ビジネスや日常業務の中で、誰かに「お願いごと」をする場面は頻繁に発生します。しかし、口頭だけでは伝達ミスや誤解が生じやすく、信頼関係にも影響を与えかねません。
そういったときに役立つのが、内容を明確に伝えられる「依頼文」です。ただ、いざ書こうと思っても「どのように書けばいいの?」「言葉づかいは?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、用途別にすぐ使える依頼文テンプレートを10パターン厳選してご紹介します。状況に応じて使い分けることで、相手に好印象を与えつつ、スムーズな依頼が可能になります。
目次
依頼文とは
依頼文とは、業務上の依頼事項を相手に正式に伝えるために作成する書類です。依頼の対象は社内の部署間から社外の取引先、個人まで幅広く、業務連絡の正確性と信頼性を保つうえで重要な役割を果たします。
口頭やメールのみでは誤解が生じやすいため、内容を明確に記載した依頼文を作成することで、情報の伝達ミスを防げます。また、依頼の経緯を記録として残すことで、後々のトラブル回避にもつながるでしょう。
依頼書を作成する際は、目的や期日、依頼内容などを過不足なく丁寧に記載し、相手が安心して対応できるように配慮することが重要です。ビジネスシーンにおいて、円滑なコミュニケーションと業務の効率化を実現するためのツールとしても有効です。
依頼文を書く際の注意点
依頼文を書く際の注意点は、以下の5つです。
- 内容を明確に記載する
- 依頼した理由を明確にする
- 期日を記載する
- 相手の状況に配慮する
- 感謝の気持ちを込める
内容を明確に記載する
依頼文では、何をお願いしているのかを具体的に記載することが重要です。曖昧な表現や抽象的な言い回しでは、相手が意図を正しく理解できず、対応ミスや認識のずれを招く恐れがあります。
たとえば「◯月◯日までに、◯◯の資料をPDF形式でご提出ください」といったように、誰が、何を、いつまでに、どのように行うべきかがひと目でわかるように記載することがポイントです。
依頼文においては、相手が一度読むだけで必要な行動を理解できるよう、簡潔かつ要点を押さえた文章構成を心がけましょう。
依頼した理由を明確にする
依頼の背景や目的を簡潔に伝えることで、依頼を受けた相手は内容への理解と納得がしやすくなります。
「なぜ自分が依頼されているのか?」という疑問を持つ方もいるため、依頼に至った理由を補足するだけで、協力的な姿勢を得やすいでしょう。業務上の流れやスケジュールとの関連性を説明するのも有効です。
依頼の理由がわかることで、相手がタスクの優先順位をつけやすくなるという利点もあり、結果として、依頼の実行率や対応スピードが高まる可能性があります。
期日を記載する
依頼には必ず期限(期日)を設けることが重要です。期日がない依頼は後回しにされる可能性があり、業務の進行に支障をきたすかもしれません。
たとえば「◯月◯日17時までに」「今週中(◯月◯日まで)に」といったように、明確で具体的な締切を設定することで、相手のスケジュール管理にも役立ち、責任を持って対応してもらいやすくなります。
また、期日に加えて「遅れる場合はご一報ください」などの一文を添えることで、トラブル回避にもつながり、管理面でも依頼者側の進捗把握が容易になるメリットもあります。
相手の状況に配慮する
依頼する際は、自分の都合だけでなく相手の立場や状況にも配慮することが重要です。たとえば、相手が多忙な時期であることがわかっていれば、「ご多忙のところ恐れ入りますが」といった前置きの言葉を添えるだけで印象が大きく変わります。
とくにビジネスシーンでは、相手との信頼関係がお互いの会社において重要なため、依頼文の中に相手への思いやりを込めることが大切です。
また、急な依頼であれば事前にその理由を説明し、納期に余裕を持たせるなどの工夫も必要です。相手の負担を最小限にすることで、快く引き受けてもらえる可能性が高まり、長期的なビジネス関係の円滑化にもつながるでしょう。
感謝の気持ちを込める
依頼文の最後には、必ず感謝の言葉を添えるようにしましょう。たとえば「お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします」や「ご対応いただけますと幸いです」など、相手への配慮が感じられる表現は、関係性を良好に保つために効果的です。
とくに社外文書では、感謝の姿勢が信頼関係に影響し会社の利益につながる重要な要素です。
些細な依頼であっても、「お手数をおかけいたしますが」といった表現を加えるだけで、相手に与える印象が大きく変わり、信頼関係の構築につながります。
【シーン別】依頼文を書く際のポイントと例文
依頼文を書く際のポイントを、以下3つの目的別に解説します。
- 社外向け
- 社内向け
- 個人向け
それぞれ例文もあわせて紹介しているので、ぜひご活用ください。
社外向け依頼文のポイントと例文
社外向けの依頼文では、信頼感と丁寧さを重視することが大切です。宛名や社名、肩書きなどを正確に記載し、ビジネスマナーに沿った敬語表現を用いましょう。
依頼内容は簡潔かつ明確に記載し、期日や対応方法も具体的に示すことで、相手がスムーズに対応しやすくなります。
また、依頼に至った背景や理由を述べると、より納得感のある文章になります。文末には感謝の言葉を添えるのも効果的です。
例文は以下のとおりです。
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、弊社では現在〇〇の導入を検討しており、貴社製品の資料をぜひ拝見したくご連絡いたしました。
つきましては、〇月〇日までにカタログや導入事例などをご送付いただけますと幸いです。
ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
社内向け依頼文のポイントと例文
社内向けの依頼文では、あまり形式的にならず要点を的確に伝えることがポイントです。相手の役職や部署に合わせた適切な呼びかけを行い、依頼内容や背景、希望する対応期限などを簡潔に記載します。
日頃の感謝や協力への配慮を加えると、より円滑なやりとりが可能になります。
相手の立場に配慮した文章構成を意識し、忙しい中での依頼であることへの気遣いも伝えましょう。
例文は以下のとおりです。
お疲れ様です、営業部の△△です。
現在進行中のプロジェクトに関して、次回会議用の資料作成をお願いできればと思い、ご連絡しました。
資料の詳細は添付ファイルをご確認ください。お手数ですが、〇月〇日までにご対応いただけますと幸いです。
お忙しいところ恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
個人向け依頼文のポイントと例文
個人向けの依頼文では、丁寧でありながらも親しみのある表現を心がけましょう。
相手との関係性に応じて、かしこまりすぎず自然な言い回しを選び、依頼の目的や事情ははっきりと伝えることが大切です。
また、相手の負担に配慮し、無理のない範囲でお願いする姿勢を示すと、快く引き受けてもらえる可能性が高まります。期限や返信希望日なども記載すると、よりスムーズな対応につながります。
例文は以下のとおりです。
〇〇さん、こんにちは。突然のお願いで申し訳ありません。
来週の地域イベントで使うプロジェクターをお借りできないかと思い、ご連絡しました。〇〇さんが以前購入された機材が大変使いやすそうで、ぜひご相談させていただければと思っています。
もし可能でしたら、〇月〇日までに一度ご連絡いただけますと助かります。ご無理のない範囲で構いませんので、どうぞよろしくお願いします。
【無料】依頼文のテンプレート・例文10選
ここでは、すぐに使える無料の依頼文テンプレートと例文を10個厳選してご紹介します。
依頼文の種類 | Wordファイル |
---|---|
資料請求 | ダウンロードする(個人情報なし) |
打ち合わせ依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
確認依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
対応依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
回答依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
紹介依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
承認依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
提出依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
修正依頼 | ダウンロードする(個人情報なし) |
返信催促 | ダウンロードする(個人情報なし) |
依頼文のテンプレートや例文を活用すれば、状況に応じた適切な内容をスムーズに作成できるため、依頼文の作成を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
1.資料請求
資料請求のテンプレート
件名:〇〇に関する資料のご提供をお願いできますでしょうか
本文:
平素より大変お世話になっております。
〇〇についての資料を拝見したく、ご送付をお願いできますでしょうか。
ご対応のほど、何卒よろしくお願いいたします。
資料請求の例文
件名:新サービス「〇〇アプリ」のご案内資料のご提供をお願いできますでしょうか
本文:
株式会社〇〇
〇〇様
いつも大変お世話になっております。株式会社△△の杉山と申します。
貴社の新サービス「〇〇アプリ」に大変興味があり、詳細を確認させていただきたく存じます。
お手数ですが、関連する資料をご送付いただけますでしょうか。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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2.打ち合わせ依頼
打ち合わせ依頼のテンプレート
件名:〇〇に関する打ち合わせのお願い
本文:
お世話になっております。
〇〇の件で一度お打ち合わせのお時間を頂戴したくご連絡いたしました。
ご都合の良い日時をご教示いただけますと幸いです。
打ち合わせ依頼の例文
件名:今後のプロジェクト進行に関する打ち合わせのお願い
本文:
株式会社〇〇
〇〇様
お世話になっております。株式会社△△の山本です。
〇月より開始予定のプロジェクトについて、進行スケジュールの確認を含め、打ち合わせのお時間をいただきたくご連絡いたしました。
ご都合の良い日時を2〜3候補いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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3.確認依頼
確認依頼のテンプレート
件名:〇〇についてのご確認のお願い
本文:
いつもお世話になっております。
添付の資料についてご確認をお願いいたします。
ご不明な点がございましたら、お気軽にご連絡ください。
確認依頼の例文
件名:契約書内容のご確認のお願い
本文:
株式会社〇〇
〇〇様
いつも大変お世話になっております。株式会社△△の斎藤です。
添付の契約書案につきまして、ご確認をお願いいたします。
修正・ご要望などございましたらご遠慮なくお知らせください。
よろしくお願いいたします。
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4.対応依頼
対応依頼のテンプレート
件名:〇〇へのご対応のお願い
本文:
お忙しいところ恐れ入りますが、〇〇についてご対応いただけますでしょうか。
ご多用のところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
対応依頼の例文
件名:システム不具合のご対応について
本文:
〇〇様
お世話になっております。
本日10時頃より、管理画面にログインできない不具合が発生しております。
至急ご確認の上、ご対応をお願いできますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
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5.回答依頼
回答依頼のテンプレート
件名:〇〇に関するご回答のお願い
本文:
いつもお世話になっております。
下記の件につきまして、ご回答いただけますと幸いです。
ご不明点があればご遠慮なくお知らせください。
回答依頼の例文
件名:見積内容に関するご回答のお願い
本文:
株式会社〇〇
〇〇様
いつもお世話になっております。株式会社△△の鈴木です。
先日お送りした見積内容についてご検討いただけましたでしょうか。
ご不明点等ございましたら、お気軽にご連絡ください。
ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
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6.紹介依頼
紹介依頼のテンプレート
件名:〇〇のご紹介についてお願い
本文:
突然のご連絡失礼いたします。
〇〇について、貴社にお心当たりがございましたらご紹介いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
紹介依頼の例文
件名:Web制作会社のご紹介について
本文:
〇〇様
突然のご連絡失礼いたします。株式会社△△の山田と申します。
現在、新規事業の立ち上げに際してWebサイト制作を依頼できる会社を探しております。
もし貴社にて信頼のおける制作会社をご存知でしたら、ご紹介いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
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7.承認依頼
承認依頼のテンプレート
件名:〇〇の承認についてご依頼
本文:
お世話になっております。
〇〇の件につきまして、承認をお願いしたくご連絡いたしました。
ご確認のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
承認依頼の例文
件名:企画書内容のご承認について
本文:
〇〇部長
お疲れ様です。佐藤です。
添付の通り、次期キャンペーンの企画書を提出いたします。
ご確認の上、ご承認をいただけますようお願い申し上げます。
ご不明点などございましたらご連絡ください。
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8.提出依頼
提出依頼のテンプレート
件名:〇〇のご提出についてお願い
本文:
〇〇の書類について、提出期限が〇月〇日となっております。
お手数をおかけしますが、ご提出のほどよろしくお願いいたします。
提出依頼の例文
件名:月次レポートのご提出について
本文:
〇〇様
いつもお世話になっております。
月次レポートの提出期限が近づいております(提出期限:〇月〇日)。
お手数をおかけしますが、期限までにご提出いただけますようお願いいたします。
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9.修正依頼
修正依頼のテンプレート
件名:〇〇の修正についてご対応のお願い
本文:
ご提出いただいた〇〇につきまして、一部修正をお願いできればと存じます。
修正箇所の詳細は以下に記載いたしますので、ご確認をお願いいたします。
修正依頼の例文
件名:パンフレット案の修正について
本文:
〇〇様
お世話になっております。ご提出いただいたパンフレット案を拝見しました。
下記の箇所について修正をお願いできますでしょうか。
・表紙タイトルのフォントを明朝体に変更
・2ページ目の画像を差し替え
ご対応のほど、何卒よろしくお願いいたします。
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10.返信催促
返信催促の依頼文のテンプレート
件名:〇〇についてのご返信のお願い
本文:
お忙しいところ失礼いたします。
先日ご連絡いたしました〇〇の件につきまして、まだご返信をいただいておりません。
お手数ですが、ご確認のうえご回答いただけますと幸いです。
返信催促の依頼文の例文
件名:先日のご連絡についてのご返信のお願い
本文:
〇〇様
お世話になっております。
先日お送りした〇〇の件につきまして、ご確認いただけましたでしょうか。
ご多用のところ恐れ入りますが、ご返信をいただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
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依頼文に関するよくある質問
依頼文に関するよくある質問は、以下の3つです。
- 依頼文を記載する代表的な書類は?
- 依頼文の基本構成は?
- 依頼文で避けたほうがいいフレーズは?
それぞれの回答を確認しましょう。
依頼文を記載する代表的な書類は?
依頼文はさまざまなビジネス文書に活用されますが、代表的な文書は「依頼書」や「申請書」、「案内状」などです。
たとえば、業務の一部を外部に依頼する際には「業務依頼書」、資料提供を求めるときは「資料請求書」が用いられます。また、社内外の協力を求める場面では、案内状や依頼メールの形で依頼文を記載することもあります。
口頭では伝えにくい正式な依頼や、記録を残しておきたい内容においては、書面での依頼文が有効です。
依頼文の基本構成は?
依頼文は基本的に、以下の要素で構成されています。
- 宛名
- 前文(挨拶)
- 依頼の主旨
- 具体的な依頼内容
- 締めの挨拶
- 署名(発信者情報)
まずは相手への敬意を示す前文から始まり、続いて依頼の目的を簡潔に述べたうえで、具体的な要望や期日などを明確に記載しましょう。最後に、協力への感謝を伝えることで丁寧な印象になります。
上記の構成を守ることで、相手に伝わりやすく、誤解のない依頼文を作成可能です。
依頼文で避けたほうがいいフレーズは?
依頼文では、命令口調や高圧的な表現は避けましょう。たとえば「~してください」「言われなくてもわかるとは思いますが」などは、相手に不快感を与えるおそれがあります。
また「お忙しいところ恐縮ですが」といった相手の状況に配慮する表現がないと、嫌な印象を与える場合もあります。
さらに、曖昧な表現や冗長な言い回しも避け、要点を簡潔に伝えることが大切です。相手への敬意と配慮を忘れず、誠実で丁寧な文面を心がけましょう。
テンプレートを活用し魅力的な依頼文を作成しよう
依頼文は、相手に行動を促す大切なビジネス文書です。丁寧でわかりやすい内容に加え、目的や状況に応じた適切な表現を選ぶことで、相手に好印象を与えられます。
テンプレートを活用すれば、はじめてでも構成に迷わず、効率的に作成できるのが大きなメリットです。
今回ご紹介したテンプレートやポイントを参考に、伝わりやすく誠意のこもった依頼文を作成し、信頼感のあるやりとりを実現しましょう。
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