現在社内で複数のクラウドサービスを利用しており、運用面に不安を感じている方も多いかもしれません。その際に重要なのが、「クラウド管理」の取り組みです。クラウド管理でクラウドサービスの運用を一元化することで、セキュリティリスクや無駄なコストの削減につなげられます。クラウド管理への着手が、経営課題を解決する大きな一歩になるかもしれません。
そこで今回は、クラウド管理の意味や必要なツール、メリットなどについて分かりやすく解説します。また、クラウド管理を始める際の流れも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
クラウド管理とは?
そもそもクラウド管理とは、どのような意味の言葉なのでしょうか。
本章では、クラウド管理の定義や必要なツールについて解説します。
クラウド管理の意味
クラウド管理とは、社内で利用している複数のクラウドサービスを、一元化して管理する取り組みのことです。具体的には、各クラウドサービスの利用率や料金、ID・パスワードの発行状況、トラブルの発生状況などを一つのプラットフォーム上で管理します。「どのクラウドサービスを・いつ・誰が・どのくらい使用しているのか」を正しく把握することで、コストを最適化し、各サービスから得られるメリットを最大化するのが目的です。
クラウド管理に必要なツール
クラウド管理は、専用のツールを用いて取り組むことが一般的です。例えば、メールサービスや会計管理サービスなどのSaaSを一括管理できる「SaaS管理ツール」、複数のクラウドサービスを統括・制御できる「CMP(クラウド管理プラットフォーム)」があります。こうしたクラウド管理ツールを使うことによって、各クラウドサービスの利用状況やアカウント情報、セキュリティなどを一つのインターフェースで管理することが可能です。
※関連記事:【2024年版】SaaS管理ツールおすすめ7選を徹底比較!それぞれの機能やメリットを解説
クラウド管理が重視されている背景
社会環境が大きく変化している今、クラウド管理の重要性も年々増している状況です。
本章では、クラウド管理の取り組みが重視されている背景について解説します。
クラウドサービスの普及率が高まっている
クラウドサービスが登場して以来、多くの企業で活用が進んでいます。令和2年の情報通信白書(※)によれば、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は「64.7%」(2019年)でした。2015年の「44.5%」と比べると、右肩上がりで増えている状況です。また、クラウドサービスの種類も増加しており、ファイル管理や電子メール、社内SNS、スケジュール共有、給与管理など、経営上役立つツールが豊富にあります。今や1社で複数のクラウドサービスを利用するのが当たり前になっており、運用・管理も煩雑になっているのが実情です。
※参考:令和2年 情報通信白書|総務省
不適切な運用がセキュリティリスクの温床に
複数のクラウドサービスを導入する場合、運用が徹底されていないとセキュリティの問題が起こりえます。例えば、退職者のアカウントが削除されないまま放置された場合、第三者から悪用されて情報漏えいにつながりかねません。また、アクセス権限の設定が緩くなっていると、社員の過失でデータの書き換え・消失が起こる可能性もあります。このようにクラウドサービスの管理ミスが、経営上の大きな打撃になるケースも珍しくないのです。
関連記事:クラウドの安全性って大丈夫?安全なサービスの見極め方や有効なセキュリティ対策を解説!
利用料金のムダは可視化されにくい
クラウドサービスは一般的にサブスクリプションモデルが採用されており、利用者数やプランに応じて継続的に利用料金が発生します。退職者のアカウントや利用率の低いサービスが放置されたままでは、無駄なコストが生まれかねません。過剰な利用料金が問題視されないまま、企業の収支に大きな影響を与え続ける可能性もあります。クラウドサービスの運用体制が整備されていない状態は、コスト管理の観点でも高リスクといえるでしょう。
クラウド管理に取り組むメリット
企業がクラウド管理に取り組むことで、具体的にどのような利点があるのでしょうか。
本章では、クラウド管理を実践するメリットについて3つの観点から解説します。
セキュリティリスクを抑制できる
クラウド管理に取り組むことで、サービスごとの利用状況やアカウント情報を可視化できるようになります。ダッシュボード上で退職者のアカウントをすぐに削除できたり、IDやパスワードを一括管理して紛失を防止したり、個々のアカウントにアクセス制限をかけたりすることが可能です。統一したルールのもとで全クラウドサービスが管理されるため、情報漏えいや不正利用といった重大なセキュリティトラブルが起きにくくなるでしょう。
コスト削減につながる
クラウド管理に取り組めば、各クラウドサービスの利用料金や稼働率を可視化できるようになります。その結果、使用していないクラウドサービスや、利用プランに含まれている不要な機能などが一目でわかるようになるでしょう。不必要なクラウドサービスを解約したり、適したプランに変更したりすることで、利用料金の最適化とコスト削減も図れます。
現場の生産性が向上する
クラウドサービスの管理を一元化しない場合、アカウント管理やコスト分析などの運用業務を各部署の社員に委ねてしまうことになります。結果的に、現場の社員がコア業務に集中できなくなってしまう可能性もあるでしょう。その点、クラウドサービスを一括管理するようになれば、現場の作業が減るため、社内全体の生産性も高まります。
クラウド管理の始め方
実際にクラウド管理に取り組む際には、どのような流れで進めればいいのでしょうか。
本章では、クラウド管理の始め方を4つのステップに分けて解説します。
クラウド管理の担当者を選任する
まずは、社内でクラウド管理の担当者を選任します。クラウド管理には一定のITリテラシーが必要で、クラウドの仕組みやコスト構造、セキュリティなどへの理解が欠かせません。そのため、普段から社内のインフラやネットワーク環境を管理している「情シス」が、クラウド管理も担当するのが望ましいでしょう。クラウド管理の専任者が決まっていれば、社内における窓口が一つに集約されるため、現場との連携もよりスムーズになります。
利用中のクラウドサービスを把握する
続いて、現在自社で利用しているクラウドサービスの種類やプランを正しく把握します。これによって、クラウド管理ツールを選ぶ際、利用中のクラウドサービスすべてに対応できるものを選べるようになるでしょう。また、現在の利用状況や料金を知っておくことで、クラウド管理ツール導入後の費用対効果も比較しやすくなります。
自社に適したクラウド管理ツールを選ぶ
自社の状況に応じて、最適なクラウド管理ツールを選定します。ツール選びの観点としては、「自社で利用中のすべてのクラウドサービスに対応可能か」「管理画面の操作性はシンプルで分かりやすいか」「セキュリティレベルは高いか」などが重要です。使い勝手の良いツールを選ぶことで、クラウド管理担当者の負担も軽減されます。
クラウドサービスを精査・変更する
クラウド管理ツールを導入したあとは、各クラウドサービスの利用状況を適宜分析し、契約内容の精査に取り組むことも欠かせません。具体的には、不必要なプランを変更・解約したり、逆に現場にとって必要なサービスを追加したりします。サービスの精査を重ねることで、無駄を削減でき、全社的な利益につなげられるでしょう。
まとめ
社内で複数のクラウドサービスを利用するのが当たり前になっている今、クラウド管理は非常に重要な施策と言えます。クラウド管理に積極的に取り組むことで、セキュリティリスクを抑えられたり、無駄なコストを削減できたりとさまざまなメリットを得られるでしょう。また、クラウド管理をきっかけに契約中のクラウドサービスを見直し、より自社に適したものへ変更・改善することで、社内業務のさらなる生産性アップにつながります。
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