GitHub Copilotとは、AIの技術を駆使してコーディングの生産性を上げるツールです。自動でコードを生成できたりチャットで質問できたりと、日々のプログラミングの負担を大幅に軽減します。
本記事では、GitHub Copilotの概要から、使い方や注意点、使いこなすためのコツを解説します。これからGitHub Copilotを導入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
使い方の前に!GitHub Copilotの導入手順
実際に使用する前に、まずはGitHub Copilotを導入しましょう。手順は以下の2ステップです。
- アカウントを開設する
- VSCode(Visual Studio Code)に拡張機能をインストールする
ひとつずつ丁寧に解説します。
1. アカウントを開設する
GitHub Copilotを利用するには、GitHubのアカウント作成が必要です。まだアカウントをもっていない方は、公式サイトにアクセスして開設しましょう。
主な手順は以下の通りです。
- 公式サイトに飛ぶ
- 「Get started with Copilot」をクリック
- 「Copilot Individual」の「Start a free trial」を選択
- サインイン(アカウントがない場合は作成)
- プランを選択して「Get access to GitHub Copilot」
- 請求情報を入力
実際の画面を見ながら一緒に開設していきましょう。
まずは公式サイトに行き、画面真ん中辺りにある「Get started with Copilot」をクリックします。
3つの料金体系が表示されるので、左側にある「Copilot Individual」の「Start a free trial」を選択しましょう。
GitHubのサインイン画面が表示されるので、すでにアカウントをもっている方はサインインしてください。まだもっていない方は、アカウント作成が必要です。
サインインを終えると、以下の画面に移ります。「Monthly plan」と「Yearly plan」があるので、適したほうを選択してください。そして下部の「Get access to GitHub Copilot」をクリックします。
続いて個人情報の入力画面が表示されます。項目に沿って必要内容を入力していきましょう。入力が終わったら「Save」をクリックして次に進みます。
最後は、GitHub Copilotの設定です。注意すべき項目が2つあるので、よく覚えておきましょう。
まずは、上から4つ目の項目「Suggestions matching public code(duplication detection filter)」です。これはパブリックコードの提案に関する内容です。ライセンス違反といったリスクを避けたい方は、「Blocked」を選択しましょう。
続いて、最下部の「Allow GitHub to use my code snippets from the code editor for product improvements」です。こちらは、コードスニペットをGitHub Copilotの改善に利用するかどうかの選択です。コードの共有はリスクにつながる可能性があるので、チェックを外しておきましょう。
2. VSCode(Visual Studio Code)に拡張機能をインストールする
次に、GitHub Copilotを利用するために、VSCode(Visual Studio Code)に拡張機能をインストールします。VSCodeのインストールは済んでいる前提でお伝えするので、まだの方はインストールを先に済ましましょう。手順は以下の4ステップです。
- VSCodeの拡張機能から「GitHub Copilot」と検索
- 「インストール」をクリック
- 「GitHub Copilot」と「GitHub Copilot Chat」がインストールされる
- 右下にアイコンが表示される
VSCodeを開いたら、左側のサイドバーにある拡張機能から「GitHub Copilot」と検索します。出てきたら、インストールをしましょう。
「GitHub Copilot」をインストールすると、検索欄2つ目に出ていた「GitHub Copilot Chat」も同時にインストールされます。
インストール後、画面右下にGitHubへのサインイン要求が表示される場合があります。その際は「Sign in to GitHub」からサインインを済ませてください。
画面右下に可愛いアイコンが登場したらインストール完了です。
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GitHub Copilotの基本的な使い方
続いて、GitHub Copilotの基本的な使い方を見ていきましょう。
- コード補完機能
- チャット機能
以上2つの機能を、実際の操作画面と一緒に解説します。
コード補完機能
コード補完機能とは、コードやコメントを書き始めると自動でコードを生成する機能です。GitHub Copilotのメイン機能であり、書き始めたコードをAIが解析し、次に入力すべきコードを提案してくれるシステムです。
たとえば、関数の定義を開始すると、GitHub Copilotがその関数に関するコードを自動的に生成してくれます。提案されたコードは「Tab」キーを押すと承認し「Esc」キーを押すと拒否可能です。
実際の操作画面を見ながらイメージを掴みましょう。今回は、メールアドレスをチェックするための関数を作成していきます。
まず「def is_valid_」まで入力すると、以下に続きそうなコードが画面のように提案されました。すべてのコードを書かなくても、途中まで入力するだけで残りのコードを提案してくれるのがコード補完機能です。
書き始めたところで提案があったので「Tab」キーをクリックしたところ、残りのコードも完成させてくれました。「Esc」キーを押すと、提案の拒否ができます。
提案は複数してくれる場合があるので、他の提案を採用したいときはコード上部の「>(矢印)」で選択できるのもポイントです。
チャット機能
チャット機能は、チャット形式でコードに関するあらゆる質問ができる拡張機能です。バグの解消方法を質問したりコード生成の指示をしたりできます。
実際に「メールアドレスが正しいかどうかを確認したいときは、どのような関数を作成すればよいですか。」と質問すると、以下のような回答が得られました。
画面のように丁寧な回答を得られるのがGitHub Copilotチャット機能の特徴ですが、優れている点はこれだけではありません。GitHub Copilotでは、チャットで得た回答がそのまま利用できます。
チャット機能で提案されたコードについて、画面の「AIカーソルを挿入します」をクリックするか「Ctrl+Enter」で、右側のファイルにそのまま移せるのが最大の魅力です。
コード全体をコピーしてペーストする必要がなく、クリックひとつで以下の画面のようなコード作成が実現しました。
AIを利用した質問はChatGPTでも可能です。しかしChatGPTだと、回答で得られたコードをVSCodeへコピペする必要があります。
一方でGitHub Copilotは、生成されたコードをそのままファイルに格納できるので、わざわざコピペする必要がありません。コピペという少しの作業ですが、この作業が不要になることでよりスムーズな支援を受けられます。
GitHub Copilotの使い方のコツ
GitHub Copilotは非常に便利なツールですが、最大限に活用するためにはいくつかのコツがあります。
- 関連するファイルのみを開く
- 質の高いコメントを記入する
- 意味のある名前をつける
ポイントを押さえると、より効率的に作業を進められるでしょう。
関連するファイルのみを開く
GitHub Copilotは、現在開かれているファイルの内容をもとに最適なコードを提案します。そのため、関連しない不要なファイルを開いていると、関係のないコードを提案される可能性があります。
作業中のプロジェクトに直接関連するファイルだけを開くようにしましょう。そうすることで提案の質が上がります。
質の高いコメントを記入する
GitHub Copilotは、コメントの内容に沿って提案します。コメントの指示がわかりにくいと、適切な提案がおこなえません。コメントの内容が具体的であればあるほど、提案の質も向上します。
とくにデータの処理や文字列の操作では、例を出すと役立ちます。コメントする際は、大まかな指示ではなく、細かく丁寧な指示を心掛けましょう。
意味のある名前をつける
変数や関数に意味のある名前をつけることも、GitHub Copilotの精度向上に効果的です。名前から推測できなければ、最適な提案が不可能だからです。
しかし、意味がわかっても「user」や「name」などの抽象的すぎる名前も適しません。「UserName」のように、変数や関数の名前から中身が推測できるような、具体的かつわかりやすい名前をつけましょう。
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GitHub Copilotを利用する際の注意点
次は、GitHub Copilotを利用する際の注意点を解説します。
- コードは完璧ではない
- 著作権問題が発生する可能性がある
ひとつずつ見ていきましょう。
コードは完璧ではない
GitHub Copilotは自動でコードを生成する優秀なAIツールですが、すべてのコードが正しいとは限りません。提案されたコードが意図に合っていなかったり、最適化されていなかったりする場合もあります。
提案を受け入れても正確に動作しないケースも少なくありません。提案されたコードをそのまま使用する前に必ず確認し、必要に応じて適切に修正する必要があります。
とくに複雑で大規模なプロジェクトでは、GitHub Copilotの提案が完全に正しいとは限らないでしょう。生成されたコードは常に自分でチェックする習慣をもつのが大切です。
著作権問題が発生する可能性がある
もうひとつ注意すべき点は、GitHub Copilotが出力するコードは著作権が不明瞭であることです。GitHub Copilotのコードは公開ソースコードをもとにしているため、既存のコードと類似している可能性があります。
オープンソースソフトウェア(OSS)は利用や改変、再配布が許可されているソフトウェアですが、著作権侵害にまったく関係ないわけではありません。利用する場合は、公開可能なライセンスのもとで作成されているか確認しましょう。とくに商用利用する場合は注意が必要です。
GitHub Copilotとは
最後は、GitHub Copilotの基本を詳しく解説します。
- 対応コードエディタ
- 対応言語
- 料金体系
- 基本機能・できること
GitHub Copilotを使い始めたばかりの方やこれから利用する予定の方は、ぜひこれらの内容を知っておきましょう。
>関連記事:Microsoft 365 Copilotとは?主な性能や仕組み、活用メリットを解説!
対応コードエディタ
GitHub Copilotは主に、Visual Studio Code(VSCode)と連携して動作します。しかしVSCode以外のコードエディタにも対応しています。
- Azure Data Studio
- JetBrains IDE
- Vim / Neovim
- Visual Studio
これらのエディタに拡張機能としてインストールすることで、GitHub Copilotの機能をフル活用できるでしょう。どのコードエディタでも快適に利用できる柔軟性が特徴です。
対応言語
多くのプログラミング言語に対応している点も、GitHub Copilotのポイントです。
以下の通り主要な言語に対応しているので、Webアプリケーションの開発や機械学習、ゲーム開発などの多様な分野で活躍できます。
- Python
- JavaScript
- TypeScript
- Ruby
- Go
- C#
- C++
料金体系
料金体系もさまざまです。2024年9月現在、以下の3つのプランが用意されています。
- Copilot Individual:10$/月
- Copilot Business:19$/月
- Copilot Enterprise:39$/月
もっとも安いプランで月額10$です。個人開発者向けのプランのため機能は若干制限されるものの、基本的なコード補完機能は利用できます。30日間の無料トライアルも実施しているので、まずは使用感を確かめてみましょう。
また学生や教師、人気のあるオープンソース プロジェクトの保守担当者は無料での利用が可能です。
基本機能・できること
「GitHub Copilotの基本的な使い方」でお伝えした通り、GitHub Copilotの機能は主に2つです。
機能 | 詳細 |
---|---|
コード補完機能 | コードやコメントを書き始めると、自動でコードを生成する機能 |
チャット機能 | コードに関するあらゆる質問をチャット形式でできる拡張機能 |
コード補完機能を利用すれば、複雑なコード作成を自動化できます。バグの解消方法やコード生成に関する質問があればチャット機能で手軽に投げかけられるので、ひとりで悩む必要もありません。優れた2つの機能の活用で、開発プロセスを大幅に削減できるでしょう。
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GitHub Copilotの使い方を理解し開発スピードを上げよう
GitHub Copilotは、コード補完機能やチャット機能で開発者の生産性を上げる有効なツールです。コードが完璧ではなかったり著作権問題が発生する可能性があったりなど、注意すべき点はいくつかあります。しかし、効果的に使いこなすことで、開発スピード向上の実現が可能です。
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