最近では数多くのWebサービスが登場しており、そうしたサービスを活用することがビジネスを加速させます。「コロナ期のSaaS導入変化でふり返る2020年」SaaS利用実態調査レポートによれば、2020年における日本企業のSaaS利用数は8.7個であるのに対して、アメリカでは80個となっています。約9倍の開きがあるのが実情です。
ビジネスを加速し、さらにコア事業に資源を投入するためにもSaaSの利用は欠かせないでしょう。しかし、闇雲に導入すれば良いという訳ではありません。本記事ではクラウドサービスを導入する上での注意点、欠かせない視点を紹介します。
目次
導入目的を明確にする
クラウドサービスは開発が伴わないため、ソフトウェア導入に比べると安価にはじめられます。しかし、安価であるために深く考えずに導入してしまうことがよくあります。そして少しだけ試して放置してしまうような、管理されないクラウドサービスが社内にあふれてしまうでしょう。
そうならないために、まず導入目的と期待する成果を明確にしましょう。そして定期的に成果を見直したり、利用状況を確認して適正な利用が行われているかを監査する必要があります。
導入障壁よりも運用障壁に重点を置く
LayerXの調査によると、SaaS導入も70%以上が操作の難しさなどを課題にに感じているとあります。SaaSではWebアプリケーションのUI/UXに不慣れだったり、サービス毎に操作が異なります。そのため、慣れるまでに時間がかかったり、従業員への教育が必要になります。
また、2つ目の課題として「既存の業務フローとのアンマッチ」も挙がっています。SaaSではカスタマイズは容易ではありませんので、サービスに合わせた業務フロー変革が求められます。これまでカスタマイズしたソフトウェアを導入し、自社のワークフローにソフトウェアを合わせるのに慣れている企業は変化が求められるでしょう。
小規模にはじめる
例えばクラウドストレージサービスを導入しようと思っても、実に多様にサービスが存在します。これらをすべて試して検討するのは困難です。比較サイトもありますが、表面的な事柄が多いので実際の業務にフィットするかは不明です。実際のところ、これらは機能一覧を見た上で、実際に使ってみないと分からないでしょう。
そのためいきなり全社導入するのではなく、特定の部門だけで導入するのをお勧めします。本当に課題感がある人たちだけで試すことで、より実践的にトライできるでしょう。トライアル期間中で、自社に合っているかどうかどうか、必要な機能が十分なレベルで満たされているかどうかを見極めましょう。
自社にフィットするかどうか
クラウドサービスはカスタマイズができないのが一般的です。そのため、あるサービスが合っている企業もあれば、合わない企業もあります。そのため評判が良いからと導入してみたものの、自社には合っていなかったという結果につながることもしばしばです。
これは致し方ないことです。それを理解した上で、導入検討しているサービスが自社にフィットするかどうかを判断しましょう。類似のサービスは多々ありますので、トライアルを繰り返しながら自社にマッチしたサービスを選定する必要があります。
単独利用よりも連携できるかどうか
アメリカでのSaaS利用が多いと書きましたが、これは既存のワークフローにどう組み込めるかを検討しているからです。1つのクラウドサービスですべてをこなすのではなく、小さなサービス群を組み合わせて自社のワークフローを作り上げます。その際に大事になるのはサービス連携です。
例えばAPIであったりSDKが提供されているかどうか、連携サービスが簡単に実現できるかを重視しています。1つのサービスですべてをこなそうと思うと、自社ワークフローとマッチしない部分が必ず出てしまいます。小さなサービスを組み合わせる形であれば、個々に最適なサービスも選定できるでしょう。選定する際には他サービスとの連携ができるかが大事な要件になります。
既存のデータの移行について
一から企業を立ち上げるのでなければ、すでに企業内部にデータは蓄積されていることでしょう。そうしたデータをクラウドサービスへスムーズに移行できるかどうかも選定基準になり得ます。いざ導入してみたら、移行が手作業だったために手間がかかりすぎて放置されてしまったという話もよく聞かれます。
移行についてはクラウドサービスを提供する企業でも重視されるポイントです。そうしたブログ記事やドキュメント、ヘルプなどがあるか事前に問い合わせておくと良いでしょう。
セキュリティを確認しましょう
昨今では多くのセキュリティインシデントが発生しています。事業上の重要なデータが誤って漏洩することがないよう、サービスのセキュリティレベルについて確認しましょう。とはいえ、どれだけセキュリティに気を配っていたとしてもインシデントは起こりえるものであり、目に見えないセキュリティを具体的に表現するのは困難です。
1つのアイデアとして、プライバシーマークやISMS(ISO27001)などを取得しているかどうかが基準になるでしょう。取得しているから問題ないとは言い切れませんが、1つの基準として見ることはできます。
まとめ
自社もSaaSを提供するマネーフォワード社においても背筋も凍るITホラー 気付いたら“野良SaaS”のコストが4倍に 「SaaSのお片付け」真っ最中のマネフォに現状を聞く(1/2 ページ) – ITmedia NEWSという記事が注目を集めるほど、SaaSの管理は難しいようです。導入は容易ですが、それだけに放置されがちなのかも知れません。
SaaSの運用管理は情シス担当者の役割になることが多いようです。適切にデータベース化し、利用状況の可視化などに努めるようにしてください。
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