爪について
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爪は何からできている?
爪は硬いので、骨と同じカルシウムで出来ていると思われがちですが、爪は皮膚や髪と同じタンパク質の一種・ケラチン質で出来ています。
爪は皮膚の付属器官で、皮膚の角質層が硬く変化したものです。
角質化しているので爪は切っても痛くありません。
爪は、タンパク質の一種で出来ている
爪の構造は?
爪は1枚のように見えて、薄い爪が三層に重なって構成されている。
爪の3枚全てはタンパク質の1種であるケラチンで構成され、繊維状になっています。
爪の繊維をそれぞれ表面から
- 背爪(トッププレート)
- 中間爪(ミドルプレート)
- 腹爪(アンダープレート)
と呼びます。
重なり方は、「縦」→「横」→「縦」の順番で繊維が格子状になるように重なっています。
硬いだけじゃなく、柔軟性もあります。
爪の成長速度
夏の暑い時期は、代謝が良くなるため、爪が伸びるスピードも早くなります。
セラピストの皆さんは、爪の長さ・厚みには配慮しましょう。
夏···伸びるスピードが早くなっているので、爪切りの頻度に注意
秋冬···爪周りの乾燥ケアに注意
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健康な成人の伸びるスピード
1日 約0.1mm
1か月 約3〜4mm -
手の爪の厚さ
0.3〜0.8mm -
すべてが生まれ変わるには
3〜4か月程
足の爪は、手よりも約30〜50%ほど遅く伸びます。(1ヶ月 約1.5mm程)
成長は、年齢とともに遅くなる傾向がある。
爪の役割
①保護:
爪は指先の形を整えたり、感染を予防したりしています。
指先や爪床を外部からの衝撃や傷から守ります。
②操作性の向上:
小さな物をつまむ、引っ掻く、剥がすなどの細かい動作を助けます。
人間の手や足の骨は、指先まで達しておらず、爪がないと、一方方向へ向かう力を相殺させる反対の力が効かないため、力を指先に留めることが出来ず、コントロールが出来ないため、上手く力を入れる事ができません。
爪があることで、指先に力を入れられるようになるため、細かい作業も出来るようになっている。
「爪による支えがあること」が、微妙な力の掛かり具合を検知しやすくし、手先の細かい作業、安定して体を支えて踏み込む力を強くする動作に大切な役割を果たしています。
爪がないと、指先に力が入らず、バランスを取ることが困難になり、立つことや歩くことも出来なくなってしまいます。
③感覚の増強:
爪の下の皮膚(爪床)は非常に感覚が鋭敏で、触覚をより敏感にします。
爪があることで触覚が鋭くなるため、感覚器の補助的な役割を果たしています。
手指や足趾の腹側には、知覚神経が密に分布しており、「ものを触った感触」や「力の掛かり具合」を感知するメカノレセプターがあるおかげで体全体のバランスを保つことができます。
④健康の指標:
爪の色や形、質感の変化は、全身の健康状態を反映することがあります。
変化があるからといって必ずしも病気であるとは限りませんが、「爪は健康のバロメーター」とも言われています。
体の栄養や血流の状態が爪の色や形状に表れるため、時に病気を発見することもあります。
爪の多いトラブル
乾燥、ささくれ
手と爪は皮脂量が少なく、外気にさらされているので乾燥しやすい。
手先はさまざまな物に触れたり、水仕事をしたりするため、乾燥や手荒れを引き起こしやすい。爪の割れ、欠け
爪が横や縦に割れたり、欠けたりすることがあります。爪が縦に割れた状態を「爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)」といい、爪の根元まで割れている場合と爪の先端のみ割れている場合があります。二枚爪
爪の先端部分の表面が薄く層状にはがれること。
乾燥や、爪切りによる衝撃でおこる。爪表面の細かい縦線、横に溝ができる
爪甲剥離(そうこうはくり)
爪の先端側が爪床(爪の下の皮膚)から浮き上がり、白く見える状態となったものを爪甲剥離と呼ぶ。
ケア、予防
- ささくれは無理に引っ張らずに切る。
- ハンドクリームをこまめにぬる。
- 手を洗ったらすぐにタオルで拭く
- ネイルオイルを塗る。
- 爪切りではなく、エメリーボードを使う
- バッフィングすると、表面が整う、やりすぎると爪が薄くなるので注意
- ベースコート、爪を補強する