状況に応じた細かいコントロールを行うことで、情報漏洩のリスクを抑えながら効率的な情報共有が可能になります。定期的な権限の棚卸しと、組織のセキュリティポリシーに従った運用を心がけることも重要です。
Teamsの標準機能だけでは限界を感じる場合は、BoxやDropbox Business、NotePMといったサードパーティツールの活用も検討する価値があります。特に、ファイルの中身まで検索できる全文検索機能や、柔軟なアクセス制限、閲覧履歴の可視化といった高度な機能が必要な場合は、NotePMのようなナレッジ管理ツールが適しています。
まずは無料トライアルで実際の使い勝手を確認し、自社の業務に合うかを試してみることをおすすめします。適切なツールと運用ルールを組み合わせることで、安全かつ効率的なファイル共有環境を実現できるでしょう。


