ファイブフォース分析 テンプレート(やり方と具体例)

2024年06月12日(水)

ファイブフォース分析 テンプレート

こんにちは。マニュアル作成・ナレッジ共有ツール「NotePM」ブログ編集局です。
事業の競争戦略を考えるフレームワーク「ファイブフォース分析」のテンプレートと例文をご紹介します。

■ テンプレートの項目
売り手の交渉力、買い手の交渉力、競争企業間の敵対関係、新規参入業者の脅威、代替品の脅威

ファイブフォース分析

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ファイブフォース分析とは

ファイブフォース(Five Forces)分析は、競争戦略理論のマイケル・ポーター氏が提唱する分析方法です。ハーバード・ビジネス・スクールの教授であるポーター氏は「競争の戦略」を著し、経営する上で欠かせない5つの要素について説きました。5つの要素とは、「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対関係」「新規参入業者の脅威」「代替品の脅威」のことです。これらの競争要素を把握し分析することで、将来の業界環境を予測しながら適切な戦略を立てることができるとしています。

ファイブフォース分析の目的

5つの要因は業界の収益性に大きく影響する

5つの要因の影響が大きいほど業界の収益性は低下していきます。これらの要因を深く知ることで、企業は自社を守る手段を考えるのに役立てることができます。

要因を分析することで業界の収益性の構図を理解できる

5つの要因について分析すると、業界全体を取り巻く環境を把握できるため、競合他社に対する自社の優位性を知ることにもつながります。

企業戦略策定や競争戦略策定に活用できる

ファイブフォース分析により今後の見通しが立てば、企業は戦略の見直しや参入の是非などの経営戦略を立てやすくなります。どのような脅威があるのかを予想し対策を備えることで、競争戦略の策定に活用することもできるでしょう。

ファイブフォース分析の基本項目

「売り手の交渉力」

売り手とは、製品を作る際に必要な原材料などの供給業者のことです。業界での業者数が少ない、売り手が独占技術を持っているなど、売り手の交渉力が強い場合は、価格が高くても買わざるを得なくなるため収益性は低下します。

「買い手の交渉力」

買い手とは、自社の製品やサービスを買ってくれる顧客のことです。提供先の相手の交渉力が強いと、低い価格で提供することになり自社の収益性が下がります。提供する製品の差別化ができていない場合や、購買力の大きな法人企業の場合では交渉力が強くなりやすくなります。

「競争企業間の敵対関係」

競争企業間の敵対関係には、同業者が多く存在しているかや、差別化しにくい業界かなどが要素として挙げられます。これらの要素が強いほど、過当競争が起こりやすく収益性が下がります。

「新規参入業者の脅威」

同業界や市場に新規企業が参入してくると、自社のシェアが奪われる可能性があります。特に簡単に参入しやすい業界の場合は、新規参入企業の脅威が大きくなります。

「代替品の脅威」

従来品に替わる新製品の登場は企業にとっての脅威になります。IT技術の革新により、スマートフォンがパソコンと変わりなく使えるようになった例などが分かりやすいでしょう。このように、代替品が台頭してくれば業界の収益性は低下してしまいます。

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ファイブフォース分析の具体例1

IT業界について、「Apple」を例にとってファイブフォース分析をしてみましょう。

売り手と買い手の交渉力

ブランドとしての力が強いAppleは、売り手としての交渉力が強い企業です。そのため、買い手側の交渉力は低くなってしまいます。世界規模で需要が高いAppleは、仕入れに関しても交渉力が強く大規模に行うことができます。ただし、チップなど代替品の少ない部品に関してはその限りではありません。

代替品の脅威
IT業界では常に最新のテクノロジーへの脅威があるため、Appleをもってしても例外ではなく対策を取っていく必要があります。

新規参入業者の脅威
価格の安い中国の製品などが増えているため、新規参入の脅威は常に拭えません。

競争企業間の敵対関係
競合他社がコストを抑えているため、Appleでも低価格の製品を開発するなどの対策を取っています。

ファイブフォース分析の具体例2

ここでは、ハンバーガー業界のマクドナルドを例にファイブフォース分析を解説していきます。

売り手と買い手の交渉力
マクドナルドは世界中に店舗を有しているため仕入れ規模が大きく、食肉などの原料を販売する業界に対して強い交渉力を持っています。一方で、自由にハンバーガーを選ぶことができる消費者に対する交渉力は、必ずしも強いとはいえません。

代替品の脅威
消費者にとっては、ラーメンなどの外食産業やコンビニエンスストアの総菜など、ハンバーガーの代替品は数多くあります。このような代替品はマクドナルドなどのハンバーガー業界にとっては脅威となります。

新規参入業者の脅威
アメリカのハンバーガー業界では「カールスジュニア」などが新規参入しているものの、マクドナルドにとっての脅威にはなっていません。

競争企業間の敵対関係
モスバーガーやロッテリアなど多くの競合他社があるため、競争は激しくなっています。ただし、ハンバーガー業界は成長過程にあるため、ほかの歴史の長い業界よりは競争は激しくないといえます。

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