OneDriveを使ってファイルを共有したいけれど、「どうやって共有すればいいのか」「社外の人にも安全に共有できるのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
OneDriveでのファイル共有は、共有リンクを作成して相手に送るだけで、簡単に複数人でファイルを閲覧・編集できるようになります。閲覧のみ、編集可能、有効期限の設定、パスワード保護など、目的に応じた細かい権限設定も可能です。
ただし、共有設定を誤ると、意図しない相手に情報が漏れたり、大切なファイルが削除されたりするリスクもあります。この記事では、OneDriveでファイルを共有する基本的な手順から、社外ユーザーとの安全な共有方法、セキュリティリスクと対策まで、実務で必要な知識を網羅的に解説します。
この記事を読めば、OneDriveで適切な権限設定を行いながら、安全にファイルを共有できるようになります。
目次
OneDriveの基本的なファイル共有方法
OneDriveでファイルを共有する方法は、大きく分けて3つあります。共有リンクを作成して相手に送る方法、OneDrive上から直接メールで共有する方法、そして複数のファイルをまとめてフォルダごと共有する方法です。
それぞれの方法には、使いやすい場面や設定できる権限の違いがあります。ここでは、各共有方法の具体的な操作手順と、どのような場面で使い分けるべきかを解説します。
リンク送信でファイルを共有する手順
リンク送信は、OneDriveで最も一般的に使われる共有方法です。共有したいファイルのリンクを作成し、メールやチャットで相手に送るだけで、簡単にファイルを共有できます。
Web版のOneDriveでリンクを作成する場合は、まず共有したいファイルを選択し、上部メニューの「共有」ボタンをクリックします。表示されたダイアログで「リンクのコピー」を選択すると、共有リンクがクリップボードにコピーされます。このリンクをメールやチャットツールに貼り付けて、相手に送信すれば共有完了です。
デスクトップアプリを使っている場合も、操作は同様です。エクスプローラーでOneDriveフォルダ内のファイルを右クリックし、「OneDriveリンクの共有」を選択します。これでリンクが自動的にコピーされるので、あとは相手に送るだけです。
リンク送信の利点は、相手がMicrosoftアカウントを持っていなくても、リンクを開くだけでファイルにアクセスできる点です。ただし、リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる設定になっている場合があるため、機密性の高いファイルを共有する際は、後述する詳細設定で共有範囲を制限することをおすすめします。
メールでファイルを共有する手順
OneDrive上から直接メールで共有する方法は、相手のメールアドレスを指定して共有通知を送信できるため、特定の相手にだけファイルを共有したい場合に便利です。
Web版のOneDriveでメール共有を行う場合は、共有したいファイルを選択し、「共有」ボタンをクリックします。表示されたダイアログの上部に、相手のメールアドレスを入力する欄があります。ここにメールアドレスを入力し、必要に応じてメッセージを追加してから「送信」ボタンを押すと、相手にファイル共有の通知メールが届きます。
この方法では、リンクを別途コピーして送る手間が省けるだけでなく、共有相手が明確に記録されるため、誰にファイルを共有したかを後から確認しやすいというメリットがあります。また、共有時に閲覧のみか編集可能かを選択できるため、用途に応じた権限設定も簡単に行えます。
フォルダごと共有する手順
複数のファイルをまとめて共有したい場合は、フォルダごと共有する方法が効率的です。フォルダを共有すると、その中に含まれるすべてのファイルが一度に共有されるため、ファイルを1つずつ共有する手間が省けます。
フォルダ共有の手順は、ファイル共有とほぼ同じです。OneDrive上で共有したいフォルダを選択し、「共有」ボタンをクリックします。リンクをコピーして送る方法も、メールアドレスを指定して送る方法も、ファイル共有と同様に利用できます。
フォルダ共有の注意点は、フォルダ内のすべてのファイルが共有されるため、意図しないファイルまで相手に見えてしまう可能性がある点です。共有前に、フォルダ内に機密情報や共有すべきでないファイルが含まれていないか、必ず確認しましょう。また、フォルダに編集権限を与えると、相手がフォルダ内のファイルを追加・削除・編集できるようになるため、権限設定には特に注意が必要です。
目的別のOneDrive共有設定方法
OneDriveでファイルを共有する際、アクセス権限や共有範囲、有効期限など、細かい設定を行うことで、セキュリティを保ちながら柔軟にファイルを共有できます。
ここでは、閲覧のみ、編集可能、ダウンロード禁止といったアクセス権限の設定方法、特定のユーザーのみに共有する方法、そして有効期限やパスワードを設定する方法を詳しく解説します。
アクセス権限の設定方法
OneDriveでは、共有相手に与えるアクセス権限を細かく設定できます。閲覧のみ、編集可能、ダウンロード禁止など、ファイルの用途や共有相手に応じて、適切な権限を選択することが重要です。
ここでは、それぞれの権限設定の具体的な手順と、どのような場面で使い分けるべきかを解説します。
閲覧のみで共有する設定
閲覧のみの権限設定は、相手にファイルの内容を確認してもらいたいが、編集はさせたくない場合に使用します。社外への資料共有や、情報漏洩リスクを抑えたい場合に有効です。
閲覧のみで共有するには、共有リンクを作成する際に、「編集を許可する」のチェックを外します。Web版のOneDriveでは、「共有」ボタンをクリックした後に表示されるダイアログで、リンク設定の「編集を許可する」のチェックボックスを確認してください。チェックが外れていれば、相手はファイルを閲覧できますが、編集はできません。
この設定により、相手は元のファイルを変更できなくなるため、誤ってファイルが上書きされたり、削除されたりするリスクを防げます。
編集可能で共有する設定
編集可能の権限設定は、複数人でドキュメントを共同編集したい場合に使用します。チーム内でのドキュメント作成や、プロジェクトメンバー間でのファイル更新に適しています。
編集可能で共有するには、共有リンクを作成する際に、「編集を許可する」にチェックを入れます。この設定により、共有相手はファイルの内容を変更したり、新しいファイルを追加したりできるようになります。
ただし、編集権限を与えると、相手が誤ってファイルを削除したり、重要な内容を上書きしたりする可能性もあるため、信頼できる相手にのみ編集権限を与えることをおすすめします。また、OneDriveにはバージョン履歴機能があるため、万が一ファイルが誤って編集された場合でも、以前のバージョンに復元できます。
ダウンロードを禁止する設定
ダウンロード禁止の設定は、ファイルの閲覧は許可するが、相手のデバイスにファイルをダウンロードさせたくない場合に使用します。機密情報の拡散を防ぎたい場合に推奨される設定です。
ダウンロードを禁止するには、共有リンクの設定画面で「ダウンロードを禁止する」オプションを有効にします。Web版のOneDriveでは、「共有」ボタンをクリックした後、リンク設定の歯車アイコンをクリックし、「その他の設定」から「ダウンロードを禁止する」にチェックを入れます。
この設定により、相手はブラウザ上でファイルを閲覧できますが、ダウンロードボタンが表示されなくなります。ただし、完全にダウンロードを防ぐことはできないため(スクリーンショットなどで内容を保存される可能性があります)、あくまで拡散リスクを低減する補助的な対策として考えてください。
共有範囲の設定方法
OneDriveでは、共有リンクにアクセスできる範囲を細かく設定できます。リンクを知っている全員に公開するか、特定のユーザーのみに限定するかを選択することで、セキュリティレベルを調整できます。
ここでは、特定のユーザーのみに共有する方法と、リンクを知っている全員に共有する方法の違いと、それぞれの使い分けを解説します。
特定のユーザーのみに共有する方法
特定のユーザーのみに共有する方法は、メールアドレスを指定して、その相手にだけファイルへのアクセス権を与える設定です。最もセキュアな共有方法で、社外との重要ファイル共有に推奨されます。
この方法で共有するには、「共有」ボタンをクリックした後、相手のメールアドレスを入力します。複数の相手に共有したい場合は、メールアドレスをカンマで区切って入力します。送信ボタンを押すと、指定した相手にのみ共有通知が届き、その人だけがファイルにアクセスできるようになります。
この設定では、リンクを他の人に転送されても、元々指定されたメールアドレスでサインインしなければファイルにアクセスできないため、情報漏洩のリスクを大幅に減らせます。
リンクを知っている全員に共有する方法
リンクを知っている全員に共有する方法は、URLを知っていれば誰でもアクセスできる設定です。社内の不特定多数への共有や、公開資料の配布に適しています。
この方法で共有するには、「共有」ボタンをクリックした後、リンク設定で「リンクを知っている全員」を選択します。この設定では、リンクを受け取った人が、さらに他の人にリンクを転送しても、その人もファイルにアクセスできるようになります。
利便性が高い一方で、リンクが意図しない相手に渡ってしまうリスクもあるため、機密性の高いファイルには使用しないでください。社内の全員に共有したい資料や、外部に公開しても問題ない資料に限定して使用することをおすすめします。
有効期限とパスワードの設定方法
OneDriveでは、共有リンクに有効期限やパスワードを設定することで、セキュリティをさらに強化できます。一時的な共有や、より慎重な情報管理が必要な場合に有効です。
ここでは、有効期限を設定する方法と、パスワードを設定する方法を解説します。
有効期限を設定する手順
有効期限を設定すると、指定した日時を過ぎると共有リンクが自動的に無効になります。プロジェクト期間限定の共有や、一時的な外部共有に有効です。
有効期限を設定するには、「共有」ボタンをクリックした後、リンク設定の歯車アイコンをクリックし、「有効期限の設定」で日付を指定します。設定した日時を過ぎると、リンクにアクセスしようとしても「このリンクは無効です」というメッセージが表示され、ファイルにアクセスできなくなります。
有効期限を設定することで、共有を停止し忘れるリスクを防げます。特に、外部の相手に一時的にファイルを共有する場合は、必ず有効期限を設定することをおすすめします。
パスワードを設定する手順
パスワードを設定すると、共有リンクにアクセスする際にパスワードの入力が求められるようになります。有効期限と組み合わせることで、セキュリティレベルをさらに高められます。
パスワードを設定するには、「共有」ボタンをクリックした後、リンク設定の歯車アイコンをクリックし、「パスワードの設定」で任意のパスワードを入力します。設定したパスワードは、共有リンクとは別の方法(電話やチャットなど)で相手に伝えてください。同じメールでリンクとパスワードを送ってしまうと、セキュリティ効果が薄れます。
パスワード設定は、社外の相手に機密性の高いファイルを共有する際に特に有効です。ただし、パスワードを忘れると相手がファイルにアクセスできなくなるため、パスワード管理には注意が必要です。
OneDriveで社外ユーザーとファイルを共有する方法
OneDriveでは、社外(外部)のユーザーともファイルを共有できます。ただし、社外ユーザーとの共有には、セキュリティ上の注意点があります。
ここでは、相手がMicrosoftアカウントを持っている場合と持っていない場合の共有方法の違い、そして社外共有時に必ず設定すべきセキュリティ項目を解説します。
Microsoftアカウントを持つ社外ユーザーへの共有
相手がMicrosoftアカウントを持っている場合は、そのアカウントを指定して共有することで、よりセキュアな共有が可能です。
共有方法は、「共有」ボタンをクリックした後、相手のMicrosoftアカウントのメールアドレスを入力します。この方法では、相手はMicrosoftアカウントでサインインすることでファイルにアクセスできます。サインインを要求する設定により、誰がいつファイルにアクセスしたかの記録が残るため、社外との共有でも安心です。
また、相手がMicrosoftアカウントを持っている場合、共有したファイルは相手のOneDrive上の「自分と共有」セクションに表示されるため、相手もファイルを見つけやすくなります。
Microsoftアカウントを持たない社外ユーザーへの共有
相手がMicrosoftアカウントを持っていない場合でも、共有リンクを作成することでファイルを共有できます。ただし、アカウントなしでアクセスできる設定は、セキュリティリスクが高まります。
アカウントなしで編集可能な状態で共有する場合は、「リンクを知っている全員」の設定を選択し、「編集を許可する」にチェックを入れます。この設定では、リンクを知っている人なら誰でもファイルを編集できるため、リンクの管理には十分注意してください。
セキュリティリスクを抑えるためには、パスワードと有効期限を必ず設定することをおすすめします。また、可能であれば閲覧のみの権限に制限し、編集が必要な場合は相手にMicrosoftアカウントの作成を依頼することも検討してください。
社外共有時の推奨セキュリティ設定
社外ユーザーとファイルを共有する際は、以下のセキュリティ設定を必ず確認してください。
まず、共有範囲は「特定のユーザー」に限定し、不特定多数がアクセスできる「リンクを知っている全員」の設定は避けましょう。次に、有効期限を設定し、共有が不要になったら自動的にアクセスできなくなるようにします。さらに、パスワードを設定することで、リンクが第三者に渡っても簡単にはアクセスできないようにします。
また、アクセス権限は、必要最小限に留めることが重要です。閲覧のみで十分な場合は、編集権限を与えないでください。機密性の高いファイルの場合は、ダウンロード禁止の設定も併用することで、情報の拡散リスクをさらに低減できます。
OneDriveのファイル共有を停止・解除する方法
一度共有したファイルでも、後から共有を停止したり、特定のユーザーのアクセス権を削除したりできます。共有が不要になった場合や、誤って共有してしまった場合は、速やかに共有を解除することが重要です。
ここでは、共有リンクを削除する方法と、個別にユーザーのアクセス権を削除する方法を解説します。
共有リンクを削除する手順
共有リンクを削除すると、そのリンクを持っている全員がファイルにアクセスできなくなります。リンクを複数の相手に送っている場合は、全員のアクセスが一度に無効になる点に注意してください。
共有リンクを削除するには、OneDrive上で該当のファイルを選択し、「共有」ボタンをクリックします。表示されたダイアログで、既存の共有リンクが一覧表示されるので、削除したいリンクの右側にある「×」ボタンまたは「リンクの削除」をクリックします。確認メッセージが表示されたら、「削除」を選択すれば、リンクが無効になります。
リンクを削除した後は、そのリンクにアクセスしようとしても「このリンクは無効です」というメッセージが表示され、ファイルにアクセスできなくなります。
特定ユーザーのアクセス権を削除する手順
特定のユーザーのみアクセス権を削除したい場合は、個別にユーザーを指定して削除できます。他のユーザーには影響を与えず、特定の人だけ共有を解除できる点が利点です。
特定ユーザーのアクセス権を削除するには、OneDrive上で該当のファイルを選択し、「共有」ボタンをクリックします。表示されたダイアログで、現在共有しているユーザーの一覧が表示されるので、削除したいユーザーの右側にある「アクセス権の削除」または「×」ボタンをクリックします。確認メッセージが表示されたら、「削除」を選択すれば、そのユーザーのアクセス権が削除されます。
アクセス権を削除されたユーザーは、それ以降ファイルにアクセスできなくなります。ただし、削除前にファイルをダウンロードしていた場合、そのローカルコピーは削除されないため、機密性の高いファイルを共有する際は、最初からダウンロード禁止の設定を併用することをおすすめします。
OneDrive共有時のセキュリティリスクと対策
OneDriveでのファイル共有は便利ですが、設定ミスや管理不備により、情報漏洩やデータ損失といったセキュリティリスクが発生する可能性があります。
ここでは、OneDrive共有に潜む主なセキュリティリスクと、それらに対する具体的な対策、そして実際に発生したセキュリティ事故の事例を紹介します。
OneDrive共有の主なセキュリティリスク
OneDriveでのファイル共有には、大きく分けて3つのセキュリティリスクがあります。なりすましによる情報漏洩、不正アクセス、そして人的ミスによる設定・操作ミスです。
それぞれのリスクの内容と、どのような場面で発生しやすいかを理解しておくことが、安全なファイル共有の第一歩です。
なりすましによる情報漏洩
なりすましによる情報漏洩は、共有リンクが第三者に渡ったり、アカウントが乗っ取られたりすることで発生します。特に「リンクを知っている全員」の設定で共有している場合、リンクが意図しない相手に転送されると、誰でもファイルにアクセスできてしまいます。
また、フィッシング詐欺などでアカウント情報が盗まれた場合、攻撃者が正規のユーザーになりすましてファイルにアクセスし、機密情報を盗み出す可能性もあります。パスワードが単純だったり、多要素認証を設定していなかったりすると、このリスクはさらに高まります。
不正アクセスのリスク
不正アクセスは、パスワード漏洩や脆弱性を突かれた攻撃により発生します。OneDriveのアカウント情報が漏れると、攻撃者は正規の経路でサインインし、共有されているファイルにアクセスできてしまいます。
特に、多要素認証を設定していない場合、パスワードさえ分かれば誰でもアカウントにアクセスできるため、不正アクセスのリスクが非常に高くなります。また、公共のWi-Fiなど、セキュリティが不十分なネットワークからアクセスすると、通信内容を盗聴されるリスクもあります。
設定・操作ミスによる情報漏洩
設定・操作ミスによる情報漏洩は、共有範囲の設定を誤ったり、共有解除を忘れたりすることで発生します。例えば、特定の相手にだけ共有するつもりが、「リンクを知っている全員」の設定で共有してしまい、社外秘のファイルが社外に漏れてしまうケースがあります。
また、プロジェクト終了後に共有を解除し忘れると、退職した元社員や、もう関係のない外部の人が、いつまでもファイルにアクセスできる状態が続いてしまいます。こうした人的ミスは、誰にでも起こり得るため、定期的に共有状況を確認する仕組みを作ることが重要です。
OneDrive共有のセキュリティ対策
OneDrive共有のセキュリティリスクを減らすためには、組織として明確なルールを定め、技術的な対策と従業員教育の両面から取り組むことが重要です。
ここでは、利用ルールの策定、アクセス制限とログ監視、そして従業員へのセキュリティ教育という3つの観点から、具体的な対策を解説します。
OneDrive利用ルールの策定
組織でOneDriveを安全に利用するためには、明確な利用ルールを策定し、全従業員に周知することが重要です。特に、社外共有時の承認フロー、共有期限の設定、そして共有範囲の制限について、具体的なルールを定めましょう。
例えば、社外にファイルを共有する際は、必ず上長の承認を得ること、共有リンクには必ず有効期限を設定すること、機密性の高いファイルは「リンクを知っている全員」の設定を使用しないこと、といったルールを定めます。また、共有したファイルは定期的に見直し、不要になった共有は速やかに解除することも、ルールに含めてください。
ガイドライン作成のポイントは、現場の実務に即した実行可能なルールにすることです。厳しすぎるルールは守られなくなるため、セキュリティと利便性のバランスを考慮しながら、段階的にルールを整備していくことをおすすめします。
アクセス制限とログ監視
技術的な対策として、IPアドレス制限や多要素認証の導入、そして監査ログの定期的な確認が有効です。IPアドレス制限を設定すると、特定のネットワークからのみアクセスを許可できるため、社外からの不正アクセスを防げます。
多要素認証は、パスワードに加えてスマートフォンアプリなどでの認証を求める仕組みです。これにより、パスワードが漏れても、第三者が簡単にアカウントにアクセスできなくなります。OneDriveを含むMicrosoft 365では、多要素認証を簡単に設定できるため、必ず有効にしてください。
また、監査ログを定期的に確認し、異常なアクセスがないかをチェックすることも重要です。例えば、深夜に大量のファイルがダウンロードされていたり、退職した社員のアカウントでアクセスがあったりした場合は、不正アクセスの可能性があります。OneDriveでは、誰がいつどのファイルにアクセスしたかの記録が残るため、定期的に確認する習慣をつけましょう。さらに、OneDriveでは標準機能として提供されていない「誰がいつページを見たか」の可視化や未読管理が必要な場合は、NotePMのようなツールを活用することで、情報の伝達状況を把握しやすくなります。
従業員へのセキュリティ教育
技術的な対策だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることも重要です。定期的なセキュリティ研修を実施し、フィッシング詐欺の手口や、共有設定の注意点を周知しましょう。
特に、フィッシングメールの見分け方、パスワードの適切な管理方法、そして共有リンクの取り扱いについては、繰り返し教育することが大切です。実際のフィッシングメールの事例を見せたり、模擬訓練を実施したりすることで、従業員の警戒心を高められます。
また、セキュリティインシデントが発生した場合の報告ルートを明確にし、問題を発見したらすぐに報告できる体制を整えることも重要です。ミスを隠さず報告しやすい文化を作ることで、被害を最小限に抑えられます。
オンラインストレージのセキュリティ事故事例
オンラインストレージのセキュリティ事故は、サービス提供側の問題だけでなく、利用者側の設定ミスや管理不備、セキュリティ意識の欠如が原因で発生するケースが非常に多いです。ここでは、実際に発生したセキュリティ事故の事例を紹介し、どのような対策が必要かを考えます。
事例1: 官公庁での設定ミスによる情報漏洩
複数の省庁がオンラインストレージの共有設定を「すべての情報を公開」設定のまま利用を続け、省庁の内部情報や医療機関利用者の個人情報など、機密にすべき情報が誰でも閲覧できる状態になっていました。インシデント発覚後、直ちに共有設定を修正し、アクセスを制限しました。また、全庁的にクラウドサービス利用時のセキュリティポリシーやガイドラインの見直しと、職員への周知徹底を行いました。
この事例は、OneDriveのようなオンラインストレージで最も起こりがちな「アクセス設定ミス」という人的エラーが原因の典型例です。共有設定の初期値や、設定変更時の確認を怠ると、このような事故につながります。
事例2: 電機メーカーでの不正アクセス
外部からの不正アクセスにより従業員のアカウント情報が窃取され、攻撃者がそのアカウント情報を悪用してオンラインストレージに不正ログインし、取引先に関する情報や個人情報約9,700件が漏洩しました。インシデント発覚後、該当アカウントの停止やパスワードの強制変更、アクセスログの調査を実施しました。再発防止策として、多要素認証の導入を全社的に推進し、不審なアクセスを検知・監視するシステムを強化しました。
この事例は、ID・パスワードの漏洩を前提とした多要素認証が、OneDriveをはじめとするクラウドサービスの基本的な防御策であることを示しています。パスワードだけに頼らない認証の重要性が浮き彫りになりました。
事例3: Box利用企業での共有リンク設定ミス
オンラインストレージ「Box」の共有リンクの設定ミスにより、本来は非公開であるべき多数の企業の機密情報(パスポート情報、社会保障番号、顧客リスト、財務情報など)が、インターネット上で誰でもアクセスできる状態になっていました。問題を発見したセキュリティ企業がBox社および影響を受けた企業に通報し、各企業は共有リンクの設定を見直し、アクセス権限を制限するなどの緊急対応を行いました。
この事例は、オンラインストレージで最も基本的な機能である「共有リンク」の設定ミスが、いかに大規模な情報漏洩に繋がるかを示しています。共有リンクのアクセス権限設定(「公開」設定)に対する理解不足と、従業員へのセキュリティ教育の不徹底が原因でした。
事例4: 福岡県でのGoogleドライブ設定ミス
新型コロナウイルス感染者の個人情報を含むファイルをGoogleドライブで管理していた際、ファイルの共有設定を「リンクを知っている全員」にしてしまったため、個人情報が外部から閲覧可能な状態になっていました。事態発覚後、直ちに該当ファイルの共有設定を停止し、アクセスできないように是正措置を講じました。また、関係各所への報告と謝罪を行いました。
この事例は、公的機関で発生した身近な事例であり、個人情報保護の重要性と、単純な操作ミスが重大な結果を招くことを具体的に示しています。クラウドストレージの利便性の裏にあるリスクを認識する必要があります。
事例5: 製造業でのランサムウェア被害
従業員のPCがフィッシングメール経由でランサムウェアに感染しました。PCがオンラインストレージと常時同期されていたため、クラウド上のファイルも次々と暗号化され、アクセス不能に陥りました。感染したPCをネットワークから隔離し、バックアップからの復旧を試みましたが、一部の最新データは失われました。身代金の支払いは拒否し、専門家と連携して対応にあたりました。主要な設計図や業務データが暗号化されたことで、業務が数日間にわたり完全に停止し、データの一部を損失し、取引先への納期遅延など多大な事業的損害が発生しました。
この事例は、オンラインストレージをバックアップ代わりに利用していても、PCとの同期設定によってはランサムウェアの被害が拡大するという重要な教訓を含んでいます。同期機能の利便性だけでなく、リスク管理の重要性を認識する必要があります。
事例6: 不動産関連会社での内部不正
退職直前の従業員が、在職中に不正に入手した他の従業員のIDとパスワードを使用し、クラウド上の共有ドライブに不正アクセスしました。顧客情報を自身のUSBメモリにコピーし、持ち出しました。同社の役員が情報持ち出しの可能性に気づき、警察に相談しました。捜査の結果、元従業員が逮捕されました。企業はアクセス権限の見直しや退職者のアカウント管理プロセスの厳格化を図りました。氏名や住所などを含む数十人分の顧客情報が不正に取得され、内部不正による情報漏洩事件として報道され、企業の管理体制が問われる事態となりました。
この事例は、外部からの攻撃だけでなく、悪意を持った内部関係者による情報漏洩も大きな脅威であることを示しています。オンラインストレージのセキュリティ対策において、アカウント管理とログ監視の重要性が浮き彫りになりました。
事例7: サービス業でのサードパーティアプリの脆弱性
従業員が業務効率化のために、会社が許可していないサードパーティ製のカレンダーアプリをオンラインストレージと連携させました。このアプリの脆弱性を突かれ、連携を許可したアカウントのファイルが外部に流出しました。インシデント発覚後、全社的に許可なく連携されているサードパーティアプリの利用実態を調査し、該当アプリとの連携を強制的に解除し、連携アプリの承認プロセスを導入しました。顧客リストや社内の機密情報が漏洩し、直接的な被害額に加え、原因究明と対策導入に多くのコストと時間を要しました。
この事例は、オンラインストレージ本体のセキュリティだけでなく、連携する外部アプリが新たなセキュリティホールになりうることを示す現代的な事例です。DX推進で多様なSaaSを利用する企業にとって、非常に参考になる実践的な内容です。
これらの事例から分かるように、オンラインストレージのセキュリティは、サービス提供側の対策だけでなく、利用者側の設定や運用に大きく依存します。単純な設定ミスやアカウント情報の管理不備が、大規模な情報漏洩につながる可能性があります。OneDriveを利用する際は、「誰が、どのファイルに、どこまでアクセスできるか」を常に意識し、定期的に共有設定を見直すことが不可欠です。また、個人でできるパスワード強化や多要素認証の設定に加え、組織として統一された利用ルールを定め、全従業員に周知徹底することが、安全なファイル共有を実現する上で極めて重要です。
【コラム】セキュリティ事故を防ぐための定期チェック項目
セキュリティ事故を未然に防ぐためには、定期的なチェックが欠かせません。月に1回は以下の項目を確認しましょう。1) 不要になった共有リンクを削除する、2) 退職者や異動者のアクセス権を見直す、3) 「リンクを知っている全員」設定のファイルがないか確認する、4) 有効期限が切れていないか確認する。こうした地道なチェックが、大きなセキュリティ事故を防ぎます。
OneDriveでファイル共有ができない場合の原因と対処法
OneDriveでファイルを共有しようとしても、うまくいかない場合があります。共有できない原因は、共有制限に達している、アカウントの検証が求められている、組織が共有を制限している、など複数考えられます。
ここでは、共有できない場合の主な原因と、それぞれの対処法を解説します。
共有制限に達している場合
OneDriveには、1つのファイルやフォルダを共有できる人数や、共有リンクの数に上限があります。この上限に達すると、新しい共有ができなくなります。
共有制限に達しているかどうかを確認するには、OneDrive上で該当のファイルを選択し、「共有」ボタンをクリックします。既に多数の共有リンクが作成されている場合や、多くのユーザーと共有されている場合は、制限に達している可能性があります。
対処法は、既存の共有を整理することです。不要になった共有リンクを削除したり、もうアクセスする必要のないユーザーのアクセス権を削除したりすることで、新しい共有が可能になります。また、多数の人と共有する必要がある場合は、個別に共有するのではなく、フォルダにまとめて共有する方法も検討してください。
アカウントの検証が求められている場合
セキュリティ上の理由で、OneDriveがアカウントの検証を求める場合があります。例えば、普段と異なる場所からアクセスしたり、大量のファイルを短時間で共有しようとしたりすると、アカウントの検証が必要になることがあります。
アカウントの検証が求められた場合は、画面の指示に従って、登録しているメールアドレスや電話番号に送られる確認コードを入力します。確認コードを入力すると、アカウントが検証され、再び共有ができるようになります。
検証手順が分からない場合は、Microsoftのサポートページを確認するか、組織の管理者に問い合わせてください。
組織が共有を無効・制限している場合
企業や組織でOneDriveを利用している場合、管理者が社外共有を制限している可能性があります。セキュリティポリシーにより、社外へのファイル共有が禁止されていたり、特定のドメインとのみ共有が許可されていたりすることがあります。
組織が共有を制限しているかどうかを確認するには、共有しようとした際に表示されるエラーメッセージを確認してください。「組織の設定により共有できません」といったメッセージが表示される場合は、管理者が制限を設けています。
対処法は、組織の管理者に問い合わせることです。業務上必要な共有であれば、管理者に理由を説明し、一時的に制限を解除してもらうか、代替手段を提案してもらいましょう。また、組織によっては、申請フローを経て承認を得れば共有できる場合もあるため、社内のルールを確認してください。
その他の原因と対処法
上記以外にも、OneDriveでファイル共有ができない原因はいくつかあります。例えば、相手がOneDriveアプリをインストールしていない、Microsoftアカウントを持たないユーザーに編集権限を与えようとしている、といったケースです。
相手がOneDriveアプリをインストールしていない場合でも、ブラウザ経由でファイルにアクセスできるため、共有リンクを送れば問題ありません。ただし、編集権限を与える場合は、相手がMicrosoftアカウントでサインインする必要があるため、事前に確認しておきましょう。
また、ファイルサイズが大きすぎる、ファイル名に使用できない文字が含まれている、といった理由で共有できない場合もあります。こうしたケースでは、ファイルを圧縮したり、ファイル名を変更したりすることで解決できます。
OneDriveでファイル共有するメリット
OneDriveを使ってファイルを共有することには、複数のメリットがあります。複数デバイスからのアクセス、オフライン編集、自動バックアップ、そして複数人での共同編集が可能になることで、業務効率が大幅に向上します。
ここでは、OneDriveでファイル共有するメリットを具体的に解説します。
複数デバイスからアクセス・編集できる
OneDriveにファイルを保存すると、PC、スマートフォン、タブレットなど、あらゆるデバイスからファイルにアクセスできます。外出先でスマートフォンから資料を確認したり、自宅のPCで作業を続けたりすることが可能です。
デバイスを問わずアクセスできることで、働く場所や時間の制約がなくなり、柔軟な働き方が実現します。リモートワークや出張が多い職種では、特にこのメリットを実感できるでしょう。
オフラインでもファイル操作ができる
OneDriveでは、オフライン時でもローカルにダウンロードしたファイルを編集できます。インターネット接続がない場所でも作業を進められるため、移動中や通信環境が不安定な場所でも安心です。
オンライン復帰時には、編集内容が自動で同期されるため、手動でアップロードする手間もありません。この仕組みにより、オンライン・オフラインを意識せずに、シームレスに作業を続けられます。
自動バックアップで安心
OneDriveにファイルを保存すると、クラウド上に自動的にバックアップされます。PC故障や紛失時も、データはクラウドに保存されているため、新しいデバイスからアクセスすれば、すぐに作業を再開できます。
また、OneDriveにはバージョン履歴機能があり、過去の状態に復元することも可能です。誤ってファイルを上書きしたり、削除したりしても、以前のバージョンに戻せるため、データ損失のリスクを大幅に減らせます。
複数人での共同閲覧・編集が可能
OneDriveでファイルを共有すると、複数人がリアルタイムで同じファイルを閲覧・編集できます。メールでファイルを添付して送り合う必要がなくなり、常に最新版のファイルで作業できるため、バージョン管理の手間が省けます。
チームでのドキュメント作成や、プロジェクトメンバー間での情報共有が格段にスムーズになります。誰がどの部分を編集したかも履歴として残るため、作業の透明性も高まります。
OneDriveでの共同編集は非常に便利ですが、さらに高度な情報共有を実現したい場合は、NotePMのようなツールを検討することもおすすめです。NotePMでは、OneDriveでは実現しにくい「ファイルの中まで全文検索」により、過去の議事録やマニュアルの中身まで瞬時に検索できます。また、「未読管理・閲覧履歴」により、共有した情報が確実に伝わったかを確認できるため、OneDriveの補完ツールとして活用できます。
共有されたファイルを受け取る側の操作手順
ファイルを共有する側だけでなく、共有されたファイルを受け取る側の操作手順を理解しておくことも重要です。送信側が相手の操作を理解していれば、よりスムーズな共有が可能になります。
ここでは、共有リンクを受け取った側がどのようにファイルにアクセスし、編集するかを解説します。
共有リンクからファイルを開く手順
共有リンクを受け取ったら、リンクをクリックするだけでファイルにアクセスできます。ブラウザが開き、OneDrive上でファイルが表示されます。
共有設定によっては、Microsoftアカウントでのサインインが求められる場合があります。サインインを求められた場合は、自分のMicrosoftアカウントの情報を入力してください。アカウントを持っていない場合でも、「リンクを知っている全員」の設定で共有されていれば、サインインなしでファイルを閲覧できます。
ファイルが開いたら、内容を確認したり、必要に応じてダウンロードしたりできます。編集権限が与えられている場合は、ブラウザ上で直接編集することも可能です。
共有ファイルをダウンロード・編集する方法
共有されたファイルは、ブラウザ上で直接編集することも、ローカルにダウンロードして編集することもできます。ブラウザ上で編集する場合は、ファイルを開いた状態で「編集」ボタンをクリックし、Office Onlineで編集を開始します。
ローカルにダウンロードして編集したい場合は、ファイルを開いた状態で「ダウンロード」ボタンをクリックします。ダウンロードしたファイルは、PCのダウンロードフォルダに保存されるため、デスクトップ版のOfficeアプリで開いて編集できます。
編集権限が与えられている場合は、ブラウザ上で編集した内容が自動的に保存され、他のメンバーにもリアルタイムで反映されます。ローカルで編集した場合は、編集後に再度OneDriveにアップロードする必要があるため、ブラウザ上での編集の方が便利です。
社内のファイル共有を効率的に活用したいならNotePMがおすすめ
OneDriveでのファイル共有は、リンク送信、メール共有、フォルダ共有といった基本的な方法から、アクセス権限や有効期限、パスワードといった詳細設定まで、柔軟に対応できます。社外ユーザーとの共有も可能ですが、セキュリティリスクを理解し、適切な設定を行うことが重要です。
共有設定のミスや管理不備により、情報漏洩やデータ損失といったリスクが発生する可能性があるため、組織として明確な利用ルールを策定し、従業員へのセキュリティ教育を継続的に実施することが不可欠です。また、多要素認証の導入や監査ログの確認といった技術的な対策も併せて行いましょう。
OneDriveは便利なファイル共有ツールですが、チームでの本格的なナレッジ共有や、セキュリティを重視した管理においては限界を感じることもあります。ファイル置き場としてだけでなく、情報を一元的に集約してチームの資産として活用したい場合は、NotePMの導入がおすすめです。
NotePMは、社内マニュアルやナレッジ共有に特化したツールでありながら、強力なファイル共有機能と検索機能を兼ね備えています。検索性やセキュリティ、履歴管理に優れたNotePMを導入することで、安全かつ効率的なファイル共有環境を実現できます。無料トライアルも用意されているため、まずは実際に試してみて、自社の業務に合うかを確認してみてください。


