紙の使用量削減について
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印刷・コピー用紙の削減を目指す
松田英文 記
昨年、社員の皆さんには印刷・コピー用紙の削減対応をお願いしたところです。一昨年1年間に購入した印刷・コピー用のA4サイズ用紙の量は、一人当たりなんと、6,700枚/人という信じがたい量の用紙を消費していました。
環境面でのSDGs対応としても、これをなんとか減らそうと、それぞれが身近なところから工夫をしてきたと思います。幹部会議でも、一律の資料配付をやめてモニターで表示して実施するようにしました。
企業のコスト削減という観点からは、紙代は小さな割合ですが、資源節約の象徴的なことがらとして他の分野に広がる要素を持っていると思います。
昨年は?
A4サイズ換算で、354,500枚を購入しました。本社の人数の53人で割ると、まったく前年と同じ6,700枚/人となりました。この1年間、何をしていたんでしょうか?
どうする?
最も多く使用するのが、施工グループの工事に関わる文書類でしょうか。次に経理関連文書も多いと思います。
顧客に提出する書類が多いことは確かですが、今までと同じやり方で何の節約意識も持たないで印刷していては削減できないことが明らかになったと思います。
しかし、実際に提出する文書以外で破棄することになった文書がどれくらいあるかを意識してもらいたい。提出物の何倍もの用紙が無駄になっていればいかに減らすかを考えてもらいたいと思います。
使用量は、請負工事の量によっても変わるので、工事件名が増えれば、当然用紙使用量も増えますがこの2年間ではほぼ同じ出来高です。
会社によっては、コピー機を使用するときに個人ごとのIDカードを入れないと使えない方法を取り入れているところもあります。プリンターの場合も、要求パソコンの種別ごとに集計する機能が付いたものもあるようですが、そこまではするつもりはありません。個人ごとの意識改革を強く求めたいと思います。
どうしても印刷が必要か?
業務種別にかかわらず、これをよく考えて実行して下さい。
電子データで保存して済むものも多くあると思います。
また、裏紙専用プリンターを自分のデフォルト(既定)プリンターに設定していますか?
通常の文書は裏紙専用プリンターを利用しましょう(裏紙は白紙プリンターを利用した後で出来ますが)。
また、できるだけ両面印刷をするようにしましょう。
他社の事例
1. 東光電工社
同業大手の東光電工社では、昨年から紙の資料の削減に取り組んでいるが、その概要は電気新聞の記事によると以下の通りです(2023年1月30日)。
東光電工社事例 (クリックして表示)
東光電気工事が昨年4月から取り組んでいる紙文書削減活動が成果を上げている。紙文書の管理ルールを決め、電子化も加速。 12月時点で全社の紙文書を7割(2021年8月比)減らし、個人所有の文書も半減させた。全社大の削減量はA4サイズに換算して積み上げた場合、東京スカイツリー3本分の高さを超え、約2200メートルに達する。23年度以降も活動を継続。 不必要な紙文書の発生を抑え、業務効率化につなげる。(以下略)なんと、7割の紙文書を削減するという活動です。しかし、積み上げると2,200mになるとは驚きです!
2. マルハニチロ
マルハニチロは、水産品および冷凍食品などを加工・販売する大手食品企業です。以下は、システム開発社によるコメントです。
マルハニチロ事例 (クリックして表示)
マルハニチロでは、多様で新しい働き方を推進するためにペーパーレス対応を「紙改革」と称して推進しています。これまでは全体の約9割を紙の請求書で受領していましたが、Bill One(というアプリ※筆者注)の活用により、年間で24万枚の紙の請求書と、1万2000時間の業務を削減することで、担当者の生産性向上や全社での働き方改革を推進します。年間24万枚の請求書ってすごいですねえ!それに伴う人件費も多いと思われますねえ。
当社でも、協力会社に対する契約・発注・請求業務の電子化を進めているのでまもなく実施されます。
当社でも対応を進める
1.不要資料の廃棄
今回は、保管資料の一部とはいえ相当量の不要な紙資料が存在していたが(下の写真)、廃棄することになった。
当社では、紙ゴミなどは10年前から製紙会社に持ち込んでいるためリサイクル原料となる。
2.手持ち資料の電子化
手持ちの資料の電子化(PDF化)を推進しよう。
紙資料の電子化に強力な助っ人が写真のドキュメントスキャナーです。両面印刷用紙も90枚/分という早さで読み取ってPDFファイルに保存することが出来ます。
私は大いに活用していて、先頃も本社移転工事に関する見積書類4社分1,200ページをあっという間に読み取ってくれました。