予算案は、事業やプロジェクトの成功を左右する重要な指針の一つです。しかし「何から手をつければよいかわからない」「どんな項目を入れればよいのか」と悩む担当者もいるでしょう。
本記事では、すぐに使える無料のテンプレート7選に加え、予算案を作成するメリットや作成方法を解説します。本記事を参考に、テンプレートを活用して、説得力のある実用的な予算案を作成してみてください。
目次
予算案とは
予算案とは、経営管理の一環であり、売上や経費などの数値目標を管理するプロセスに使用する書式のことです。会社やプロジェクトで「どこまで何を目指すか」を数値で示した計画を表すこともあります。
1年後やプロジェクト終了時のゴールを設定しておくことで、コスト管理だけでなく具体的な活動計画も明確にしやすくなるでしょう。必要な資金やリソースを洗い出し、資金配分やスケジュール管理に取り組むのが重要です。
予算案を作成する3つのメリット
予算案を作成するメリットは、以下の3つです。
- 効率よく予算を活用できる
- 目標を共有しやすくなる
- リスクに対処しやすくなる
メリットを理解することで、予算案を導入しやすくなるでしょう。
効率よく予算を活用できる
金銭や人力・時間といった限られたリソースの使い道を事前に明確にできるため、手元にある資源を無駄なく活用できます。
経費を使いすぎれば経営が苦しくなりますが、削減しすぎると必要な投資ができず、売上・利益アップのチャンスを逃してしまう可能性もあるでしょう。しかし、予算案を作成し、重要度の高い項目に優先的に資金を割り振れば、バランス良く効果的な運用が可能です。
目標を共有しやすくなる
予算案を作成することで、どれだけのお金を使い・何を達成するのかが明確になるため、目標を共有しやすくなります。各自の役割や、やるべきこともはっきりするので、一人ひとりの責任感も高まるでしょう。
目標の共有ができていれば、経営陣の意思決定や重要な情報が現場に伝わりやすくなり、スピーディーな行動と成果にもつながります。
リスクに対処しやすくなる
予算を組む段階で経済状況や市場環境の変化・想定されるリスクを事前に洗い出せるので、プロジェクトや事業のリスクに柔軟に対応しやすくなります。
事前に進捗をモニタリングできる体制が整えられるため、必要な資源や戦略の見直しもしやすいでしょう。また、事前の想定があれば問題が発生しても、経営への影響を最小限に抑えられます。
予算案の作成方法5ステップ
予算案の作成方法は、以下の5ステップです。
- ステップ1:目標を設定する
- ステップ2:必要な項目をリストアップする
- ステップ3:期間を設定する
- ステップ4:予算を調整する
- ステップ5:定期的に予算を見直す
ステップに従うことで、効果的な予算案を作成できるでしょう。
ステップ1:目標を設定する
明確な目標設定をすることで、具体的なアクションや予算配分を決めやすくなります。プロジェクトの目的をはっきりさせ、達成に必要なアクションをリストアップしましょう。
たとえば、マーケティングキャンペーンを実施するなら、必要なスタッフや広告費などのリソースとコストを具体的に整理するのが重要です。売上や新規顧客数など、達成すべき数値目標も明確に設定することで、精度の高い予算案を作成できます。
ステップ2:必要な項目をリストアップする
抜け漏れがあると後から予算が足りなくなる可能性があるので、必要な項目をすべて洗い出しましょう。人件費や機器・資材費、運営費など、具体的な費用項目をリストアップし、必要な金額をできるだけ詳細に見積もります。
市場価格や過去のプロジェクトデータを参考にすると、より現実的な数字を出すことが可能です。
ステップ3:期間を設定する
具体的な期間を設定することで、予算の消費ペースを適切に把握できます。各作業にどれくらいの時間がかかるかを見積もり、全体のスケジュールを組み立てましょう。
また、マイルストーン(中間地点)を設けて、それぞれに対応する期間と予算も設定します。予期せぬ遅延やトラブルに備え、予備の時間や予算を確保しておくと安心です。
ステップ4:予算を調整する
予算案を作成したら、全体のコストや予定期間・使うリソースを見直し、微調整しましょう。初期の予算案が現実に合っているとは限らないため、計画通り進めるかを評価します。
評価結果をもとに、無理のない範囲で予算案を調整し、より現実的で実行可能な予算案に仕上げていくのが重要です。
ステップ5:定期的に予算を見直す
予算案を作成した後は、定期的な見直しが欠かせません。経費を項目ごとに分けて予算と実績の差をチェックし、差が大きい場合は原因を調べて改善策を実行しましょう。
継続的に見直しをすることで、予算の過不足を防ぎ、必要に応じて柔軟に予算案を修正できます。
【無料】予算案のテンプレート7選
ここでは、無料で使える予算案のテンプレート7選を紹介します。
テンプレートの種類 | Excelファイル |
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年間売上予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
プロジェクト予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
販売・マーケティング費用予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
固定費・変動費予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
設備投資予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
人件費予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
新規事業予算案 | ダウンロードする(個人情報入力なし) |
テンプレートを参考に、自社に合った予算案を作成しましょう。
年間売上予算案
年間売上予算案のテンプレート
項目 | 1月 | 2月 | ~ | 11月 | 12月 | 合計 |
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売上予測 | ||||||
変動費用 | ||||||
固定費用 | ||||||
利益 | ||||||
設備投資計画 | ||||||
予算実績比較 |
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年間売上予算案は、企業の年間売上目標を設定し、月ごとの売上計画を明確にするための指標です。営業戦略の実行とともに、売上の予測や調整を行う基盤となります。
プロジェクト予算案
プロジェクト予算案のテンプレート
プロジェクト名 | タスク/項目 | 担当者 | 開始日 | 終了日 | 予定費用 | 実績費用 | 差異 | 備考 |
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プロジェクト予算案は、特定のプロジェクトに必要なリソース、時間、予算を計画するための指針です。各プロジェクトの目標や実施方法を定め、必要な予算を事前に確保します。適切な予算管理により、プロジェクトの成功確率が高まるでしょう。
販売・マーケティング費用予算案
販売・マーケティング費用予算案のテンプレート
費用カテゴリ | 施策 | チャネル | 1月 | 2月 | ~ | 11月 | 12月 | 合計 |
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販売・マーケティング費用予算案は、企業の販売促進活動やマーケティング活動に必要な予算を設定するための計画です。広告・イベント・SNSキャンペーンなど、具体的な活動ごとに予算を配分し、効果的なマーケティング戦略を実行します。
固定費・変動費予算案
固定費・変動費予算案のテンプレート
費用種別 | 費用カテゴリ | 費目 | 単価 | 数量 | 1月 | 2月 | ~ | 11月 | 12月 | 年間合計 |
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固定費・変動費予算案は、企業のコスト構造を管理するために必要な予算案です。固定費と変動費を分けて計画することで、経営状況の安定性や変動性を把握し、適切なコスト削減や投資戦略を立てられます。
※光熱費や人件費は、業種や契約形態によっては変動費・固定費のいずれにも区分される“準固定費”に該当する場合があります。
設備投資予算案
設備投資予算案のテンプレート
資産カテゴリ | 資産名 | 部門 | 購入予定日 | 取得価格 | 1月 | 2月 | ~ | 11月 | 12月 | 年間合計 |
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設備投資予算案は、企業の設備や機器・インフラにかかる投資予算を計画するための案です。生産ラインの設備更新やオフィスのリニューアル・IT機器の導入など、企業の成長に必要な設備投資を予算化します。
人件費予算案
人件費予算案のテンプレート
部門 | 職位 | 氏名 | 基本給(月) | 賞与(月数) | 社会保険料率(%) | 1月 | 2月 | ~ | 11月 | 12月 | 年間総額 |
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人件費予算案は、企業の人員にかかる経費を予算化するための計画です。従業員の給与や賞与・社会保険料などの人件費を予測し、予算内での運営を確保します。
新規事業予算案
新規事業予算案のテンプレート
フェーズ | 費用カテゴリ | 項目 | 担当者 | 開始日 | 終了日 | 予定費用(総額) | 1月 | 2月 | ~ | 11月 | 12月 | 年間合計 |
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新規事業予算案は、企業が新たに立ち上げる事業に必要な予算を計画するための案です。市場調査や製品開発・広告宣伝費用など、事業開始に必要な資金を見積もり、適切な資源配分をします。
予算案を作成する際の3つの注意点
予算案を作成する際の注意点は、以下の3つです。
- 現実的な数字で設定する
- 過去のデータを活用する
- 余裕を持って予算を設定する
注意点を意識して、バランスの良い予算案を作成しましょう。
現実的な数字で設定する
曖昧な数値や極端な金額を使うと計画自体が破綻する可能性があるため、必ず現実的な数値を設定しましょう。人件費や物品購入費・運営費など、経費を細かくリストアップし、業界平均や過去のデータを参考に適切な金額を見積もる必要があります。
また、見積もった数字が本当に現実的かどうか細部まで確認し、必要に応じて見直すことも重要です。
過去のデータを活用する
前年度の予算や過去のプロジェクトで実際にかかったコストや期間・リソースを参考にすることで、現実的な見積もりができます。一方で、過去のデータが現状に当てはまるとは限らないため、市場環境や組織体制の変化などは改めて確認しておきましょう。
また、予想外の経費や失敗の経験も新しい予算案に反映させれば、より精度の高い予算案を作成できます。
余裕を持って予算を設定する
予算案を作成する際は、予算全体に適度な余裕を持たせるのが重要です。余裕を持った予算であれば、予期せぬ出費やリスクが発生したとき、柔軟に対応できます。
ただし、余裕を持たせすぎると無駄な支出が増えたり、財務状況が悪化したりする恐れもあるので注意しましょう。過去のプロジェクトで発生した予想外のコストや、業界で一般的なリスクを参考にしながら、現実的な範囲で余裕額を設定するのがおすすめです。
予算案を作成するなら「NotePM」がおすすめ
NotePMは、精度の高い「予算案」の策定・承認・管理を支援する情報共有ツールです。テンプレート機能で、事業部別・プロジェクト別など、自社に合わせた「予算案 テンプレート」を効率的に作成・共有し、フォーマットを統一。
予算策定の根拠となる過去データも一元管理できます。コメントや版管理機能で、各部門からのフィードバック集約や承認プロセスもスムーズ。承認後の予算案はナレッジとして蓄積され、次期予算策定にも活用できます。データに基づいた、説得力のある予算案作成と運用を実現しましょう。
予算案を「作る」から「チームで育て、成果に繋げる」仕組みへ
事業の羅針盤となる予算案の重要性から、すぐに使えるテンプレート、そして説得力のある予算案を策定するためのポイントまでを網羅的に解説しました。
優れた予算案は、過去のデータや市場分析に基づき、客観的で実現可能な数値目標を定めることから始まります。その複雑なプロセスを効率化し、思考を整理し、必要な項目を漏れなく記述するために、本記事でご紹介した『予算案 テンプレート』は強力なツールとなります。
まずは、これらのテンプレートをダウンロードし、貴社の状況に合わせてカスタマイズすることから始めてみてください。そして、策定した予算案をチームで共有し、実行・管理していくことで、机上の空論ではない「生きた計画」として機能するはずです。
テンプレートという確かな土台を活用し、精度の高い予算案で貴社の事業を成功へと導きましょう。
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