こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
企業の生産性に関する指標は数多くあります。業種に適したものを選びながら、多角的な指標を用いて分析することで、改善すべきポイントを見極められるでしょう。
この記事では、生産性分析に用いる指標とその計算式を紹介します。分析結果をふまえて生産性を改善するための方法についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
生産性分析とは
生産性とは、生産活動に必要な投入資源(労働力・資本など)に対して、得られた生産物(利益・生産量)の割合を意味する言葉です。決算書の数値を用いて人材や機械の貢献度を測れるため、会計部門が経営分析する際の指標として用いられます。
基本となる生産性の計算式
生産性=アウトプット(生産物)÷インプット(投入資源)
この計算式の「生産物」と「投入資源」にどの指標を用いるかによって、生産性の数値は変わってきます。目的にあった複数の指標を使って、多角的に生産性を分析することを「生産性分析」と呼び、経営判断の場面で活用されています。
生産性分析の重要性
日本では少子高齢化により労働人口が減少の一途を辿っているため、投入資源には限りがあります。そのうえ、長時間労働の習慣やDXの遅れが原因となって、日本全体の労働生産性は他国と比較しても低いことが課題です。
IMFによると、2022年の日本の1人当たり名目GDPは世界で32位となっています。日本は2012年には14位、2002年には6位だったため、他国に後れをとっていることが分かります。それを表すように、2022年の実質GDP成長率で、日本は167位まで落ち込んでいます。
日本社会全体で労働生産性の成長率が課題となっている中で、企業としての競争力を高め、求職者に選ばれる将来性のある企業になるためにも、生産性分析は重要です。
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生産性分析に用いる付加価値額の求め方
生産性分析の計算では、アウトプット(生産物)を示す指標として「付加価値額」という数値が用いられることがあります。付加価値額とは、企業が生産活動によって新たに付与した価値のことです。たとえば青果店の場合、品質が優れた野菜の調達や、加工、調理、保管などが付加価値にあたります。
付加価値額の求め方は「控除法」と「加算法」の2種類あります。自社に合ったものを採用することで、企業の状況を正確に把握することが可能です。ここでは、それぞれの計算方法と、算出できる数値の違いについて紹介します。
控除法(中小企業庁方式)
控除法は、売り上げから仕入れにかかった費用を差し引く計算方法です。
<控除法の計算式>**
** 付加価値額=売上高-外部購入価値(原材料費・仕入れ原価・水道光熱費・燃料費などの合計)
控除法の特徴は、水道光熱費や通信費、運送費(交通費)などの諸費用が含まれることです。日銀法と比べると算出するのが簡単なため、一般的には控除法のほうが多く用いられています。
加算法(日銀方式)
加算法とは、生産プロセスで発生した価値を積み上げて計算する方法です。
<加算法の計算式>
付加価値額=人件費+支払利息+賃借料+租税公課+営業純益
加算法では付加価値の要素を1つずつ加算していくため、内訳を把握しやすいことが特徴で、そのぶん計算に時間がかかります。ただし、加算法と控除法は計算結果に差が出るため、控除法をメインで用いる企業でも補助的に加算法が用いられることもあります。
生産性分析の代表的な指標
生産性分析の指標には、「労働生産性」や「資本生産性」のように付加価値額を生産物として計算する方法もあれば、「労働分配率」「労働装備率」「有形固定資産回転率」のように特定の項目を生産物に据える計算方法もあります。他にもさまざまな指標があるため、業種や目的に適したものを選ぶことが大切です。
ここでは、生産性分析の代表的な5つの指標の計算方法を紹介します。
労働生産性
投入資源の指標として「労働者数」または「労働時間」を用いて計算したものが労働生産性です。労働者1人あたり、または1時間あたりの生産量を算出できます。
<労働生産性の計算式>
労働生産性(円)=付加価値額(円)÷労働者数(人)
労働生産性の成長率を補助金の交付条件に据えているのが、中小企業庁が運営する「IT導入補助金」です。IT導入補助金の通常枠を申請するには、1年後の伸び率が3%以上、3年後の伸び率が9%以上の数値目標を作成する必要があります(※2023年度の情報です)。
資本生産性
投入資源の指標として、資本(設備・不動産などへの投資額)を用いて計算したものが資本生産性です。資本の利用頻度が高まるほど、生産性が向上します。
<資本生産性の計算式>
資本生産性(円)=付加価値額(円)÷有形固定資産(円)
労働分配率
労働配分率は、人件費が適正かどうか判断するための指標です。
<労働分配率の計算式>
労働分配率(%) = 人件費(円)÷ 付加価値額(円) × 100
中小企業庁の調査によると、労働配分率の数値は大企業で平均50%、中小企業で平均70〜80%となっています。人件費は過度に多くても少なくても経営に悪影響が生じるため、平均から大きく離れた数値だった場合は見直しが必要です。
労働装備率
従業員1人あたりの設備投資額を算出したものが、労働装備率です。
<労働装備率の計算式>
労働装備率(円)=有形固定資産(円)÷従業員数(人)
財務省の発表によると、2021年度の日本企業における労働装備率の平均は1,146万円となっています。数値が大きいほど設備投資が進んでいるとことを示しています。労働装備率も労働生産性も低い数値となっている場合は、設備投資によって改善効果がある可能性が高いでしょう。
有形固定資産回転率
有形固定資産回転率は、企業が保有する有形固定資産がどれだけ有効活用されているか図る指標です。有形固定資産とは、土地・建物・リース資産などが含まれます。また、建設業では建設仮勘定も有形固定資産の1つです。
<有形固定資産回転率の計算式>
有形固定資産回転率(回)=売上高(円)÷有形固定資産(円)
財務省の発表によると、2021年度の日本企業における有形固定資産回転率の平均は3.04回です。回転率が高いほど有形固定資産が活用されていることを示しているため、リース設備の導入効果を計れます。
生産性の指標を改善する方法
各指標を用いて生産性を計算した結果、数値が振るわなかった場合は、改善に向けて取り組んでいきましょう。ここでは、生産性を改善するための流れをおおまかに紹介します。
【STEP1】業務プロセスの見直し
まずはムダを見つけるために業務プロセスを棚卸して、効率化できる部分を探していきましょう。ITツールや機械を使って自動化できる部分がないか、アウトソーシングできる部分はないか、複数部署で行われている業務がないかなどの観点でチェックしていくことで、改善できるポイントを洗い出せるでしょう。
【STEP2】業務の効率化・標準化を推進
生産性を高められるように、非効率な部分の改善や、誰もが同じ品質のアウトプットができるよう業務を標準化に取り組んでいきましょう。改善した業務内容は、マニュアルとして明文化することも大切です。仕事で分からないことがあったときはマニュアルを参照して自己解決できるため、問い合わせ対応の時間を減らせますし、新人教育もスムーズに行えるようになるでしょう。
生産性向上に向けたマニュアル作成にはNotePMがおすすめ
NotePMは手軽にマニュアル作成ができるツールです。マニュアルだけでなく、日報や議事録など、さまざまな文書の共有に適しています。また、“社内版知恵袋”のような機能もあり、問い合わせ業務の効率化が可能です。検索性が高く、各ページの本文や添付ファイルの中身に含まれているキーワードまで探し出してくれるため、情報を見つける時間を短縮しやすいことも魅力です。
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まとめ
生産性分析に用いる指標は、今回紹介した労働生産性・資本生産性などが代表的です。複数の指標から自社の生産性を測ることで、多角的に分析できます。生産性の指標を改善するには、ムダを見つけるために業務プロセスを見直して、業務の効率化や標準化を進めていきましょう。
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